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蛍【オスでもメスでも】源氏も平家もピーカピカ ほたるはなぜ光る?

< ほたるを研究したら 少なくとも明かり用の電力ってのは要らない なんてなことになりませんかね >

え~、毎度まいどのバカバカしいお噺でございまして、最後までひとつ、よろしくのお付き合いを願いあげておきますが。


2022年の秋になりましてね、なんだか日本の世の中も動き始めてまいりましたですよ。
海外からの観光の方々もわんさかやって来ていただいているようで、商売やってる人たちにとっちゃね、なにかとうれしいことが期待できるってなもんでございます。


もちろん日本人だっていろいろ動いてございますよ。
県民割りだ地域割りだってんでね、お得なうちに動いとこうってことなんでしょうけど、浅草辺りなんかもね、一気に賑わいが戻って来てるようでございます。
よろしいこっちゃございませんか、ね。


で「もっと東京」とか言いましてね、はやしたててはいるんですけど、東京だけね、20日から始めるってんで、遅れてるってのは、あれ、なんでしょうか。なんでそんなことになっちゃうのか、お役人さんたちのやってることってのはね、まあ、わたしたち庶民にはなかなか分かりにくいもんでございますね。あいも変わらずね。


あれですよ、動いているのはなにも観光客だけってことじゃございません。仕事の方でも、ビジネスマンの方々、男女ともにね、転勤族ってのも戻って来ているんだそうです。


全社原則リモートワークってんでね、どこに住んでいてもかまわない。出社におよばず、なんてんでね、転勤は一切廃止しました、なんて会社も出てきたって話もききましたですけど、まだまだ転勤ってのはなくならないようで、引っ越し業者はひと安心しているんだそうで、その辺はなによりですが。


日本人のね、異動の季節ってえますと、だいたい春と秋に決まっておりましたね、コロナ前はね。
それがここ3年ぐらい、パタッと止まっちゃいましてね、転勤どころか、出社するのも控えるようにってことが続いておりましたんです。
喜んだ人もいますし、腐った人も少なくないみたいです、これはね。
人間、いろいろでございますからね、いつの時代もね。

 

 

 


で、経済も回さないと、ホント、冗談じゃないよってえレベルまでになっちゃいましてね、急に動き始めました日本の労働環境でございますよ。
ちょっとバカっぽいなんて声もありますが、しょうがないんです、これは。パンデミックってやつなんですからね。


そんでね、戻るってなると急にね、リモートワーク廃止、なんてことを言ってる会社もあります。
いろんな会社があって、それはそれで悪くはないことなんだそうでしてね、よく分かりませんが、この秋はね、転勤で引っ越しする人も増えてきた。
転勤の訓示が出た、ってんで悲喜こもごもなようでございます。


単身赴任を選ぶ人もいますし、やっぱり家族はバラバラになっちゃいけないってんで、家族で引っ越しっていうのもね、多いらしいんです。


電気屋さんを営んでおりますクマさんの町にも、引っ越しのトラックが何台もやって来ておりまして、大忙しを目論んでいたようなんですが、どうもね、予想が外れましたようで、クマさん、しょぼくれた様子でご隠居さんのところへ顔を出したようでございます。


「よお、ご隠居。まだ達者でいるかい」


「なんだい、相変わらずだねお前さんは、まあ入んな。きょうはどうしたね」


「どうしたもこうしたもねえんですよ、ご隠居、聞いてくんなさいよ」


「ああ、なんでもいいけど、落ち着いて話してごらん、分かりやすくだよ」


「あのね、あたしゃいつだって分かりやすいんですよ。町内イチの素直さ。赤んぼのクマっては、あたしのことなんで」


「そんなヒゲだらけの赤んぼがいちゃあ、世の中、迷惑ですよ。まあ、なんでもいいから、なにがあったのか言ってみなさいってんですよ」


「なんだい、ご隠居の方がよっぽど落ち着きがないよ。あのね、横丁の並んでる建て売りやら、2丁目の団地やらに7件も引っ越しがあったんですよ」


「ああ、聞いてますよ。みんな同じ会社の人らしいね」


「大会社の社長の鶴の一声、ってやつなんでしょうかね。そこの駅からだと通いやすいってんで引っ越して来たんでしょうがね、なんですよ、みんなね、西の方の人たちなんですよ」


「ほおお、西の人っていうとあれかい、大阪の」


「大阪の人もいますけどね、四国、九州。いろんなとこの西からなんですけどね。どうもうまくねえんで」


「イイじゃないですか。西の方の文化を知ることができそうで。なにがうまくないんですか」


「いや、それがね、ご隠居、あれですよ……」

 

 

 


クマさんの電気屋さんはですね、クマデンって呼ばれてこの町に1軒だけの町の電気屋さんでしてね、そのね、大会社に務めている人たちってのが前から何人もいるわけですよ、クマさんの町に。
そんでもって、そういう人の奥さんとかがね電気コードかなんか買いに来て、情報が入ってくるわけなんです。今度ね、西の方から大量に引っ越してくるらしいですよ、なんてね。


