< ご当地揚げ物 地産地消ってことなんでしょうけど そこへ横入りして食べ回りたいですよ >
コロナころな、ってばっかりになっちゃいまして、このごろはメタボっていう言葉を聞かなくなっている感じです。
でもまあ、当然のことながらメタボリックシンドロームが消えてなくなってくれたわけじゃないんですよねえ。
野菜食べずに肉ばっかり食べて、夕食も遅いし、酒は吞むしで、カロリー取り過ぎなんですよ。
そんなにカロリーばっかり摂ったって、ロクに運動なんてしないんだから無駄なんですよ。そんなにたくさんのエネルギー要らないでしょ。メタボですよ。
とかね、口さがないお医者さんなんかはズケズケ来ますよ。
健康だとか、メタボだとか、そっちの方面から言えば、そりゃその通りでございましょ。ええ、そりゃそうでしょうとも。でもね、ずっとそういう「正しい」生活を続けるっていうのはですね、苦行ですよ。
時にはね、やってられるかあっ! うっせえわっ! ってことでもイイんじゃないでしょうか。
使い道のない高カロリー。それが旨さの正体なんじゃあ! ってことなんでありますよ。
いや、あれなんですよ、みなさんの健康のためにお店の場所と名前は控えさせていただきますが、時々行っている定食屋さんの話なんです。
お店の中に入りますと新メニューっていう貼り紙があっちこっちにありまして、A4の紙にですね、太いマジックで手書きです。
「名物 茶色丼 1800円」
ちゃいろ? 写真無しの文字情報だけなんですけど、下段にカッコつきで「ぜんぶ乗せ丼です」って書いてあります。
しかも「名物」って、新メニューで、出て来たばっかりなのに、最初っから「名物」?
アにを言うてんねん!
いわゆる洋食メニューがメインの定食屋さんなんです。
メニューの数は30種類ぐらいありますかね。「ぜんぶ乗せ」って、なに?
「揚げ物ね、全種類乗っけちゃうんだよね。安いでしょ。ベースはオムライス。お勧めオススメ」
メニューに写真も載せた方が分かりやすいのに。
「いや実はさ、うちのプリンター、インクが切れちゃってさ。高いじゃんインクって」
ってことなんでありました。あ、そ。
前から特盛り用の深皿っていう、ドーンとデカイのがあって、オムライス、生姜焼き丼、トンカツ丼だとかのメニューにエビフライ乗せ、から揚げ載せとかのトッピングありで、かなりガッツリ系の定食屋さんなんですね。
どの特盛りメニューも、オジオバは絶対チャレンジしないようなボリュームですよ。
にしても「茶色丼」っていうネーミングセンスは、なかなかチャレンジャーですよね。悪くはないです。
特盛りじゃないオムライスを特盛り用の深皿に入れて、その上に、トンカツ、チキンカツ、から揚げ、エビフライ、アジフライ、コロッケ、春巻き、生姜焼きが乗っかっているんだそうです。「茶色丼」
たしかにね、茶色です。生姜焼きは揚げ物じゃないですけど、しっかり茶色ですしね。
ソース、ドレッシングはテーブルに揃えてあります。チューブに入ったタルタルソースもあります。
チャレンジしてみたい気もしますけど、ん~。まず食べきれそうにないですね。無理ですねえ。
腕組みしてちょっと考えていると、
「キャベツサラダもプラス200円でチョー大盛りサービスするよ」
いや、やめときます。ポークソテーをいただきました。普通盛りのね。普通盛りでもちょっと多めの店なんですよね。充分です。
でもなんかね、食欲スケベってやつでしょか。気持ちが惹かれる「茶色丼」
揚げ物って旨いですよね。しかもですね、揚げ物をガツガツいけるってことは、その時の自分って元気だってことだと思うんですよね。
熱っぽかったり、疲労感にどっぷりの時って揚げ物いかないですよね。茶色に押しつぶされる気分になります。
元気であればこその揚げ物って感じがします。
いや、もちろん、元気であっても「ぜんぶ乗せ」とかは、サイノーがないとチャレンジ出来ませんけどね。
この店の揚げ物、小さくないんです。ぜんぶ乗せってたぶん、下のオムライスは全く見えないでしょうから、まさに「茶色丼」っていう見た目なんでしょうね。
そんなに大量の揚げ物ばっかり食べられますかね。いや、でも、どこかにチャレンジしてみたい感覚があるんですねえ。
明らかに無理なのに、イヤシイですねえ。
脂、油が欲しいってことじゃなくって、揚げ物って、サクッとした歯ごたえで、中からじわあっとくる食感がイイんですよね。
食べてるって感じが凄くします。見た目、音、味、満足感。茶色は正義です!
