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【動物との付き合い方】言葉に依らないコミュニケーションを考える

< コロナ明け 動物園 水族館の行方 >

2022年1月5日の那須サファリパーク、トラ獣舎で飼育員3人がトラに噛まれてしまったというニュース。


3人の飼育員はいずれも20代で、22歳の女性飼育員が重傷、24歳の男性飼育員と26歳の女性飼育員が負傷したそうなんですが、プロとはいえ、猛獣に分類されるトラとの接し方の難しさを思い起こさせられました。


3人とも命に別状はなさそうですが、22歳の女子飼育員は右手首を激しく損傷しているっていうことで、那須サファリパーク側の真摯な対応が望まれます。

 

 

 


メディアでは「飼育員がトラに襲われた」「鉢合わせして噛まれた」って報道していました。
那須サファリパークのホームページでは「2022年1月5日園内事故について」というタイトルで、「トラ獣舎内にて担当飼育員を含む3名がトラに噛まれて重傷を負う事故」としています。


1月4日のトラ「展示」後に、トラが飼育スペースに戻る前に柵を閉めてしまったために、通路にトラが取り残されていたんじゃないかってことみたいなんですね。


10歳とも11歳とも報道されているのは、ベンガルトラのボルタ。
体長2m、体重150㎏っていう大きさ。


襲われたっていう人間側の被害者意識も分からないではないですけれど、ボルタにしてみれば「じゃれた」だけなのかもしれませんよね。
2mもあるトラですからね、甘噛みしたとしても、人間は命を落としてしまう可能性だってありそうです。


ちゃんと、いつもの寝床へ帰れなかったんで苛立っていた可能性だって、ないではないでしょうけれども、本気で人間を襲ったとしたら、今回の「事故」レベルでは済まなかったんじゃないでしょうかね。


単純な作業ミス、っていうのが原因として処理されるのかもしれないですが、トラが飼育スペースに戻ったことを確認せずに柵を下ろしたっていう事実は、飼育員たちの労働環境にも一因があったのかもしれないなあっていうふうにも思います。


那須サファリパークでは1997年にも飼育員がライオンに襲われて重傷を負っています。


この時はライオンの檻の清掃中で、マニュアル通りの人員体制がとられていなかったっていうことでした。


慣れから生じてしまう油断なんでしょうか。分かりませんね。


さらに現状を考えてみますと、那須サファリパークのある栃木県は、2022年1月7日時点で、コロナ感染者の累計が15,821人、死亡者数は117人です。
東京と比較してみると、東京は感染者累計が385,000人、死亡者数3,175人です。
オミクロン前ですけどね。


栃木県としての感染対策がどんなだったのか、詳細を知りませんが、ツイッター投稿内容を見てみますと、那須サファリパーク自体の対策はかなりゆるかったみたいですね。


とはいえ、働いている飼育員さんたちの気持ちとしては、首都圏が近いだけに、人を呼び込む職場の中での緊張感は、逆にシビアだったかもしれません。


2年以上続いてしまっているコロナ禍の生活で、那須サファリパークだけじゃなくって、全国の動物園、水族館、レジャー施設は大きなダメージを受けていることは想像に難くありません。


栃木県の那須地域には「那須ハイランドパーク」「那須動物王国」「那須昆虫ワールド」だとかね、多くのレジャー施設やスペースがあります。


公共施設でもなければ、経営の実際はかなり苦しいんじゃないでしょうか。


メディア報道で取り上げられるのは飲食店が主ですけど、サービス業全般がダメージを負っています。


そう遠くない将来にウィズコロナになっていくんだと思いますが、動物園や水族館のしんどさは、客が来なくても経費はいつも通りの額が必要だっていうことでしょうね。
2年以上まともに営業できていないとすると、まともな管理体制を維持できていない可能性の方が高いんじゃないでしょうか。


「展示」するものが生き物である以上、飼育環境が正常に保たれていなければ、批判が集まりますね。


現に今回の「事故」についても、そもそも熱帯地方の動物たちを那須みたいな寒い場所で飼育するって、どうなの、っていう声があがっています。
かなり前から動物園そのものの存在について反対意見があるっていうのも事実ですもんね。


ただ、水族館は大人も含めてすべての世代で人気だそうですが、動物園は幼児に絶対的な支持を得ていて、生き物をまじかに感じることで情操が豊かに成長するっていう意見もあります。


幼児に人気があるっていうことは営業的にもイイことでしょうね。
幼児は単独で来ませんからね。オトナ、親が連れて来ますから。
幼児の希望を聞くまでもなく、動物と触れ合わせてあげたいっていう親御さんも少なくないでしょう。


ただですね、動物園には動物園に特有の問題があるんですね。

 

 

 


21世紀の地球的現状は6回目の大絶滅期だそうで、希少動物の補充が難しくなってきていて、動物園の存続は危機にさらされてきているみたいです。


「展示」っていう表現は、なんだか悲しい気持ちになりますが、動物園の主人公がどんどん減っているっていうのが現実なんですね。

 