その会社から2駅のとこなんですね、クマさんの町って。それで近場ってことでここに住む人も多いんです。遠からず近からずってやつなんでしょうね、はい。


その情報を仕入れましてですね、クマさんは考えたんです。
西の方から引っ越してくるってこたあ、家電品がゴソッと売れちゃうね、こりゃ。


ええ? 考えたんです。
なんでそう考えるかってえますと、周波数ですね。日本って国は不思議なことにね、電気の周波数が西と東で違ってんですね。


引っ越しの多い人はとくとご存じのことかと思いますけど、ね、まったく非効率なことなんでございますけど、統一しようって話が出ては消え、消えては出てきてまた消えるって、100年も繰り返してるってんですから、いやはやなんとも、ハッキリしない国なんですね。


明治時代に電気が入って来たときに、東京には「50Hz」のドイツ製発電機、大阪には「60Hz」のアメリカ製発電機が入って来て、それ以来、新潟県糸魚川と、静岡県富士川を結ぶラインから東側は「50Hz」で西側は「60Hz」ってことになったまんまなんですね。


ま、一部には例外の地域があったり、混在している地域もあるんだそうですが、大まかには東と西で分かれているっていう世界的にも珍しい国なんでございますよ、日本は。
いえいえ、クマさんがうまくないって言ってるのはですね、もちろんそういうことじゃないんです。


西の地域から引っ越してくるってことはですね、その家の家電品は「60Hz」から「50Hz」用に買い替えなきゃいけないってことなんです。


それでクマさん、張り切って仕入れましたね。炊飯器やらレンジやら、エアコン、洗濯機、照明器具。買い替え需要を一手に引き受けようって算段です。
町の電気屋さんとしては、かなり貴重な情報を耳にしたわけですからね、このチャンスにひと商売やってやろうじゃないのっていう意気込みなんです。


ところがね、ある程度の売り上げはあったんですけど、思ったほどじゃない。


なんでだ? 

ってことで、それとなく昔からのお客さん、関西弁の奥さんに聞いてみますとね。ウチの会社は転勤が多いから、昔から家電品には気を遣っていて、家電品にはインバータ付きのモノを選ぶ、ってことが判っちゃった。


インバーター、ってんです。


そのインバータってのが付いてますと、そのインバータってのが周波数の差を吸収しちゃうんで、家電品を買い替える必要がない。なもんで、クマさんの店は、大量に仕入れたけどちょっとしか売れない。なんだよ!


そういう「うまくない」結果になっちまったってことで、ご隠居さんとこに愚痴をこぼしに来たってことなんでございましょうかね。


「いやいや、そんなんじゃねえんですよ」


仕入れた家電品が思うように売れなかったってこと以外にも、なにかうまくないことがあるのかい」


「うまくないってますかね、隣り町の、ほらご隠居もご存じの、ヨタ電気の与太郎の野郎がね、最近は東京のホタルだって60Hzになってきてんだから、西から引っ越してくる人が来たって50Hzの家電品は売れやしねえんだ。んなこたあ電気屋ならみんな知ってる。知らねえのは間の抜けたお前さんだけだ、なんてぬかしやがんですよ」


「なんですかそれは。ホタルが60Hzになってきたっていうのは、東の水の方が甘いってことですか」


「いや、そこんとこがなんだかよく分からねえから、聞こうと思ってね」


まったくもってトンチンカンなことを言いだしたクマさんなんですけどね、東のホタルの光る間隔が4秒に1回なのに対して、西のホタルは2秒に1回なんだそうでしてね、同じホタルでも遺伝子の違いが原因だってことが分かっているらしいんですよ。


西のホタルの方がセッカチだってのはね、なんとなく納得できますね。とくに大阪のホタルなんてえのは、チカチカちかちか、うるさいんじゃないんですか。いや、知りませんけどね。


で、そんなこととは別にね、東日本、特に東京近辺でしょうけど、ホタルがね、極端に減っちゃって、西のホタルを移植してるんだそうですよ。セッカチを持って来ちゃってる。


そこのとこを与太郎さんが言っているんでしょうけどね、光る間隔が違うってことで、西から連れてこられたホタルのメスが産んだホタルは2秒に1回の個体に育つんだそうです。
命をつなぐのは、やっぱり女性なんでございますね。

 

ってことで、せっかちなホタルが日本を席巻するんだからインバータも何も要らなくなるってえ、与太郎さんのご意見なわけですが、ホタルにはねインバータなんてありゃしませんよ。
「50Hz」でも「60Hz」でもありませんしね。


ただねえ、ホタルの研究ってどの程度進んでいるものなのか知りませんけどね、光る虫ってのはなかなか不思議ですよね。


ホタルね、どこにでもいるってもんんじゃございませんね。環境がホントによろしくないといけないんだそうです。


ホタルの光、なんてね、歌いましたでしょ。
蛍雪なんて言葉もあるぐらいですから、光る間隔の短いホタルとか、照明に利用できる生態システムがあんじゃないですかね。
どなんでしょ。

 

 

 


はい、今回は、新潟県糸魚川静岡県富士川を結ぶラインで別れているらしい電気の周波数と、東と西のホタルの光る間隔の噺でございました。


クマさんが納得できるような噺になっているのかどうか、分かりませんですけどね。


飛びながら光るのがオスで、葉っぱに止まったまま光るのがメスだそうです。


電気代が高くなってきましたですよ。まったくね。


ホタルを吊るそうって思ってんですけどね。ホントにまったくもってね。ん~。


おあとがよろしいようで。

 

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