たいていの揚げ物は、どんな店でも合格点。ハズレ無し。
素揚げ、カツ、フライ、天ぷら。海外の事情は知りませんけれども、日本のサイキョーの食べものですよね。
フランス発祥のコンフィとか、スペイン発祥のアヒージョとかもイイんですけど、やっぱり日本の茶色がサイキョーですよ。
ハズレ無しなんだから、日本のどこで食べてもオッケーでしょ、ってなもんではあるんですけど、やっぱりね、ありますよ、地域独特の揚げ物。そこでなければ食べられない「茶色」
味の想像はだいたいつくとしても、現地に行ってチャレンジしてみたい気持ちがあります。
日本全国にある「正義の茶色の揚げ物たち」
飫肥天(おびてん)
聞いたことないです。
宮崎県日南市飫肥地区の郷土料理ってことなんですけど、江戸時代、飫肥藩だったこの地域で考え出された「かまぼこ天ぷら」ってことみたいです。
サカナの種類にはさほどこだわらないけど、日向灘で獲れたやつをすり身にして、そこへ豆腐を投入。味噌、しょう油、黒砂糖で味付けて混ぜ合わせて揚げる。
黒砂糖!? 豆腐が入っているんで普通のさつま揚げよりふかふかの食感で、ほんのり甘い。
酒のアテにもヨサゲですねえ。黒砂糖は隠し味程度、なんでしょうか。それともバッチシ甘い?
興味ありますねえ。
室根からあげ(むろねからあげ)
北海道の根室じゃなくって、岩手県一関市の室根町の「から揚げ」
から揚げっていったら、大分県の「中津からあげ」北海道釧路発祥だっていう「ザンギ」が有名ですけど、岩手県にもあったんですねえ。郷土料理のから揚げ。
銘柄鶏「奥州いわいどり」をショウガ、すりおりしタマネギのしょう油ダレに漬け込んで、じゃがいものデンプンをまぶして揚げる。ニンニクは使わないんだそうですよ。
各地のイベントで優勝しているらしいこの室根からあげ、「奥州いわいどり」っていうのも食べたことないですし、ぜひチャレンジしてみたい茶色です。
千斬雉(せんざんき)
愛媛県東部の今治市辺りの郷土料理。
江戸時代に雉を揚げて食べたのが始まりだそうですが、今は鶏。
すりおろしたショウガ、ニンニクを入れたしょう油ダレに骨付きで漬け込んで、片栗粉、溶きタマゴをもみ込んで揚げる。
骨からも旨味が出るんだそうですよ。
じゃがべえ
富山県のじゃがべえは、じゃがいもとベーコンを交互に串に刺した揚げ物だそうで、スパイシーな衣が特徴みたいです。
けっこうレアな逸品らしいんですけど、じゃがべえって、なんかどっかのコンビニにあったような、なかったような。
ホルモン天ぷら
広島県のご当地茶色。
衣付きのホルモン揚げっていう茶色みたいですね。つゆは自分好みで天つゆも良し、粉唐辛子も良しってことで、ホルモンが苦手な人でも旨く食べられるっていうウリですね。
ホルモンを天ぷらにしちゃってるんですねえ。ぜひチャレンジしてみたいですねえ。
ゆばチーズ
チーズ入りのサカナのすり身を湯葉で包んで、蒸してから揚げるっていう京都、嵐山の名物茶色。って、あんまり茶色じゃないのかもですねえ。
これはもう、間違いなく酒のアテとしてイイ感じでしょねえ。
長崎天ぷら
出ました! って感じの長崎県郷土料理。日本の天ぷらの元祖ってやつですね。
エビ、白身魚、鶏肉を味付けした衣を付けて揚げる。
今の日本の天ぷらっていうよりは、フリッター的な長崎天ぷら。そっかあ、長崎ねえ。
長崎の出島に来ていたポルトガル人のキリスト教徒たちに、肉を食べちゃいけないっていう宗教で決められた期間があって、その「テンポラス」っていう期間はサカナ、野菜を揚げたものを食べていたんだそうで、それが「テンプラ」っていう名前の由来なんだそうですね。ふううん、知らんかったです。
考えてみれば「天ぷら」っていう日本語、意味分りませんもんね。
衣にはちょっと砂糖も入るんだそうです。
たまコロ
北海道北見市の名物コロッケ。
コロッケが名物? って思ったら、このたまコロっていうのは、じゃがいも、挽肉が入っていないんだそうです。北海道なのに、じゃがいもナシです。
たっぷりのたまねぎとツナをマヨネーズで和える。揚げる。ザッツイット!
コロッケフェスティバルで何度も優勝!
むあああ、コロッケフェスティバルって、なんなん!? 参加したことないですう。
この他にもたくさんありそうですけどね、ご当地揚げ物。
いろいろ食べ歩き、してみたいですけど、コロナっていつまで続くんでしょかねえ。
日本の茶色を元気に体験、実食して歩きまわりたいのであります。