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【コシャリ】インスタ映えしない? エジプト国民食の混ぜご飯

< エジプトめしのコシャリは アレンジ三昧 自由自在 >

はい、いつものごとく、なんちゃっての無駄話からのスタートであります。
最後まで、よろしくお付き合いのほどを。


第一次世界大戦中のことです。
北アフリカ、エジプトのカイロに派兵されていたインド兵2人が、軍の厨房でなにやらブツクサ言っております。
料理番なんでしょうね。


「毎日サカナとパンじゃ体に力が入らないっていうから、いろんなトコ走りまわって、ようやくコメを見つけて来て、カレーを作ったっていうのになあ」


「こんなスパイスじゃカレーじゃないとか無理ばっかり言ってなあ」


「エジプトじゃあ、このシャッタっていうソースが一番辛いソースだって言うんだけどなあ」


「トウガラシな。だけどまあ、これじゃカレーの風味は出ないよなあ」


「おれたちは大工なんだからなあ、工夫しろって怒られてもなあ」


突然戦争に駆り出されて、ノコギリとカンナを持っていた手に、包丁とナベを渡されてもロクな仕事は出来ませんよっていう愚痴ですね。
戦争中ってこともあって、自由に食材が手に入ることもないんでしょうし、料理番もかなりしんどいんです。


「ところでこの前お前がいっぱいカンナでスライスした玉ねぎ。揚げるだけ揚げちゃったけど、あれ、どうした」


「ああ、あんときはカンナを久しぶりに手にしたら、なんでもいいから削りたくなってな」


「そりゃイイんだけど、あんなにいっぱい揚げたやつをみんなに食べさせてないだろ。捨てたのか」


「いや、あれは納屋の棚に干してあるんだ」


「んあ? 干してどうすんだ」


カリカリになればどこへでも持っていけるだろ。すぐまた移動だろうしな」


まあね、大工の考える保存食の工夫なんてそんなもんかもですよね。
干してあるって言えば、なんとなく保管しているっていうニュアンスがあるんですが、ただ、ごそっと置いてあるだけなんだろうと思いますね。

 


大工さんがね、大人数分の食事を用意するってことになりますと、調理作業がどうしても大工仕事になりがちだっていうのは理解できるような気がしますね。


「きょう着いたばっかりの応援部隊がな、豆をいっぱい持ってきやがってな」


「なに豆?」


「ヒヨコ豆とレンズ豆」


「お、イイじゃんか。それをシャッタで煮てみるか。コメもまだたっぷりあるしな」


「豆カレーにはならないだろうけど、一応な、懐かしい感じがあるかもな」


なんてやっておりますところへ、新たに合流したイタリア部隊の料理番がやって来ましたね。


「はーい、インドのお仲間たち。元気でやってますか」


「なんだお前は」


「わたしはイタリアからやってきました第7部隊の料理番ですよ。でもホントはペンキ屋ね」


「また料理のできない奴が増えちゃったよ」


「大丈夫よ。いま、そこで聞いてきたけど、みんな力が出ないってブーブー言ってますね。とにかくいっぱい食べさせれば大丈夫よ。いろいろ混ぜてね」


「いや、食べものだよ。ペンキの色合わせをするみたに、なんでも混ぜればいいってもんじゃないだろ」


「大丈夫だいじょうぶ。それにわたし、パスタいっぱい持ってきたね。それと納屋の中でなんだか分からないけど、イイ匂いのするものも見つけてきたよ」


イタリアのペンキ屋さんが台車で曳いてきたのは、確かに大量のマカロニと、なんとインドの大工が干して置いた大量の揚げタマネギ。


「あ、それはカンナで削ったタマネギ。なんだか得体の知れない状態になってるな」


「なんでも混ぜればイイよ。たっぷり作って、いっぱい食べさせれば誰も文句言わないよ」


「まあ、確かにボリュームは出せそうだけどなあ」


「チャレンジ、チャレンジ。やってみなければ分からないね。失敗したらもっと混ぜればイイだけね」


っていうような、なんちゃってのやりとりがありまして、出来上がりましたのが「コシャリ」

 

