ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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酒呑みの食いしん坊、メタボはイヤだけどガマンは嫌い。

【酔っ払い】とは、誰なのか? 絶滅危惧種になってしまったのか?

<鏡の国の酔っ払いは正常からの逸脱をどう捉えているんだろうか>

散歩。
身体、動かしたほうが好いとはいうものの、なかなか遣りづらい空気になっていますけれどね。

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ちゃんとガードして、時々やります。


散歩コースの途中の路地にオレンジ色のポールが立っていて、三面ものカーブミラーが付いています。
T字路ではあるんですが、3面も付いているのは珍しいかもしれません。


車でではなく、歩いて通りかかる路地ですからこれまでミラーが3面も付いていることに気が付きませんでした。ボーッと通り過ぎるだけ。歩いている時、カーブミラーを見ることはありませんでした。
ですが、先日、突然そのことに気が付いたのは、カラスがいたからです。


2羽います。
1羽は電線にとまっていますが、もう1羽が、なんともすさまじい声でギャーギャー騒ぎながら羽根をバタつかせて暴れているのです。


何事かと目を凝らすと、どうやらそのカラスくん、カーブミラーに映っている自分にむかってあられもなく叫びたてながら、バタバタ羽ばたきながら、くちばしでガンガン突いているのでした。
なんだか鬼気迫っている感じです。


でもですね、電線にとまっているもう一羽は、明後日の方を見ながら、我、関せず。
カラスに限らず、鳥は2羽でいるところをよく見かける気がするんですが、あれ、夫婦なんでしょうかね。

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カーブミラーに映る自分の姿に、
「コンニャロ コンニャロ」
バタバタ攻撃を仕掛けているカラスが夫で、電線でじっとしたまま、
「なあにやってんだか、ホント、バカみたい」
離れてはいかないものの、止めもせず、何事かを観察しているのが嫁さん、なんでしょうか。


あるいはその逆で、ギャーギャー暴れているのが嫁さんで、ヒステリーで日ごろの不満を発散させていて、電線にとまってじっとしている夫は、これはもう、静まるのをただただ待つしかない。
ということなんでしょうか。


どっちがオスやらメスやら。分かりません。
カラスの個体判別、難しいです。


しばらく観察していると、バタバタ暴れるのを止めて電線にとまります。
そして、
「カラスですけど、なにか?」
という顔で見下ろしてきます。
「なにしてんの?」
と聞いても
「なにが?」
と言わんばかりに涼しい顔です。


カーブミラーに映る自分の姿に反応するのは分かりますが、なんだってあんなに激しく攻撃するんでしょうか。
高いところにあるミラーに自分の姿を映しながら攻撃するわけですから、そのカラスくん、中空に浮かびながらギャーギャーとミラーを突いているんですね。


カラスくん、と、ここはオスということにしておきます。


羽ばたいている羽音はかなり大きいです。
アソビ、には思えない緊迫感。
テリトリー意識、縄張り死守なんでしょうか。そういう場合、メスは自分の役割ではないということで、特に夫を応援したりしないもんなんでしょうかね。分かりません。


にしてもですね、数分もすれば気づきそうなもんですよね。ミラーの中のそいつは、自分と同じ行動をするなあ。なんか変だなあ。
バカな個体なんでしょうか。


でもまあ、カラスは頭のイイ動物だそうですから、そのうち気付くんでしょうね。
ミラーの中にいるカラスが、実は自分であることに。鏡というものの存在に。

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考えてみますと、人間が初めて鏡に映った自分の姿、顔を見て、ああ、これは自分だ、と理解するのはいつからなんでしょう。


最初からそれが自分なんだと理解していたでしょうか。


まあね、みんな今となっては思いだせない最初の一歩、ってこと。
いったい何の話をしているのかといいますと、はい、酔っ払いの話なんです。


自分の姿の現実をなかなか認めないのは、暴れているカラスと、酔っ払い本人。


「いや、オレ、ぜんぜん酔っぱらってないよ」
だとか、
「え? あたし? ぜーんぜんヘーキよ」
だとかですね、酔っ払い自身は酔っぱらっている自覚が無いように思えますよね。


夜の街をよろよろふらふら歩く酔っ払いを見て、やあねえ、とか思っていて、たとえ酒を呑んだにしても自分はああいうふうにはならない。


などと、誰でも思っているわけです。
とくに若いころはですね。
でも、ほら、
「だから大丈夫だって、全然酔っぱらってないんだから」
というセリフは、酔っ払いしか言いません。


まだしっかりしている人は、
「ああ、少し回ってきたかも」
ぐらいな自覚があるものです。


もう自分がどうなっているのか、よく分からない状態になっているのが酔っ払いですよね。


酔っ払いは鏡を見ません。
鏡を見ても、そこに映っている酔っ払いは自分ではないと言うかもしれません。
まさか鏡の中の自分を攻撃する酔っ払いはいないでしょうけれど、鏡の中の酔っ払いは、断じて自分ではない。
認めたくない。


