ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【蕎麦の花】その白さは句にもたくさん詠まれています

< 蕎麦だけだと季語にならなくって 「新蕎麦」「蕎麦の花」で秋の季語 だそうです >

日影、日陰をたどって歩いても、酷暑からはちっとも逃れられない2022年、東京の夏です。


日傘男子とかね、そういう進歩的なサラリーマンも増えてきているみたいですけど、日傘の効果ってどうなんでしょう。
日傘をさせば体感で5度ぐらい下がるっていうことらしいんですけど、どうもね、ウソやん! って根拠なく思っていて街歩きに日傘なんてさしていませんねえ。


たまあに見かけるんですよ、日傘男子。
これまでに5人ぐらい、お目にかかったことがあります。って、見かけた、ってだけのことですけどね。


どの方もきっちりとシャツの首元をしめてらっしゃいまして、だらだらなんてしていませんでした。
さっすがあ、であります。気合の入れ方が違うんでしょうね。


昼日中、街なかで日傘をさして歩くって、普通のオヤジの感覚としてはなかなか出来るもんじゃないですよ。
日傘なしで歩いているオヤジはどうしてもね、自然にだらだらし始めます。

 

 

 


36度で危険な温度になります。とかね、お天気オネエサンは注意を促してくれますけど、都心の昼間、アスファルトだけじゃなくって建ち並ぶオフィスビルからの照り返しと、エアコン室外機の吐き出す熱風。
ア・ホ・カ! ってぐらいの路上環境です。


百葉箱が36度だったら路上は軽く40度超えでしょう。
暑すぎてセミも鳴かないですよ。ホントに。
日傘を買う予定は無いんですけど、このところの猛暑にはうんざりです。


日本の夏ってどんどん暑く、長くなってませんかね。たまらんです。


夏っていえば冷やし中華ですけど、ここまで猛暑日が続くと、定番の夏の風物詩でさえ重く感じられてきます。


でもちゃんと食べないといけません。冷やし中華が重く感じられてきたら、蕎麦ですね。


しょっちゅう行っているO庵では、夏になると「冷や麦」「そうめん」も始めます。


先代の頃は「冷や麦始めました」っていう幟を出していたりしたんですけど、なんかね、評判がよろしくなかったみたいで、今は出さないことにしたんだそう。
冷やし中華始めました」に対抗した「冷や麦始めました」だったんでしょうけれど、蕎麦屋ですからね、ざる蕎麦、もり蕎麦と、そう変わりません。熱々のラーメンと冷やし中華っていうコントラストには、やっぱり敵いませんよね。


でもメニューとして「冷や麦」「そうめん」はちゃんと引き継いでやっている、まんまる体形の二代目です。


O庵はなんといってもボリュームがサービスの店で、いつも大盛り蕎麦を頼むんですけど、サービスとしてカマボコと昆布の煮物とか、茹でたトウモロコシとかを付けてくれます。


時々、もり蕎麦と大判コロッケとかを頼んだりするんですけど、コロッケを頼んでいるのに、サービスってことでミニから揚げを付けてくれたりします。
あのね、揚げ物、多過ぎちゃうでしょ。


しかもですね、ミニから揚げって、から揚げの個数が少ないんでミニ、っていうんじゃなくってですね、から揚げの大きさがミニなんです。
普通のから揚げの半分よりちょっと小さいぐらい。大きさはミニなんですけど、10個ぐらいあるんです。サービスなんです。多いんです。


小さい方がはやく揚がるんで。っていうミニから揚げ。これがスパイシーで旨いんですねえ。


コショウ系の辛いミニから揚げ。もり蕎麦追加、とかしちゃって、まんまと作戦にのせられたか?
みんなでまんまる体形になろう大作戦!


ま、夏の食欲が落ちかげんになっている時期ですと、とってもありがたいO庵なんです。


蕎麦の味はフツー。

 

 

 


先日、スタミナ蕎麦大盛りを食べておりました。


冷やしスタミナうどんってあるじゃないですか、あれの蕎麦バージョンですね。
いつもはおばちゃんが持ってきてくれる蕎麦湯を珍しく二代目が持ってきてくれました。


「新蕎麦入れてみたんですよ、どうですか?」
あん? 8月に入ったばっかりですよ。


「夏蕎麦っていうのが前からあるんですよ。うちはやってなかったんですけど、友達が問屋にいて、北海道のと福井の夏蕎麦のブレンドやってみたんです」
夏蕎麦?


