< 2022年の50年前って1972年なわけで 日本がめっちゃ元気なころ ですかねえ >
「戦後の食品三大発明」って言われているのがあるんですね。
日本で言われていることではあるんですけど、ま、ほとんど世界の中でも三大発明って言ってイイんじゃないかと、個人的には強く思う次第でありますよ。
まず、三大発明の1つは「インスタントラーメン」
でしょねえ、世界の食品三大発明にだって絶対入るでしょ。
1958年に発売された日清食品の「チキンラーメン」が世界初の偉業を成し遂げておりますねえ。
2022年時点で誕生、半世紀以上の64年になるわけです。
他メーカーも追っかけましたね。
各メーカー様々な工夫を凝らしながら64年。いつもいつも、お世話になっておりますです。
凄い発明ですよね、インスタントラーメンって。安藤百福、エライッ!
食品三大発明の2つ目は「レトルトカレー」
1968年発売の、大塚食品「ボンカレー」が最初です。
2022年時点で誕生、これまた半世紀以上の54年ってことになります。
昭和の時代に地方の田舎道を車で走っていると、ホーロー製のボンカレーの看板が壁に貼ってあるのを見かけましたけど、あれは今でも健在なんでしょうかね。
ホーロー製でしたよ。
レトルトカレーっていうのも、各社工夫発達していて、ちょっと前からは湯煎式からレンチンになりましたね。
ボンカレーはどうなのかな? レンチンになったんでしょうか。
なんでそれを知らないかっていうとですね、ボンカレーってレトルトカレーの中で高価格商品になっているから、このところ買ってないからなんです。高いもん。
ま、世界初のレトルトカレーっていう栄誉がありますからね、高くたって人気なんでございましょうね。ずっと有りますからね。スーパー、ドラッグストアの棚に並んでます。
箱入りの単品売りです。お徳用袋に入っているっていうパターンじゃないんですよね。高級品になってます。
レトルトカレーにも、いつもお世話になっております。はい。
そして、食品三大発明の3つ目は「カニカマ」です。
カニカマはですね、今じゃ世界を席巻している食品になっているんだそうです。
特許関係だとかがどうなっているのか分かりませんが、ヨーロッパで人気のカニカマを作っているのはリトアニアの会社だそうです。
カニカマ、リトアニア、へええ、です。
そうした商売上のことはよく分かりませんが、特許が取れるような食品じゃない、ってことだったりするんですかね。
カニカマは大好きですが、食品三大発明の中で、っていうか、新たに発明された食品の中で「フェイク」じゃん、って言われながらもヒットしたっていうのは、カニカマぐらいなもんじゃないでしょうか。
売り出したときのキャッチコピーが「カニのようでカニでない」だったっていうんですから、ウリが「ニセモノ」ってことですよ。
「カニのようでカニでない」って、凄い胆力です。
でも、ほら、カニっぽいでしょ!
ってことで支持されてヒットしたんですからね。「アイディア商品」っていう「フェイク」を好意的に表現した言葉も使われたカニカマです。
ところで、この世界的発明品であるカニカマなんですが、どこが発明したかについて3つの説があって、ハッキリしていないらしいんですよね。
1972年、石川県のスギヨが発売した「珍味かまぼこ・かにあし」
スギヨのカニカマは2022年で誕生半世紀になります。
1973年、マルハニチロが発売した「カニ棒」
マルハニチロのカニカマは半世紀まであと1年あります。
1974年、広島県の大崎水産が発売した「カニスチック」
大崎水産のカニカマは半世紀まであと2年。
って、この3つで世界初を争っているみたいなんです。
え? って思いますよね。発売時期が明らかに違っているのに、なんで遅い発売のメーカーが世界初を名乗れるわけ?
