< 人はなぜ眺望に感動するんでしょうか 言葉にならないような地球の大きさを感じるから? >
宇宙の中の地球。その上に乗っかっている自分。
視界から感動を受け取るにはその景色だけじゃなくって「風」も必要なのかもです。
海をいつまでも眺めていられるのも、砂浜や岸壁で「風」に吹かれながら、だからな気がします。
建物の中からだとイイ眺めだねえ、って思うかもしれませんけど、感動まではいかないんじゃないでしょうか。
景色との一体感がありませんもんね。
世界一の乗降客数ですってギネスに認定されている新宿駅。
雑踏の中に降りて、地上からでも地下からでも、西へ1キロメートルほど行きますと、ひと頃は「バブルの塔」とか揶揄された東京都庁がそびえています。1990年の竣工。
第一本庁舎、第二本庁舎、都議会議事堂の3棟があって、一番高いのは第一本庁舎。高さ243メートル。
夜になるとライトアップなんかされちゃってますよねえ。
なんでお役所なんかをライトアップしてんの? って思ったらですね、東京の観光名所になっているからあ~。なんだそうですね。
インバウンドってこともあるかもですけど、東京観光の客のお目当ては第一本庁舎45階、202メートルの高さにある展望室。上ったことあります?
2つあるんですね。南展望室と北展望室。
両方の展望室は交互に往来できない作り。だから名前も分けているんでしょうけれどねえ、構造上の強度だとか、そんな原因でしょねえ。知らんけど。
それぞれの展望室へは1階から直通エレベータで上ります。所要時間55秒。
都庁の展望室は無料ですよ。そりゃねえ、お役所なんですからね。
富士山が眺められるのは北展望室。東京タワー、東京スカイツリーは南展望室からです。
どっちの方が人気高いとか、そういうのがあるのかどうか、知りませんけれど、ワクチン接種センターになって展望利用が出来なくなる遥か前に北展望室へ上ったことがあります。
曇っていて富士山は見えませんでしたけど、眺望は見事なもんでした。202メートルからの眺めですからね。
都内って意外に緑が多いです。公園なんでしょね。人口の緑。ま、でも、緑です。
コロナ前でしたし、海外からの観光客が多かったです。
お土産屋さん、喫茶店もあってなかなかの賑わいだったんですけど、その環境のせいなのかどうか、眺望に心奪われて、黙って眺めている人っていなかったように記憶しています。
高所平気症ってやつなのかなんなのか、キャアキャア走り回っている子供もいたりなんかして、ひといきれに押し出されるようにしてすぐに下りてきたんですけど、見える眺望は壮大でも、やっぱり風がないんで感動とまではいかなかった、んじゃないかなあって思います。
みんな「わあ、凄~い」とかは言ってますけど、ずっとしゃべってますもんね。
黙って眺望に浸るなんてことはないんですね。感動なんてしてないように思います。
ま、東京ですからね。たしかに凄い眺望ですけどたいがい人工物。そういう理由もあるのかもです。
ビルからの眺望に静かな感動は望めない、として、自然の眺望っていうことに目を向けてみますと、狭いながらもわが日本、けっこうありそうです。
2020年のデータですが、「日本の展望台ランキング」っていうのがあります。
旅好きな人たちの投票結果だそうです。
第1位:「細岡展望台」北海道釧路町
第2位:「摩周第三展望台」北海道弟子屈町
第3位:「大倉山展望台」北海道札幌市
なるほどっていうのか、ベストスリーは北海道が占めていますね。
第2位にランクされた摩周第三展望台っていうのは、3つある摩周湖周辺の展望台の中で一番高い標高だそうで、670メートル。眺望も一番イイっていう人気なんですね。
しかし、3つも展望台があるってことだけで、北海道の大きさ、眺望に対する期待は膨らみます。
第4位:「渋谷スカイ」東京都渋谷区
へ? って思っちゃいますけど、東京に旅してくる人だってたくさんいますもんね。
