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【アラジンと魔法のランプ】誰もがなんとなあ~く知っているお話 ではありますが

< こするヤツ あれな 蓋付きの「グレイビーボート」やんか なんで「ランプ」っちゅうてんねん? >

まあ、世の中は常にいろいろあるもんでございまして、変化へんかの連続であります。

 

発表しないよ、っていう発表がありました。


インターネット上での商品売買、ECセールなんていうのが出始めてからそんなに年数経過を感じないうちに、中国ではアリババの「ダブルイレブン」とか言っちゃって、11月11日は「独身の日」っていうんで世界の耳目を集めたのが2009年のことでした。
それ以来ずっと、11月11日になるとハデハデなカウントダウンイベントがネット中継されてきましたよね。


日本での報道ではアリババはこの日1日でユニクロの売り上げ〇日分! スンゲエ~! ってことで盛り上がるのが当たり前になっていましたね。
電光掲示板の数字がグルグル回って、ちゃんと桁を数え直さないと売り上げがいくらなのか、すぐには把握できないような金銭イベントになっていました。


ただ、11月11日に発表していた売上金額は1日だけのものじゃなくって、10月下旬ぐらいから始まっているキャンペーン全体の売り上げ合計なんだそうです。
ま、ドエライ金額であることには何の影響もないですけどね。
こんだけの金額が動くんですよ。凄いでしょっていう、そういう定例イベントになっていましたです。


ところが、中国の事情っていうのもコロナ禍によってだいぶ大きく変わってしまったみたいで、2022年の秋、11月11日、恒例になっていた「流通総額(GMV)」の発表をしないことにしたんですね。

 

 

 


「独身の日」っていうネーミングもさることながら、賑やかしの巧さっていうのを感じていたんですが、どうもね、さしもの中国も経済下降は避けられなかった。
例年に比べてアリババの売り上げが下がってしまうことが見えているんだから、盛り上げようもないっていうことで、中止、ってことだったんでしょうかね。発表しませんです。


中国の経済界は不動産不調、さらにゼロコロナ政策による労働人口の離散問題なんかも伝えられています。


コロナ後の世界としては中国、ロシアの経済状況がどういうふうに影響してくるのか、なかなか予想できない難しいものがあるんでしょうね。
っていうか、もう、すでに物価上昇っていう形で影響を受けている我々です。


アリババの業績っていうのが中国経済に占めている割り合いは小さくないでしょうし、ゼロコロナ政策っていうのを止める気配もない感じですけどね。
アリババ、大弱り。


話はズレちゃいますけど、中国企業の名前もけっこう英語名が多いですけど、アリババっていうのはかなりユニークな企業名ですよね。


すぐに思い浮かぶのは「アリババと40人の盗賊」っていうアラビアンナイトの話です。


創業者の馬雲(ジャック・マー)がアメリカ滞在中に、ふっと思いついた名前なんだそうですけど、誰でも知っている名前だっていうことと、言語によらず発音がだいたい同じだから、どこでも通じる言葉だからアリババにしたんだそうですね。


でも、盗賊の名前じゃん!


って思ったら、アラビアンナイトを改めて調べてみると違うんでしたねえ。
アリババって盗賊の名前じゃないんです。


そだよ、アタリマエじゃん! っていう人。アンタはエライ!


ディズニー映画にもなっていますからね、アリババが盗賊の頭目なんかじゃないってことを知っている人も多いんでしょうけど、ずっと勘違いしておりましたですよ。
アリババ、悪いヤツ、ってな感じで、「開け、ゴマ」しか知らない感じだったんですよねえ。


アラビアンナイトの話としては真面目な働き者のアリババが、40人の盗賊たちの宝の隠し場所近くに偶然居合わせて、岩の扉を開く「開け、ゴマ」っていう呪文を知ってしまうっていうものなんでした。


しかも普通に「開け、ゴマ」っていうのに何の疑問も持っていませんでしたが、実際のアラビアンナイトに書いてある呪文っていうのは「シムシム、お前の門を開けろ」


あっれ~? シムシムってなんやねん! って感じですよね。カッコ良くないです。


まあね、シムシムっていうのはアラビア語のゴマっていうことで、何も違いはないんですけど「シムシム、お前の門を開けろ」じゃあねえ、ちょっと冴えませんよねえ。
「開け、ゴマ」って訳した日本人、エライッ!

