ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【養老乃瀧】と【養老の滝 】そっか 字が違うんだねえ

< コロナ明けの居酒屋チェーン店事情って どう変わっていくんでしょう >

「牛丼四天王」なんてなことを世間ではおっしゃるそうで。もうすっかり定着してるって話なんですよね。


個人的にはここんとこ、ちっとね、ご無沙汰いたしておりますところの牛丼なんでありますが、みなさんはいかがでございましょうか。牛丼、ガツガツ元気にいってますか?
まあ都市部ですと、あっちの角、こっちの横丁、あちこちにありますからね、牛丼屋さん。
商売敵が隣り合っているなんてことも、珍しくないような有り様です。

 


耳新しいって方もいらっしゃるかと思うんですが、牛丼四天王ね。


まずは1947年、東京は築地に店を構えました「吉野家」ですね。


「♪牛丼ひとすじ80年」なんて、一時期はコマーシャルを盛んにやってましたが、
「おいおい、お前さんトコは、あれだろ、戦後に築地で始めたんだろ。80年なんか経ってねえじゃねえか」
なんてツッコミが入りましてね。


「いえ、あたしんとこはアレです。初代が日本橋で牛丼を始めましたのが1899年でございまして」
「その日本橋の店ってのは、今と同じ吉野屋なのかい」
別にウソを言ってるわけじゃないってんですよね。


どういう方面からのツッコミだったのか分かりませんが、吉野屋としてもイチイチ説明するのも面倒くせえってんでしょうかね、コマーシャルの方を止めちゃいましたね。
「あしたもホームランだ」
なんてね、なかなかよろしいコマーシャルでしたが。その頃から熾烈な牛丼戦争が始まっていたのかもしれませんですよ。


ま、しばらくは牛丼界で唯一の巨人でしたんです。吉野屋はね。


吉野屋から遅れること20年、1968年に「松屋」が東京、江古田にオープンしますね。


元々、町中華から始まっているってことですよ、松屋は。


そのせいなのかどうか、松屋の牛丼にはデフォルトでみそ汁が付いてきますね。これ、最初っからそうだったですよ。ずっとね。
もやしと油揚げってね、具は決まっていたもんでした。


やっぱりね、丼もんにね、汁が付いてる方がイイでしょ、当然でしょって感じで、私は松屋派ですね。


これで牛丼の二大巨頭がそろいましてね、牛丼戦争って言葉をよく耳にするようになりました。


で、松屋スタートと同じころ、1969年、大阪、茨木に「なか卯」がオープンします。
東京辺りでボンヤリしてますと、全然知りませんでしたね。


うどん屋さんってイメージなんですけどね、なか卯は。関東進出は1989年、亀戸に店を出していますね。
シブイトコに出してきましたねえ。


なか卯では「丼ぶり」って言ってますね、丼ぶりと京風うどんです。


京風ね。

 


何回か行って食べてますけどねえ、牛丼のイメージ、無いんですけどねえ。でも、四天王の一角。
うどんのセットものとかを食べたんだと記憶しているんですけどねえ。牛丼ねえ。


今、あるのは知ってますけどね、でも牛すき丼が2014年、和風牛丼が2015年からみたいですよ。
牛丼の四天王なんですかねえ。知らんけど。


残る1つが今やナンバーワンっていう「すき屋


すき屋は1982年、横浜の生麦駅前店にオープンしていますね。


かなり遅れての牛丼参入なんですけど、斬新な牛丼メニューをどんどん開発して、あっという間に浸透させましたね。凄いもんです。


この「吉野家」「松屋」「なか卯」「すき屋」が牛丼四天王です。って、誰が言い出したんですかね。
ゴロはイイですけどね。


しかしですね、ここでひと声、待ったあ! と言いたいんですね。
牛丼四天王に異議あり! です。


大事な牛丼を忘れちゃあいませんか、ってんですよ。


店の名前をそのまま冠した「養老牛丼」ってのがあるじゃないですか。


養老牛丼は、1977年から「養老乃瀧」が提供していたメニューで、ひと頃は「養老牛丼専門店」なんてのもありましたんですよ。


その頃は、すき屋がまだデビュー前ですし、なか卯の存在も東京辺りでは知られていませんでしたからね、牛丼御三家は「吉野屋」「松屋」「養老乃瀧」だったんでありますよ。ホントに。


養老牛丼は1977年デビューなんですが、養老乃瀧っていう居酒屋は1956年、横浜の曙町にオープンしている老舗居酒屋です。
っていうか、今の居酒屋形態を作り上げたっていわれてるのが、養老乃瀧らしいですからね。


今、あんまし見かけなくなりました。でも、まだがんばってます。
私の近所でも、電車で1駅行くとありますねえ。昔ながらの名前でやってますよ。


養老乃瀧っていう店は、元々が長野県松本市にあった「富士第1養老食堂」っていう町の大衆食堂だったそうですからね、それが居酒屋形式になって、っていうかそういうシステムを作り上げて、商売をどんどん拡張させていったって次第なんですね。