この辺りに、なるほど「フェイク」ならではの謎がありそうです。
カニカマって、かまぼこのアイディア商品なんでしょ。って言ってしまえば、そゆことなんですけど、たぶんおそらく最初に発売した時の形状って、今、普通に見るカニカマとは違っていたんでしょうね。
そうなりますと、カニカマとは何ぞや!? っていう「カニカマの定義」みたいなものが後付け的に出て来ちゃって、発売は先かもしれないけれど、それは正式なカニカマとは言えないんじゃないですか? みたいな元祖争いがあるのかもしれません。
違う方面から言ってみれば、「正しいフェイク」の最初を争っているってことになるわけで、合法的なフェイク、ここに極まれり、ってことなんでしょうかね。
でもまあ、日本の各メーカーが特に裁判沙汰を考えているようなふうでもなく、大人な態度を保っているみたいですからね、問題にはなっていないようです。
カニカマの主原料はスケトウダラだそうで、要するにタラのすり身なんですよね。
それをカニに見立てる技術、風味付け、調理例の公開だとかの工夫のおかげで、日本ばかりか全世界に浸透して、高評価のカニカマです。
でも決してカニを模倣しているってことでもないんです。
「カニのようでカニでない」ってことなんですからね、フェイクじゃなくって、新しい食べものなんです。
結局、タラのすり身、旨いじゃん、ってことが世界に浸透したわけで、健康食ブーム、日本食ブームに乗って、初期には「imitation crab meat」なんて呼ばれていたそうなんですけど、いつのまにか「surimi」っていう英語がカニカマを指すようになっているんだそうです。
アメリカ英語では「kani」っていえばカニカマのことなんだそうですけど、それってホンモノのカニの日本語だよっていう説明が、なんだか難しいようなことになっているっていう話もあります。
「crab」と「kani」と「surimi」ホンモノとフェイクと、ごっちゃです。
ま、旨けりゃイイのさ、ってなもんで、フランスでは、バゲットじゃなくってスエードワっていう柔らかめのスウェーデンパンに、各種野菜とカニカマ(surimi)を挟んだ「スウェーデン風サンドウィッチ」が大人気だそうです。
健康志向が生んだブームなんでしょうけれど、これ、旨そうな感じがします。
しょう油風味のドレッシングとか、合いそうですよね。マヨネーズとね。
日本でもサラダにカニカマって、今では普通にやってますねえ。
高いカニ缶を買ってきて、サラダの中にちょっぴり入っているホンモノのカニにより、たっぷり入っているカニカマの方が嬉しいです。
なんとなれば、ホンモノのカニよりカニカマの方が好き、なんて御仁もいらっしゃいますからね。
でも、正直、その感覚も分からないではないです。
ホンモノとフェイクっていう区別じゃなくって、完全に別の食べものとして認知しているんでしょうね。
でもですね、フェイクとしてのカニカマだからこそ、これ、イイねって思っているのが、1つあります。
町中華の「かに玉」です。
もちろん、町中華の中にも高級店みたいな店も存在していて、ホンモノのカニを使ったかに玉を出している店もありますけど。
でもほら、かに玉って玉子焼きの中身までは食べてみるまで分からないですよね。
かに玉の中身がホンモノのカニなのかカニカマなのかを見極める方法はただ1つ。値段です。
ホンモノのカニは、もちろんカニ缶なんでしょうけど、高いですからね。
かに玉の値段も必然的に高くなっちゃいます。
そして、残念なことに、高いかに玉に入っているホンモノのカニは量が少ないです。ほんのちょびっと。
たいてい千円以上しているのがホンモノのガッカリかに玉です。
ホンモノの方がガッカリしちゃう結果になってますよ。
それに対して「カニなしのかに玉」はカニカマたっぷりです。
千円はしません。いつも行っている町中華のかに玉は、単品で600円。
ネギ、シイタケ、タケノコ、枝豆のざく切り、そしてたっぷりのカニカマです。
甘さを抑えたしょう油あんで食べます。とってもふんわりの玉子焼きの中に、しっかりした噛み応えの具材がちりばめられていて、旨いんです。カニカマ、主役です。
ボリュームもちょうどイイ感じ。
熱いうちに食べるのが旨いですけど、酒のアテにゆっくり食べて、冷めてからでも旨いんですよお。
「かに玉って言ってんのに、カニ、入ってないじゃんか」
とか野暮なことをいう客もいないですね。
でも、この町中華は良心的な「カニなしのかに玉」なんです。カニカマが入っていますからね。
カニカマも入っていない「カニなしのかに玉」を出している町中華の方が多い感じがします。
それってもはや「玉子焼き」なんじゃないの? かに玉言うな!
とは思うんですけど、町中華のメニューですからね、カニが入らなくなっても「かに玉」っていうメニューなんでございますよ。
ところで、カニカマの成分表を見ますとですね「カニエキス」っていうのが入っているんですよねえ。
カニエキス? 科学的につくられているエキスなんでしょか。
カニから抽出している? だとしたら、そのカニって、どうしてんの?
スカスカのカニさんになっちゃってるってこと?
素人にはいろいろと不思議いっぱいのカニカマなんであります。
スギヨのカニカマは誕生半世紀。
どこが最初だとしてもカニカマは「戦後の食品三大発明」の1つ。世界に広まっている日本発祥の食品です。
辛子酢しょう油で、そのまま食べるのが、酒のアテにはサイコーなんです。