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【あいうえお】いつもお世話になっております

< 50音っていいますけど 50じゃないよね >

ブログ記事に限らず、文章を書いている人って、たいていキーボードですよね。今はね。
まあ、人によっては音声入力とかやっている場合もあるかもですが、キーをカチャカチャ叩いて入力っていう人が多いんだろうなあって思います。


英語文化圏は昔からタイプライターっていうのがあって、キーボード文化はコンピュータが出てくる前から根付いていましたね。


アルファベットはタイプライターでも1キー1文字ですし、コンピュータでも1バイトデータとして1キー1文字ですから、何の違和感っもなくアナログからデジタルへ移行できたんだろうと思います。


その点、漢字文化圏の日本語はなかなか単純にはいきませんでしたよね。
今でもJISキーボードにはアルファベットのキー1個いっこの右下にひらがなが書かれていて、かな入力も可能になっています。
QWERTY」配列のそれぞれのキーには「たていすかん」のひらがなが書かれています。


一時期は「親指シフト」っていうかな入力の特別キーボードが富士通から出ていましたけど、今はほとんど見ませんね。


かな入力は言うまでもなく、1キー1文字の割り当てです。
違和感のない打鍵入力がウリでしたけど、たいていの人はローマ字入力でした。
最初からみんな、ローマ字入力。ずっと今でもローマ字入力

 


改めて考えてみますと、我々日本人はけっこう複雑な方法で文字入力をしています。


アルファベットのキーを利用して、まずローマ字表記のひらがなで、日本語の単語を入力して、その単語ごと、あるいは文節ごとに適切な漢字に変換、あるいは無変換して通常の日本語文字列を完成させます。


1バイト文化圏の入力と比べますと、2バイトの日本語入力は3段階、あるいは4段階の手間をかけているんですね。
でもまあ、スピードとしてそんなにストレスなく、もうすっかり慣れてしまっていて、複数段階の手間に違和感を持っている人ってほとんどいないんじゃないでしょうか。


日本語はなんとかキーボード文化にマッチしているっていうことですよね。


変換技術っていう工夫の成果です。考えた人、エライッ!
そして、なんの違和感もなくローマ字入力で「あいうえお」を入力している我々、エライッ!


日常生活で普通に使っている日本語「あいうえお」ですが、いつ頃から使い始めているんでしょうね。

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日本人が文字を持つようになったのはいつ頃なのか、ハッキリは分かっていないみたいなんですが、少なくとも卑弥呼の時代には「漢字」を文字として使っていたわけですね。


漢字が中国で使われるようなったのは、紀元前1300年ごろなんだそうで、前漢後漢の漢の時代に出来たから「漢字」っていうんじゃなくって、漢民族の発明した字だから「漢字」っていうことみたいですね。
大発明ですよね。漢字。昔の中国ってホント凄いです。昔のね。


卑弥呼は3世紀半ばの人だってされていますから、漢字が日本に伝わるまでには充分な時間が在ります。


漢字が伝わる前に日本に独自の文字がホントに無かったんだとしても、言葉がなかったわけじゃ、もちろんないわけで、伝わってくるとすぐに漢字を使い始めて、書くっていう文化が始まったっぽいです。


漢字の伝わり方は、当然、漢語として入って来ますね。
古代の為政者たちは、ほぼ中国政策として、バイリンガル的に漢字を使っていたのかもしれません。


日々の出来事や、伝達事項を文字にするっていうのは、かなり発展的なことだったろうとは思いますが、そのために漢語を使いこなせなければいけませんし、その漢語のままでは日本国内全体に充分に伝えることは難しかったであろうことは想像に難くありません。


ま、ホントのところは分かりませんけれども、せっかく文字ってもんがあるんだから、なんとか日本の言葉として使えないかって、まあ、考えて工夫する人が出てきますよね。


で、漢字をそのまま漢語に近い発音で読む「音読」に対して、日本語の発音で読む「訓読」っていう工夫をしたんですね。
「山」っていう漢字の音読は「サン」「セン」なのに対して、日本語に元からあった読みを宛てた訓読が「やま」っていうことですね。


でもまあ、この工夫だけじゃあ全ての言葉を表すことは出来ないので、さらに「借字」っていう工夫を考え出します。
漢字の持っている意味は考えずに、その発音だけを日本語の発音にあてはめるっていうことです。


けっこうムチャな工夫の様にも思えますが、奈良時代ぐらいには「万葉仮名」として浸透したみたいです。


同じ発音の漢字って、当然ながらたくさんありますんで、日本語の「あいうえお」一文字ひともじに、いくつかの漢字が割り当てられて、書く人によって違う漢字が使われているわけですから、かなり混乱もあったんじゃないかなあって思います。
句読点なんてのも、まだ無いんです。

 


