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【大気の川】【線状降水帯】まだまだ確立されているわけじゃないらしい天気予報

< 地球環境ってのが落ち着いているわけでもないんでしょうから 難しいんでしょうねえ >

「きのう、きれいな夕焼けだったのに、雨じゃんねえ」
「最近また天気予報って当たらなくなってきてない?」
「異常気象ってやつに天気予報が追い付いていないのかもよ」


だとかね、ま、気象予報士でもない我々は勝手ながら、天気予報の精度にはちょっと疑問を持っているっていうのが普通なんじゃないでしょうか。
スマホアプリの予報なんてコロコロ変わり過ぎですよ。


晴れるって言ってたから傘持たずに出て来たのに、土砂降り、だとか、昼頃から暑くなるって言うから朝は寒かったけど頑張って薄着で出てきたら、昼間、めっちゃ寒いじゃん、とか、そんな声をしょっちゅう聞いています。
だからといって、テレビ局、ラジオ局、はたまた気象庁に抗議の連絡をするってことまではいっていないと思いますけどね。日本ではね。


空模様の近未来を予報するって、そりゃねえ、めっちゃ難しいんだろうなあって思います。
天然自然は神秘です。


夕焼けに思わず見とれてしまうのは、地球に生きて在ることの素晴らしさを、改めて思い起こさせてくれるような感覚があって、ある種の感激さえあるからなのかもしれませんよね。
言ってみれば、人間だって本来は自然の中の一員のはずなんですからねえ。


「ああ きょうまでの わたしの一生が そっくり騙されていたとしても この夕映えのうつくしさ」
って詠んだのは金子光春でしたかね。

 

 

 


天然自然に対する感受性は、今までもこれからも大事にしていきたい能力ではあります。


夕焼けになったら次の日は晴れる、っていうのはわりと浸透している庶民の天気予報ですよね。
みんな知ってます。


でも必ず当たるってわけじゃないっていうことも、みんな経験していると思います。


夕焼けは西の空に見えます。太陽が西に沈んでいくわけですから、そうなるんですよね。


西の空に太陽の残光が見えているんで空が紅く見えるってことらしいんですけど、沈んでいく太陽の光が見えているのは西の空に雲が無くって晴れているからなわけです。
その雲の無い西の空がだんだん東に移動してくるんで、あしたは晴れるよ、っていうのが民間天気予報ってことなんですね。


でもこれは、大気の流れが比較的安定している春、秋であれば成り立つ民間天気予報なんですけど、夏、冬、それと台風の季節にはなかなか当てはまらないみたいです。


西側の空模様が東に向かって進んでくる。
地球は自転していて、日本列島は東に向かって回っているのに、なんで天気は西からやって来るんでしょう。


天気が西からやって来るっていう表現はちょっとおかしいのかもですけど、西にある高気圧や低気圧、雲なんかが東に流れているっていうのは毎日の天気予報でも確認できますよね。
それは日本の上空を1年じゅう吹いている風が西からのものなんで、それに乗って流されてくるからなんですね。


季節風ジェット気流が蛇行しながら西から東へ吹いているのはなんででしょう。


球形の地球が自転していることで「コリオリの力」っていうのが働いているからってことみたいです。


ザックリ言ってしまえば地球は赤道部分が最も外側に膨らんだ球形で、それが自転しているわけですから赤道付近の回転速度は日本列島の回転速度よりだいぶ速いんですよね。


加えて赤道付近の大気は温かくって、冷たい極の空気の方に流れていこうとするときに、速く回っている側から遅く回っている方への流れになって、空気の流れがどうしても東の方向に向くっていうのが「コリオリの力
1835年にフランスのコリオリさんが言い始めた一種の慣性力なんだそうです。


回転しているんですから遠心力っていうのも当然ながら働いているわけで、地球の大気の中って、夕焼けだったのにとか言っている民間天気予報の理解力ではなかなか追いつかないものなんでしょうね。
なんか、知らんなあってことがたくさんあるってことですよねえ。


日本で初めての天気予報が出されたのは1884年明治17年


「全国では、風の向きが定まらず、天気は変わりやすく、ただし雨天がち」


どこの地方がどう、っていうんじゃなくって日本全体の天気、ってことなんでしょうね。
ふううん、とは思いますけど、これじゃなんだか分かんないですよね。
「あすは晴れ時々曇り、ところにより雨でしょう」ってのと変わらんですよ。

 

 

 


令和の現在は気象衛星、レーダー、地域気象観測システムのアメダス、さらにはスーパーコンピュータの利用なんかで、段違いの精度。
とはいうものの、「最近また天気予報って当たらなくなってきてない?」って感じちゃうのも事実なんでありますよ。


スーパーコンピュータを利用、っていってもインプットしているパラメータの種類、数。さらにはそれらを予報に割り当てるソフトウェアのアルゴリズム、プログラムロジックは、まだまだですねえって段階。
っていうのが、たぶんおそらく天気予報する側のホンネ、じゃないでしょうか。


天気っていうのは微妙なもんだってことなんでしょうね。


専門家の人たちがただでさえ頭を悩ませているところに、地球温暖化っていう究極にややこしい問題も顕在化してきて、気象予報士さんたちも大変なんだと思います。


つい最近になって耳にするようになった気象用語に「線状降水帯」っていうのがありますよね。


気象庁「線状降水帯に関する各種情報」によりますと、「線状に伸びる長さ50~300キロメートル程度、幅20~50キロメートル程度の強い降水をともなう雨域を線状降水帯といいます」

