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【飛んでイスタンブール】エキゾチックな恋を夢みる乙女は いつだっているでしょねえ

< 異国的っていう感覚の中にあこがれが含まれている時しか言わないのがエキゾチック? >

国際結婚詐欺っていうのが、大流行りはしないものの、ずっと無くならないのはエキゾチックな雰囲気っていうのがいつの時代も魅力的だから、なのかもですねえ。


どんなに少ない情報であったとしても、とにかく何かしらの好印象を持っていなければ具体的な恋愛感情には発展しないでしょうっていう分析も散見しますが、人間同士の好き嫌いって、理由なんかないっていうのがホントのところじゃないでしょうかね。


でもまあ、エキゾチックっていうのに惹かれるのは、男性より圧倒的に女性の方が多い感じでしょうか。
そもそも、女性の方が絵になりそうな気がします。恋する男より、恋する女、ってなもんでしょ。

 

 

 


1978年に発表された、庄野真代の「飛んでイスタンブール」っていう大ヒット曲がありました。
作曲が筒美京平。作詞は、ちあき哲也の歌ですね。


懐かしく思い出す人も少なくないでしょう。ホント一世を風靡した歌でしたからね。


関連性とかまったく知らずに言いますけど、この歌のヒット以降に流行り出した言葉が「飛んでる女」だったんじゃないでしょうか。


いたでしょ、「飛んでる女」


女性がひとりで海外へ旅行するっていうのが定着し始めたのが、たぶんおそらくこの頃でしょねえ。


「飛んでイスタンブール」と「飛んでる女」のどっちが先なのかは、何とも言えませんですね。
「飛んでる女」っていう言葉が言われ始めたのを受けて「飛んでイスタンブール」が作られた可能性も少なくないように思えます。


「飛んでる女」っていうのはもちろん、飛行機で外国へ飛んで行く女、っていう意味じゃなくって「独立独歩」している女っていうニュアンスの方が強かったと記憶します。
ほぼ半世紀前です。働く女性っていうのが珍しくなくなったタイミングだったんでしょかねえ。


「飛んでイスタンブール」は、曲の方が先に出来ていて、庄野真代が歌うことに決まってから歌詞が作られたっていう経緯があるらしいんですね。


ちあき哲也が、なんでイスタンブールっていう地名を選んだのかは本人にしか分からないことでしょうけれど、ニューヨークや、パリ、ロンドンを外したところがオシャレ! エキゾチック! ってな感覚だったのかもですねえ。


実際、異国情緒、とかいった場合に、イスタンブールって、ドンピシャ! な感じがします。


イスタンブール。日本で人気の観光地になったのは「飛んでイスタンブール」が大ヒットしたからでしょねえ。
そういう連関ってホントにあるんだそうですよ。


庄野真代本人が、曲がヒットした後、実際にイスタンブールを訪れてみて、歌詞のイメージと全然違っていてビックリしたっていうエピソードも知られています。


洋の東西をつないでいるバザールの国ですよね。
かつての世界帝国、トルコ最大の都市、イスタンブールです。


「飛んでイスタンブール」は、カッコイイ女っていうのを歌っていたんだと思いますけど、ツッコミどころもあるですねえ。


♪いつか忘れていった


♪こんなジタンのからばこ


♪ひねり捨てるだけで


♪あきらめきれるひと


へへ~ん、どってことないわよ、あんなやつ、っていう女の強がりの心情、なんでしょねえ。この歌詞で言いたいことはね。


ところでですね「飛んでイスタンブール」には、いろいろな解釈を公開しているページがあるんですよ。
そういう点でも珍しいし、みんなの気持ちに響いたヒット曲なんだと思います。


いろいろに解釈できるのが、聞く側にとってイイ歌なんでしょうし、それを狙って作るのがプロってもんなでしょうから、あーだこーだ言われるってことは成功している証し、ですね。

 

 

 


ジタンのからばこが見つかったのは女性の部屋、ってことですよね。


忘れていったのが「いつか」ってことですから、そこそこの期間、男性は女性の部屋を訪れていた関係なんでしょうね。


「飛んでイスタンブール」っていうタイトルと合わせて考えますと、この女性のいる部屋が日本にあるのか、あるいは長期滞在していた外国、イスタンブールにあるのか、そういう疑問も出てきます。


ジタンのからばこが出て来た時点で、イスタンブールに結びつくものは何もないですよね。


なのに、直後にイスタンブールへ飛んで行こうっていうんですから、その部屋はトルコ旅行の時の思い出の部屋なのかもしれません。


もっと穿って考えれば、イスタンブールで出会った男性が、日本の女性の部屋にいたことのある、長距離恋愛だった可能性も考えられます。


イスタンブールへ行けば、またあの時のようなエキゾチックな恋に出会えるかも、っていう期待で飛んでいく。
同じ男性に会いたいわけじゃなくって、新たな別の男との出会い。


その思い切り方の心情を表しているのが、


♪ひねり捨てるだけで


♪あきらめきれるひと


あんなヤツは、ポイよ、ってな「カッコイイ女」を自らに演じてさせている「カッコヨサ」
ちょと切ない。


で、ジタンってなんだか知ってます?


