< 正式名称は「獅子唐辛子」 へええ 正式名称とかあんねんな >
略して「獅子唐(ししとう)」ってことになったのは、やっぱり辛子っていう辛味がないから、なんでしょうかねえ。
中南米が原産地のトウガラシの仲間で、新大陸発見でヨーロッパに入って、その後世界に広まったらしいんですが、獅子唐って「青唐辛子」が品種改良されて辛くなくなったんだそうです。
実の先端部分が獅子の形をしているんで獅子唐辛子っていう名前になったっていうんですけど、どうなんでしょ。焼き鳥屋さんで串に刺されて焼かれたのしか見たことがありませんので、明確には言えませんが、獅子の形、してますかね?
この場合の獅子っていうのはライオンじゃなくって狛犬でしょう、って書いてある記事もみましたけど、どっちにしても単に「先っぽ」としか感じませんけど。
焼き鳥屋さんで時々一緒になる若いカップルがいるんですけど、そのうちの男の方、しん君っていうんですけど、しん君は大の獅子唐好きで、必ず2串オーダーします。
1串に6本刺してあるんで全部で12本の獅子唐。
で、しん君がオーダーすると、相方のアイちゃんが必ずこう言います。
「水ももらっておいた方がいいでしょ」
「だいじょうぶだよ。このごろは当たってないし」
「また当たりが出るに決まってるんだから、水ももらっておきなさいよ」
これ、分かりますよね。獅子唐って時々猛烈に辛いのに当たること、ありますよね。食べるロシアンルーレットっていうあれです。
しん君は、当たる確率が異常に高いんです。1串に2本の辛い獅子唐ってこともあったぐらい。
あの辛さは何なんでしょうね。
青唐辛子っていうのを焼いて、直接食べたことも無いんで比較のしようもないんですけど、青唐辛子っていうのがもの凄く辛いものなのか、それとも、獅子唐の苦味を頭で予想しているのに、そこへ予想していない辛さが来るんで極端に辛く感じるものなのか、とにかく、うひゃあああ、ってなる辛さですよね。
何回かその場面に遭遇しているんですけど、
「うああああ、来た! 当たり、来た。水ください、水、ヤバイよ。がああああ」
テーブル席から突然立ち上がって、カウンターの方へ走り寄って来ます。
マスターが笑いながらも素早くコップの水をカウンター越しに渡してあげるんですけど、
「また当たっちゃいましたよ。ホント、なんで僕にばっか当たるんですかね」
ってひと息ついた感じのしん君に、今度は氷の入ったコップの水を渡してあげながら、マスターが言います。
「刺激のある生活でイイじゃん」
「いや、こういう刺激はいらないんですけどね」
こんなようなことを何回もやっていますんで、アイちゃんが予め水を用意しておきなさいっていうのはとっても自然なんですよね。
でもね、こういう話をすると不思議に思う人もいると思うんですよね。
焼き鳥屋さんで獅子唐の串焼きを食べているシチュエーションなわけですから、何か吞みものもそこにあるはずですよね。
ロシアンルーレットで当たりが来ちゃったら、わざわざ水を飲まなくたって、そこにあるはずのアルコールを呑めばイイんじゃないの? っていう疑問です。
これはマスターにそう言われたことがあったんですね。
「ビール呑んでんだからビールでイイんじゃないの?」
「いや、獅子唐で辛くなった口の中に炭酸系とか、ダメでしょ、爆発ですよ」
って言ってました。
他にも獅子唐をオーダーしている人ってけっこういて、たまあに当たり! っていう人もいますけど、しん君みたいに確率の高い人はホントに珍しいですし、大騒ぎする人はしん君ぐらいなもんですけどね。
「持ってますねえ」
ってみんなに言われています。
10本に1本は当たり、なんていうことも言われているみたいですけれど、その焼き鳥屋さんでの当たり確率はそんなに高くないように思えます。
獅子唐は成長する過程で、水不足だったり暑すぎたりするストレスを感じると、特定の実が辛くなるんだそうですね。
