<いつの間にか身近な飲み物として常備している人も多くなったという炭酸水は身体にイイのか>
オフィスフロアに数か所、飲み物の自動販売機が設置されるようになったのはいつ頃からだったでしょうか。
どこのオフィスにも必ずある、というものでもありませんですが、1フロア丸ごと、あるいは複数フロアにまたがって1社、であるような職場では、自動販売機が置いてあるのが当たり前になっていますよね。
なかなか面白いオフィスもあって、廊下に設置してある自動販売機と、オフィス内部に置いてある自動販売機では、同じ飲料でも値段が違っているということもありました。
もちろんオフィス内部の自動販売機の方が3割ほど安い仕組みです。ものによってはそれ以上の割引。
社外の人間であっても、プロジェクト参加などでオフィスに出入りしている人間であれば、その福利厚生の恩恵にあずかることができるのでした。3割以上安いっていうのはナカナカですよね。
もう20年ほどの時が経過しているかもしれません。
そのころ机を並べていた妙齢のスマートな女子社員。昼を席で食べることが多かった人です。
自宅から持ってきたお弁当を広げるか、朝にコンビニで調達してきたおにぎりを並べるのが常です。
そして、いつもオフィス内の自動販売機からお茶のペットボトルを、ゴットンと買っていました。
おーい、お茶。500ml、70円。
とある日、珍しくハンカチの上に広げたお弁当の脇に、透明の液体のペットボトルを並べていました。
普段から気軽に話をしている間柄でもありましたので、聞いてみました。
「あれ? お弁当に水?」
「そうよ。炭酸水。身体にいいのよ」
ふううん。ってそれだけのやりとりだったんですが、それが、お弁当、食事の際に炭酸水を飲むというのを目の当たりにした最初だったと思います。
ま、大きなお世話ではありますが、ごはんに水? と思ったのと、炭酸水を炭酸水のまま飲むの?
という小さくないカルチャーショックを覚えたような記憶です。
「身体にいいのよ」って言い切っておられましたですね。その時は、そですか。としか感じませんでした。
それからけっこう時間が経過して、巷の居酒屋さんで「ハイボールブーム」が起きましたですね。
「山崎」のハイボールなんてのが出てきまして、グラスに山崎なんて書いてありましてね、なんだかイラっときたことを覚えておりますね。
ま、呑んでみれば旨いです。モンクなく旨いですが、そりゃ旨いのが当たり前ってもんで、もったいない感じがあったんですね。山崎、響クラスのウィスキーとなりますと、ストレートか、せいぜいロックでやって欲しいなと、ま、世代的な感覚だとは思いますですが。
で、そのハイボールブームの時、思い出したんですね。
「炭酸水。身体にいいのよ」
お弁当の脇に並べられていたころは全然ブームとかでは無かったはずですが、ハイボールブームの頃にはコンビニの飲料棚に「炭酸水」が並ぶようになっていました。
酒のスーパーなんかには前から置いてありましたけれど、コンビニの飲料棚に炭酸水が並んでいるっていうのは凄いです。完全に売れ筋だということでしょうからね。
少し経つと「炭酸水レモン」とかも出てきました。メーカーも複数。
炭酸水ブームっていうのが、いつのまにか来ていたんでした。
強炭酸として「ウィルキンソン」が人気復活って感じでした。自宅で炭酸水を作る「ソーダメーカー」なんてのも出てますしね。
最近ではさらに、飲料として確固たるポジションを得た炭酸水です。
コロナ禍の宅呑み事情っていうのもあるんでしょうね。
自宅でウィスキーや焼酎を割るときに、炭酸水。レモン風味なんかがあると、なんだか店っぽい感じがイイのかもしれません。
個人的にはスコッチのロックにチェイサーとしてセブンの炭酸水をいただいております。レモンじゃない方。
ま、つまりは炭酸水をそのまま飲むわけですね。
炭酸水の売り上げはどのメーカーでも右肩上がりが続いているらしいです。
ここでまた思い出すのが「炭酸水。身体にいいのよ」という、あのお言葉です。
