ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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酒呑みの食いしん坊、メタボはイヤだけどガマンは嫌い。

【ごんべさんの赤ちゃん】風邪ひいたらしいんだけど ごんべさん? だれ?

<赤ちゃんが風邪ひいたら そりゃもう大変 なはずなんだけど なんか違うのは どゆこと?>

おそらくは誰でも知っている、あるいは歌ったことのある、無邪気な歌。


♪ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
♪ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
♪ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
♪そこで あわてて 湿布した


ほんの小さな子供の頃、ですよね。聞いたり歌ったりしていたのって。


ついこの前、通りかかった幼稚園の校庭で、可愛い園児たちが歌いながらニコニコお遊戯してました。
ずっと歌い継がれているんですねえ。幼稚園ぐらいの年齢の子供たちって「赤ちゃん」って言葉ににっこり反応するような気がします。


個人的な記憶としても、もの心付くか付かない頃にみんなで歌っていた、かなあという、ぼんやりしたものではあるんですが、今でも歌えますもんね。
って言うか、歌詞ってほどのもんじゃないことも確かです。


「湿布」というものが何なのか、ハッキリ認識できていなかった気がします。


それでも、なんだか楽しい歌、という感覚。


風邪に湿布というトンチンカンを理解して面白がっていたのではなく、つまり歌詞を面白いと思っていたのではなく、リズムとメロディーが楽しかったのかもしれません。


そもそも、なんていうタイトルなんでしょうか。「ごんべさんの歌」? 違う? 「ごんべさんの赤ちゃん」? でしょうかね。

 


この歌の、短いフレーズの先があるのかどうか、それすら定かではないです。知らない。


とても疑問でした。


そういう疑問に、あまりこだわるタイプの子供ではなかったらしく、「ごんべさんの疑問」は意識の彼方へ消え去っていたある日、思いもかけない出会いを果たすことになったのです。


数年が経過していたとはいえ、まだまだ小さかった頃でしたが、歩いていた路地の、生垣のある家の中からラジオだと思われる音が聞こえてきました。


そのメロディーが、なんとなく聞いたことがあるような気がして足を停めました。
英語でした。とてもゆったりしたテンポの女の人の声でしたが、何となく知っているようなメロディー。


路地とはいえ街なかですから、いつまでもよその家の前に止まっているわけにもいかず、歩き出しました。歩き始めてすぐ、思い出しました。


「あ、ごんべさんの赤ちゃんだ」

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へええ、ごんべさんって英語でも歌っている人がいるんだなあ。と、その時の認識はそういうものでした。


ただ、ごんべさんと英語、という組み合わせが小さくないカルチャーショックで、ずっと記憶に残っていました。


そしてまた数年たって、自分でもラジオを聞くようになって、なにかオールディーズの特集でもあったんでしょうか、あるとき、偶然、あの歌が流れてきたんですね。
ジョーン・バエズの「リパブリック讃歌」という歌だったのでした。


あの生垣の家の前で聞いた、まさにあの歌「ごんべさんの赤ちゃん」でした。


英語はさっぱり分かりませんが「グローリグローリ ハレルヤ」という単語が聞き取れました。


「グローリ」というのは何だか感覚さえつかめない初めての単語でしたが「ハレルヤ」というのは聞いたことがありました。キリスト教。宗教的な場面で使われる言葉。そういう程度の認識ではありましたが、


「ごんべさんの赤ちゃん」と「グローリグローリ ハレルヤ」
これがさっぱり結びつきません。


ごんべさんってクリスチャン? 程度の推測しかありませんでした。ジョーン・バエズという人も知りませんでしたが、記憶には残りました。


そしてまた数年。普通に音楽なんかも聴くようになっていて、森山良子さんが、日本のジョーン・バエズと呼ばれていることを知りました。
そのことを知った時、また「ごんべさんの赤ちゃん」と「グローリグローリ ハレルヤ」の記憶がよみがえってきました。


ただ根っからのズボラであるため、そこから何の発展もなく、その時はそれだけのことでした。思い出しただけ。


そのあと、後付けで知った「ウッドストック・フェスティバル」を見て、ジョーン・バエズが世界的なフォークシンガーであることに少なからぬ感動を覚えたりしました。


ウッドストックって知ってます? 1969年にアメリカで行われたロックの大規模な野外コンサートです。
ヒッピームーブメント、カウンターカルチャーの大成功例として語り草になっているイベント。


ちなみに、あのちっちゃな黄色い鳥のウッドストック。ほらピーナッツの、スヌーピーの友達の。あのウッドストックって、このコンサートからの命名らしいです。


でも、「ごんべさんの赤ちゃん」と「グローリグローリ ハレルヤ」の記憶はそれだけです。そのまんま何もしない。ズボラっていうのはそういうもんなんですね。はい。


で、最近になって、町中華に行って、カウンターに座った背中で見ているテレビコマーシャルの音で、急にそれらの記憶が一気によみがえったんですね。


そのコマーシャルはヨドバシカメラのお馴染の歌です。これまで何回も見ていますし、新宿西口を通れば一日中流れている歌です。
それなのに、なぜかその時、何の脈略もなく小さな頃の記憶が急に蘇ってきたんですね。


