< ここまで来ると、べつせかい なるほどねえ ってことなんだろうなあ >
東京駅から新幹線で新函館北斗駅まで264分、862.5キロメートル。
新函館北斗駅から特急北斗で南千歳駅へ、178分、256.8キロメートル。
南千歳駅から特急おおぞらで釧路駅へ、234分、304.5キロメートル。
釧路駅からJR花咲線で厚床駅(あっとこえき)へ、104分、90.5キロメートル。
厚床駅から40キロメートル北上すると北海道別海町尾岱沼の白鳥台です。タクシーで40分ぐらいでしょうか。
1989年にJR北海道標津線が廃止になってしまったんで、今現在、別海町に駅はないんですね。
まあ、そういうのも一興です。ホンカクテキな旅っぽいです。
東京駅からですと、だいたい14時間ぐらいですね。1554.3キロメートルです。
朝8時ごろ出発したとしても到着は夜の10時を回りそうですから、釧路辺りで一泊してっていうのが現実的な旅の計画ってことになるでしょうかね。
飛行機を使っても時間的にはそんなに変わらないみたいです。
遠いんですねえ。別海町の白鳥台です。
でもですね、別海町観光協会のコピーは「ここまで来ると、べつせかい Betsukai Tourism Association」です。
べつかい、べつせかい。
そうなんだろうなあって、別世界に納得させられるナイスコピーですよね。景観に期待です。
ここ白鳥台には「別海北方展望塔」っていうのがあって、「四角い太陽」が観賞できることで知られていますよね。
四角い太陽が拝めるのは冬の朝だってことで、かなり寒そうなので行ったことはないですねえ。
四角い太陽っていうのは蜃気楼の一種なんだそうです。
快晴の日の翌日の朝、放射冷却で海面の温度が上空の温度よりも低くなって、空気が通常のバランスではなくなるので光の屈折も変わってしまう。
上ってきた太陽の光が屈折する現象を四角い太陽って名前で呼んでいるわけですが、必ずしも四角いわけじゃなくって、壺形に見えたり、ハート形になったりすることもあるそうです。
寒さの厳しい時期、2月ごろに観賞のチャンスが多いんだそうですが、確立としては5%ほど。
四角い太陽でネット検索しますと、けっこう多くの写真を見ることが出来ますね。人気の高さがうかがえますけど、しっかり四角いなあっていう写真は、やっぱりねって感じで地元の人の撮影みたいです。5%ですもんねえ。
ラムサール条約登録湿地の「風連湖」もあるこの別海町は、根室振興局管内野付郡の町です。
2022年時点での人口は14,391人。酪農と漁業の町で、1万頭の肉牛、乳牛はなんと11万頭。人の8倍の牛がいるんですね。
明治、森永、雪印メグミルク、そして地元のべつかい乳業興社とメーカーが揃っていて、牛乳が町の特産品になってますね。
生乳生産量、日本一の別海町。
日本一なのは生産量だけじゃなくって、旨さも日本一、っていうのが別海町の自慢です。
世界で二番目、日本で一番の透明度。摩周湖は別海町の北西側にあります。
その伏流水を毎日100リットルから150リットル飲んで育つのが別海町の牛。
牛ってそんなに水を飲むんですねえ。150リットルですかあ、ビックリです。
そしてなんといっても澄んだ空気、ふりそそぐ太陽を浴びてのびやかに育つ牧草。
人の8倍もの数の牛がストレスなく暮らしていける条件が揃っているってことで、牛乳の旨さも日本一。
別海町は日本で3番目に広い町なんですよね。
ちなみに日本で1番広い町は北海道足寄郡足寄町、2番目は北海道紋別郡遠軽町。
1、2、3、全部北海道です。むふふ、やっぱりね、でっかいどう! なんですよね。
ところで別海町の読みは「べっかい」って小さい「っ」なのか「べつかい」で普通の「つ」なのかについてですけど、町議会でいろいろ議論が戦わされて来たそうです。
で、2009年、どっちもオッケー! ってことが決まったみたいです。良かった好かった。のかな。
んでもって「べつかい乳業興社」の牛乳は「別海ジャンボ牛乳」として提供されているんですよねえ。
これ、ご当地グルメってことなんですけど、なんでジャンボなのか。
それは500ミリリットルのジャンボサイズ。ジョッキで出てくるから~。
ごくごく飲めますよってことですねえ。旨そうですよねえ。
そんでもって、この「別海ジャンボ牛乳」は単独でご当地グルメってことじゃなくって、別海町の町おこしとして、別海ジャンボグルメ推進協議会が推しているのは「別海ジャンボ牛乳&別海ジャンボホタテバーガー」なんですよね。