ホントなのかな。っていうわけで、かなりの時間経過の後にではありますが、調べてみました。
いきなりの結論。
「炭酸水は身体にイイ」みたいです。
研究結果として「炭酸水が体に入ると血行をよくして疲労物質を取り除き、病気や老化の原因の1つとされる活性酸素の働きを抑制する効果がある」とされています。
炭酸水を飲んでから食事をすると、まず炭酸で膨満感があるので、食事の量が減ってダイエット効果がある、という話も聞いたことがあります。
こっちの方はどうでしょう。
これにも医学的な検知が出ているようです。
「食前に炭酸水を300~500ml飲むとおなかが満たされて、食べ過ぎ防止になる」
ほほう、ホントみたいですよ。と思ったら、
「食前に炭酸水を100~150ml飲むと、胃が刺激されて食欲が出てくる」
だそうでございますです。
どうでしょうか。ダイエット効果を期待して炭酸水を飲んでいるという人も少なくないかと思いますが、食べる量を減らす効果が期待できるのは、300~500ml飲んだ後ってことです。
例えばウィルキンソンのペットボトル1本を一気に飲んだら、そもそも食欲とか無くなるような気がします。
全然食べないんだから、ダイエット効果バツグンじゃん、というご意見もあるかもしれませんが、それだと、たぶん後から普通の食事をすることになって、時間的にも食べない方がイイような時間帯に食事することになってしまって、かえって良くないような気もしますね。
でも、チョットだけ飲んで食事すると、食欲旺盛。食べ過ぎにつながっちゃうかも、ってことです。
ボリュームのコントロールが難しそうですね。でっも考えようによっては「つぶしの効く飲み物」ってことでもあります。使い方次第ってことですからね。
ただ、さらに別の検知では、
「満腹感というのは、つまり胃が拡大することなので、胃の弱い人は摂取し過ぎないように」
というものや、
「就寝前に飲む習慣があったりすると歯は少しずつ溶かされてしまう可能性がある」
というのもあります。
ま、イイことばっかりってわけにはいきませんですね。やっぱりね。
でもまあ、概ねオッケーな飲料じゃないでしょうか。コロナ禍で自粛生活の今は、毒にも薬にもなりませんってヤツを求めるタイミングじゃないような気がします。
っていうかですね、割り物にしたりせずに、そのまま炭酸水を飲むのって、ダイエットのためとかじゃなくって、スッキリしたい! ってだけのような気がします。
ゴクゴクっと飲んで、スカアーッ! としたい。
ストレスコントロールの1つ。おきらくごくらくの実現ツールとしての炭酸水です。
ふううって、ため息をつく方向のコントロールじゃなくって、オッシャ! って気合を入れるときのスッキリ感。そっちの方ですよね。
調べていくと、炭酸水には「天然炭酸水」と「人工炭酸水」があってとか、炭酸じゃなくって水の成分としてのミネラルがとか、いっぱい情報は出てきますけれど、そっちの方にはあんまり期待していませんです。
シャキッとしたい。これから寝ようって時に炭酸水、いきません。まだやることが残っていて、元気が欲しいようなとき。もう一回背筋をピンとさせたいとき。なんだか溜まっちゃってるかなあってとき。
プシッてフタを開けて、ズバーっと飲んで、カアアーッ! てスッキリしたいから炭酸水です。
強炭酸が好みです。強くスッキリしたいです。
2021年6月29日。サントリーの「THE STRONG 天然水スパークリング」が発売されます。
「五感に着目した、新!炭酸水 バキバキ共刺激。6/29激誕! 強炭酸水」だそうです。
「五感に着目」っていうのがどのぐらい期待できるのか楽しみなところです。
ガッツリ飲んでみてから、ここでまた感想を追記してみたいと思います。
終わりの見えないコロナ禍の生活。かてて加えてオリンピック、やるのかよ! という不安感。呑みにも行けない閉塞感。みんなそうだと思うんですが、単純にスカアーッ! とさせてくれる強炭酸飲料水。
仲良くしたと思います。
でも、近所でちゃんと6月29日に売り出すかなあ、と、そこが心配。