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【電子図書館】1つの作品を借りられるのは1度に1人だけ っていう過渡期

< 図書館利用者を増やしたいって考えている人にとっての電子書籍って? >

コロナ禍で増えたものっていうと、雇止めとか貧困とか、だいたい暗い話題が多いんですが、そんな中でふううんって思える、明るくはないにしてもダークなイメージじゃないものがありました。


電子図書館」の話題です。


電子書籍リーダーは「Kindle」が普及しているようですが、日本で使われ始めたのは2012年の暮れごろでしたね。


個人として電子書籍の利用となると、専用リーダーじゃなくってブラウザで読める「青空文庫」を利用しています。1997年に公開された青空文庫も次第に閲覧作品が増えてきていて、令和3年現在、16727(著作権なし:16366、著作権あり:361)点の作品が提供されています。

 

これまで青空文庫は基本的に著作権の切れた作品の提供をしてくれていましたが、著作権のある作品も含まれてきていますので、これから一般書籍の即時デジタル化の方向に向かう可能性もゼロではないのかもしれません。


紙の本を制作する過程でテキストをデジタル処理することは、ごく一般的になっているでしょうから、提供媒体が紙かデータかっていう2種類の形式って、早晩統一されて電子書籍が一般的になっていくのかもなあ、って気もします。

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紙の本のファンとしては、どことなく不満というか寂しい感じなんですが、そういう感覚は時代の趨勢に置いていかれている証拠なのかもしれません。


ただ、そうした書籍のデジタル化の流れとして、馴染まないんじゃないかって思っていたのが「図書館」だったんですが、アホでしたね。


電子図書館の利用は、コロナ禍の巣ごもり生活の影響もあって、これまでの12倍に爆増しているみたいです。
まあ、12倍っていうのは元の数が小さいってことなんでしょうけれど、需要と供給です。提供する電子図書館の体制が整えば、利用者はまだまだ増えていくんでしょうね。


音楽シーンがアナログレコードからデジタルCDに変わったときには、その一気呵成に驚いたもんですが、今やダウンロードが主流となってCDの時代は極短いものになってしまったっていう事実を考えると、本っていうものの形式、形態も一気に変わっていくのかもしれません。

 


そもそも本っていつごろ出来たんでしょうかね。


紙が発明される前はパピルスだとか粘土板だとか、竹だとか亀甲だとかね、いろいろ聞きますが、そんなにまとまった量の文字が書き留められたんでしょうか。
古代の図書館って、本を置いておくスペース、どうしていたんでしょう。まあ、本自体が少ないんで心配するようなことじゃなかったんでしょうかね。


知られている「古代三大図書館」っていうと、


アレクサンドリア図書館」


古代エジプト第2の都市アレクサンドリアに紀元前3世紀に建設された国立図書館で、研究機関の一部だったといわれています。


大遠征の軍隊の中に学者集団を伴っていたというアレクサンドロス大王の知識欲にならって、世界の知識の中心となるべく、作られたんだそうです。


現在の本に換算して10万冊に相当する蔵書だったとされていますが、クレオパトラの時代、紀元1世紀、カエサルの軍隊の放った火で全勝。古代の知が失われたとしてカエサルが非難されています。


あと2つはトルコにあるんですね。ペルシャの知識。
「ペルガモン図書館」「ケルスス図書館」


文化圏の違いなんでしょうか、この2つの図書館についての資料は、ちと見つかりませんでした。

 


でもまあ、古代三大図書館の文化圏って地中海東部。マケドニアギリシャ、トルコ、エジプトですね。
こういうのって、なんだかんだヨーロッパ方面の記録が世界の全て、みたいなところがありますよね。


でもおそらく、中国にもあったんじゃないかって思うんですよね。古代図書館。


秦の始皇帝の「焚書坑儒」って紀元前3世紀ですよね。
アレクサンドリア図書館が作られた頃と同じ時期に燃やしたっていう、その大量の本はどこの蔵書だったのかってことですよね。


南米のマヤ、アステカにだってきっとあったんじゃないでしょうかね。
って、外国の話ばっかりですが、我が日本はどうなんでしょう。


日本で最初の公開図書館っていわれているのが、奈良、平城京にあったとされる「芸亭(うんてい)」
8世紀ですから、世界レベルではちと遅れての建設ですが、仏典を中心とした蔵書だったそうです。


空海の文書の中にも名前の出てくる芸亭ですが、平城京自体が短命に終わりましたからね、空海の時代にはもう無くなっていたみたいです。


平安時代の初期に創設されたっていうのが「足利学校


当時は下野国足利荘、今の栃木県足利市明治元年まで存続していたっていいますから1000年の歴史です。
1915年、大正4年には図書館となって、足利学校時代の蔵書も保存されているそうです。