「普通は秋の新蕎麦ですよね。いろいろ粉を試してみてんですけど、北海道のは別に夏蕎麦っていう種類じゃなくってこっちより早めにできるやつなんですけど、福井のは夏蕎麦っていう種類なんです」


色つやが、なんていいますかいつもより白っぽくて、喉ごしとしても爽やかな感じです。


スタミナ蕎麦でしたから、味濃いめの時雨煮と、ツユはゴマダレでしたけれど、蕎麦としての主張が強くない分、夏向きの蕎麦なのかもしれません。


ちなみに、全然関係は無いですけど、「蕎麦つゆ」って言いますけど「ごまだれ蕎麦」っていうメニューもあって、「つゆ」なのか「たれ」なのか話題になったりすることがありますけど、ま、どっちでも、ね。


蕎麦に2回の旬、新蕎麦の時期が夏と秋にあるなんて初めて知りましたね。


いつもはもり蕎麦の何とかセットを食べているんですけど、二代目が引き継いでちょっとしての冬、もり蕎麦が香り高くなって、つるんつるん手繰れるようになったんで、


「どした、蕎麦粉変えたの?」


って聞いたらですね、


「あ、すいません。前のが良かったですか」


「いや、こっちのが断然イイよ」


「ああ良かった。いろいろ試してみてんですよ」


っていうようなことを話したことがあったんで、教えに来てくれたんでしょうね。

 

 

 


秋の新蕎麦は長野産の蕎麦粉がメインだそうです。


信州蕎麦って旨いですよねえ。戸隠蕎麦とかね、わざわざ蕎麦を食べるためだけに何回か行ってますねえ。


他にも蕎麦の産地はいろいろありますけど、出雲蕎麦とかね、めっちゃ特徴があって旨いですけど、個人的にはちょっと強すぎるかなって感想です。
っていってもですね、東京の出雲蕎麦の店で1回しか食べたことないんですけどね。アゴ出汁でした。


慣れているからなのか、深大寺蕎麦もイイですし、なんといっても長野県、戸隠蕎麦が旨いですねえ。


信濃では 月と仏と おらが蕎麦」


っていう句が有名な小林一茶(1763~1828)は、長野県北部の野尻湖にほど近い、上水内郡信濃町の出身だそうですから、戸隠とは隣り合ったところに生まれた人なんですね。


でもですね「信濃では 月と仏と おらが蕎麦」っていう句は、一茶の句じゃないそうなんです。


「目出度さも ちゅうぐらい也 おらが春」っていう「おらが春」にひっかけて、後世の人が「おらが蕎麦」ってやったみたいです。


でもまあ、一茶が故郷の蕎麦が好きだったっていうのはホントみたいで、いくつか蕎麦の句を遺しています。


「そば時や 月の信濃の 善光寺


「国がらや 田にも咲かせる そばの花」


当時、稲作に向いていなかった土地で作られる代表的な作物だった蕎麦ですが、蕎麦自慢にも複雑な思いがあったのかもしれないです。


「そば処と 人はいふ也 赤蜻蛉」


直接出て来てはいませんが、蕎麦畑の一面の白い花の上を飛ぶ赤とんぼとの対比の句ですね。


「山鼻や そばの白さも ぞっとする」

 

 

「しなの路や そばの白さも ぞっとする」


っていう句もあったりして、蕎麦の花が咲いて風景を白くすると、そのまま雪の白さが世界を包み込む黒姫山戸隠山飯綱山ってことなんでしょうね。ぞっとするんですねえ。


一面の蕎麦の花っていうのは見たことないですけど、特別な景観なんでしょうね。


「三日月に 地はおぼろなり 蕎麦の花」


これは松尾芭蕉の句。
夜ともなると、一面の蕎麦の花って怪しげに目立つのかもです。


「残月や よしのの里の そばの花」


与謝蕪村


サクラの里の吉野。蕎麦の花も見事なんでしょうね。今でもそうなんでしょうか。


ま、花はイっす。実から先の粉になって蕎麦になってからが重大関心事。


新蕎麦って秋の季語だそうですけど、夏にもあるんですってよ、夏の蕎麦の旬。夏の新蕎麦。
知ってました?