まあ、いまさら心配しても何の意味もありませんけどね。
多く使われていたであろう代表的な感じを使って万葉仮名の「あいうえお」を再現してみます。


阿 伊 宇 衣 意


可 支 久 祁 古


左 子 寸 世 宗 


太 知 都 堤 刀


那 二 奴 禰 禰


八 比 不 平 凡


万 民 牟 売 毛


也   由 曳 用


良 里 留 礼 路


和 位   廻 乎


いろいろな研究結果があるんだろうと思いますが、「ん」にあたる字はありませんね。
まあ、そりゃあご尤も、ですよね。一字で「ん」って読む漢字って、たぶんないでしょ。


で、万葉仮名は48文字です。
最初から50音じゃないです。


面白いのは「やゆよ」の部分は「やゆえよ」で、「わを」の部分は「わいえを」だっていうことです。


かなり古い50音表では「やゐゆゑよ」っていう表記を見た記憶があるんですが、その中間みたいな使い方の万葉仮名です。


統一感はないにしても、これで日本語の発音は一語いちご、漢字が割り当てられたわけですね。
この万葉仮名から発展していって「カタカナ」「ひらがな」が生まれて来たみたいです。


ひらがなは平安時代に女の人が使う文字として固定していったってされていますよね。


漢字の形状を基にして作られたカタカナ、ひらがなが完成したことによって、日本の発音1つに対して、ユニークな文字が1つだけ割り当てられることになったんですね、
目出度しめでたしです。


ひらがなを重複しないように並べたものとして知られているのが「いろは歌」ですね。
ひらがなの成立とほぼ時を同じくして作られたんじゃないかってことみたいです。1000年の歴史。


いろはにほへと(色は匂へど)


ちりぬるを(散りぬるを)


わかよたれそ(我が世誰ぞ)


つねならむ(常ならむ)


うゐのおくやま(有為の奥山)


けふこえて(今日越えて)


あさきゆめみし(浅き夢見じ)


ゑひもせす(酔ひもせず)


ってやつですね。知っている人も多いと思います。


で、これ、どういう意味?


知らんがな! ってことらしいです。なんとなく意味がありそうで、なさそうな「今様風」っていう解釈みたいなんですね。


ま、文字を覚えましょう、みたいなふうに使われていたんだとすれば、掛け算の九九みたいなもんかもしれません。
47文字です。やっぱり「ん」はありません。


実際の遊びで使ういろはかるたには「京」って札があったり、「ん」っていう札を無理矢理入れて48字っていうのもあるみたいですけどね。
いろはにほへと、っていうのも50音じゃないんですね。


万葉仮名の「あいうえお」を上述しましたが、万葉の頃には存在していなかったでしょうね。
文字を書く必要が一般的にはなかったでしょうし、覚える必要もないでしょうからね。


ひらがなは「いろは」で浸透していったんだろうと思われます。

 


じゃあ、50無い50音表のひらがなの「あいうえお」はいつ出来たのか。


平安時代末期のお坊さん、明覚っていう人が今の石川県加賀市山代温泉の地で、温泉につかりながらなのかどうかは分かりませんが、サンスクリット、漢語の音韻を悉曇学(しったんがく)っていうので勉強して1093年に作り上げたんだそうです。


山代あいうえお」五十音図のはなしっていうページに乗っている50音図では、

 

あいうえお


かきくけこ


さしすせそ


たちつてと


なにぬねの


はひふへほ


まみむめも


や ゆ よ


らりるれろ


わゐ ゑを



となっていて「ん」を入れて、やっぱり48字です。


「ゐ」と「ゑ」が、わ行に入ってますね。


でも、結局、なんで50無いのに50音っていうんでしょね?


無理矢理、見つけました。
1922年、大正11年北原白秋の詩に「五十音」っていうのがありました。


「これは単に語呂を合せるつもりで試みたのではない、各行の音の本質そのものを子供におのづと歌ひながらにおぼえさしたいがためである」


なのだそうであります。


水馬(あめんぼ)赤いな。ア、イ、ウ、エ、オ。

浮藻(うきも)に小蝦(こえび)もおよいでる。


柿の木、栗の木。カ、キ、ク、ケ、コ。
啄木鳥(きつつき)こつこつ、枯れけやき。


大角豆(ささげ)に醋(す)をかけ、サ、シ、ス、セ、ソ。
その魚(うを)淺瀬(あさせ)で刺しました。


立ちましよ、喇叭(らつぱ)で、タ、チ、ツ、テ、ト。
トテトテタツタと飛び立つた。


蛞蝓(なめくじ)のろのろ、ナ、ニ、ヌ、ネ、ノ。
納戸にぬめつて、なにねばる。


鳩ぽつぽ、ほろほろ、ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ。
日向のお部屋にや笛を吹く。


蝸牛(まゐまゐ)、螺旋卷(ねぢまき)、マ、ミ、ム、メ、モ。
梅の實(み)落ちても見もしまい。


燒栗(やきぐり)、ゆで栗。ヤ、イ、ユ、エ、ヨ。
山田に灯のつく宵の家。


雷鳥は寒かろ、ラ、リ、ル、レ、ロ。
蓮花が咲いたら、瑠璃の鳥。


わい、わい、わつしよい。ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ。
植木屋、井戸換へ、お祭りだ。


ふううん。これまた「いろは歌」と同じように、意味があるのか無いのか、って感じのことば遊びみたいな感じもしますが、「ん」が入らずに50音です。


赤いアメンボって見たことないですけどね。
そもそも「水馬」をアメンボって読めるレベルの子供だったら、音の本質とか、今さらって気もします。


や行とわ行が注目のしどころでしょうか。
結果、ユニークにはなっていないんでしたあ!


50っていう数は謎です。

 

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