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【ビッグアップル】その3 中華料理を食べてから映画を楽しむのがユダヤ人のクリスマス

<世界中どこにでもいる中国人とアメリカ人 日本人もそだねエ 世界中に居るよねエ>

アメリカ風中華料理とか、アメリカ式中国料理とかいう言い方にトンチンカンなユーモアを感じます。


まあ、そういう言い方しか出来ないんでしょうけれど、アメリカも中国も多民族国家で、どっちも広大な国土で、地域ごとの文化の違いって、日本の地域差なんかとは根本的に違うだろうと思うからですね。


リアルな食べものを考えてみれば、アメリカ全体に固有の、中国全体として決まった料理とか、あるわけもないのにアメリカ式中国料理っていう表現は多国籍料理の多国籍アレンジみたいなところで、要するに無国籍料理ってことなのかもしれません。メディアで取り上げられない料理のバリエーションの方が多いみたいですよ。アメリカ、中国に限らないことでしょうけれどね。


日本料理のブームということも言われているアメリカですが、ちょっと前までのハリウッド映画によく出てくる食べものというと、紙パックに入ったテイクアウトの中華料理。
最初観た時は、アメリカ人も箸、使えるんだなあ、という、これまたトンチンカンな感心をしたものでした。


あの四角い紙パックは「オイスターペイル」って言うみたいですね。
「牡蠣バケツ」
なるほどねえ、って思います。


たいていの日本の町中華には無い特徴として、中国人のやっている町中華には、濃いオイスターソースっていうのがありますもんね。
もちろん日本の町中華でも使ってはいるようですが、中国人のオイスターソースとは違うみたいです。そう感じます。


店独自に作っているというのではなく、中国人ルート、みたいなものがあるんでしょうかね。華僑ルートでしょうか。最近、華僑ってあんまり聞かなくなりましたが、日本でもますますご活躍なんだろうと思います。


アメリカでも事情は同じようなものなんでしょう。独特の風味と濃さのオイスターソースです。旨いですよね。


アメリカに中華料理が入ってきたのは19世紀後半のサンフランシスコとされています。


この時期のサンフランシスコ、カリフォルニアといえば「ゴールドラッシュ」が思い浮かびます。
アメリカ太平洋岸。カリフォルニア・ロールというのもありましたが、アメリカの太平洋岸は新しい文化を受け入れやすい土地柄なのかもしれません。

 


一攫千金を夢見て西海岸へやってくる人間は多士済々で、その中には少なくない中国人も居て、金鉱労働者の胃袋を満たすのもまた、中国人の経営するレストランだったということが始まり。


華僑のネットワークもあったんでしょうけれど、徐々に中華料理がアメリカンナイズされていって人気となり、勢力を東へ東へと拡大していった流れなんでしょう。


最初の頃は中華料理に初めて接する「アメリカ人」が多かったでしょうけれど、土地の材料を使って中国人の料理人もアレンジを加えていって「アメリカ風中華料理」というジャンルになっていったんだと思われます。


トマトを使った中華料理のメニューは、「トマトと玉子炒め」だとか今では当たり前にありますけれど、トマトはアメリカ大陸の食べものですし、キクラゲってアメリカにもあるんっでしょうか。
トマトが中華料理に取り入れられたのは案外最近のこととされていますが、言ってみれば「多国籍」な「トマトと玉子炒め」なんかもサンフランシスコ発祥だったりするのかもしれません。


ここで言っている中国人料理人っていうのが、そもそも中国のいろんなところから渡米してきているんでしょうから、そのバリエーションはあっと言う間に増えて、全体として「アメリカ風中華料理」は確固たる食事の位置を占めていったんでしょうね。


「ゴールドラッシュ」を契機として始まって、アメリカ西海岸から東へ向かう「アメリカ風中華料理」の流れとは別に、東海岸のニューヨークでも、実は同じころ、19世紀後半、こちらは「カシュルート風」とでも呼ぶべき中華料理が定番の地位を築いていたらしいんです。

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「カシュルート」というのは、ユダヤ教の戒律に適合した食べものを表すヘブライ語の女性名詞。