酔っ払いはいろいろ不思議な行動をします。


いつもの居酒屋さんで独り呑み。
ウキウキ呑みます。そんで、いい塩梅になったところで、はい、お行儀よく帰りましょう。
「ごちそうさ~ん。お勘定」
とレジへ向かうと、
「ん? また払ってくれんの? さっきもらったよ」
ええ~っ? それ、自分じゃないよ。まだ払ってないよ。
「ま、何回も払ってくれると助かるけどさ」
ん~。ま、正直な店で良かったです。


あるいは、突然ハッと目が覚める。ここはどこだとキョロキョロ。
自分の部屋だと気づいて、一応ホッとする。
だけどさ、どうやって帰ってきたんだろう。
っていうこと、ありませんか? 経験してませんか?
酒呑みは誰でも何回かあるんじゃないでしょうかね。


どうやって自分の部屋までたどり着いて、ちゃんと着替えて寝たのか、記憶がサッパリ、ということ。


お勘定が済んでいることを忘れているくせに、電車を乗り継いだり、時にはタクシーに乗ったりしながらちゃんと自分の家に、部屋に、ベッドにまで帰りついている。


不思議ですよね。自分というものがどっかにいってます。
意識がなく行動しているのか。それともただ単に記憶が飛んでいるだけなのか。


その間の自分の行動を他人から見れば、それは明らかに酔っ払い。やあねえ、と見ていたはずのあかの他人であるところの、酔っ払い。


そんなこと言ったってさあ。
み~んなそうして大きくなった、ってことでイイですかね? ダメ?
実は結論は出ているらしくてですね、


あのですね、お勘定を済ませていることを忘れているのは短期記憶が飛んでしまっているからで、すっかり酔っぱらっているにもかかわらず、ちゃんと自分の部屋に帰って来られるのは長期記憶が残っているから、らしいです。
学者さん、エライ! スゴイ!


そうなんですよ、酔っ払いって科学的に解明されつつあるそうなんです。


酒を呑み始めて、ほろろ~んとなり始めると、前頭葉が麻痺する。そうなると理性が麻痺してしまうんだそうです。
大声になったり、言わなくともいいことを言ったりします。呑み屋さんにはゴク普通に居ますね。男女に関係なくね。


さらに呑むと、今度は小脳が麻痺してくる。
運動機能がやられるんだそうです。
呂律が怪しくなって、よろよろと千鳥足になる。これまた普通に居ますよね。男女に関係なく。


でまた、ここで止めておけばいいようなものですが、酒呑みはまだまだいきますね。
すると、海馬がやられるんだそうです。
記憶が混乱する。
さっき聞いたよ。と言われるような同じことを繰り返して話す人になる。
ん? さっき払ったっけ? というとぼけた人になる。
そういうことらしんです。
人としてギリギリなのかも、ですね。


ん~。素面で歩きながら、カーブミラーに映る姿を、ギャーギャー騒ぎながら攻撃しているカラスくんに出会いました。
全くの他人事としては見られない自分がいます。


それはさあ、お前なんだよ。

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でもですね、酔っぱらうために呑むんだから、それでイイじゃんねえ、と今夜も居酒屋カウンターで慰め合う、独り呑み同士の酔っ払いたち、なんでありますね。


前頭葉、小脳、海馬。きょうはどのへんまで酔っぱらうかなあ。。。
あ、いえいえ、私は酔っ払いではありません。
そうです、酔っ払いは、私ではありません。
酔っ払い? それは誰なんでしょう?


最近はね、分かりやすい酔っ払いって、絶滅危惧種かもしれませんね。


朝方、道路ででろ~んと寝ているヤツ。見かけなくなりました。昔はけっこう居たもんでした。
「おい、こんなとこに寝てると轢かれるぞ」
声をかけて起こしてあげる人は、自らも酔っ払いの経験、ある人ですよね。絶対、酔っ払い経験者。


寒冷地で冬なんかに道路で寝込んでしまって、というニュースも昔はありましたです。


ドリフターズのカトちゃんがよくやっていた酔っ払いのコント。覚えている人も多いと思います。

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あれって、だらしなくスーツを着崩して、鮨詰めを片手にぶら下げて、という恰好でしたね。


あれでもう、なんの説明も要らず、酔っ払いなんですね。分かりやすかった。普通に居たんです、ああいう恰好の酔っ払いが。
今、ああいう分かりやすい酔っ払いは居ませんね。
コントの人もやり難くなっているんでしょうね。分かりやすい酔っ払いの姿が消えてしまっていますからね。


生活の中のメリハリが、とかいうのは酔っ払いの言い訳ですね。はい。
絶滅しても誰も気にかけていないですね。


あのカラスは、バカなんじゃなくって、鏡という存在自体が許せないのかも、です。
違う?