< 科学の基礎研究ってすごく大事だって科学者たちは言ってますけど 国は協力的じゃないみたい >
戦後間もない1949年にノーベル物理学賞を受賞した「湯川秀樹(1907~1981)」が1947年に発表して、1952年に国語の教科書に載った詩「原子と人間」
人間はまだこの世に生まれていなかった
アミーバもまだ見えなかった
原子はしかし既にそこにあった
(中略)
人間はしかしまだ原子を知らなかった
人間の目には見えなかったからである
(中略)
そうこうする中にまた二千年の歳月が流れた
「科学者」と呼ばれる人達が次々と登場してきた
原子の姿が急にはっきりしてきた
それがどんなに小さなものであるか
それがどんなに速く動きまわっているか
どれだけ違った顔の原子があるか
科学者の答は段々細かくなってきた
(中略)
かくて十九世紀も終わろうとしていた
この時科学者は誤りに気付いた
ウラン原子が徐々に壊れつつあることを知ったのだ
人間のいなかった昔から少しづつ壊れつづけていたのだ
壊れたウランからラヂウムができたのだ
崩壊の最後の残骸が鉛となって堆積しているのだ
原子はさらに分割できることを知ったのだ
電子と原子核に再分割できるのだ
(後略)
湯川秀樹博士がこの詩を実際に書いたのはいつ頃なのかは分かりませんが、陽子や中性子を互いに結合させる強い相互作用の媒介となる「中間子」の存在を1935年に予言したんですよね。
後にパイ中間子が発見されてノーベル物理学賞につながったことを考えますと、宇宙の物質が何からできているのかっていう、その探求がどんどん細かくなっていった経緯、世界の科学者が向かっている微細な分野にスッと惹き込まれる感じがする詩だと思います。
ただね、湯川秀樹博士っていったら、あれでしょ、日本人で初めてノーベル賞をもらったエライ人でしょ。
ぐらいの認識しかなくって、受賞の対象となった「強い力の中間子論」を理解してますか? って言われたら、いいえ、さっぱりです、っていうのがホントのところだったりします。
「原子と人間」の中で言えば、ほぼ紀元年あたりの「人間の目には見えなかったからである」レベルでしょかねえ。
でも、こういうのって科学を専攻している人でもない限り、誰でも似たり寄ったりなんじゃないかって、勝手に思っちゃいます。
素粒子っていうのが、どんどん分割されていって、新しい〇〇が予想通り発見されました! っとかいうニュースは何回か聞いて来ているんですが、その内容はね、よく分かりませんです。
予想通りっていう報道の仕方も、なんだか専門家寄りですよね。
そんな予想とか、知らんでしょ、みんな。たぶん。
原子核は、電子、陽子、中性子、中間子とか、いろいろに分割できる。
そんでもってですね、1970年ぐらいから唱えられている「標準モデル」っていうのがあるんだそうですけどね、この頃って、湯川秀樹博士、ご存命です。
標準モデルっていうのにも、関わっておられたんでしょうか。その辺は分かりませんね。
理論物理学っていうのも、現場から引退するっていうことがあるのかどうか、そゆことも知りませんです。
素粒子を「物質を形作る粒子」と「力を伝える粒子」の2つに大別しているのが標準モデル。
物質を形作る粒子には「クォーク」と「レプトン」の2つがある。
ふむふむ。そですか。
クォークは
「アップクォーク」
「ダウンクォーク」
「チャームクォーク」
「ストレンジクォーク」
「トップクォーク」
「ボトムクォーク」
の6種類。
って、なんか、そんなにあんの? って思っちゃいます。よく見つけましたね。
だって、これ、めっちゃちっさいもんなんでしょ。凄いですねえ。
レプトンも6つあります。
「電子」
「ミュー粒子」
「タウ粒子」
「電子型ニュートリノ」
「ミュー型ニュートリノ」
「タウ型ニュートリノ」
ほほう、ニュートリノって、いろんなのがあるんですね。
カミオカンデで観測してるやつでしょねえ。知らんけど。
力を伝える粒子は3種類。
電磁気力を伝える「光子」
強い力を伝える「グルーオン」
弱い力を伝える「2種類のW粒子」と「Z粒子」
