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【稟議書っていう名前の芋焼酎】あれこれ呑んで旨い酒に出会う 酒呑みの幸福を考える

< 推しの銘柄は個々人の嗜好っていいながら 人気の多寡っていうのがあるですねえ >

旨い焼酎の話です。


春夏秋冬、まあね、のべつ呑んでいるんですけど、酒の旨い季節って「秋」だなあって思うんであります。


居酒屋の店内にエアコンの風が吹いていない季節。
春もそうなんですけど、冬の寒さから解き放たれた明るさ、軽さは、どこか賑やかですよね。春は。
賑やかで悪いことは何もないんですけど、どこか浮ついている空気感っていうのが、秋の涼やかさと比較として、じっくり吞むっていう満足感が、春は薄くなるように思うわけです。


とかね、理屈を言ってはみるものの、年がら年中、秋じゃなくたって呑んでいるんでありますけどね。

秋はサカナも旨くなる季節なんですけど、ホントは季節とか気にしていない!


特にこだわりの強いタイプの酒吞みではないつもりでおりまして、酒ならなんでもいきますし、これでなきゃダメっていう銘柄なんていうのもないんですね。


そんな酒呑み生活をずっと続けておりますが、時々、ホントに旨いなあって思える酒に出会えます。


酒の好みなんて、人それぞれだっていうのは、酒呑みなら誰だって実感していることだろうって思いますけど、どうですか? これ以外は呑まないよ、なんていう銘柄があったりましますか?

 

 

 


焼酎に絞って話をしますとね、呑み屋さんに2つのパターンがありますよね。


焼酎の四合瓶をキープして吞むっていう店もけっこうあります。まあ、中には一升瓶をキープなんて店もあります。
こういう店には多くて10種類ぐらいの焼酎が置いてあって、その中から選ぶわけですね。
3、4種類っていう呑み屋さんが多数派かもしれないです。


焼酎にもいろいろ種類があって、メインは芋、麦、黒糖、米ってところでしょうか。
芋と麦はたいていの呑み屋さんで扱っていますけれど、黒糖、米も扱っている店となると少ないかもです。
他にもトウモロコシ、ゴマ、ジャガイモだとか、変わり種を特徴として置いている店もありますけれど、レアですね。


ボトルをキープして呑むパターンの店ですと、そのボトルが空になるまでは、1つの銘柄を呑むことになりますよね、その呑み屋さんで呑むときは。


ボトルが空いたら別の銘柄を、っていう人も居なくはないですけれど、たいてい前と同じ銘柄をキープし直しますよね。
まあ、ボトルが空になるタイミングが呑んでいる途中でやってくるっていうのがほとんどでしょうから、途中で別の銘柄に替えるっていうよりは、前と同じっていう選択になるんだろうと思います。


それでなきゃダメ、イヤダっていうのとは、ちょっと違うのかもしれませんけれど、結果的に呑む銘柄が固定されちゃうパターンですね。
居酒屋さんとか、焼き鳥屋さんに多いでしょうか。


もう1つある呑み屋さんのパターンは、一升瓶で40種類も50種類も置いてあって、グラス売りがメインの店ですね。
焼酎バーとかがこれですね。


こういう店ではたいていの場合、ずっと同じ銘柄ばっかりを置いているんじゃなくって、新しい銘柄が出て、店の人がオッケーって判断したら、増やすか入れ替えるってことをやっています。


こういう焼酎バーでも、同じ銘柄を続けて吞んでいる人もいますけれど、たいていの酒呑みは、一杯ごとにあれだこれだって替えながら焼酎を楽しんでいます。


どっちがイイとかワルイってうんじゃないんですけど、個人的には新たな銘柄との出会いを楽しみにしながら、ショットのロック焼酎をやっています。冬でもロック。


20度、25度、30度の焼酎がほとんどなんですが、原酒だとか、泡盛になると40度を超えるものもありますね。


泡盛は焼酎じゃないでしょうって言われるんですけど、ま、区別はしていないです。
酒類とかも、こだわりないです。


いろんな店に出入りして、お、知らんなあっていう銘柄が置いてあれば試してみます。
これまでに何種類を吞んで来たかなんて、さっぱり判りませんです。


どれぐらいの種類なのかは判りませんけれども、おお、これは旨いねえっていう銘柄は記憶に残っていますねえ。
機会があれば、絶対また呑みたい焼酎。


ここでは3つ、あげてみたいと思うんですが、3つのうち2つはめったにお目にかかれない焼酎なんですよねえ。

 

 

 