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さらにはコロナ禍で経営状態も芳しくないのが動物園全体の問題なんでしょうけれど、札幌市の円山動物園なんかでは、2020年から「Amazonほしいものリスト」を利用して、寄付を募っていますね。


自分が好きな動物を見たいっていう気持ちは、動物愛護じゃなくって人間のエゴだっていう意見もあるわけですが、「Amazonほしいものリスト」の動物園側の姿勢に賛同して協力する人も少なくないです。


快適に過ごして欲しいっていう、動物に対する人間の「想い」ですね。


人間側の勝手な思い込みなのかもしれないとしても、動物、とくに身近なイヌやネコとのコミュニケーションは確実にあるように感じます。
もちろん通じ合えない個体がいるっていうか、個々の相性みたいなものもあるでしょうけれど、そのことがそもそもコミュニケーションできているってことになるんじゃないでしょうかね。


アニマルセラピーっていうのがありますよね。
実際に人間にとっての癒し効果が確認されているそうです。


ヨーロッパで盛んにおこなわれていて、人間の医療費削減っていう実利的な効果を表明している国もあります。


癒しっていうんじゃなくって、もはや治療効果が確認されているってことですから、日本でもこれから広まっていくのかもしれません。


アニマルセラピーっていう言葉自体は日本の造語らしいですが、イヌと接することで効果をあげているドッグセラピーが最も発展しているでしょうか。


ドッグセラピーには3種類が認められています。


「AAA(Animal Assisted Activity)」は「動物介在活動」
犬とのふれあいを楽しむ活動を中心として、情緒、クオリティオブライフの向上が期待されています。
老人ホームなんかで、イヌと触れ合うことによって認知症状が改善された例が時々報道されていますよね。


もちろんイヌはしゃべりませんが、人間の方も何か内容のあることを語りかけるってわけじゃなくって、ただ寄り添って、イヌを撫でているだけのコミュニケーションみたいですが、言葉以前の気持ちのコミュニケーションがそこにはあるのかもですね。
いや、きっとあるですよ。ネコにもありますね。


「AAT(Animal Assisted Therapy)」は「動物介在療法」
医療現場でのイヌを介在させた補助療法。
心身のリハビリテーションに効果をみせているようです。


ドッグセラピーのコアにあたる、完全なる医療行為ですね。
気持ちと身体に好影響っていうのが、不思議ながらアリガタイことです。


「AAE(Animal Assisted Education)」は「動物介在教育」
これは園児や児童にイヌと触れ合ってもらって、動物とのふれあい方を学習してもらおっていう活動ですね。
これもよく報道されていますよね。


こういうのを見た親御さんは、自分の子どもを動物園に連れて行こうって思うでしょうね。


アニマルセラピーの現状ではイヌが主役ですが、将来的にはネコだとか、他の動物の活躍も期待できるんじゃないでしょうかね。

 

 

 


かなり前から日本はペットブームだと言われています。
動物と触れあいたい気持ちは誰にでもあるってことなんでしょうね。


ただ問題もいくつかあって、飼育放棄された多くのイヌやネコが絶えないっていう、なんともやりきれない現状もあります。


環境省の「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」によりますと、2017年時点で、日本で飼われているイヌの数は892万頭、ネコは953万頭だそうです。


賃貸物件ではペット禁止の建物が多いっていう現状を考えてみますと、かなりの頭数に思えます。


そして1年間に保健所や動物愛護センターに引き取られるイヌは3万8500頭、ネコは6万2100頭。
引き取られたイヌやネコを新たな飼い主に引き渡す活動は広く知られていますが、全数が引き取られるわけじゃなくって、1年間に8,400頭のイヌと、3万4900頭のネコが「殺処分」されているのが現状だっていうことです。


こうして命を落とすイヌやネコの数は年々減ってきてはいるそうですが、とんでもない数ですよね。


多頭飼育崩壊だとかも含めて、人と動物の付き合い方って難しいんですね。
っていうか、この現状は完全に人間のエゴです。


こうした現状をなんとかしようっていう活動として、環境省は2022年6月1日から「マイクロチップ登録制度」を実施するんですよね。


ブリーダー、ペットショップで販売されるイヌやネコについて、マイクロチップの装着が義務化されるわけです。


飼い主とペットをマイクロチップで情報的に紐づけて、責任所在を確保しようっていう狙いなんでしょうし、義務化することによって、安易な気持ちでペットを飼うことに一考をうながすってことなんでしょう。


イヌやネコばかりじゃなくって、全ての動物の生命っていうものと、どう付き合っていくのか、コロナ禍がどういう形にしろ治まったあと、ペット事情、動物園事情、かなり変わるんでしょうね。


SDGsのペットに関する活動っていうのは、飼い主の負担を軽くする方向なのがほとんどですが、それとは違う方向を見定めて、命と命で向き合うような気持ち、意識を考えましょうっていうのがウィズコロナの時代なのかもです。


特定のジャンルの問題が1つずつやってくるんじゃなくって、全てが一気に覆いかぶさって来るっていうのが、現実、なんでしょうから。


言葉にする前に、言葉じゃないコミュニケーションが、少なくともイヌやネコとはできるような気もするのであります。

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