そもそも品種改良されていないトウガラシがなんで辛いかって不思議な気がしていました。
実を食べてもらって、タネをいろんなところへ運んで欲しいんだったら、なんで辛くする必要があるんでしょう。
辛かったら、動物は食べないでしょ。
って思ったらですね、トウガラシは動物に食べられちゃうとタネごと粉砕されちゃうんで、動物には食べられないように辛く進化したんだそうですね。
でもそれだとタネを運んでもらえないわけですから、実をつける意味がない。
ところがですね、トウガラシの辛さ、カプサイシンに反応しない、辛さを感じない生き物、鳥がいるんですね。
鳥に実を食べてもらって、っていうか丸呑みしてもらって、遠くへ運んでもらうことができる。
トウガラシの辛さにはそういう理由があったんですね。
で、品種改良を進められて辛くなくなったはずの獅子唐なんですが、環境が悪くなると種族維持に対して危機感を抱いて先祖返りするのか、辛くなっちゃうんじゃないでしょうかね。知らんけど。
たぶんですね、しん君は酉年なんだろうと思われますね。
ヘタの辺りが丸くてパツンパツンの獅子唐は辛い可能性が高いんだそうですけど、八百屋さんとかで買うとき、見分けつきますかね。
焼き鳥屋さんで串焼きで食べる場合は選べませんけどね。
日本で獅子唐生産が盛んなのは、生産量の4割ほどを占めている高知県が圧倒的です。
第2位は千葉県、そして和歌山県と続きます。
で、高知県と和歌山県は、かなり前から「辛くない獅子唐」の開発に力を入れていたそうで、「絶対辛くない獅子唐」っていうのを徐々に売り出しているんですね。
高知県では、その「絶対辛くない獅子唐」のネーミングを県民投票していて、2023年の夏、あるいは秋ごろにデビューさせるみたいですよ。
生産農家としても辛い獅子唐は出荷時点で省いているそうなんですけど、どうしても混じってしまう。
そうすると、学校給食なんかには使えないんだそうですね。子どもたちに食べるロシアンルーレットはさせられません、ってことでしょうね。そりゃそうでしょねえ。
で、絶対辛くないです、って言われてもねえ、ホントかなあっていうのを、どう乗り越えていくかがこれからの勝負ってことなんでしょうね。
なんだかんだ言っても、しん君とかは、当たり、を期待しているようなところもあるんじゃないかって気もしますしね。「絶対辛くない獅子唐」の今後に注目していきたいです。
農林水産省によりますと、2021年は国連によって定められた「国際果実野菜年」だったそうなんですね。
全然知りませんでしたが、「果実と野菜を摂ることによってもたらされる栄養上・健康上の利点について世界的に認識を深める」のが目的だそうです。
もう過ぎてしまったっていう提言なのか、2021年を初年として、なにか具体的な活動を続けていこうってうものなのか、その後の情報は見当たりませんでした。
でもまあ、2021年には「国際果実野菜年2021 野菜・果物のおすすめレシピ・食べ方」の一般公募をやっていて、第1弾には259レシピ、第2弾には177レシピが寄せられたそうです。
その中に第1弾の受賞レシピとして「シシトウとサバ味噌缶のやみつきご飯のお供」っていうのがありますね。
サバ缶と獅子唐。ほほう、酒のアテにも良さそうです。と思います。
獅子唐って、トウガラシ類の中の栄養チャンピオン。
「カロチン」「ビタミンC」「ビタミンP」ってことで、老化防止、免疫力の強化、美肌効果っていう効果が望めるんだそうで、意外にやるじゃん! って感じの獅子唐。獅子唐辛子なんであります。
絶対辛くない獅子唐がイイか、食べるロシアンルーレットを支持するか。どっちですか?
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