3つのうち、まあ、どこにでも置いてあるのが、「薩州 紫の赤兎馬
どうでしょう、みなさん知ってますよね、呑んでますよね。


蔵元、鹿児島県いちき串木野市の「濱田酒造」には3種類の蔵があるんですね。
「伝兵衛蔵」「傳藏院蔵」「金山蔵」
そのうちの「伝兵衛蔵」で蒸留しているのが「赤兎馬


「薩州 赤兎馬」っていうのが、いってみればノーマルの赤兎馬ってことになるでしょうか。
凄くスッキリしている芋焼酎で、口の中に広がる透明感がなんとも気持ちイイ味わいです。
実はこのノーマルの赤兎馬と出会ったことによって、あれ? 焼酎って旨いじゃん、って思ったんですね。
焼酎ライフスタートのきっかけになった銘柄です。


しばらく赤兎馬ばっかり吞んでいました。ノーマルの「薩州 赤兎馬


それからちょっとして、季節限定ってことで出てきたのが「薩州 紫の赤兎馬
黄金千貫と紫芋、白麹の逸品。


ノーマルの透明感にほどよいフルーツ感が加わって、クイッと吞めて、しっかり味わえる。
自分勝手な高級感で、とっても満足。


今は季節限定とかじゃなくって、通年で置いてあるようになっていますね。


焼酎をそんなに呑んだことないっていう人にピッタリの優しさでありながら、酒呑み連中にも支持される、間違いのない焼酎だと思います。


「薩州 赤兎馬 玉茜」っていうのも出てきましたが、これは、個人的になんだかなあっていう感じです。
香りを欲張り過ぎているんでしょうかね。少し、うるさいです。


「薩州 紫の赤兎馬」が置いてあれば今でも、しっかりいただいております。


で、なかなか出会えない2つの銘柄のうちの1つが「青酎(あおちゅう)」です。
新宿には専門店があるんだそうですが、そこへは行ったことないですねえ。


メニューにはあるんだけど、「いやあ、まだ入って来てないんだよね」っていう居酒屋さんと、「今度見つけたら買って来ま~す」っていう焼酎バーで、ごくごくたまに、いただくだけなんですねえ。「青酎


なんでか。


生産量がそんなに多くないし、流通している量がそもそも極少!
東京都で蒸留している焼酎なんですけどね。


日本で一番人口の少ない村、って言われている東京都青ヶ島村
青ヶ島村で造っている焼酎だから青酎です。芋と麦がありまして、麦が旨いです。サイコーに旨いです。


って言ってもですね、人口160人ぐらいだっていう青ヶ島には、なんと10人以上の杜氏さんがいるらしくって、青酎にもけっこう種類があるみたいなんですね。
そのうちの5種類ぐらいしか呑んだことがありませんので、何がどうって言えるほどの経験がないんであります。


しかしですね、人口が160人の島に、焼酎杜氏が10人も居るって、なに? 焼酎の島?


って思ったら、どうやらそう言ったとしても当たらずとも遠からず、みたいなんです。


青ヶ島杜氏さんって、ほとんどが女性みたいなんですね。まあ、他の醸造所、蒸留所にも女性の杜氏さんはいるでしょうけれど、かなり女性率の高い青ヶ島の焼酎事情です。


なんでそうなったかっていいますと、歴史があるんでした。


海の仕事をしている自分の夫のために、芋でも麦でも、奥さんが仕込む。それが青ヶ島の伝統ってな焼酎文化らしいんですよね。
へええ、ですよね。美しき夫婦愛。


なので今でも、各家庭の味っていうのが青酎なわけです。


「父ちゃんのために蒸留してるんだから、よそ様の分まではな~いのよね。そんなにいっぱい造れないし」


で、そんなに出回ってないわけなんです。


そもそも青ヶ島ってどこにあるか知ってます?
青酎を吞むようになってから調べたんで知っているんですけど、青ヶ島っていう名前自体、普通は知らないんじゃないでしょうかね。


東京都、伊豆諸島の青ヶ島八丈島からフェリーかヘリコプターで行くしか手段のない遠い島なんです。
そりゃまあ、流通もしづらいですよね。フェリーの欠航率も高いんだそうです。


青酎の芋も旨かったんですが、青酎の麦は、まあ、なんといいますか、クイクイいけちゃう危険なタイプの焼酎なんでありますよ。水が違うんでしょうかね。スカッと突き抜ける旨さです。


その青酎の麦。このところご無沙汰していますんで杜氏さんの名前も忘れちゃいましたけど、女性でしたね。母ちゃん青酎でした。
まあ青酎のほとんどは母ちゃん焼酎なんでしょうけどね。