っていうことなんです。


これが現段階の日本気象庁の見解、「線状降水帯」の定義。


専門家じゃないんで詳細なことまでは理解できていないんですけど、これ、ずっと同じ積乱雲が同じ場所に留まって雨を降らせているっていうんじゃないみたいですね。


低気圧は上昇気流なんで、海面だとか低層の水蒸気をどんどん吸い上げていきます。
それで発達するのが入道雲に象徴される積乱雲。


上空に吸い上げられた水蒸気は積乱雲の中で互いにくっ付いて次第に大きくなって、氷になったりして、ある程度の大きさになると自重によって落ちてくるわけですね。


それが雨だったり雪だったりするわけですが、雨が降ればそこに下降気流が出てくるんで、積乱雲の上昇気流が消えてしまって、自然に雨雲は消えてしまうらしいんですね。
ところが「線状降水帯」っていうやっかいなヤツは、積乱雲が消えない。


同じ1つの積乱雲が消えないんじゃなくって、次々に新しい積乱雲が生まれてくる。


上空の風が原因だそうなんですけど、積乱雲が発生して雨を降らせて消えるまでにどんどん風で流される。
つまり積乱雲が発生する場所と雨が降る場所がどんどんズレていく。


積乱雲が発生しやすい場所から相当量の水蒸気が吸い上げられて、その雨雲は流されていったはずなのに、同じ場所に、また新たな積乱雲がムクムクと湧き上がる。


流されていって雨を降らせる。


雨を降らせた雲は消えていく。


ところが、同じ場所で新たな積乱雲が発生する。雨を降らせながら風で流れていく。


次の積乱雲が発生。


これが繰り返されるているのが「線状降水帯」ってことみたいです。


その地域の地上では、経験したことのない大雨が降り続いて、災害に結びつく可能性が高くなる。

 

「線状降水帯」「長さ50~300キロメートル程度、幅20~50キロメートル程度」どえらい範囲に雨が降り続く可能性があるってことですよね。


大きな積乱雲がその場所の水蒸気を相当量吸い上げていくのに、なんで同じ場所に新しい積乱雲が出来るのか。


確実なシステムは解明できていないそうですが、そこに関連してきそうなのが、またまた新しい気象用語「大気の川」ってヤツなんです。


個人的にはまったく聞いたことがなかった「大気の川」
長さが数千キロメートル、幅が数百キロメートルもあるっていう「大気の川」
大気の中のある一定の高さを、まるで巨大な川のような水蒸気の流れがあるんだそうです。


いろんな高さで流れている、空の上の、文字通りの川。


大きなものになればアマゾン川の水量に相当する水蒸気量なんだそうで、とんでもない水量です。


でも細かい水蒸気の流れなんで目視はできない。


研究の進んでいるらしいアメリカでも、「大気の川」について本格的に調べられ始めたのは1990年代になってからってことなんで、つい最近調べ始めた気象情報なんですね。


北半球にも南半球にも、それぞれ3個から5個が常に存在しているんだそうです。


この「大気の川」が「線状降水帯」に水蒸気を大量に供給しているんじゃないかっていうのが、つい最近考えられている予測。
水蒸気は目視出来ませんので、レーザーだとか、機材の開発も進めないといけないし、大気の川と線状降水帯の相関関係は、まだハッキリしていないっていうのが現状。


アメリカではハワイ周辺の水蒸気を含んだ流れが、北アメリカ大陸を通ってアラスカ南東部の緯度まで達する「パイナップルエクスプレス」っていうのが昔から知れていて、大気の川の研究が進む一因になっているようです。


その昔からある大気の川の規模は、地球温暖化によって大きくなりやすいんじゃないかって心配されているみたいです。


線状降水帯も昔からあるものなのか、大気の川、地球温暖化によってもたらされたものなのか。
確定的なことは現段階では言えない。


アメリカの研究が先頭を走っているのは、ハリケーンやブリザードの被害も深刻な問題になっているっていうこともあるんでしょうね。

 

 

 


日本では2022年の7月5日、台風4号の通過に合わせて名古屋大学が航空機からの大気の川観測に成功して、研究が進み始めているようです。


「経験したことのない大雨」っていうのも、この大気の川が関係しているんだろうってことみたいなんですけど、予測するっていうレベルまではまだ遠いって感じなんでしょうね。


スーパーコンピュータを利用した天気予報、台風の進路予想っていうのも、ようやく報道に使えるレベルになったっていうのが世界の現状なんだとしますと、大気の川、線状降水帯の予測にはまだ時間がかかるんでしょうね。


ま、素人がこうした事象を知る必要はないのかもですけど、こういう気象業界の現状をもっと報道すれば、全然当たんないじゃん! っていう批判は少なくなるんじゃないでしょうかね。


人類にとっての自然は、天子でもあり、悪魔でもある、っていう状況は、まだしばらく変わらないってことなんだと思います。


「ああ きょうまでの わたしの一生が そっくり騙されていたとしても この夕映えのうつくしさ」


地球全体の深刻な問題ですよね。