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【ホンモノのはちみつ】が超高級品にならざるを得ないわけ みつばちハッチはどこいった

<庶民的なお値段で買えるのは はちみつ入り人工甘味料ばっかりになるらしい件>

草食系男子、という言葉が巷間の口にのぼった年、2009年、平成21年。


リーマン・ショックだったり、政権交代だったりという、金融、政治の動きの大きかった年でもありましたが、この年、かなり不気味なタイトルの書籍が文芸春秋から発売されました。


アメリカのジャーナリスト、ローワン・ジェイコブセン「ハチはなぜ大量死したのか」

 

2006年、2007年ごろから北半球の多くの地域で、ミツバチが突然消えて居なくなる現象をリポートした内容でした。


原因は不明。
巣箱、あるいはその近くに死骸が発見されている、というのではなく、居なくなっているという現象。
どこ行っちゃったんでしょう? ってことなんですね。

 

 

 


地球上の生態系に明らかな異常事態が発生しているっていう告発本でもあったんですが、日本メディアの反応はいたって鈍いものでした。


かなり穿った見方ですが、日本人の草食系男子という現象も同根なのかもしれないです。
子孫を残そうという意識も含めたコロニー活動を拒否している。


当初はセイヨウミツバチに特有の現象なのではないかと見られていたようですが、2009年には長崎県でも確認されているようです。


養蜂業界では大騒ぎになったんだろうと思いますが、その後もメディアでは取り上げられることはなかったように思います。


ハチが居なくなっても困らない、関係ないと思ってる? そういうメディアが取り上げているSDGsって信用してイイのかどうか、疑ってしまいますね。


垂れ流されるメディア情報を無批判に受け入れるのではなく、自分で調べて自分で考えて判断するってことが大事なんでしょうね。これからはますますそうなってしまいそうです。


ミツバチが居なくなってしまうというこの現象は「蜂群崩壊症候群(CCD)」と呼ばれて、ヨーロッパ全域、アメリカ、そして南半球のブラジルでも報告されていて、アジアでも日本ばかりでなく、インド、台湾で確認されています。


その後も研究活動は進められているんだろうとは思いますが、2021年時点で、相変わらず原因は不明のまま。
ミツバチのコロニーは壊滅していく一方のままらしいです。


21世紀の今は「6回目の大絶滅期」らしいんですが、人類にとってミツバチが絶滅してしまうことは、かなり重大な出来事になるにではないでしょうか。


環境省「平成20年版 環境・循環型社会 白書 第6章 自然環境の保全と自然とのふれあいの推進」によりますと、


「地球上には、様々な生態系が存在し、これらの生態系に支えられた多様な生物が存在しています。全世界の既知の総種数は約175万種で、このうち、哺乳類は約6,000種、鳥類は約9,000種、昆虫は約95万種、維管束植物は約27万種となっています。まだ知られていない生物も含めた地球上の総種数は大体500万~3,000万種の間という説が多いようです。
 生物の進化の過程で多様化した生物の種の中には、人間活動によって絶滅の危機に瀕しているものがあり、既知の哺乳類、鳥類、両生類の種のおよそ10~30%に絶滅のおそれがあるとされています」


なんだそうです。
日本政府も「大絶滅期」を認識しているんですね。


SDGsとともに生物多様性も声高に叫ばれていますが、同じく2020年の環境省レッドリストによりますと、日本では、

・哺乳類 絶滅 7種
・鳥類 絶滅 15種
・爬虫類 絶滅 0種
・両生類 絶滅 0種
・汽水・淡水魚類 絶滅 3種
・昆虫類 絶滅 4種
・貝類 絶滅 19種
・維管束植物 絶滅 28種
・蘚苔類 絶滅 0種
・藻類 絶滅 4種
・地衣類 絶滅 4種
・菌類 絶滅 25種
が数えられています。この他に絶滅危惧種、準絶滅危惧種の数は膨大です。


益虫、害虫などと人間の都合によって区分けされてしまっている虫たちですが、多様性が失われていっていることと、「6回目の大絶滅期」というのは憂慮すべき一大事なんだろうと思います。
地球上のあらゆる命は巡り巡って、みんなで生きているというのが自然の摂理なんでしょうからね。


ミツバチの突然の壊滅状態というのが、ミツバチ自体の生理的問題なのか、ミツバチが食料としている植物の性質変化、つまり人間が栽培している花の性質コントロールによるものなのか、研究家の中でも見解百出。近い将来での原因解明には至りそうもありません。


ミツバチが居なくなってしまうと、困るのは養蜂業者だけじゃないんですね。

 

 

 


養蜂業者がハチ箱を移動させて日本中を旅するのは、そこにミツバチに来て欲しい植物があるから。
野菜や果物を受粉させて欲しい農家が呼ぶからなんですね。


ミツバチがいなくなると、植物が実をつけなくなって、人間の生活が成り立たなくなるとおっしゃる学者さんも少なからず居ますが、農作物が育たなくなるというのは確かに大きな問題ですよね。