機会があったら、ぜひチャレンジしてみてください。ハズレはないんじゃないかって思いますよ。


そして、もう1つ。


おお、これ旨いじゃん、って思ったら品切れで、今度いつ入って来るか分からないっていうのが「蔵内極秘稟議書」っていう芋焼酎。濁りです。無濾過ってやつですね。

 

 

稟議書とか、また変な名前付けたもんだねえって、ちょっと斜めに疑いの目、水色の一升瓶を眺めながら口にしたら、あら? これは「生(き)」でいきたい焼酎ですねえ。
青酎同様に、危険なレベルの呑みやすさ。


旨い焼酎っていうのは、蒸留方法がどうとか、麹はなにとか、そういう蔵元の創意工夫とは全く関係なく、するっと呑めてしまうものなんですよね。


「蔵内極秘稟議書」は、どんな呑み方をしてもいけるだろうと思いますけど、常温で、そのままいくのがサイコーだと思います。
一口ひとくちが満足感にあふれる芋焼酎です。


焼酎初心者には「芋臭いかもしれません」っていうことなんですが、「蔵内極秘稟議書」を芋臭いなんて感じる人は、その場で転んでしまいなさい!


宮崎県の芋焼酎なんです。
日南市の「酒蔵王手門」っていう会社の焼酎。


創業明治28年だそうですから、老舗ですね。
その明治の頃の芋焼酎を、現代によみがえらせたいっていう「稟議」が、この「蔵内極秘稟議書」自体ってことなんだろうと思います。


「一昨年よりの悲願であった明治創業時の焼酎を今一度醸してみたい一心で、現製法に更なる改良を加え挑み造りました本焼酎は、実に美味く古き懐かしい明治の風に触れた感覚を覚え、久方ぶりに我ながら万感の想いであります。是非とも皆様にも、明治の風を感じていただければと存じます」


っていう稟議書が一升瓶に括りつけてあります。


「酒蔵王手門」っていう蔵元の名前は今まで知りませんでした。って言ってもですね、蔵元とか気にして呑んでいません、っていうのがホントのところなんですけどね。


「酒蔵王手門」には、なんだかユニークな名前の焼酎がたくさんあるみたいです。


芋焼酎 献上銀滴」
昭和天皇に献上したっていうこの蔵元の代表ブランドみたいです。呑んだことないですねえ。名前も初めて知りました。まだまだ知らない焼酎、あるんですねえ。知ってました?


芋焼酎 銭にあらず」
ははあ、そゆ名前、フカイのかもですねえ。


芋焼酎 不阿羅王」
たぶんファラオって読むんでしょうね。


芋焼酎 超不阿羅王」
もっと旨いんだそうです。なんやねん、チョーファラオ!


芋焼酎 龍霞」
紅寿芋だそうです。


芋焼酎 族」
ふううん。ゾク、ねえ。


芋焼酎 超越」
鳴門金時だそうです。


芋焼酎 牢」
七分無濾過。


「和製芋蒸留酒 あんこう深海魚」
安納芋だそうですけど、アンノウだからアンコウ?


「無割水芋焼酎 まだこ海賊魚」
まとわりつくような味わいは、まさに名前の通り「まだこ」のようです。だそうですよ。どんなんやねん。原酒を割るっていう製法じゃない焼酎ってことですからね、興味が湧きます。でも、タコ。


麦焼酎 むぎ銀滴」
看板焼酎ですからね、芋も麦もあるんですね。


麦焼酎 女気銀滴」
ワイン酵母だそうです。


麦焼酎 隠し蔵三悪人」
三悪人っていうのは「麦の香ばしさ、甘み、まろやかさ」だそうです。黒澤明は、この焼酎を知ってましたかね。
ま、その遊び感覚や、ヨシってところでしょうかねえ。


「蔵内極秘稟議書」は限定品ってことなんですけど、今、品切れです。もう出てこないんでしょうか。


呑んだことあります?

 

経験している人、そんなに居ないと思うんですよね。
へっへっへ、2回ほどいただいておりますですよ。そりゃもう、旨かったんでありました。

 

 

 


旨い焼酎はみんなが吞むんで、あっというまに無くなっちゃいますよね。一升瓶が数日で空になります。


旨いなあこれ、って、ちょっとだけニマってできる酒、イイですよねえ。
旨い酒を呑んでいる時は、とてもゆったりした気持ちになれます。


酒呑みの皆さん、どんな銘柄がイチオシですか?

 

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