 

 

 


しかしまあ、凄いのはアラビアンナイトで、物語の舞台はササーン朝ペルシャってことですんで、3世紀から7世紀ごろの話みたいなんですけど、暗号自動ドアのアイディアがこの頃のこととして語られているっていうことに、ちょっとビビります。


アラビアンナイト千夜一夜物語はササーン朝時代から伝えられていた物語が8世紀ごろからまとめられ始めて、1704年にはフランス語版が出版されて、1706年には英語版、それからかなり遅れて日本語に翻訳されたのは1875年だそうです。


明治8年ですね。ま、鎖国状態の江戸時代には、アラビアンナイトを知っている日本人がいたとしても、翻訳まではし難かったでしょうからね、明治になってようやく初お目見えだったわけですね。


だいぶ前に学校の図書館本で何話か読んでいるはずなんですけど、すっかり記憶の彼方です。


で、今回調べてみて、はは~ん、そだったかねえって思ったのが、千夜一夜物語は千と一話、つまり1001話の話があるわけじゃないってことなんでした。


大帝国だったササーン朝ペルシャの王様が妃の不貞を知って、首をはねるところから始まって、女性不信から国中の処女を夜ごと城に招いて一夜を過ごすと、翌朝には首をはねて殺し続けたので、若い女性が極端に減ってしまうことになった。


困り果てた大臣の娘、シェーラザードが名乗り出て、心配する父親を説得して王のもとへ行って、話の続きを聞きたくなろうような面白い話を千夜と一夜、語って聞かせましたっていうのがアラビアンナイトだと思っていたんですが、アラビア語の原本には35話、282夜分の話しかないんだそうです。結論みたいなものもない。


まあ、282話っていう数も少なくはないんですけど、なんせ千夜一夜だって思っていますからね。ちょっと少な過ぎませんかってな感じになっちゃいます。


18世紀のヨーロッパの人たちも同じように感じたみたいで、なんだかいつの間にか、あっちの話、こっちの話をくっ付けて、1001話の「完成品」にしたみたいなんですね。
〇〇版、△△版っていうのがいくつも出ているのは、そのせいもあったんですねえ。


出版っていうのも商売ですからね、売れる千夜一夜物語が正解ですってことで、時代が進んで来たんでしょうかね。
今は、282夜の話から1001夜の話まで、いくつものバージョンが出ているみたいです。


それでですね、アラビアンナイト千夜一夜物語の中の知っている話しはなんですか? 

っていう質門に対しての答えは「アリババと40人の盗賊」「アラジンと魔法のランプ」が圧倒的に多いんだそうですけど、この2つの話はアラビア語原本に無い話、なんだそうですよ。


つまり後付けで加えられた、あっちからこっちから集められた話の2つってことです。


アラビア語原点には無い物語。そういう話を「孤児の話(orphan tales)」っていうんだそうですけど、原本には282夜分しかないんですから、孤児の話の方が多いわけですよね。


「アリババと40人の盗賊」って聞けば、ああ、知ってますよ。って軽くいう人でも、タイトルは知っているけど、内容は覚束ないっていう人も少なくないんじゃないでしょうか。
アリババ、盗賊の頭目じゃないです。悪いヤツじゃないんですよ。


「アラジンと魔法のランプ」しかりです。


この話も映画になっていますからね、知ってまっせ、っていう人も少なくはないのかもですけど、知ってます? どんな話なのか。


魔法のランプをこすると、魔人が出て来てジャジャジャジャーン!
ハクション大魔王でしょ。
ってまあ、たしかにね、似ているところもありますね。


魔人が出てくるあのランプのことなんですけどね、あれ、ランプじゃないでしょ。
グレイビーボートでしょ。
グレイビーソースを入れてテーブルに出すヤツ。

 

 

発展系としてなのか、参照系としてなのか、カレーのルーを入れる銀色のヤツもありますよね。
カレーに使われるのはよく見ますよね。あれ、グレイビーボートです。


なんでアレを「ランプ」って言ってんでしょ?


カレーのルーを入れるグレイビーボートに蓋はないですけど、アラジンがこする「ランプ」には蓋が付いていますけどね。本のイラストではね。


正式には「アラジンと魔法のグレイビーボート」っていうべきなんじゃないの?


って思ったらですね、いいえ、あれは「ランプ」でイイんですよ、ってことなんでありました。


グレイビーボートの中に灯油を入れて、紐の芯を入れる。グレイビーボートの先の方、注ぎ口っぽく、てろ~んって下がっている部分まで芯を伸ばして、蓋をする。
毛細管現象で灯油を吸い上げてくる芯に火を灯す。
はあい、明かりが灯って、ちゃんとした「ランプ」なんですよお。


へええ、そっか、そうやって使うのか、って今頃やっと知った事実なんでありますけど、どうですか? 知ってました?


ずっと、なんでアレがランプやねん!? って思ってましたです。


なんかですね、アラビアンナイト千夜一夜物語って、有名なんだけど、その中身について、実は全然分かっていなかったっていう現実に気付いてしまったんでありました。


アラジンもね、魔人に助けられて、お金持ちになって、目出度しめでたし、なんですよね。
ん? 実は違うのかな?

 

 

 


知っているつもりになっていることって、意外に多いのかもです。アラビアンナイトの他にもですね。


ハンバーグ好きのハクション大魔王って、ジーニーの子孫?


コロッケ好きのアクビちゃんのファンでしたですう。