< いろんなイベントが3年ぶりってことで帰って来そうな2023年でございます >
まずは、ザックリした歴史のお話。
かつて「神聖ローマ帝国」っていうのがあったんですねえ。世界史のオベンキョでやりましたよねえ。ローマ帝国が分裂して出来た国。
だいたい今のドイツ、オーストリア、チェコ、イタリア北部辺りの大きな国です。
9世紀ごろから領域をいろいろ変えながら存続していた神聖ローマ帝国の中に、1648年からバイエルン選帝侯領っていうのがあったんですね。
1806年、ナポレオン・ボナパルト(1769~1821)によって神聖ローマ帝国が解体されて、バイエルン選帝侯領は「バイエルン王国」になります。
いろいろ戦争を繰り返しながら初代のバイエルン国王になったのは「マクシミリアン1世(1756~1825)」で、バイエルン選帝侯としてはマクシミリアン4世だった人。
4世選帝侯から1世国王です。
で、この国王の嫡男「ルートヴィヒ王太子(1786~1868)」が、「女ったらし」として知られているんでありますよ。
ま、ウソかホントかは知りませんけどね。
いろいろスッタモンダもあったんでしょうけれども、1810年にザクセン=ヒルトブルクハウゼン公の娘「テレーザ(1792~1854)」と結婚っていう運びになります。
ルートヴィヒ王太子っていう人は能天気な性格なのか、結婚式は盛大に行いたいってことで臣下に準備を命じます。
そして10月12日の結婚式に、ミュンヘンのお城の壁の前の「緑地(ヴィーズン)」に国民を集めてビールを提供。
吞めや歌えやの連日で、17日には競馬を催したりして大騒ぎ。
このビールを吞んで、ルートヴィヒ王太子とテレーゼ・フォン・ザクセン=ヒルトブルクハウゼン公女の結婚を大々的にお祝いしたのが第1回の「オクトーバーフェスト」なんだそうです。
第1回の日付について、12日だ17日だっていう言い争いが今でもあるんだそうですね。最初から1日だけのイベントじゃないようですからね、どっちも正解ってことでイイんじゃないでしょうか。
しかも200年以上前の10月ですよ。
とにかく結婚祝賀会として「オクトーバーフェスト」が始まったってことですね。
めでたしメデタシ。
と、ここで1つ、エピソードがあります。
この時代に知られたファム・ファタールに「エリザベス・ロザンナ・ギルバート(1821~1861)」っていう女の人がいます。
このアイルランド生まれって言われている別嬪さんは「ローラ・モンテス」っていう芸名で、エロティックダンスを披露して人気のダンサーだったんだそうです。
男たらしとしても知られています。
資産家、有名人を次々にたらしこんだみたいなんですよ。
数いる愛人のうちの1人がハンガリーのピアニストで作曲家の「フランツ・リスト(1811~1866)」
どっひゃあ、ビッグネーム。リストですよ、あのリスト。ハンガリー狂詩曲の。
美貌の踊り子ローラちゃん、1846年にミュンヘンに旅行します。
で、どこでどういう出会いなのか、バイエルン王になっていたルートヴィヒ1世の愛人になっちゃいます。
男たらしと女たらしの関係は、どうやら完全にローラちゃんの勝ち! だったみたいで、ルートヴィヒ1世に自分を批判していた内閣を解散させたりしているんですね。
ローラちゃん、怖いじゃん。
その他にもいろいろワガママ放題だったんでしょうね。1848年にローラちゃん追放の暴動が起きちゃうんですよねえ。
テレーゼ王妃は一連のルートヴィヒ1世の女性関係には「しょーもなっ」ってことで一切口出しはしなかったそうなんですけど、暴動によってローラちゃんは国外追放。そしてルートヴィヒ1世自身も退位に追い込まれちゃいます。
あらら、ってことなんですけど、えーかげんにせえよ! っていう国民の正しい判断でしょねえ。
追放されたローラちゃんはその後、ロンドンでひと悶着起こしてイギリスにいられなくなって、フランスへ、そこからスペインへ、そしてアメリカへ。
アメリカでもエロティックなスパイダーダンス。最初はニンキだったみたいですけど、次第に落ちぶれてニューヨーク、ブルックリンで寂しく亡くなったそうです。
エピソード、おしまい。
さてさて、なにかとお騒がせだったルートヴィヒ1世だったんですが、結婚祝いとして始めた「オクトーバーフェスト」の方は国民に支持されて残っていくんですね。
ビール祭り! ビバッ!「オクトーバーフェスト」です。
現在の開催期間は10月の第1日曜日を最終日とする16日間っていうことになっているんだそうで、このことについて、ほぼ9月にやってるのに、なんでオクトーバーやねん!? っていう疑問が出されることも多いらしいんですけど、世の中、なんでそんな面倒くさいことを言う人がいるんでしょうか。
これって「オクトーバーフェスト」っていう名前のビール祭りやん! そんでエエやん!