2015年には日本遺産に認定されて、令和の時代にも生き残っています。なかなか凄いと思いますね。


もう1つ。鎌倉時代中期に北条実時が創設したといわれる「金沢文庫
神奈川県横浜市金沢区金沢町にあります。


北条氏が滅ぼされてから蔵書の多くが戦国武将たちによって持ち去られてしまったらしいんですが、明治になって伊藤博文たちによって復興。
昭和5年には神奈川県立図書館になって令和の時代に存続しています。


令和現在の公立図書館は3316あるんだそうですが、電子図書館は2021年夏の時点で200以上に急増しているそうです。


まだ桁落ちしている段階ですが、今後一気に増えていく可能性は大きいんでしょうね。


世界の図書館にはユニークなものもあって、エモ (id:egaonomori) さんの記事、

「カナダの小さな図書館」

「カナダの小さな図書館〜第二弾〜」

にあるような、心和むようなものもあるんですよね。


本って、こうあるべきって感じもします。やっぱり手に取ってぱらぱらしたい気がします。


でもね、他人が触った本は手にしたくないっていう意見もあります。


たしかにね、コロナ禍の行動変容の中ではそういう感覚の人って増えているのかもですね。


さて、個人的には未だ利用したことのない電子図書館ですが、人気が出そうだなって思う理由は、そうした衛生面ではなくって、借りるとき、返すとき、面倒くさくなあ~い、ってことみたいなんですね。
そういう意見が多いらしいんです。


その図書館によってなんでしょうけれども、登録手続きできるのは、その区域に制限があって、その辺は税金での運営である以上しょうがないんでしょう。


ただ、紙の本を置いている公立図書館でも利用者の制限のあるところもありますからね、それは苦情の対象にはならないでしょう。


で、登録さえ済ませてしまえば、手元のアプリで本を探して借りるだけ。図書館まで足を運ぶ必要がありません。で、本を持って帰る必要もないってことですね。


さらに凄いなあと思うところは、借りた本の返却です。
期限がくればその本にアクセスできなくなる。そういう返却の方法。
ああ、返さなきゃ。返しに行かなきゃ、っていう気疲れ、手間がない。


なあるほど。さすが電子図書館。って本気で思います。


今は、電子図書館っていう建物が各自治体にあるんでしょうけれど、そういうスペースが必要なのは最初の手続きが、おそらくアナログだからで、その手続きもネットで出来るようになっていくんでしょうし、それが実現されると必要なのはサーバとメンテ要員だけになりますね。


図書館っていう物理的な建物は必要なくなって、バーチャル図書館になるってことかもです。


そういう方向に浸透していくとすると、各自治体ごとっていうサービス形式も必要なくなって、日本全国どこからでも誰でもアクセスできるバーチャル図書館が1つあれば充分ってことになるかもです。


今現在の電子図書館のサービスは、1つの図書館が1冊の電子本の利用権を買って、住民にサービスする仕組みみたいで、1冊の本を誰かが借りているときは、他の人は借りられなくて、順番待ちになるわけです。


電子図書館に本の利用権を売る側はビジネスですから、紙の本よりは高い値段で期限付きの利用権売りです。
一回の利用は1人に限られますし、期限が切れればもう1回契約し直しになるみたいです。


つまり商売のためにそういうコントロールをしているってことで、ホントはそんな制限をかけなくたってユーザーの利用は、いくらでも可能なはずです。
でもそれじゃあ商売になりませんからね。わざわざ制限機能プログラムです。


なんかね、過渡期なんだろうって思いますね。

 


著作権のためっていうのも、理由として重要なんでしょうけれど、そこを突き詰めていくと、著作物を利用する人が無料で読めるっていう、公共図書館サービスの成り立ち自体に税金を使うのは利用しない人の了解を得てはいないじゃないかっていう、クラシックな問題に関わってきますね。


今現在公共図書館の利用は、その地域の住民の2割しかないって言われていて、図書館を存続するうえでは電子書籍をうまく利用したいところなんでしょうけれど、電子図書館に移行していくと、だんだん存続と言いますか、存在意義みたいなものが揺さぶられることになってしまう可能性が、ま、考えすぎでしょうかね。


なんか、ネットの使い方って、まだまだだよねって、そういう結論になってしまいました。日本はね。


本も図書館もアナログおしでいきますです。はい。
でも、どんどん電子書籍化が進んでいきそうな2021年です。