< アナログ世代はデジタルネイティブから学ぶべきこともけっこうある気がしますです >
世代の呼び方として「Z世代」っていうのはだいたい1990年代中盤から2010年代序盤生まれの人たちを言うんだそうですが、日本で言いますと2023年時点で小学校5、6年生ぐらいから20歳ぐらいまでの人たちってことになります。
概ね1995年の阪神大震災から2011年の東日本大震災の間に生まれた世代とも言われています。
震災から震災までの世代なんですよ、っとかね、言われちゃうと、当人たちにとってはあんまり気持ちのイイもんじゃない括り方なんじゃないかなって思いますけどね。
スマホネイティブで社会課題への関心は高いが、コスパ、タイパ、っていう自分にとっての効率を重視して、損をしたくない気持ちが強い。とかね、そんな評価をされています。
何を言ってくれちゃってんの。自分は自分だし、いつ生まれたかっていうことに引きずられる人間じゃありませんよ! ってことで、当人たちには関係のない世代括りってことではあると思います。
Z世代のうちで、年齢が上の方の人たちは選挙権を持っていることになりますね。
これからの日本を作り上げていく、真のデジタルネイティブ世代なんです。
Z世代の親は、だいたい団塊ジュニア世代、バブル世代にあたることになるんですね。
真のデジタルネイティブっていうのは、Z世代の直前、ミレニアル世代(Y世代)が史上初めてデジタル文化と共に成長してきたデジタルネイティブであるのに対して、生まれた時からデジタル文化が当たり前に生活環境の中にあって、インターネットネイティブ、スマホネイティブ、SNSネイティブっていうことなんですよね。
ミレニアル世代以前のアナログ世代の中にもデジタル文化をすんなり受け止めて、リーダー的な役割を果たしている人も少なくないんですが、Z世代のデジタルネイティブっていう感覚は一段も二段も違うんでしょうね。
マーケティング対象の気配のする世代の区分けっていうことには、賛成できない気持ちもありますが、生活環境がその世代の特徴を決めるっていうことはあるんだろうなあって思います。
生まれたときから、身の回りにある道具が違うんですからねえ。
スウェーデンの環境活動家「グレタ・エルンマン・トゥーンベリ」さんが2003年の生まれですから、Z世代の代表的な女性ってことになりますかね。
真のデジタルネイティブ世代である彼女が、2018年に「気候のための学校ストライキ」っていう看板を掲げて世界の耳目を集めたっていう、なんともアナログな行動は、とっても興味深いです。
そしてそのアナログな行動、ストライキを行っている写真をInstagram、Twitterに投稿して、メディアの注目を集めると同時に、自分と同じ世代、Z世代に自分と同じように学生ストライキに参加するよう訴えかけたら、世界270の都市で「気候のための学校ストライキ」が実行されたっていうニュースになりました。
ここ、違いますよね、アナログ世代とは。一気に世界的な運動になるんです。Z世代。凄いです。
「私は安心したい。私たちが人類史上最大の危機にあることを知っているのに、どうして安心できますか?」
っていう論文や、スウェーデン議会の外での座り込みで、
「あなたの大人が私の未来を台無しにしようとしているので、私はこれをしている」
っていうリーフレットを配ったりして世界を巻き込んでいく行動力はZ世代のものっていうより、トゥーンベリさん個人のパワーだと思いますが、Z世代の環境意識はナチュラルに強いって言われていますね。社会環境問題への関心の高さはZ世代の世界共通なんですよね。
こういう認識共有って、SNS最大の特徴なんだろうなあって、改めて感じます。
2019年には、グテーレス国連事務総長が、
「私の世代は気候変動の劇的な課題に適切に対応できていない。これは若い人たちに深く感じられている。彼らが怒っているのも不思議ではありません」
っていうメッセージを発表してトゥーンベリさんの活動、Z世代を中心とした温暖化阻止活動としてのストライキに賛同の意志を示しましたね。
「私の世代は」って言っているポルトガルの政治家、アントニオ・マヌエル・デ・オリヴェイラ・グテーレスさんは、1949年生まれです。ま、アナログ世代ですよねえ。
