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【カレー鍋】鍋ものから季節感を取っ払った大発明 なのかも

< みんなで鍋を囲むっていう食べ方は コロナ禍の今 まだ回復できていませんけどねえ >

カレーは国民食って言われ始めてから久しいですし、鍋っていうのもまた、わざわざ国民食なんて表現をしなくたっていいほど日本人が親しんできた食文化ですよね。
それがくっ付いたってだけなんですけど、改めて「カレー鍋」って言われると、へええ、って思っちゃいます。


全てのメニューには、その発祥っていうのがあって、今は当たり前に思っているメニューだって初登場の時には「ん?」っていうリアクションを受けたかもしれないですよねえ。


2008年ごろだったでしょうか。「カレー鍋のつゆ」っていうパックがスーパーの棚にずらりと並んで、カレー鍋? なんでカレーを鍋にしちゃったの? とか思ったことを覚えています。
それに、カレーだったらどこの家でも普通に、市販のルーで作ってるんだから、わざわざ別物として「カレー鍋のつゆ」とかいって売り出すっていうのも、なんだかなあって、ちょっと反発心みたいな感覚もあったんでした。


でもね、たかが「カレー鍋」されど「カレー鍋」ってことで、出汁の工夫がカレーじゃなくって「カレー鍋」なんでありましたねえ。人気ですもんねえ。

 

 

 


鍋っていえば冬の風物詩ってなもんで、居酒屋チェーンの忘年会パックには必ずセットされていましたね。
でも高いばっかりで忘年会鍋はロクなもんじゃなかった印象です。
だいたい、ヤなやつと一緒に鍋なんか囲みたくないですよね。
そんなんでさえコロナ禍になってからは縁遠くなってしまいました。


家族で、仲間で、鍋を囲む習慣っていつごろからあったのかっていうと、鍋が特別の形式だったわけじゃなくって、そっちの方が普通だったっていうことみたいです。


日本中、どこでもってことじゃなかったんでしょうけれど、囲炉裏ってあったじゃないですか。って言ってもあれか、囲炉裏で通じる人と、なにそれ? っていう人と、今は半々ぐらいになってるんでしょうかね。


観光地なんかだと囲炉裏を名物にしている飲食店っていうのがあるぐらいですもんね。
囲炉裏の上の高い天井から自在鉤(じざいかぎ)っていうのが吊るしてあって、それにヤカンをかけてお湯を沸かしたり、食事時にはそれに鍋をかけて煮物。

 

 

 

囲炉裏を囲んでみんなでそこから各自によそって食べるっていうスタイルが普通だった時代があるんですよね。


さらに言えば、竪穴式住居での生活って、囲炉裏っていうまで進化はしていないものの、真ん中にくぼみを作ってそこで煮炊きをしていて、やっぱりそのくぼみを囲んでの食卓だったみたいですから、縄文時代ぐらいから鍋を囲むっていう生活だったってことかもです。


時代が進んで、かまどが出来て、お膳文化が出来て、みんなでわいわいひとつの鍋をつつくなんてことは遠くなったわけですけど、DNAっていうのか、宴会モードなんかに引き継がれて鍋文化ってずっと廃れていないんです。
少なくともコロナ前まではね。

 

 

 


そんな鍋の種類なんてもう、山ほどあるわけですけど、カレーが仲間入りしたのっていつごろなんでしょう。


「カレー鍋」の発祥っていうのもいくつか説があるみたいです。
いずれも発祥の年代は調べきれませんでしたが、そんなに古くからってことでもないみたいです。


「カレー鍋」の登録商標を持っているのは「大阪カレー鍋ダイニング 鬼神」らしいんですが、登録を受けたのは2009年。


ただもちろん、「カレー鍋」自体はもっと前から存在していて、専門店が現れたのは2006年の大阪南船場「宮がみ屋」ってことですんで、少なくともその前からあったわけですね。
でもまあ、そんなに古くからってことでもないですね。


「大阪カレー鍋ダイニング 鬼神」の初代オーナーが昭和40年ごろっていいますから1960年代ですよ、大阪のうどんすき割烹で働いていたときに考え出したものってされています。

 

そういえば、うどんすきっていうのもありますねえ。大阪の旨い鍋料理。


これは大阪市の「美々卯」が登録商標を持っているんだそうです。


元々あった大阪の郷土料理「魚すき(うおすき)」にうどんを入れたら旨かった、っていうのが発祥みたいですね。
まあね、鍋って、特に堅苦しくこうでなきゃダメっていうんじゃなくって、こんなんどうでしょうか、ってやってみるのが楽しいもんですからね。いろんなのがあるわけです。


うどんすきにしてもカレー鍋にしても、そういうメニューが出来てから知った者にとっては当たり前、みたいに感じちゃうところがあるように思いますけど、最初に作った人はいろいろ考えて試行錯誤。工夫の結果なんでしょうね。


カレー鍋発祥のもう1つの説。兵庫県姫路市の「喰い切り酒場 伝心望」
こちらもいつからカレー鍋を出していたのか、時期についてはハッキリしませんでした。


まあ、うちが最初、何年からやってまんねん、って言って争うようなことじゃないんでしょうけどね。


言えることは、大阪兵庫、関西圏発祥だっていうことになるでしょうか。


大阪はうどんエリアですよね。
昔から「鍋焼きカレーうどん」っていうのがあったそうなんですよ。食材を選ばないし手間も要らないってことで、うどん店の定番賄い。


そういう食文化で修行した人たちが、うどんもエエけど、それ以外でもええなあ、ってことで登場してきたのが「カレー鍋」なのかもです。


市販の「カレー鍋のつゆ」も出汁がしっかりしていてイイんですけど、カレー粉、カレールーで自分で作るレシピっていうのもたくさん紹介されていますね。


農林水産省の「ごはんにぴったりレシピ」っていう中に「すりおろしたまねぎのカレースープ鍋」っていうレシピが紹介されています。

たまねぎってカレーとの相性バッチリですもんね。旨そうです。


一般社団法人「ファイブ・ア・デイ協会」は「ゴロゴロ野菜のミルクカレー鍋」っていうのを紹介しています。

生鮭、ホタテっていう海鮮系。シーフードカレー鍋ですね。


農林水産省の「ごはんにぴったりレシピ」っていう中にもう1つ見つけました。
単純に「カレー鍋」

こちらは具材として油揚げとたまねぎ、だけです。


油揚げ? って感じですけど、あれですかね、肉でも魚でも、あとはお好みで入れてねっていうベースとしてのカレー鍋なんでしょうかね。

 

 

 


ま、なんども言うようですけど、カレーバリエーションとして出汁に重点を置いて考えれば、オリジナルのカレー鍋の完成ってことでイイんだと思います。
決まり事なんて気にせずに楽しむのが、日本の鍋文化ってもんでしょ。


しかしあれです、大阪の、って大阪に限らないんでしょうけど「鍋焼きカレーうどん」
食べたことないですけど、なるほどなあって思います。


風邪気味の時に、熱燗と鍋焼きうどんっていうのをよくやりますが、「鍋焼きカレーうどん」食べてみたいですねえ。
でも東京近辺でお目にかかったこと、ないです。


でもあれかな「鍋焼きカレーうどん」はやっぱり、冬、ですかねえ。大阪まで行くか。ん~。冬じゃなくたってイッかな。