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SNSで話題の【蛙化現象】って実は昔からある「百年の恋も一時に冷める」ってやつじゃんね

< いろいろある不条理な人間行動のどれにスポットをあてるかで話題を作っているですかね >

「蛙化現象」っていうネーミングの由来っていうのは、グリム童話「かえるの王さま」から来ているっていうのが定説みたいです。

 

「かえるの王さま」っていう話は、副題まで含めますと「かえるの王さま、あるいは鉄のハインリヒ」っていうんです。
あんまり面白い話じゃないように思えます。そんなに有名でもないですよね。

 

 

 


「昔むかし、ある国にそれは美しいお姫様がおりました」
「お姫様はある日、森の泉に金の毬を落としてしまいました」


金の毬って、なんでしょ。金箔が貼ってあるってこと? 毬っていうんですから、ソフトボールよりは大きいんでしょうね。ハンドボールぐらいでしょか。それで中身までずっしり純金だったら、めっちゃ重いです。
お姫様は砲丸投げの選手?


「毬をなくしたお姫様が泣いておりますと、そこへかえるが現れて言いました」
「わたしをお姫様の友だちにしてくれて、隣に座って、同じ皿から食事を摂って、お姫様のベッドで寝かせてくれるのなら、拾って来てあげましょう」


お姫様は毬を取り戻したいばっかりに、なんでも言う通りにするって約束するですねえ。


でもなんかね、かえるの要求って、けっこうグロイですよね。


東京オリンピック女子ボクシングフェザー級の金メダリスト、かえる好きで有名な入江聖奈選手は、東京農工大学の大学院でかえるの研究を続けているんだそうですけど、こんな要求をして来るかえるにはどんな反応を示すでしょうね。


「お姫様は心の中では、かえるのくせに、人間のなかま入りしようなんて、ホントにずうずうしい、おばかさんだわと、思っていました」

 

 

「かえるは約束のとおり、水のなかにもぐって行きました。しばらくすると、ちゃんと金の毬を口にくわえて、ぴょこんとうかび上がってきました」


毬を口にくわえるってことは、このかえる、めっちゃデカイですよね。


「さあ、ひろってきましたよ。そういって、草のなかに毬をおきました」
「ところが、お姫様は、その毬をつかむなり、ありがとうともいわず、とんでかえって行きました」


ここで、まあなんてヒドイお姫様! とか思っちゃう人もいるのかもですけど、まあ、当然の反応のようにも思えます。
なにせ、デッカイかえるなんですからね。


入江選手、って、もうとっくに引退しているですけど、ここはどう判断するでしょうか。


でも、お姫様に、おばかさん、って思われたかえるはシツッコイんです。


「翌日、お姫様が家族と食事を摂っているところへ、かえるがやってきて約束を守るように言います」


まあね、かえるはそう主張する権利、ありますよね。金の毬を戻してあげているんですからね。
わけを聞いた王様は、約束を守るようにお姫様に言います。
でもねえ、自分の娘のベッドで一緒に寝てイイよって許可する王様って、どこか普通じゃないような気もしますね。
どうですか? 入江さん? って、関係ないっちゅうに。


でもお姫様は最初から、こんにゃろって思ってますからね、自分のベッドに入り込もうとするかえるを、引っつかんで壁に投げつけちゃうんです。


ゲゲッ! っと思ったら、ここで魔法が溶けて、こんにゃろなかえるは、立派な王子様に戻るんですよねえ。


で、王子様とお姫様はめでたく結ばれましたとさ、って話なんです。


「鉄のハインリヒ」っていうのはどこで出てくるかって言いますと、王子様がお姫様を連れて元の自分の国に帰るときに、迎えの馬車が来るんですけど、その御者が、忠義者のハインリヒです。


ハインリヒは自分の胸に3本の鉄のタガを巻いています。


「ご主君がかえるにされてしまったので、かなしくてかなしくて、いまにも胸がはれつしそうになったので、やっとタガをはめて、押さえていたのです」


で、王子様のお城に帰る途中、そのハインリヒの鉄のタガが、パチリ、パチリと破裂して飛び散るところでジ・エンド。


話の後半にお姫様は、もう出てきません。


この「かえるの王さま」が「蛙化現象」の名前の由来ってされているんですね。

 

 

 


だ、か、らあ、そもそも「蛙化現象」ってなんなの? っていう人も少なくないと思います。


今、SNSで話題になっているっていう「蛙化現象」っていうのは、ザックリ言ってしまえば、


「今まで好きだった相手が、生理的にムリ! って急になっちゃう現象」


のことだそうです。


それのどこが「蛙化」やねん!? ってなりますよね。


ネットの中の説明では、2000年代の心理学業界で使われ始めた言葉で、ルーツはグリム童話の「かえるの王さま」みたいですよって言ってます。


「かえるの王さま」の話は、生理的にムリ! なかえるが王子様に一瞬で変わっちゃうんですけど、「蛙化」の場合は、好きな人が一瞬で、生理的にムリ! なかえるになっちゃう。


