ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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おひとり様飲食の勧め【井之頭五郎】と【村崎ワカコ】が 隣り合わせる店とは

< 世の中は たくさんの五郎と たくさんのワカコの すれ違い >

初めての駅で降りて、用事を終わらせて、ぶらぶらっとして、初めての町中華です。


オフィス街っていうんでもなく、学校もあったりして、マンションも見えます。そんな郊外都市の風景の中を片側一車線の道がゆるいカーブを描いて延びています。
飲食店の看板もちょこちょこ見えます。


赤色を基調とした外壁で「晩酌セット」の張り紙が目立っている店でした。


会社帰りに立ち寄る人がメインターゲットなんだろうなって思いますが、街並みの見た目より、オフィスが多いのか、あるいは、通りから少し奥まったところに、大きな工場があったりとかするのかもです。


「晩酌セット」はドリンク1杯と、小皿料理2品、とありますね。980円。
惹かれますけどね、まだ昼の2時。ランチか定食もありそうな雰囲気のお店でしたので、入ってみました。


全面ガラス張りの自動ドアにも、晩酌セットの張り紙が2枚。店の中は見えません。
中華居酒屋って感じなんでしょうかね。晩酌推し。

 


ガガガッて派手に震えながらドアが開いて、中が見えると意外な広さがありました。
入り口正面には5人ぐらいが座れそうなカウンターがありますけど、そこには段ボールやら皿やらが置いてあって、カウンターとしては使われていない様子。
ま、そういう店、けっこうありますよね。


2人がけのテーブル席が8つ。4人がけテーブルが6つ。左手奥に8人がけのテーブルが2つ並んでいます。
カウンター席をつぶしてもモーマンタイなんでしょうね。


1人です、って指を出して示すと、
「はい~、らっしゃいませ~。こちどうぞ、はい、こちら」
中国か台湾の方でしょうね。ぽっちゃりした女の人がおしぼりと水を持って来てくれました。声がデッカイです。


厨房2人、店内2人っていう体制みたいです。とりあえず昼時は、ですね。
中華居酒屋として夜の方がメインなんであれば、店員さんの数も増えるかもですもんね、


指定された2人がけテーブルへ着きました。2時過ぎの店内には先客が2人。1人ずつのテーブルで壁のテレビに向かって食べています。晩酌セットではなさそうでしたね。


テーブルに置いてあるメニューは3枚。
定食と一品料理と晩酌セット。
写真と金額で示されたメニューは3枚とも年季が入った感じにセピア色です。


初めて入った店ですからね、味の想像もつかないわけで、この辺りから頭の中でモノローグが始まりますよね。
この感覚、伝わりますかね。


誰かと、あるいは何人かと店に入ったとすれば、あーだこーだ話しながらメニューを決めることになるわけですが、そういうのとは全然違う内容のモノローグになりがちだと思います。
なんでかっていいますと、声に出しちゃったら「人聞きの悪い」ことでも、モノローグだったら言えちゃうわけで、全く自分だけの世界に終始しますからね。


何人かで来ていて同じ状況になったとしても、声に出す前のモノローグは同じようなもんでしょうけれど、やっぱりね、周りに影響されたモノローグになりますもんね。
1人の時のモノローグこそは、誰にも遠慮の要らない独り語りですから、たぶんおそらく、これ、ストレス解消になっているんじゃないかなって気もします。個人のね。


メニューの古さを見て、
「ずっとこれでやってるってことは、安定して客の付いてる店ってことなんだろうなあ」
って考えます。ホントにそなのかあ? とかいうツッコミもあるかもしれませんが、イイんです。モノローグですから。


でも時々、自分で自分にツッコミを入れるってことも、あるにはありますけどね。

 

さて、20種類ぐらいある定食メニューは、麺類の定食、ごはん付きと、チャーハンの定食、そしてニラレバだとかおかずとごはんの定食の3パターンみたいです。
メニューをひっくり返してみますと、裏は真っ白。