これがナツネコさんが【ラッキーピエロ】のコメントで教えてくれた「別海ジャンボホタテバーガー」ですねえ。
面白いなあって思うのは、どうやらまず、最初にあったのは牛乳みたいなんですね。
牛乳とホタテ。ジャンボにジャンボ。
「べつかい乳業興社」は、今は販売終了したみたいなんですけど「べつかいのこめちち屋さん」っていう飲み物を作ったりしているんですね。
「玄米が発芽するときに蓄えていた栄養分を活性化して生命活動を開始させた発芽玄米と人参をペースト状にして、オリゴ糖と良質な生乳をミックスした健康飲料です」
ってことなんですが、ん~、飲んでみたかったですねえ。復活しませんかね。
今は「べつかいの牛乳屋さん」「べつかいのアイスクリーム屋さん」「べつかいの牛乳屋さん とろとろプリン」だとか、やっているみたいですよ。
さて、そのジャンボ牛乳ありきの「別海ジャンボホタテバーガー」なんですが、町の人たちの工夫の結果、ってことではあるんですが、やっぱりね、素材の勝利ってところが大きいのかもしれませんよね。
ジャンボホタテ。
別海町の野付で獲れた2エルサイズ以上の肉厚ホタテ。ジャンボってことには素直に肯けます。
なにしろ北海道のホタテです。あこがれの食材ですよね。
でもハンバーガーにホタテ、なの? って思います。
これがもう、地元の人たちの工夫です。旨く食べるには、旨いハンバーガーにするには、っていう「勘」みたいなものがあるんじゃないでしょうか。
ジャンボホタテはフライとかカツじゃなくって揚げ春巻きスタイル。
むむう、ホタテの春巻き、揚げ春巻き。
春巻きの皮で包むと、揚げるときにホタテの水分で揚げ油がすぐにダメになっちゃうことがなくなって、味としても引き立った。
で、なんといってもご当地グルメですからね、別海町産の野菜のマリネ、森永乳業別海工場産のモッツァレラチーズのスライスなんかがオープンサンド形式で出されるんで、それを、手順書を見ながら自分で四角いバンズに挟んで出来上がり、ってことなんですね。
手順書なんて言うと大袈裟ですけど、ま、イラスト見ながら挟むってことなんだと思います。
バンズが四角いのは、やっぱりね、四角い太陽からきているんでしょうね。
で、また、そのバンズなんですが、北海道産の小麦を、水じゃなくって別海牛乳で練って作る、っていう決まりがあるんだそうです。
「別海ジャンボ牛乳&別海ジャンボホタテバーガー」は2008年に出来たそうなんですけど、ルールがあって、「提供は4点セットで行うこと」なんだそうです。
ふううん、そなんですか、って思いますけど、これは食べる側じゃなくって、作る側、提供する側のルールですね。ご当地グルメですからね、個々の店っていうより「別海」っていう特徴を優先する狙いのルールなんでしょねえ。
4点セット、その1。「別海ジャンボ牛乳」
でしょねえ。ジャンボですよねえ。まずは牛乳がないとねえ。
その2。「別海ジャンボホタテバーガー」
これまた、でしょねえ。ジャンボですよねえ。2エルサイズ以上ですもんねえ。
その3。「北海道産フライドポテト」
なるほどですねえ。北海道ですからね、じゃがいも、外せませんよねえ。バーガーとの相性もバツグンですからねえ。
その4。「各店オリジナルサイドメニュー」
ほっほう。やっとここで各お店の勝負どころがあるんですね。
で、「別海ジャンボホタテバーガー」のソースも各店のオリジナルだそうです。
絶対に旨いでしょうね。間違いないですよ、これ。
ただ気になるのは、お店に行って注文する時、「別海ジャンボ牛乳アーンド別海ジャンボホタテバーガーください」って言うんでしょか?
いくらジャンボだっていっても、名前、長過ぎませんか。
「ジャンボセット」とか言ったりするんでしょうか。
ちょっとググってみたらですね、特に縮めた言い方はしていないみたいですけど「ミルクガールセット」っていうのが「別海ジャンボ牛乳アーンド別海ジャンボホタテバーガー」っていうメニューに並んでいるお店が少なからずありますよ。
なんやねん「ミルクガールセット」!?
こりゃ実際に行って確かめるしかないでしょ。
でもねえ、片道14時間。4日間か5日間コースですよねえ。ゴールデンウィークぐらいしか狙えませんかねえ。
でも、現地で食べたいですねえ。
四角い太陽の季節は拝めなくとも、はい~、べつせかいジャンボです~。別世界かあ。
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