今ではエジプトの国民食って言えるほどに浸透している食べものなんですが、古くからの伝統を持つエジプト料理の中でも新参者なんですね。20世紀に入ってからデキた、っていうかデキちゃった食べものです。


最後の仕上げっていいますか、声の大きかったイタリア人の影響なのか「コシャリ」っていうのは「混ぜる」っていう意味なんだそうですよ。


オーソドックスな「コシャリ」は、米飯、スパゲッティ、マカロニ、ヒヨコ豆、レンズ豆、フライドオニオンをごしゃっと盛り付けて、その上にトマトソースだったり、エジプト独特のシャッタだったりをドサッとかけて、かき混ぜて食べるんだそうです。

 


エジプト料理。
あれですね、エジプト料理の店って、そんなには見ませんね。少ないと思います。


吉祥寺に「クレオパトラ ケバブ」っていうエジプト料理店がありますね。
でも、そこぐらいしか知りません。チェーン店だったかもですけど、コシャリを見た記憶はないですね。


まあね、エジプト料理っていえばケバブ、ありますよね。
ピタパンに挟んで食べるサンドイッチ形式のやつでした。


ふと気付いてみればですね、エジプトに食べもののイメージ無いですよ。特徴を思い浮かべられません。


食べものじゃなくってエジプトといえば、ピラミッド、スフィンクスナイル川。そして、はい、なんといってもクレオパトラでしょねえ。

 

 

クレオパトラっていえば、美容食品「モロヘイヤ」がありますね。


クレオパトラの美の追求っていうのも相当なものだったらしくって、美しさを保つためにクレオパトラはモロヘイヤを好んで食べていたっていうアレです。


モロヘイヤってエジプトでもモロヘイヤって言うんだそうです。って、日本がエジプトのモロヘイヤっていう単語をそのまま真似して使っているだけなんでしょうけれどね。


クレオパトラはどうやってモロヘイヤを食べていたのか。


今現在のエジプトでは、モロヘイヤスープが一般的らしいです。
身体にイイっていうのはホントらしいんですけど、モロヘイヤって原産地がどこなのか分かっていない植物らしいんですね。


1世紀のローマで活躍したプリニウスの「博物誌」に「コルコルス」っていうラテン語で出ているっていうモロヘイヤなんですが、紀元前1世紀のエジプトで食べられていたかどうかは分かっていないんだそうです。


普通にクレオパトラっていえば「クレオパトラ7世フィロパトル」のことですが、紀元前69年から紀元前30年の人ってされていますからね、クレオパトラの頃にエジプトでモロヘイヤが食べられていたっていうエビデンスがないっていうことなんですね。


日本でモロヘイヤの人気が出始めたのは1980年ごろからだそうですけど、身体にイイ、美容にイイ、エジプトで盛んに食べられている。
ってことになれば、クレオパトラの国だからねえ、美容にイイに決まってるっしょ!
ってことで、なんだか安易に結びつけられただけなのかもです。


クレオパトラのモロヘイヤ、楊貴妃のライチ、小野小町の生き血。
ま、そういうグルーピングなんでしょねえ。


にしても「コシャリ」です。


作家の角田光代さんがエジプト旅行で「コシャリ」を食べて、普通に旨かったって書いているのを見た記憶がありますが、ホントに気取らない庶民の食べものらしいです。


しかしまあ、ごはん、スパゲッティ、マカロニ、豆類、揚げタマネギ、トマトソースって、凄い取り合わせですよね。


エジプトでも特に決まったレシピのある料理じゃなくって、具材から味付けから、自由らしいです。
無国籍そばめし、みたいな感じなんでしょうかねえ。

 


ググって見つけました。「コシャリ」を出しているお店。


錦糸町の【コシャリ屋コーピー】ここは「コシャリ」をメインでやっているみたいですよ。「コシャリ屋」ですもんね。

 

錦糸町かあ、最近行ってないですねえ。東京の行動制限って一応解かれたことですしねえ。そろそろねえ。


クレオパトラは確実に食べていないでしょねえ「コシャリ」
エジプト料理かあ。


あ、そうだ。兵隊さんたちの話は、あくまで無駄話でありますからね、念のため。