ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【デート経験なし】令和の男女関係 恋人のいない20代女性は50% 男性はなんと70%

< 男女共同参画が叫ばれている世の中って どう変わろうとしているんでしょうか >

「いや、どうも、ご無沙汰ですう。早いですね」


40代前半のサラリーマンがカウンターの背中から元気な声をかけてきました。
その店での顔馴染です。
その日は夕方6時半ぐらいから居酒屋のカウンターに陣取っていたんですね。
で、その山田くん(仮名です)が隣りに座りました。
時間は7時を少し回ったばかりでしたから、山田くんも早めです。


子どもさんはいなくって、時々共働きの奥さんと一緒に来て、テーブル席で3人で呑んだりすることもあります。
山田くん1人の時と、奥さんと一緒の時と、半々ぐらいでしょうかね。


中肉中背の腰の低い感じの営業マン。
酒呑みの食いしん坊っていう、似た者同士の呑み仲間なんですね。奥さんもね。

 

 

 


長く続いたコロナ禍での生活が、今、変わりつつある感じだよねえって話をしていました。


都民割りとかってさあ、どこ行けってことなんだろうね。高尾山? 高尾山って東京? たぶんそでしょ。
でもまあ、割引とか関係なく、動き出したほうがイイのかもねえ、
とかね、そんな居酒屋トーク


と、突然、


「ああ、そういえばですね、この前温泉行ってきたんですよ」


って言いながらスマホの写真を御開帳。
綱島温泉 湯けむりの庄」っていう看板。
神奈川県の温泉ですね。夫婦日帰りで行ってきたんだそうです。


まずは日帰りからでしょう、ってことだったみたいですけどね。東京じゃなくって神奈川県の温泉です。


綱島温泉っていうのは、前はなかなかの規模の温泉街だったみたいなんですけど、昭和の終わりごろからは商業地開発が進んで、令和になった頃には温泉街っていうイメージはなくなっていた街ですね。


山田くん夫婦は何か縁故だとか、関連があって綱島温泉を選んだわけじゃなくって、奥さんと2人で日帰り温泉を探していた時に2人が2人とも「綱島」っていう字を「アミシマ」って読んでいたそうなんですが、電車で行こうと東横線綱島駅」のアルファベットの表記を見つけて、


「あ、これ、アミシマじゃなくって、ツナシマじゃん」


ってことで、2人で笑って、ここにしようって決めたんだそうです。


ま、ありがちですよね。「綱」と「網」
とか言いながらカウンターで笑っていたら、


「あら、ずいぶん楽しそうね」


って、隣りに、これまた共通の呑み仲間女子、川村さん(もちろん仮名です)が座りました。


で、今話していた綱島温泉の、っていうか「アミシマ」の誤解が溶けたっていう「綱島駅」の写真を見せながら、


「日帰りでここの温泉に行ってきたんですよ」


川村さんは山田くんよりちょっと年上の酒呑みネエサンです。


「温泉? あ、ここ知ってる。あれだよね、歌舞伎だとかでやってるらしいけど、あたしはマンガで見た、あそこでしょ?」


「歌舞伎? なんすか?」


「あのね、シンジュウ テンノ アミシマ、だったかな」


「え、アミシマですか?」


私と山田くんは顔を見合わせて、わっはっは!


「ああ、何が可笑しいんだあ! ムカツク~、なんだコンニャロめ~」


ってことで、ここで山田くんが綱島駅の看板の写真を拡大。スマホって便利~。


「ツナシマ? あ、これツナっていう字なんだ」


「いやあ、実はボクもウチノも、アミって読んでたんですよ。それで今笑ってたんですよ~」


山田くんと川村ネエサン、ハイタッチ! イェーで乾杯です。


「へええ、アミシマ日帰り温泉ねえ」


って、川村ネエサンはあくまでも「アミシマ」で押し通すおつもりのご様子でした。

 

でもね、たしかに「綱」と「網」って、どっちがどっちだか判らなくなる感じ、ありますよね。
比較的画数の多い1字の中で「山」と「亡」の違いだけです。

 

 

 


「山」は「ツナ」で、「亡」は「アミ」って」ことになるんですけど、アミはサカナを獲る網だったり、虫取り網だったりで、「亡」につながるんで、「亡はアミ」って覚え方があるみたいです。
どっちか片方を覚えておけば混乱はなさそうですんで、ま、1つの方法ではありますよね。


