< 北海道特産「ハスカップワイン」の味わい方 >
とあるワインを楽しみながら、はるか古代の白亜紀の地球に想いをいたすっていう話なんですが、はい、いつも通り遠いところ、恐竜の話から入ります。
世の中には「恐竜学」ってのがありまして、日々研究が進められているんだそうです。
日本は国土の狭さもあって、これまでに発掘された化石の数も少なくって、恐竜学の本場はアラスカやモンゴルだったみたいなんですね。
でもまあ、そこで活躍している学者さんたちは世界各国から集まってきているわけで、日本にも何人かおられるみたいなんですよ、恐竜博士。
そのうちの1人、北海道大学の小林快次博士が、2020年、コロナ禍の日本で大きな発見をしたっていうニュースがありました。
それでまあ、その発見成果をいろいろビジュアル的にまとめるっていう「見える化」の時間もかかったんだと思うんですけど、2022年3月にNHKスペシャル「恐竜超世界 in Japan」が放送されたっていうことなんで、見ている人もいることと思います。
なんでこういう表現になるのか。そうなんですね、テレビを持っておりませんので見ておりません。
ネットで写真とニュースリソースは見ました。
2020年に発見された恐竜学の新事実をメディアで発表するまでに2年もかかるんだなあって思ったんですが、なんと、その元になっている発見って2000年のことなんだそうで、へええって言わざるを得ませんね。
軽率に世紀の大発見! とかはやらないんですね。
精確を期すってことなんでしょうから、しょうがないんでしょうけれど、なんかね、古生物学にもコンピュータを利用した分析のスピード化を望みたいところです。時間、かかり過ぎでしょ。
その、そもそもの発見というのは、2000年、北海道の北側、中川郡中川町、天塩川水系の安平志内川流域で、地元の化石愛好家によって発見されたものだそうで、骨のようなものが含まれている細粒砂岩団塊が郷土資料館に寄贈されたものだそうです。
アカデミズムから外れたところでの発見だったから、ってこともないとは思うんですが、その団塊をクリーニングしたのは2003年、学生アルバイトたちだったそうです。
化石のクリーニングはこうやるんですよっていう実演コーナーでのことだったってことで、まあ、そんなに重要なものが出てくるとは思っていなかったってことなんでしょうかね。
でもクリーニングを進めていく中で、こりゃあ、なんだかホンモノっぽいっていうか、なんか凄そうだよってなったのかもしれないですけど、完了するまでに4か月かかったそうです。
慎重です。この辺は手作業なんでしょうからね、さすがの丁寧さ、ってことでしょねえ。
出てきた化石は「ツメの化石2点」「指骨の化石数点」
このうちの「ツメ」1点は長さ14センチっていう、ほぼ完全な形で「テリジノサウルス類のツメ」だって鑑定されたんですね。
日本初! テリジノサウルスの化石発見!
ん~、テリジノサウルス? 知らんなあ、って感じなんですが、これ、恐竜界(?)では「謎のミステリー恐竜」って呼ばれている世界的に有名な恐竜なんだそうです。
今までに聞いたことあります? テリジノサウルス。
なにがそんなにミステリーなのか。
1948年にモンゴルで発見されたテリジノサウルスの化石から、90センチもの長さのツメが確認されていて、前脚、後脚の化石から肉食恐竜である獣脚類って分類されたんだそうです。
長いツメが特徴ですからね「大鎌のトカゲ」っていうのが「テリジノサウルス」の意味なんだそうです。
ところがその長いツメ。これがミステリーの発端で、体長が3メートルから11メートルじゃないかってみられているテリジノサウルス。それにしちゃあ、ツメ、長過ぎるでしょ。
獲物に突き刺すとしても長過ぎます、ってことで、じゃあ、その長いツメは何に使っていたんでしょうか。っていう謎なんですね。
だって肉食恐竜なんだから、長いツメでバッサアってやってたんじゃないの。
あのなあ、豆腐を切るんじゃないんだから、そんな簡単に切られちゃうヤツなんていないよ。
喧々諤々、っていう議論までには至らなかったのかもですが、中川町のツメの化石は、テリジノサウルスらしいっていうレベルのまま時間が止まっていたみたいです。
で、2020年、コロナ禍によって恐竜研究のために世界を飛び回っていたスケジュールが全然実行できなくなっていた北海道大学の小林快次博士。
過去に地元で見つかっていた化石、ツメを改めて調査していて、お! っていう発見に至ったってことなんですね。
「私が個人的に観察して得た情報を基にすると、やはり、これはテリジノサウルス類で間違いない」
ほほう、なるほど。そですか、テリジノサウルスなんですね。
で、ツメの付け根に「出っ張り」があるのを発見。
「もともと肉食獣脚類の狩りでは、指の爪を上方へ大きく振り上げ、そこから一気に獲物に振り下ろすのが鉄則だということが知られている」
ふむう、そですか、一気に振り下ろすですか。
「中川で見つかった爪も一見、肉食恐竜の鋭い爪に見えるが、問題は出っ張り。爪を下ろそうと思っても出っ張りが引っかかって下に振り下ろすことができない。これでは攻撃ができない。だから肉食とは思えない」
ん~。引っかかりますか、出っ張り。ん~~。言ってることが分からない~。ナニがナンだか分からない~。
腕で振り下ろすってことじゃなくって、ツメ自体も下に下ろすっていうことでしょか?