「【ビッグアップル】その1 ニックネームのある街と無い街」でも触れましたが、1960年代のニューヨークは、4人に1人がユダヤ人だった言われています。100年前の19世紀後半ではまだそこまでのパーセンテージではなかったでしょうけれど、ユダ人コミュニティは既にあったようです。


当時のニューヨークのユダヤ人居住区は、中国人の居住区と隣り合っていて、ユダヤ人居住区の中に10数件の中華料理店があったという記録もあるそうです。


クリスチャン国家であるアメリカ。日曜日のニューヨーカーたちは教会へ出かけます。
クリスチャンはランチも教会で摂るのが普通だったそうなんですが、そうなりますと、クリスチャンが経営している食堂は当然休みになります。
で、日曜日に教会へ行かないユダヤ人たちは、中華料理店へ出かけるようになって、ユダヤ人と中華料理は身近なものになっていきます。


こうした日曜日ごとの接点があったうえで、クリスチャンにとっての大きなイベント、クリスマスがやってきます。でも、ユダヤ人にとっての12月25日はごく普通の日なわけです。

 


ユダヤ教キリスト教のクリスマスにあたるお祭りは「ハヌカー」と呼ばれている8日間続く「光の祭り」
日にちはユダヤ暦によって決められるので西暦で決まった期日ではないものの、だいたいクリスマスにちかい日取りになっているようです。
例えば2019年は12月22日からの8日間。2020年は12月10日からの8日間。


ニューヨークに住んでいたユダヤ人たちは、クリスマスの日でも、ハヌカーの期間でも、休まずに店を開けている中華料理店に次第次第に通うようになって、19世紀後半ぐらいから習慣のようになっていったんだそうです。


普段の食事というよりも、御馳走、的な感じなのかもしれません。


もちろん、クリスマスに中華料理を食べる風習というのはアメリカのユダヤ人に限ってのことだとは思いますけれどね。


120年ぐらい続いているクリスマスの中華料理ですが、120年という時間を長いとするか、短いとするかは、アナタシダイ、です。


この前、朝のラジオを聞いていたら、かまいたち時報を案内していて、こう言っていました。
「信じるか信じないかはアナタ次第ですが、5時です」「5時やッ」
ま、クリスマスの中華料理とは何の関係もありませんけれどね。アナタシダイ、を使ってみたかっただけです。はい。すびばせん。。。


で、クリスマスの中華料理ですが、ユダヤ教徒の「カシュルート」には、食べて良いものと食べてはいけないものが決められています。


定められた細かい規則は、ま、ここでは置いておきますが、中華料理との関係でいきますと、


豚肉はダメ~。
エビ、カニもダメ~。
乳製品と肉を混ぜちゃダメ~。


なんだそうです。


ま、乳製品ってほとんど中華には使いませんけれどね。


ん? エビマヨにはたっぷり使っていますね。でもエビマヨって、中華? なのかなん?


まあ、それはそれとして、何事にもウラといいますか、抜け道があるようでして、ワンタンなんですがね、ワンタン。
ワンタンって皮の中に豚肉、入っていますよね~。


でも、ワンタンってユダヤ人たちに人気なんだそうです。


単純にダメじゃん、ということにはしないでですね、直接目に触れないように包んであるんだからオッケーじゃねっ? ってことで、ま、オッケーってことらしいです。


いいじゃんねえ。そういう解釈って、応援しますです。フランクな解釈がイイです。

 


何度も言いますが、クリスマスの中華料理の習慣が始まってから120年余り。それには続きがあって、中華を食べた後には、映画を楽しむ。そこまでがセットになって今でも続いているらしいですよ。


アメリカンナイズされた、カシュルート風の町中華ってどんなんでしょうね。ニューヨークとか行く予定なんてありませんけれど、アメリカ風中華料理、興味ありますです。食べてみたいです。


令和の日本には食のタブーとかないですから、我々は幸せですね。あとはさっさとコロナが治まって、外食とか、店で呑むとか、気兼ねなく出来る日が早く来ることを願います~。


緊急事態宣言、再延長、らしいです~。

 

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