川村ネエサンの言っていた「心中天の網島」は「アミシマ」で正しいんですが、漢字の字面として「網」と「綱」が判りづらいわッ! ってことだったんですね。


マンガで見たって言っているのは、たぶん、里中満智子のマンガ日本の古典「心中天網島
元々は1720年、近松門左衛門作の人形浄瑠璃ですね。


舞台は大阪、神奈川県じゃありません。


大阪網島、大長寺で起こったこの心中事件を聞いて、近松門左衛門は実地検分に早籠を飛ばしたそうです。


大阪天満の紙屋治兵衛と、曽根崎新地、紀伊の国屋の小春が、この世で叶わぬ仲ならば、せめてあの世でっていうことで心中。
治兵衛がにっこり頷く小春を刺し殺して、自分は少し離れた場所で、小春の持っていた抱え帯で首をつって死んだっていう心中です。


今で考えれば事件なんですけど、近松門左衛門がこの「心中天の網島」を書いた頃は、日本中、心中が「流行り」って言ってイイほど頻繁に起きていたみたいですね。


近松作品第一の心中ものっていわれる、この「心中天の網島」ですが、ストーリーのコアになっているのが、治兵衛、小春の恋心と、もう1つ、小春と治兵衛の妻、おさんとの「女の義理」っていう筋立てがあるんですね。


実際の治兵衛、小春、おさんの関係に、たぶんおそらく、そんな「女の義理」なんていうのはありそうもないんで、近松の、あるいはそれ以降の戯作者のアレンジ、創作ってことだと思いますね。


小春を身請けさせようと、治兵衛のために家じゅうの家財を売り払って金を用意するんですね、妻のおさんが。
治兵衛をよろしく頼むっていうおさんの気持ちは、それ以前から小春に伝わっていて、小春も身を退こうとするんですが、治兵衛も小春も、言ってみれば「だらしのねえ」男と女なんで、世間様に、済まねえ、申し訳ないって言いながら別れられずに死んでいくっていうストーリー。


完全に一緒じゃなくって少し離れた場所で死ぬっていうのも、治兵衛と小春の、おさんへの義理立てなんですね。


当初は人形が演じるとはいえ、悪趣味って言えば相当に悪趣味な近松門左衛門の「心中天の網島」なんですが、後に歌舞伎にも取り入れられて、今に続いているんですからね、男と女の業と情っていうのは、いつの世でもほだされずには済まされない、本能的な強さを持っているんでしょうねえ。


まあね、近ごろはジェンダーフリーとかで複雑な感じになってきているのかもではありますが、地球の人類は男と女しか居ないんですからね。
ま、ドロドロ、イジイジな男女関係もありまさあね。


とか思っていたんですが、内閣府の「令和4年版 少子化社会対策白書」等によりますと、2021年の日本の婚姻件数は51万4千件で、1970年当時の102万9千件からすると半減しているんですね。

 

ドライかもです。


さらに50歳時点での未婚割合は男が28.3%、女が17.8%。
これは1970年の男、1.7%、女、3.3%っていう数値と比べてみますと、なんだか危険水域って言葉を連想してしまいます。50歳ですからね。


結婚する気持ちがないっていう30代の男は26.5%、女は25.4%。
晩婚化っていうのはかなり前から言われていることですけど、コロナ禍の意識っていうのもあってか、30代の男女の4分の1は結婚したくないんですね。


ふううん、って思うしかないんですけど、かなり高いパーセンテージですよね。


20代では70%の男、50%の女に配偶者、あるいは恋人がいないんだそうです。


20代男性の約4割はデートの経験がない、20代女性も役2割がデートしたことない。


まあね、この数値をどう評価するのかって、意見の分かれるところではあるんでしょうけどね。
デートっていうのが、どういうものなのかっていう捉え方もいろいろあるんだろうと思います。


でもね、この世で叶わぬ仲ならば、せめてあの世でっていう風潮は無くなって当然だとは思いますが、そういう「情念」とでもいうような、日本人の生きるパワーが、そもそも弱くなっちゃっているかもですねえ。

 

 

 


大阪、京橋駅の西側、大川に面した一画が、今でも名を残している「網島町」アミです、アミ。


網島町にあった大長寺は、明治42年に500メートルほど北に移されて、曽根崎通りを挟んで都島区(みやこじまく)中野町にあります。
治兵衛と小春の遺書だっていう「心中天網島の書置き」が寺宝としてあるそうです。


神奈川県の綱島にはそういう心中みたいな物騒な話はないと思いますけど、古くからの温泉地ってことで、艶っぽい話はけっこうあるのかもです。知らんけど。


令和の成年、中年のおひとり様方、誰かを誘ってツナシマ日帰り温泉はいかが?
そこで、ツナ、と、アミ、の話をするのはいかがでせう。


檸檬、とか、薔薇っとかね、手書きで書いて見せて口説くっていうことを実践していた作家さんもいますしね。


ん? 関係ないか。

 

wakuwaku-nikopaku.hatenablog.com