自分の頭の構造がどうなっているのか分かりようもありませんけれど、町中華で聞いたその時、ふと気付いたんですね。


これって「ごんべさんの赤ちゃん」じゃん。


今までは聞いたことのある曲、とは思っていても、それが何だったのか探ってみようとも思いませんでした。


みなさんも知ってますよね、ヨドバシカメラのコマーシャル。


♪丸い緑の山手線
♪まん中通るは中央線
新宿西口駅の前
♪カメラはヨドバシカメラ


実はこのコマーシャルソング、5番まであるんですよね。


ヨドバシカメラはデッカイ店ですからね、いろんな商品を扱っています。それで、その商品群を歌詞に入れていて、ビデオ、時計、パソコン、ゲーム、家電製品、テレビ、オーディオ、と歌い込んで5番まであります。


さらには、ヨドバシカメラは全国展開していますからね、この西新宿バージョンのほかに、「マルチメディアAkiba」「マルチメディア札幌」「マルチメディア梅田」「マルチメディア博多」の各地域のバージョンもあるらしいです。
これからまだ増えていくかもしれませんね。


この、耳に残っているメロディーが「ごんべさんの赤ちゃん」だということに、突然気が付いたわけです。
アホですね。


で、やっと、調べてみました。


「ごんべさんの赤ちゃん」と「グローリグローリ ハレルヤ」と「丸い緑の山手線」
歌の背景に何の関係も無さそうですもんね。


ところがですね、なんだか凄い歴史的な歌だったんですよ、これが。


元々の歌は「グローリグローリ ハレルヤ」で、昔ラジオで聞いたタイトル「リパブリック讃歌」
南北戦争時代のアメリカ、北軍の行軍曲なんだそうです。
すんげ~古いんじゃん!


南北戦争1861年から1865年まで、奴隷制度が最大の争点で、アメリカを南北に二分して争われた国内の戦争です。


マーガレット・ミッチェルがこの南北戦争を「風」と表現してアメリカ南部貴族文化の終焉を描いたのが「風と共に去りぬ」です。
南北戦争という荒々しい風が過ぎ去った後には、きらびやかなアメリカ文化も去ってしまった。そういうタイトルみたいです。


「リパブリック讃歌」は南北戦争に勝利した北軍の歌ですが、ジョーン・バエズがゆっくりと歌っていたのには戦争そのものに対する批判精神があったのかもしれません。ラブ&ピースです。


でも「リパブリック讃歌」の歌詞を見ると、ホントにこれで行軍していたのかなあと感じることも事実です。


みなさんはどう感じるでしょうか。こんな歌詞です。


♪私の眼は主の降臨の栄光を見た
♪主は、怒りの葡萄が貯蔵されている葡萄酒醸造所を踏み潰す
♪恐るべき神速の剣を振るい、運命的稲妻を放った
♪主の真理は進み続ける
♪栄光あれ!ハレルヤ!
♪栄光あれ!ハレルヤ!
♪栄光あれ!ハレルヤ!
♪主の真理は進み続ける


さすが宗教国家アメリカの面目躍如といった歌詞ですよね。
作詞は詩人のジュリア・ウォード・ハウという北部の女性だそうです。


「ごんべさんの赤ちゃん」は「栄光あれ!ハレルヤ」の部分だけみたいですね。


ちなみに、スタインベックの「怒りの葡萄」というタイトルは、この「リパブリック讃歌」の「怒りの葡萄が貯蔵されている葡萄酒醸造所を踏み潰す」という歌詞に由来しているらしいです。
めちゃめちゃ影響力ありますね。


「リパブリック讃歌」は南北戦争時代からアメリカで支持され、今ではアメリカ民謡、愛国歌とさえ言われているようです。


多くの人に支持されたことを表すように、いくつもの「替え歌」がアメリカにもあるようで、その中にはこんなのがありました。


ジョン・ブラウン爺さんの体は墓の中で朽ちつつ横たわり
♪彼が救おうと試みた、とらわれの息子たちはすすり泣く
♪彼は奴隷のために苦心し、命を落としたが、
♪彼の魂は進み続ける
♪栄光あれ、栄光あれ、神を称えよ!
♪栄光あれ、栄光あれ、神を称えよ!
♪栄光あれ、栄光あれ、神を称えよ!
♪彼の魂は進み続ける!