「なにしますか」
そんなに間を置かず、伝票を片手に注文を聞きにさっきの女の人が隣りに立ちます。
「豚バラと青菜のチャーハン定食」
「はあい、豚バラ、一丁」


写真で見ると、チャーハンの定食は、各種のチャーハンとスープ、たぶんザーサイのお新香、そして杏仁豆腐が付いています。


「でもまあ、写真の年季からするとお新香とか杏仁豆腐とか、今はちがってるのかもだけど、ま、イイよね」
ってモノローグを一瞬で駆け巡らせて、
「あと餃子、焼き餃子」
「焼き餃子、一丁」
にしても大きな声だなあ。


厨房の中では鍋やら皿やら。忙しい時はガチャガチャって相当な音量になるんでしょうから、そこへオーダーを届かせるってね、やっぱり声が大きくないとね、ダメですよね。ってまたモノローグです。


ホント、声がデッカイんです。

 


注文を終えてから、晩酌セットのメニューをしげしげと。


ドリンク1杯っていうのは、生ビール、ハイボール、サワー、焼酎の中からってことで、ま、良心的。
で、小皿料理っていうのが、30種類ぐらいあります。
ネギチャーシュー、冷や奴、キムチだとか、くらげ、ピータンもありますね。お、タコもあります。


こんなに材料揃えておくのって大変そうだよね。あ、でも、あれか、注文されても「きょう、それないよ」でいくのかな、とかね、ズルズルとモノローグ世界に浸っておりますと、
「はあい、お待ちどうさまねえ、豚バラ定食ねえ」
で、黒いトレーに乗せられた「豚バラと青菜のチャーハン定食」登場。


トレーがデッカイです。当然、チャーハンの盛られている皿もデッカイ。
写真に偽りアリってわけじゃないんですけど、縮尺レベルが違っていました。このボリュームはなかなかですねえ。
たまごスープとザーサイのお新香、そして杏仁豆腐はメニュー写真の通り付いています。


でも、なんかチャーハンのテリが弱いような。好みのタイプのチャーハンじゃないかも。この杏仁豆腐はしっとりタイプっぽいですねえ、こっちはイイですねえ。とか、相変わらずのモノローグ。


さて、メインのチャーハンです。
3センチ×4センチぐらいの充分な大きさがある豚バラの脂の部分はバッチリです。旨いです。脂が旨い。
でも言ってみれば、その脂身が目立つぐらいにチャーハン自体はカサカサです。残念。
健康志向? なんやねんッ!
青菜も量が少ない感じです。


いや、まあ、とにかくボリューム、ってことなんでしょうかね。
味自体は悪くないです。米もまあ、どこでもこんな感じでしょうかねえ。


ってモノローグ食べをしているところへ、
「はあい、餃子ね」
って相変わらずの元気な声で出された餃子。これまたデッカイです。6個。
んああ、これ、食べきれるか? チャーハンも多いし、餃子もデッカイ6個。


で、餃子のタレを小皿に作って、箸で餃子を持ちあげたら、皮が閉じてないじゃん。具がボロッ。
ま、イイです。こういうこともありますよ、そりゃね。
小皿の中で具を詰め戻して、食べりゃイイんです。
でも、この餃子、重いな。なんでだろ。餡の肉が多いから?


とかね、モノローグ食べで頑張って完食いたしました。なんとかね。頑張らないと食べきれません。
ふうう、腹いっぱいです。


で、こういうモノローグ多めの食事って、なんかどこかで見たような、って思い出したのが「孤独のグルメ」ですね。


個人の輸入雑貨商、「井之頭五郎」が、その辺の何でもない店で食事をするだけのマンガ、テレビドラマ。
不思議な人気番組なんですよね。


井之頭五郎の仕事先はだいたい都内です。都内での打ち合わせに出かけていって、ちゃちゃっと終わらせて、外に出ると決まって「腹が、へった」っていうことで、店探しが始まるんです。
何食べようか、今の自分はどういうものを食べたい気分だろうか、っていうようなモノローグから始まって、店を決めて入っていきます。


初めての街での店探し。これ、誰でも経験ありますよね。この辺りから共感を呼んでいるのかもです。


メニューを見ながら、なんだこれ? どんなんだろう? とか言いながら、メニューを決めるまでのモノローグ。
で、番組ですからね「おお、これこれ」って感じでバクバク食べます。
けっこう量を食べるんですよね。