世界中が喫煙天国だった頃のフランスを代表するタバコです。


青色の背景の中で、けむりに巻かれるようにして踊っている女性が描かれたパッケージは有名で、その青色はジタンブルーって呼ばれています。濃い青色ですね。


ジタンっていうのは「スペインのジプシー女」っていう意味なんだそうです。


相手の男が吸っているタバコの銘柄がジタンだっていうことにも、なにか浮遊する意味を持たせたかった工夫があるのかもしれないですね。


1978年当時のジタンのパッケージは、他のタバコに比べていくぶん横に広いボックスで、けっこうシッカリしているパッケージなんですよね。
ひねり捨てるって、実際にはけっこう握力っていいますか、指の力が必要だと思います。


片手でクシャっていうひねりつぶし方じゃなくって、両手で思いっきりひねる、っていうスタイルだと、なんかオシャレ感は薄いかなあって、大きなお世話を焼いてしまいます。


それとも、ジタンのからばこをひねりきれない、あきらめきれない、ってことを言っているんでしょうか。


話はいつものごとく横道にズレていきますが、フランスでジタンと人気を2分しているタバコが「ゴロワーズ」ですね。


ゴロワーズのパッケージもブルーですが、ジタンと比べると水色っていうほどの色合いで、ソフトパッケージですね。
薄いブルーの背景に、翼の付いた兜が描かれています。


ひねるならゴロワーズの方が絵になりそうではあります。ソフトパッケージですからね。


ただオシャレなのはゴロワーズよりはジタンの方なんでしょうね。


そして、日本で青いパッケージで知られているのがハイライト。


和田誠さんの素晴らしいデザインで、昭和の中盤ごろには日本を席巻していた銘柄ですね。
で、同じブルーってことだったのか、ゴロワーズはフランスのハイライト、なんて言われていました。


ブルーではあってもジタンはハイライトになぞらえられることはなかったですね。
ブルーカラーのタバコっていうニュアンスもあったのかもです。


「飛んでイスタンブール」の3年前、1975年に発表された歌が、かまやつひろしの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」でした。


天才かまやつひろしの、日本の歌には珍しいタイプのめっちゃカッコイイ曲です。


歌詞のメロディーラインで聴かせるっていうんじゃなくって、バックの演奏のリズム感に乗って語りかけるようなカッコヨサです。


ゴロワーズというタバコを吸ったことがあるかい


♪ほら、ジャンギャバンがシネマの中で吸ってるやつさ


かまやつひろしならではの、スタイリッシュでカッコイイ曲です。

 

 

 


タバコの歌といえば、1972年には2曲の名曲が発表されています。


よしだたくろうの、そのタイトルも「ハイライト」っていう歌。


♪ぼくはハイライトを吸ってます


♪女房は鬼の顔で見ぬふりをしています


鬼の顔になっちゃうのは、早死にしちゃうから、みたいなんですけど、タバコの中でもハイライトのニコチン、タールの量の多さを言いたいのかもしれません。


♪ぼくはトイレの中で吸ってます


♪女房は台所でレタスを切ってます


♪あ~ハイライト


マンションのベランダでタバコをくゆらせる灯りが、あっちにもこっちにもっていう、ホタル族なんていうのが現れるずっと前。トイレ族、だったんでしょうかね。


もう1曲は、西岡恭蔵の「プカプカ(赤い屋根の女の子に)」


この歌は、いろんな人がカバーしている名曲ですね。


♪おれのあん娘はタバコが好きで


♪いつもプカプカプカ


♪からだに悪いからやめなって言っても


♪いつもプカプカプカ


タバコが身体に悪いっていうのは、ずっと昔から言われ続けていることなんですねえ。


♪遠い空から降ってくるっていう


♪しあわせってやつが、あたいに判るまで


♪あたいタバコをやめないわ


♪プカプカ プカプカ プカ


しあわせを待ち望んでいる赤い屋根の女の子が吸っているのは、ハイライトじゃなくって「ピース」なのかもですねえ。


勝手な想像ですが、電子タバコからはこういう名曲って生まれないような気がします。


イスタンブールっていう、遠い外国の街の名前を知ったのは「飛んでイスタンブール」が最初だったのかもしれない、これまた遠い記憶。


その街が、コンスタンチノープルであり、ビザンティオンだっていうことを知ったのは、すっかりオッサンになってからのことでした。


サバサンドは日本で数回食べたことがありますけどねえ。

 

 

ところで、「飛んでる女」はその後、どこへ行っちゃんでしょうね。ずっと聞きませんです。


1990年代には「オヤジギャル」なんて言われ出して、ギャルは飛ばなくなっちゃったんでしょうか。


2010年代からは「おっさん女子」になってますよね。


もはやギャルっていうのは職種になっているような感じもありますけど、自然が一番だと思います。
飛ばなくたってイっすよねえ。


呑み仲間の女性陣は、もれなく「おっさん女子」なのであります。楽しい仲間たち!


それでい~んでないかい!?