このジョン・ブラウンという人は、奴隷所有者に対して武力攻撃を仕掛ける過激な行動で有名な奴隷制度廃止論者。
南北戦争直前の1859年、バージニア州の連邦武器庫の襲撃に失敗して捕まり、絞首刑に処せられたんだそうです。


そういう事実があって、南北戦争が始まると奴隷制反対の北軍兵士たちが、非公式ながら行軍曲として歌って、タイトルも「ジョン・ブラウンの屍(body)」として流行したんだそうです。


そして時代は進んで20世紀、アメリカの生活も落ち着いた頃、年代としてはハッキリしていないようですが、「ジョン・ブラウンの屍(body)」は、ボーイスカウトガールスカウトの歌、そしてキャンプソングとして歌い継がれていく中で、歌詞も変化して「body」が「baby」になって「ジョン・ブラウンの赤ちゃん」というレクリエーションソングとして流行したんだそうです。


発音が似ているから、という理由で「赤ちゃん」が登場したんですねえ。なんだか意外。
でも、なんで風邪引いたんでしょ?


♪John Brown's body's got a cold upon his chest.
♪John Brown's body's got a cold upon his chest.
♪John Brown's body's got a cold upon his chest.
♪So they rubbed it with camphorated oil.


これって、


ジョン・ブラウンの赤ちゃんが風邪引いた
ジョン・ブラウンの赤ちゃんが風邪引いた
ジョン・ブラウンの赤ちゃんが風邪引いた
♪そこで樟脳油を塗りました


って歌になりますよね。


樟脳油って直訳ですが、19世紀初めごろのアメリカでは、樟脳とアヘンを混ぜて子供の咳止めとして使っていたこともあるそうで、処方された子供はよりひどい状態になっちゃって、これなら放っておいたほうがましだと評価されていた、ということらしいですから、意味合いとして、


♪ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
♪ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
♪ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
♪そこで あわてて 湿布した


一緒ですね。


ここでやっと「リパブリック讃歌」と「ごんべさんの赤ちゃん」がつながりました。よね?


「ごんべさんの赤ちゃん」は日本でもボーイスカウトガールスカウトで決められた動作をみんなで一緒に行う際に歌われて、一般にも浸透したということです。


どういう動作をするのかは知りませんが、ボーイスカウトガールスカウトに参加した子供たちが、他の友達に歌いながら広めていったんでしょうね。
元々が行進曲ですからね、ボーイスカウトガールスカウトにはピッタリくるのかもしれません。


年代的に何が先で何が後なのかはハッキリしませんが「ごんべさんの赤ちゃん」はヨドバシカメラのコマーシャルソングばかりでなく、あ、そう言えばって気付く替え歌がたくさんありますね。


これまた誰でも知っている「お玉じゃくしは蛙の子」


♪おたまじゃくしは 蛙の子
なまずの孫では ないわいな
♪それがなにより 証拠には
♪やがて手が出る 足が出る


4番まであるこの歌に関しては、なぜかマイナーバージョンの歌詞を覚えています。


♪ぶんぶん空飛ぶ 飛行機は
♪トンボの親では ないわいな
♪それがなにより 証拠には
♪オスもなければ メスもない


もう全然「ハレルヤ」じゃないですね。


まだありますね。ゴムとび歌だそうですが「おはぎがお嫁に行くときは」


♪お萩がお嫁に行くときは
♪あんこと黄粉でお化粧して
♪丸いお盆に乗せられて
♪口の関所を通ります


♪そのあとお萩はのどとおり
♪今夜はお腹にお宿して
♪明日は腸内一回り
♪明日はいよいよ下関


これにはいろんなバージョンがあるんだそうです。なかなかシュールな歌詞で、子供は喜んで歌いそうですね。


「ともだち讃歌」というのもあります。


♪ひとりと ひとりが うでくめば
♪たちまちだれでも なかよしさ
♪やあやあ みなさん こんにちは
♪みんなであくしゅ


まだあります。なんと、あの小沢昭一さんも歌っていました。「バラの唄」


♪小さい鉢の花バラが あなたの愛の露受けて
♪薄紅の花の色 昨日はじめて笑ってよ
♪かたいつぼみに口あてて 小雨降るよな夢心地
♪あなたは何を話したの 花はあなたを待っててよ


近いところでは、2013年に「一丁目のウルトラマン」というバージョンも出ました。


♪一丁目のウルトラマン 二丁目のセブン
♪三丁目の母 四丁目の父
♪五丁目の怪獣追いかけて
♪遠いお空へ飛んでった シュワッチ!


ローカルバージョンとして佐賀県の「さがびより」というお米のコマーシャルにも使われています。


♪もっちりツヤツヤ さがびより
♪炊き立て おいしさ いつまでも
♪みんなで愛情 こめました
♪……
♪さがびより


こういう替え歌のバリエーションは日本ばかりでなく、イギリス、ロシア、ケニアだとか諸外国にもたくさんあるそうですが、長くなりましたので、この辺で。


でもまあ、あれです。ごんべさんとジョン・ブラウンさんは、特に関連は無さそうなのでした。


ごんべさんねえ? 誰なんでしょうかね。。。


解決しませんでしたねえ。。。

 

これはまた別の機会に。。。