で、マンガもそうだったんですけど、ドラマもそれだけなんです。ごはん食べるだけ。


もちろん撮影に向けて、店の人に有名俳優さんを仕込んだりっていう演出はありますけどね。
グルメっていう言葉を冠にしていますけど、その街の普通のお店の普通のメニューを食べています。
そこがイイんですよね。


いろいろモノローグを並べながら「おお、これこれ」って見知った料理を満足して食べる。これもまた共感を呼んでいるんじゃないでしょうか。


自分自身との対話、それがモノローグの役割だって考えれば、こういう何でもない、ハレじゃない、日常の範囲の食べものを旨く食べる。
これって、グルメ情報に乗っかって誰かが決めた「評判の旨さ」を追体験するんじゃなくって、自分の判断ですもんね。その場で誰かの評価に左右される要素も、一人だとほぼないです。
自分なりのグルメを楽しむのが人間のシアワセってもんですよね。


食べたことのある食材だけど、ほほう、こういう調理法もありますか、っていうパターン。これもイイですねえ。
あるいは、いつも食べている生姜焼きを追加で注文したりなんかして「おお、これこれ」ってなるわけですね。
井之頭五郎はたくさん食べる人なんです。


なんだ、その組み合わせは、とか、そんなんどうでもイイんですよね。その時の自分が食べたいって思ったものを食べるのが人間の幸せってもんでしょ。


ちなみに井之頭五郎は「下戸」っていう設定なんですね。
ですので、酒を呑むシーンはないんです。


仕事の終わりが夜になっても、呑まないんです。ここで酒が絡んでくるとなると、ドラマの作りも一気に難しくなるでしょうし、一話の時間も長くなってしまいそうですもんね。予算的にも厳しいのかもです。

 


って思ったらですね、サラッとやってのけてるマンガ、ドラマがありましたですねえ。


ワカコ酒」です。


村崎ワカコっていう26歳のOLさんが、小耳に挟んだ情報を基にしたり、目に入った気になるお店だったりに、やっぱり1人でふら~っと入って、食べて、呑んで、っていう番組ですね。
ワカコは酒を呑むんですが、なんでもいけちゃう酒呑みです。


で、その店に入って、ナニ呑もうっかなあ、とか、ナニ食べよっかなあ、ってやっぱりモノローグです。


ワカコの働いている会社がどこにあるのかは、知りません。マンガなんかでは説明があったのかもしれませんが、ドラマでは特にどこって言っていなかったように思います。
でもあれです、移っている風景とか、見たことのある景色がいっぱいですし、ふらっと入る店もだいたい都心の店ですね。東京です。


その時の気分で旨い酒、ワインだとか、ビールだとか、日本酒もいきますね。それに合わせて、酒のアテ、っていうかワカコさんは食事、になだれ込むことも多いみたいなんですが、酒とアテの相性、バッチリですねえ、ってなって「ぷしゅう」ってやります。


この「ぷしゅう」は大発明ですね。


店の雰囲気と酒とアテがバッチリはまれば、ちっちゃい「っ」が入って「ぷっしゅう」になります。

 

仕事帰りですからね、とっても上手なリラクゼーション。緊張感だとか、ヤーな気持ちだとか、疲労感だとかね、全部「ぷしゅう」で吹き飛ばします。


これ、どうかな。ビールだったら、やっぱりこれでしょねえ、ってモノローグが、独り呑みの醍醐味を伝えてくれています。


独りでは店に入れない、っていう方もね、少なくないです。特に女性陣ですね。
でも、あれですよ、独りの方がリラックスできるのは間違いないですよ。


そんなことを上手にこなしている、井之頭五郎や、村崎ワカコは、意外にたくさんいるんです。


東京エリアでは両方とも「テレビ東京」での放送ですからね、そのうち、ニューシーズンで五郎とワカコが同じ店で隣り合わせに、なんてなことがあったりするかもです。
ノローグとモノローグです。ふっふっふ、いろいろ演出できそうですけどね。


井之頭五郎、やっぱり呑まないでしょねえ。五郎にぷしゅう、は無いです。
反してワカコはぷしゅうのプロです。

シロートはこっちですよね

 

自分なりのグルメにニコニコしている、隣り合わせになった見知らぬ他人。シアワセの伝搬。


「おお、これこれ」「ぷしゅう」で、世の中がヘーワになりますように。

 

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