ねこのツメみたいな感じ?
写真もじーっと見てみたんですけど、分かりませんでした。言ってることが分からない~。
でもまあ、恐竜博士が言うんですからね、肉食獣脚類ではあっても肉食じゃないってことみたいです。
で、この説を裏付けるような発見があって、兵庫県で発見されたテリジノサウルスの歯。
平べったい歯の化石なんですね。
「この独特な歯の形状も肉食ではなく植物食と考えればしっくりくる」
ふむふむ、なるほどですう。
ツメの出っ張りは分かりませんでしたが、歯の形状は一応、分かりますですう。
現段階での最大の新発見っていうのはこれなんですね。
テリジノサウルスは獣脚類であることは間違いない。つまりテリジノサウルスの祖先は肉食恐竜。
それが進化の途中で草食に変わっていった。
長いツメは、一気に枝を手繰り寄せて大量の葉を口に入れる役割に進化した結果。
しかも全身が羽毛で覆われていたんだろうってことみたいです。
しかしねえ、そんな変化っていうか進化っていうか、肉食から草食へ。ホンマかいなって思っちゃいます。
ところで、テリジノサウルスのツメの化石が発見された中川町は、なんと「化石の町」として知られているんだそうです。
明治時代からアンモナイトの化石が発見されることで有名で、クビナガリュウの化石発見も中川町。
なのでテリジノサウルスの細粒砂岩団塊を郷土資料館に預けるっていうのも、あながち意味のないことじゃなかったわけですね。
で、中川町の情報の中心が「道の駅なかがわ」だってところが、キュート、でしょねえ。
「道の駅」です。
行ってみたい化石の町、中川町なんですが、なんか名物は、って調べてみますと、ん? って思ったのが「ハスカップワイン」
でも、写真は普通のワインボトルです。
なんなん? ハスカップ?
スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木、でっす。
ん~、ナ~ンも伝わらんわいっ!
古くから北海道に自生していた植物で、ブルーベリーに似た果実は食用にしていた歴史があるようです。
ビタミンC、カルシウム、鉄が豊富な健康食品っていう側面もあるようですね。
で、ハスカップワインっていうのは、ぶどうじゃなくって、そのハスカップの実で作ったワイン。
普通のワインより若干アルコール度は低いみたいです。
ん? でも、有名なのは中川町産じゃなくって苫小牧産なのかなん?
ハスカップって初めて知ったんですが、ジャム、ジュース、ソース、リキュール、グミ、ガム、キャラメル、チョコレート、アイスクリ-ム、ケーキだとか、すんごいいろんな食品に使われているんですね。
コロナが明けたら、鉄路で北海道行って、中川町でハスカップワインを買って、町を見渡せるようなシチュエーションでじっくり呑みながら、大鎌トカゲ、テリジノサウルスの生活に思いを馳せて楽しみたいなあと、夢想している段階であります。
肉食から草食になった恐竜。食べ方、逆の方が健康にイイみたいですけどねえ。
ハスカップっていうのもねえ、世の中いろいろと知らんもん、多いっす。
ワインはお取り寄せ出来るとしても、動けるうちに行ってみたい場所が1つ増えましたです。
夏に行くのがイイでしょねえ。