「渋谷スクランブルスクエア」東棟の45階、46階、屋上が渋谷スカイで、地上230メートル。
都庁より高さはありますけど、展望チケットは大人が2,000円。WEBチケットだと1,800円。
そりゃそうです。料金取ります。企業です。
14階から45階までが「SKY GATE」、46階が「SKY GALLERY」、屋上が「SKY STAGE」、っていう構成になっていてそれぞれのエリアの中にもテーマがあってサービスされているみたいです。
行ったことないんですけど、眺望っていうよりイベント演出が楽しいのかもですね。
第7位:「開陽台」北海道中標津町
ランキングトップ10の半分を北海道が占めているんですねえ。眺望っていう点から考えて、それは当然なのかもですけどねえ。北海道、凄いです。
このランキングでは第7位に入っている中標津町の「開陽台」は標高271メートル。
宣伝文句の1つに「330度の視界」っていう、ん? って思わせる秀逸なキャッチコピーがあります。
展望台からの眺望が武佐岳(むさだけ)っていう標高1005 メートルの火山にさえぎられているってうことで30度欠けているっていうことなんですけど、要は、360度の地平線っていうパノラマが山によって欠けちゃってますけどっていう、逆自慢! なんでしょねえ。
武佐岳、大活躍!
地平線がぐるり見られる場所なんて、日本にないでしょ! 正確には、知らんけど。
「開陽台」には、風、吹いているでしょねえ。季節の風がねえ。
地平線。感動の眺望なんだろうと思います。残念ながら行ったことはないですけど。
佐々木譲のツーリング小説「振り返れば地平線」が発表されたのは1982年。
「開陽台」が出てくるんですよね。それ以来、北海道ツーリングライダーの聖地っていうことになって、全国からライダーがここを目指してやって来る。
私もずっとバイクに乗っておりましたので、計画は立てたことがあるんですけど、流れてしまったんですよね。なんでだったか忘れましたけど。
2階建ての展望台は入場無料。「開陽台」無料です。
いつか行ってみたいと思いつつ、今はもうバイクも手放しちゃいましたし、足腰があ~、目があ~、っていう状態になってますからねえ、なかなか難しい気もします。やっぱりね、行ける体力のあるうちに、多少無理してでも行っておくべきなんでしょうねえ。北海道に限らずですねえ。
「330度」のパノラマも魅力的なんですけど、この「開陽台」へバイクで行ってみたい理由は、なんといっても「ミルクロード」にありますねえ。
ここ、ホントに日本なの? って感じの道路。アップダウンもイイ感じですよねえ。
牛乳を積んだタンクローリーが走る一直線の道ってことで「ミルクロード」町道北19号線。
牧畜が盛んなところですもんね中標津町って。
この真っすぐの道だけじゃなくって周辺の道には、たくさんの「ミルクロード」があるらしいです。
バイク乗りじゃなくたって、この「ミルクロード」の眺めも感動ものだと思いますねえ。
風も吹いているでしょうしねえ。牛の声も聞こえてくるのかもですしねえ。
「開陽台」の中にはカフェがあるらしくってですね、そこの「しあわせのはちみつソフト」っていうのをですね、ぜひ食べてみたいんであります。
牛乳の産地のソフトクリーム。そして麓で採取しているっていうハチミツ。
まあ「しあわせの」っていうのもオーバーな表現じゃないでしょねえ。
静かに黙ってね、夏の風に吹かれながら眺望に圧倒されて、ソフトクリーム。イイんでないかい!
「開陽台」が営業しているのは4月末ぐらいから10月末ぐらいの期間。
そりゃそうでしょねえ。牛さんたちも放牧されていない時期になるんですもんねえ。北海道の冬ですもんねえ。
営業時間は9時から15時30分。10月は1時間ぐらい早く閉まっちゃうみたいです。
でもあれかな、夏はライダーだらけで混んでるかな。春か秋ですかね。
wakuwaku-nikopaku.hatenablog.com