好きだったものが、かえる化するってことで「蛙化現象」なんでしょねえ。


元々ってことを考えると、かえるだったのか、王子様だったのか。


ネットに上げられる「蛙化現象」の事例は、たいてい女性からのもので、付き合っている男性の、ふとした行動で熱が冷めてしまった、っていうのが多いですね。


熱が冷めると、たいていの場合、はいそれまでよ、ってことみたいです。


男性側にもそういう「蛙化」の感情を女性に対して抱くこともあるでしょうけれど、意見を上げているのは女性が圧倒的です。


でもまあ、ネットに「蛙化現象」を上げている女性は、おそらくかなり若い年齢層で、「蛙化」の原因を紹介して、みんなで笑おう、みたいな気持ちが投稿の向こう側に見えている感じもあります。


ファミレスで何にしようか、めっちゃ迷ってる姿がダサ過ぎて、蛙化!


パスタ屋さんでミートソースをズルズル大きな音を立ててススルっていう信じがたい行動で、蛙化!


とかは、それまでの交際の浅さが見えます。カッコイイって思ってたのにチャウなあ、ってことですもんね。


まあ、恋に恋するっていう段階の「蛙化現象」であれば、はいはい、そうやって大人になっていってくださいねえ、って感じもしますけど、シャレにならない「事件」っていうのもありましたよね。


結婚式を挙げて、新婚旅行へってことで、2人で向かった成田空港で、決定的なケンカになって破局
1990年代に「成田離婚」っていう言葉が大はやりしました。


スピード離婚、ここに極まれり、ってことでしょうかね。


カップル、って言われるのはイチャイチャしているイメージですけど、スピード離婚するのもバカップルって言われていましたね。


そして1992年に「事件」は起こります。


新婚旅行でパッケージツアーのオーストラリアを訪れていた1組の日本の夫婦。
ゴールドコーストハミルトン島を1週間ほど旅行して、シドニーに移動。
シドニー観光を2日ほどする予定の、その2日目。


新婚の2人は別々に買い物をすることにして、午後から別行動。


ツアーがホテルに戻る時間になっても25歳の新婦の姿が見えない。
29歳の新郎は、ツアーガイドたちと懸命に探しましたが見つかりません。


午後8時、在シドニー日本国総領事館と現地警察に届け出ます。そして日本にいる新婦の実家にも連絡。


そりゃそうなりますよねえ。新婦が行方不明なんですから。


午後11時、滞在していたホテルに新婦から電話が入ります。


「車で連れてこられた。どこにいるか分からない。親切なオーストラリア人に助けられた。自分のことは捜さないで欲しい。心配はいらない。自分で何とか帰る」


翌日はパッケージツアーの日本帰国予定なんで、ツアーメンバーは帰国しますが、新郎は残りました。


これまた当然ですよね。新婦の所在が分からないし、脅迫されて電話させられたのかもしれないですし、気が気じゃないですよね。


翌日の昼、現地警察は日本人女性の誘拐事件として捜査を始めます。
オーストラリア、日本は大騒ぎです。


新婦が姿を消してから4日目の早朝、っていうか午前1時。


現地警察はシドニー近郊のモーテルに1人で宿泊していた新婦の部屋に入ります。


新婦は身元を知られることを恐れてか、パスポートを窓から捨てるだとかして大暴れしたそうですけど、まあ、無事に保護されましたとさ。


その日の夜。新郎新婦は元のホテルで謝罪会見。


結婚式の1ヶ月ほど前からマリッジブルーになっていた新婦は「成田離婚」を考えていたものの、踏み切れず、オーストラリアに来てしまった。


つまり新婦側の「蛙化」は「成田離婚」に成就することなく、シドニーでの失踪に繋がったっていうことだったんですね。

 

 

 


日本に帰ってきた2人は、これからも新婚生活を続けていきます。っていう記者会見を行いましたですよ。


で、新婚生活が落ち着くかと思われたんですが、新郎の友人たちが録画していた日本のワイドショーの内容を見て、新婦の失踪内容を知った新郎は、離婚を決めました。


「蛙化返し!」でしょかねえ。


こうしたオーストラリア花嫁失踪騒ぎみたいになっちゃうと、笑い事じゃないんですけど、「蛙化現象」に関心のある方々。あははのはって笑えるレベルでどんどん恋愛して、どんどん蛙化して、そしてまた恋愛してくださいねえ。


「蛙化現象」なんて、さも新しそうなことみたいに言ってますけど、百年の恋も一時に冷めるっていうのは、大昔からあることなんでありますよ。ね。