別にいつやってもイイんじゃないでしょうかね。
実際、ヨーロッパのビール祭りっていうのはいろんな国のいろんな場所で開催されていて、春にやっても「オクトーバーフェスト」っていうところもあるらしいですよ。
それにね、ミュンヘンでは「オクトーバーフェスト」っていう名前じゃなくって、テレーゼ王妃の緑地ってことで「テレージエンヴィーゼ」って言ったり「ヴィーズン」って言ったりする方が普通らしいんです。
「オクトーバーフェスト」って、あんまり言わない。
なんでオクトーバーやねん!? っとか言ってるの、誰? 日本人?
戦争やらなんやら、直近ではコロナパンデミックで開催されない年もあったみたいですけど、200年以上続けられている「オクトーバーフェスト」
世界各国に広まってますよね。凄いなドイツビール! ってことなんですけど、「オクトーバーフェスト」で呑まれるビールの銘柄は、正式には地元の6銘柄に決まってるんだそうですね。
「ヴィーゼンビア(緑地ビール」って呼ばれているみたいです。
日本で開催された「オクトーバーフェスト」に何回か行ったことがありますけど、ビールの銘柄、気にしたことないですねえ。馴染みのないドイツビールより、キリンがイイですう。アサヒがイイですう。っとかで呑んでいました。
ジョッキ持ってウロウロして、いろんな形のいろんなソーセージ。旨いでよすねえ。
正式な、って言いますか、正式なんてどうでもイイようなもんだと思いますけど、ビールはね。
1990年にミュンヘン裁判所によって決められている「オクトーバーフェスト」に提供されるビール。
ミュンヘン発祥の6大ブリュワリー。
「アウグスティーナー」アルコール度数6%
「ハッカー・プショール」アルコール度数5.8%
「ホフブロイ」アルコール度数6.3%
「レーベンブロイ」アルコール度数6.1%
「パウラーナー」アルコール度数6%
「シュパーテン・フランツィスカーナー」アルコール度数5.9%
レーベンブロイぐらいしか知りませんですねえ。
でもね、世界レベルでいえば、ビールはドイツでしょってことですもんね。
いろんな色があって、いろんな味わいがあって、旨いです。ドイツビールもね。
1950年からはミュンヘン市長がビール樽の口開けをして「酒が開いたよ!」って宣言するオープニングがあるんだそうです。そして2日目には民族衣装を着てのみんなのパレード。
競馬は1960年以降開催されていないみたいですけど、この頃には世界中に知られるビール祭りになったんですね。
いろんな国で「オクトーバーフェスト」「テレージエンヴィーゼ」です。
楽しいはずのビール祭りなんですが、200年以上も続いて来た中には悲惨なこともあったんですね。
1980年の「オクトーバーフェスト」はパイプ爆弾テロで多数の死傷者が出てしまいました。
そこまで悲惨なことではないながら、毎年「ビアライヒェン(ビール死体)」って言われる急性アルコール中毒者が出てしまうことも問題視されてはいるんですよね。
ビール死体。。。
自己責任でしょ、とはいうものの、2005年には「静かなオクトーバーフェスト」っていう概念が言われ始めて、おバカな酔っ払いパーティーっていうイメージを払拭しようってしているらしいです。
大勢が集って酒を呑むんですからね、けっこうな数の困ったちゃんが出てきてしまうのも、まあね、急性アルコール中毒とかになっちゃうと、「しょーもなっ」じゃ済まないんですけどね。
本場ミュンヘンではコロナパンデミックで中止が続いていたんですけど、2022年に再開されています。
日本国内でも各地で開催されていた「オクトーバーフェスト」なんですが、どうでしょうかね、2023年。
オクトーバーまでにはコロナ、すっかり治まって欲しいところでありますよねえ。
でもまあ、再開されても「ビアライヒェン」にはならないように、くれぐれもね。
大規模で開催される日本の「オクトーバーフェスト」は横浜赤レンガ倉庫前広場が有名ですよね。
日比谷公園、芝公園、昭和記念公園。
またビールの賑わいが戻ってきて欲しいと、切に願う酒呑みなのであります。
へべれけになる前に切り上げますですよ。大人なんですからね。はい。