これまでのトゥーンベリさんの発言を改めて確認してみますと、驚かされるのはその情報発信力よりも、世界中の情報を収集する速さと、その情報量の多さです。
スマホネイティブのプラス方向の特徴は、常に世界の仲間たちと通信状態を保っていて、圧倒的な情報をコントロールできるっていうことなのかもしれません。
もちろん、誰にでもできることじゃなさそうですけれどね。
ネイティブとはいえ、その中にもいろいろあるんでしょうからね。
Twitterといえば、使いこなしているって言えるのかもしれないジーサンに、トランプ元アメリカ大統領がいます。
1946年生まれのトランプさんっていう人は明らかにアナログ世代ではあるんですけれど、まあ、意欲的にデジタル社会と付き合っているように思えます。
2019年の国連気候行動サミットで、トゥーンベリさんとニアミスをした際に、トランプさんはこうtweetしました。
「彼女はとても幸せな少女に見える、明るく素晴らしい未来を心待ちにしているようだ。見ていて何とも気持ちがいい!」
シャレたつもりの「少女」へのtweetに、トゥーンベリさんは自分のTwitterプロフィールを書き換えます。
「明るく素晴らしい未来を心待ちにしているとても幸せな少女」
トランプさんを思い切り睨みつけているトゥーンベリさんの動画配信に
「We are all Greta」
っていうtweetが寄せられたこともまたニュースになりました。この時トゥーンベリさん16歳です。
地球を救うっていうことは、理論じゃなくって行動なんだ。大人は何もやって来なかったし、今もやろうとしていない! ってことを言われているわけなんですけれどね、謝るしかないです。
Z世代の情報コントロールはアナログ世代の思い及ばないレベルなんだろうなあって思いますが、世界はホントに変化していて、若い世代に学ぶべきところってけっこうあるんじゃないかっていう気もします。
ところで、1990年代中盤から2010年代序盤生まれの人たちをZ世代と括るっていうんだとして、今は2023年ですけど、Zのあとはどうすんの? どう呼ぶの? もうあとが続かないじゃん。
って思ったらですね、2013年生まれぐらいからの世代に対しては「α(アルファ)世代」って言うんだそうです。
ジェネレーションアルファ。
アルファベットのあとはギリシア文字ですかあ。誰がそういうネーミングを決めているんだか分かりませんが、世代っていうのは、A世代からあったんでしょうか。
X世代、Y世代があって、Z世代なんだから、その前もずっとあったんでしょうねえ、って思っていたんですが、実は無いんでした。
世代にアルファベットを当てはめたのは、なんとX世代から。
カナダの小説家、ダグラス・クープランド(1961~)が1991年に書いた「ジェネレーションX〜加速された文化のための物語たち」っていうベストセラーがジェネレーションX、Z世代って言い始めた最初なんだそうです。
なので1960年代中盤から1980年代序盤生まれってされているX世代がアルファベットの最初で、その次の世代だからってことで、1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代がY世代。
そしてその次だからZ世代、ってそういうネーミングだったんでありました。
アルファベットがZまで来ちゃったから、次はギリシア文字って、なんなん?
世代の区分けに意味は感じませんが、普通に特徴を表したつもりの言葉で括ればイイじゃん!
しかも、なんかアメリカの世代括りを、そのまま日本に持って来なくたって良さそうなもんですけどね。
日本には日本の世代括りがありましたよね。
団塊の世代、しらけ世代、バブル世代、氷河期世代、ゆとり世代、さとり世代。
まあね、メディアがどういう名前の括りをしたからといって、個々人にその世代の定義を当てはめようっていう風潮は、アホなことだって思います。
ただね、今回のコロナパンデミックって、世界的な変革をもたらすんじゃないのかなあって思えますよね。
コロナパンデミックの前と後。アナログ、デジタル、関係なく。
世界的に、それぞれの国で、次の世代のネーミングがなされる頃にはこの面倒くさいコロナ禍の生活も終わっているはずですけれどねえ。
wakuwaku-nikopaku.hatenablog.com