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【ミナミホリネズミ】農業協同組合のみなさんで~す

< なにょう言うとんねん いや、ホンマにおんねんて 農作業する哺乳類 >

人類は新石器時代、1万5千年ほど前に狩猟採集社会から農耕社会に切り替わったんだそうで、これが「第一次農業革命」


発掘される石器が狩猟用のものから農耕用のものに代わっている時期が1万5千年前ってことなんでしょうね。
1万5千年っていうと、ほほう、はるか悠久の時、みたいに感じてしまいますけれど、旧跡時代ってされているのが200万年前からだそうですから、人類って全体の歴史からしてみますと、ほとんど狩猟生活だったわけですね。


とは言いながらですね、1万5千年って、物理的な時間として、もう想像できる長さは超えていますけどね。
何にどう例えれば理解に結びつくのか、さっぱり見当もつきません。


果実とか、草の実とか、お、これは食べられるって気が付いて、最初はそうした樹木や草を追い求めて、狩猟生活ってこともあって移動に次ぐ移動っていう生活だったのかもですよね。
結局、動物が生きるってことは食べることですもんね。

 

 

 


で、そのうち、っていうか200万年ぐらいかけて、この草って自分たちで育てられるってことに気付いたんですねえ。
つまり、なんとなくですけど、この草も自分と同じように生きているんだっていう発見があったんだと思います。
自然に、っていいながら、この草が生きやすい環境を作ってやれば、しっかり育つし、食べられる実の量も増える。
育ちやすくて、実の収量の多かったのが穀類ってことなんでしょうね。


人類の工夫っていうのは、あらゆるジャンルで留まることを知りません。
植物との付き合い方っていうのも、どんどん新しい方法が発見されていきます。
小麦だとかの穀物の収量がある程度確保できるようになると、次の年も同じ場所で同じ穀物を栽培すると育ちが悪いことに気が付きます。


そこで、耕作地を2つに分けて休耕と収獲を交互に繰り返す「二圃式農業(にほしきのうぎょう)」っていう方法が確立されます。


この輪作の方法もどんどん改良が加えられていって、夏穀、冬穀、休耕地の3パターン、「三圃式農業(さんぽしきのうぎょう)」に進化します。


休耕地は放牧に利用するなどして工夫していたそうなんですが、冬場には家畜の飼料が不足して存続が難しくなっていたことに対して、「カブ」の栽培をすることによって、冬場の家畜飼料を確保するとともに、地力回復のために休耕地として遊ばせておく必要もなくなるっていう方法を確立させたのが18世紀のイギリスだそうです。


これが、言ってみれば「第二次農業革命」ってことになるんですが、一般的に「農業革命」っていえば、こっちの、イギリスの農業革命のことを指すみたいです。


イギリスは農業革命、産業革命を成し遂げたすごい国なわけですけれど、こうして時系列を見てみますと、産業革命が起こったのは18世半ば以降、19世紀にかけてってされていますから、農業革命から数十年後、半世紀も経たない内なんですね。
やっぱり、工業だとか、産業のアイディアが生まれてくるのは「腹がくちくなってから」ってことなのかもしれません。


「農業革命」から200年の20世紀。人類の農業に対する工夫は日々続けられていて、化学肥料が出て来て、生育が飛躍的に良くなって、今度は化学肥料、薬品の使い過ぎってことで自然保護っていう問題が出て来て、バイオ革命っていうのがあって、水耕栽培だとか、21世紀、まだまだ農業の可能性を探っていますよね。
さすが人類。


こんなふうに自然を利用する、農業をするっていう生き物は、偉大な脳を持つ人間だからこそ出来るんでしょねえ。
とか、思っていたわけですよ、つい最近まで、人類は。

 

 

ところがですね、2016年に植物を栽培している、つまり農業をしている「アリ」がいるっていう発表がされました。
「フィリドリナガサウ」っていうフィジー島に住むアリの一種は、コーヒーの樹を育てている。


我々が普通に飲んでいるあのコーヒーそのものじゃなくって、コーヒーの仲間ってことみたいですけどね。


そのコーヒーのタネを、フィリドリナガサウは別の種類の樹木の割れ目だとかに運び込んで「植え付け」るんだそうです。
そうして植え付けたタネが発芽すると、フィリドリナガサウはその場所で排泄することにって肥料を与えるんだそうです。


そのコーヒーの仲間が、樹の割れ目で育って実が出来ると、フィリドリナガサウはその実の中に巣を作るんだそうです。
その果実が成長するにつれ、フィリドリナガサウの巣も大きくなっていって、群れも大きくなるんですね。


果実が熟して新たなタネが出来ると、フィリドリナガサウたちは、そのタネを同じ樹の別の場所、あるいは別の樹に運んでいって植え付ける。


実際にはコーヒーの仲間のタネだけじゃなくって、少なくとも6種類の植物を、同じ方法で「栽培」しているらしいんですが、なんとも不思議ですよね。アリと植物の共生ですけど、これはもう、300万年前ぐらいから続いているだろうってことなんです。


フィリドリナガサウの農業が進歩しているのかどうか分かりませんが、人類の濃厚は1万5千年前からです。

 

 

 


ふううん、アリさんねえ。
「働き者だから」
ってキリギリスさんが言ってますけどねえ。


とか言っていたらですね、2022年、今度は「農業する哺乳類発見」っていうのが発表されましたですよ。


その哺乳類っていうのは、アメリカに住んでいる「ミナミホリネズミ」
100メートル以上にもなる長いトンネルを掘って、一生のほとんどをそのトンネルの中で一匹だけで過ごすんだそうです。


食べ物はその自分で掘ったトンネルの中に伸びている植物の根、根茎のみ。地上に出て来て農作物を食い荒らすってことは、まずないっていうホンキで隠れた存在。


トンネルを掘り進めるにしても、そんなエネルギーがちょろちょろ伸びている根だけで足りるんだろうかっていうのが、研究スタートの端緒。
観察を始めてみると、「ミナミホリネズミ」は、自分の排せつ物を肥料として、根や根茎が成長するために与えていたそうなんです。


真っ暗なトンネルの中で、自分で食べる分の植物を成長させている「ミナミホリネズミ」

 

 

 


でも、たぶんおそらく繁殖活動の時期以外は、完全に一匹だけの暮らしらしいですからね。「ミナミホリネズミ」の農業協同組合は、なさそうです。


集団にはならないネズミさん。


地球はまだまだミステリアスですね。

 

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