なんだそうでしてね、いやまあ、なんだかいろいろあるんだそうでございますよ。
力を伝える粒子なんて、ちゃんとした姿かたちのあるものなんでしょうか。
もうこのあたりから、こうして調べては見たものの、実態がつかめないっていいますか、ノーミソが拒絶反応を始めちゃいますねえ。
でもってですね、今あげた粒子たちにはですね、質量がないんだそうです。
ね。もう意味が分かりませんよ。
存在はあるけれど、質量はない。
宇宙の始まりの素粒子たちには質量は、ない。
なんのこっちゃ! です。
で、標準モデルっていうのが唱えていたのが、素粒子には、質量を与える「ヒッグス粒子」がある「はず」ってことだったんですね。
そう言っていたのがヒッグス博士だったからヒッグス粒子、ってことみたいです。
素粒子は宇宙の基ですから、全ての素粒子に質量を与える存在があるはず。
ビッグバン直後に大量に存在していたはずのヒッグス粒子は、すぐに崩壊して別の粒子になってしまう。
ってことで観測できない。
その存在を確認する方法は、陽子どうしを衝突させて、陽子の素粒子どうしを衝突、融合させて化学反応を起こす。すると、その衝突の中からヒッグス粒子が飛び出す、はず。
元々あったんだから、ビックリさせれば飛び出すでしょ。って、理屈的には違っているでしょうけれど、そんな方法みたいですね。
陽子どうしを衝突させるっていってもね、やっぱりね、難しいわけですよね。
陽子がめっちゃちっさいから、じゃなくって、衝突させるスピード。
生半可なスピードで衝突させたって素粒子どうしが融合するような衝撃は起こらない。
ここで登場してくるのが「加速器」なんですね。
つまり「加速器」っていうのは、宇宙の始まりを確認するために、陽子を光に近い速度まで加速して、衝突させているってことなんですね。
いろんな工夫をして加速器自体も性能を上げつつあるんだそうですけど、原理的には、ドーナツ型の電極を穴が連続するように次々に並べて、電極には交流電圧をかける。
その穴の連続の中にプラスの電荷をもつ陽子を入れてやって、常に進行方向にマイナスの電荷が来るようにコントロールして加速させるみたいです。
見事に衝突実験に成功してヒッグス粒子の存在を確認したのは、2012年、「欧州原子核研究機構(CERN)(セルン)」
スイスとフランスの国境をまたいで地下に設置されている、円周27キロメートルの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)なんだそうです。
さすがにデッカイんですね。
27キロメートルを光速に近いスピードでぐるっとさせて、陽子どうしを衝突させる。
職人技ですよね。
宇宙の始まりを知るってことだけじゃなくって、ガン細胞破壊だとかの医療面でも、エネルギーとして利用できる中性子を作り出す計画だとかもあって、加速器って、将来的な希望を託されている感じですねえ。
そのわりに、メディア報道にあんまり取り上げられないのは、いろいろ報道説明する側も、説明を聞く側も、はあ、そですか、それはそれは、っていう理解しか出来ないから。なんでしょうかね。
電子レンジの仕組みにしたって、1秒間に24億回以上振動するマグネトロンの電波を食品に当てると、器じゃなくって、食品自体の水分を振動させて熱を発生させているんですよ、って聞いても、はあ、そなんですねえ、っていう反応になっちゃうのと一緒でしょねえ。
1秒間に24億回以上の振動って、なんやねん!
日本でも次世代の加速器開発っていうのが進んでいるらしいですからね、期待したいところです。
ちなみにCERN研究所が、我々に示してくれたのはヒッグス粒子ばかりじゃなくってですね、研究者たちの成果を共有するためってことで開発された、WEB。つまりWWWを発明したのは加速器のあるCERN研究所なんだそうです。
1993年にWWWのソフトウエアをパブリック・ドメインとして全世界に無料で公開したのがCERN研究所。
へええ、そだったんですねえ。
ありがとうございますう。
廊下に「Where the WEB was born」っていう額が掲げてあるんだそうです。