イチゴ、トマト、ナスなどミツバチの受粉によって成果する植物は意外に多いようです。


ミツハチがいなければ手作業で受粉させて回らなければいけません。家庭菜園での話ではありません。商売として広大な面積での栽培です。人手で、筆でこちょこちょ受粉させて回ることは現実的でないことは、素人でも簡単に理解できます。


大規模イチゴ農家などでは、自前でミツバチを飼って、イチゴとハチミツ、両方の収穫で生計を立てている人も少なくないそうですが、ミツバチが育たない、居なくなってしまう、供給側にもミツバチが居ない、という事態になりつつあるというコワイ現実。
なんとかしないと、まずいです。


ってことで、ほぼ10年ほど前からいろいろ研究が進められて、このところ「ビーフライ」の利用が現実的になってきたようです。


ビーフライ。ビーはハチ。フライは? そうです「ハエ」


ん? ハエ? ハエって、あの、ハエ? ってなりますよね。


最近、街なかではほとんど見かけなくなった「ハエ」ですが、受粉とか、するんでしょうか。

 

 

 

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。。。なんやねん



2016年に発表された、園学研の「ミツバチの代替ポリネーターとしてのヒロズキンバエの利用」というリポートによれば、イチゴ、トマト、ナス、メロンについて実験して、一定の効果があったとしています。

 

さらに、岡山大学のイチゴ受粉研究でも成果が確認されているそうです。


奈良県農業研究開発センターの試験では、イチゴの品種によって、奇形果発生率がミツバチの場合より低いなどというかなり有効な成果も確認されているらしいです。


でもねえ、
「ハエに受粉させるって、なんだか不衛生な感じだよねえ」
って思いますよね。なんたってあのハエですからね。


現段階での「ビーフライ」は「ヒロズキンバエ」という種類で、幼虫は医療用としてかなり前から利用されていたという、歴史的に人間に馴染のハエ、だそうです。知らんかったです。


医療用として使われるくらいですから、全くもって衛生的な環境で育てられ、サナギとして農家に供給されて、仕入れた農家はハウスの中で飼うので、不衛生な環境との接点は無い、っていうことなんですね。


ハウスで「いちご狩り」とかやっている農家も結構ありますが、これまではハウスの中に客を入れる前に、ハチをハウスの中から完全に出す作業が大変だったそうですが、ハエはハチみたいに人を刺す心配が無いので、かなりその点でも助かる。


それと、ビーフライが、っていうかヒロズキンバエがハウスの外に出て行ってしまうことがあったとしても、もともと日本固有の、何処にでもいる種類なので、環境に対する弊害も問題なし。


ん~。なんだかイイことばっかりのビーフライなんですが、ここに問題が一つ。


ハエちゃんは蜜を集めませんよ。自分で食べるだけです。


つまりハチミツは収穫できません。まあね、ハエ蜜、とか言われても、売れないでしょうけれどね。
ハエは花の蜜を吸うだけで、集めない。


ということは、ミツバチの不在をビーフライが埋めてくれるという野菜栽培はなんとかやっていけそうですが、ハチミツは獲れない。全く、獲れないことになります。


ハチミツは今でも高いのに、ますます高級品になる。いや、もうすでにホンモノのハチミツ、かなり少なくなっているはずでしょう。


でも、スーパーの棚にはありますよ。変わらずいっぱい並んでいます。


なんで? というのがサブタイトルの「はちみつ入り人工甘味料ばっかりになるらしい件」です。


完全に無くなってしまうことはないんでしょうけれど、超高級品になってしまうことは間違いないです。


ハチのムサシも、みつばちハッチも、帰って来てはくれないのかもしれません。


プロポリスとかも無くなるんでしょうね。もちろんです。無くなりますとも。


SDGsのさまざまなカテゴリーの多くの問題がゴールしたとしても、もう取り返しのつかないことって、ハチミツばかりじゃないんでしょうね。いっぱいあるのかもしれません。


あと2世代も進むと、
「ねえ、お母さん。ハチミツ入り人工甘味料のハチミツって、なに?」
っていう事態になっているのかもしれません。


だけど、何をどうしたらイイのか、さっぱり分からない、とうのも事実です。

 

 

 


なんの解決策も思い付きませんので、悔し紛れの情報を1つ。


よく言われる完全食。


牛乳は完全食だよ。っていうのは、あきらかな間違いで、日本で盛んに使われたキャッチコピーは、アメリカの連邦取引委員会から「誤解を招くような不正な広告」だって指摘されているらしいです。
牛乳は人間にとって完全食じゃない。


そして、ハチミツ。


ハチミツは完全食だよ。
これもまたよく聞きますが、全然見当はずれ。それを言うならローヤルゼリーなんですが、これもまた違うんだそうで、女王バチにとっては完全食かもしれないけれど、人間にとっての完全食ではあり得ない、んだそうです。


ハチミツ信仰のある方、完全食信仰していた方。違うそうですよ。


そういえば、カニカマ、ならぬウナギもどきの「ウナカマ」の開発ってどこまで進んでいるんでしょうか。最近話題になっていないですね。


そのうち、ハチミツもどきの「ハチミツカマ」とかが開発されるかもしれません。


ん~。かまぼこじゃ、意味ないっすねえ。。。

 

 

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