メニューとして、考え方としては何でもありっちゃ何でもありなんですよ。
食べもの屋さんを利用させていただく側としては、そうあって欲しい営業形態です。


客が食べたいってものは、可能な限り提供する、商売にする。


で、その頃流行り始めた牛丼に目を付けたんでしょうかねえ、1977年にやり始めて、居酒屋メニューとしてだけじゃなくって、専門のごはん屋さんも作ったりしてやっていたんですが、2000年過ぎ辺りからでしょうか、ごはん屋さんは撤退して、居酒屋メニューからも牛丼は消えていきました。


なんでそうなったのかは分かりませんが、初期の居酒屋があっという間に経営規模を縮小したのもこの頃だったのかもしれません。


養老乃瀧ばかりじゃなくって、村さ来つぼ八、すずめのお宿だとか、一世を風靡した居酒屋はすっかり消えてしまったか、店舗数が明らかに減りましたですね。


ま、経営的には名前を変えて、客の「飽き」をかわそうとしている感じもしますけどね。


今回のコロナ禍の前から、居酒屋経営って大変みたいでしたからね。
創業経営者も世代が代わっていますしね。
世の中は流れ流れて、変わっていくもんなんですよねえ。


ところがですね、養老牛丼はですね、2016年から復活しているんでありますよ。
グランドメニューにちゃんと載ってます。
「〆に丁度の小腹サイズ 養老牛丼 350円」


〆に牛丼っていうのがラーメンより健康的、っとかね、ホントかよっていうようなことも言われたりしていたもんですよ。
ボリュームが少ないったって、そんなに極端にちっちゃいどんぶりってわけでもないですけどね。


でもですね、養老牛丼ってなんとなくですが、ヘルシーな感じがするですよ。
アッサリ系の味ですし、牛丼四天王より柔らかい感じです。


居酒屋のチェーン店は、店の名前にも苦労しているんでしょうね。ふううむ、ってなっちゃう名前が最近増えてきたように思います。


そんな中、昔の名前で頑張っている養老乃瀧ですけれどもね、このあまりにも昭和なネーミングは、創業者が食堂時代から使っていた名前で、ま、ご存じの方も多いでしょうけれど、「養老孝子伝説」から付けたんだそうです。


岐阜県養老町の養老の滝に伝わる伝説ですね。

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老父を敬い、養っていた木こりが、山の中でふとしたきっかけから山吹色の水が湧き出ているのを発見します。
かぐわしい香りがするんで舐めてみますと、まぎれもなく酒の味。


酒好きの老父に充分に呑ませてあげることが出来ない稼ぎだった木こりは、喜んで腰のひょうたんにその酒を入れて持ち帰ります。
呑んだ老父の喜びようといったらなかったそうです。美味だったんですね。甘露カンロ。


そして、あろうことか、白髪は黒く戻り、深いシワも消えて、すっかり若返った。


その評判が都に伝わると、時の元正天皇行幸なされて、その酒を呑まれた。
「肌がなめらかになって、痛いところを洗ってみたらすっかり治りました。めでたいことです。老を養う若がえり水です」
と感動されて、国の年号を「霊亀」から「養老」と改めた。


っていう伝説ですね。


養老は717年から724年までの期間です。養老の後は「神亀」って改元されていますね。
長寿のシンボル、亀に挟まれた養老ってことですね。


この養老っていう精神は創業者の人間形成の基本だったそうです。


その養老乃瀧の創業者の名前は「木下藤吉郎」2015年に95歳で亡くなっています。
ええ~!? って思っちゃいますよね、木下藤吉郎


これは言ってみればビジネスネームだそうで、本名は「矢満田富勝


豊臣秀吉っていう名前じゃなくって、どんどん上昇していく頃の名前として木下藤吉郎を名乗ったんでしょうかねえ。

 


何かと型破りな人だったみたいです。


居酒屋商売が成功して酒場王だとか呼ばれていた木下藤吉郎本人は下戸だったそうです。


「酒を呑むお客さまは、ありゃバカだ!」


「酒は売るもの吞まぬもの、売って儲けるためにある」


実になんとも、わっはっはな言葉を残しておられますね。


現在315店舗だっていう養老乃瀧は新社長のもと、再活性化を計っているそうです。


こじゃれた店で高級ワイン、なんてのもね、もちろん悪くはないんですが、1軒1軒の居酒屋がね、もっと町中華っぽく、出すアテのジャンルとか何でもありで、ワイワイやってるような感じに戻ってくれれば、コロナ明けの夜の街の風景も元気になれるって思いますけどねえ。


和洋中、なんでもありの方がイイんです。そんなに味にこだわっていなくたってイイんです。ボリュームとかもテキトーでイイです。
肩の力を抜くために呑みに行くんですから。


ま、仕入れとか、商売的に大変になるでしょうけれどもね。


お客様はバカだ、でもイイんでございますよ。酒呑みは自分でもそう思ってる部分がちゃんとあるですよ。


「孝行の心を天も水にせず 酒と汲まする養老の滝」


ってことで、きょうも若返りに行くでありますよ。はい。

 

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