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アメリカ【ヤコブの泉】世界で最も危険なダイビングスポット「ヤコブの井戸」とも言うらしい

< 井戸って最初から人間が掘って作ったんじゃなくって自然のものを模倣したんでしょうね >

村上春樹さんは、井戸っていう「穴」に特別な興味を寄せているらしいですよね。
水、あるいは水の痕跡とか、そういう要素も関係あるんでしょうか。

分かりませんねえ。


さて、聖書に出てくる「ヤコブの井戸」っていうのが伝わっているのは、地理的な名称を確定するのがややこしい地域、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のナーブルスっていう町。
エルサレムの北の方にあるんですが、その町のフォティニア教会の敷地にある井戸。


ヤコブ、ヤアコブっていう人名は、ユダヤ人の祖先とされていて、ヤコブの12人の子どもがユダヤ12部族の祖になったってされているんだそうです。


ま、説としてはいろいろあるんでしょうけれど、ヤコブの掘った井戸だから「ヤコブの井戸」


キリストがこの井戸の傍らで、サマリア人の女と永遠の生命の水について語り合ったっていう伝説があって、キリスト教的にも有名なんですね。


今現在ではギリシア正教が教会とともに管理している観光名所だそうです。


で、イスラエルパレスチナとはめっちゃ離れたアメリカ、テキサス州にも「ヤコブの泉」「ヤコブの井戸」って言われている場所があるんですよね。
アメリカの観光地。

 

 

 


旧約聖書新約聖書に記載のある名所と同じ名前の泉なり井戸なりがアメリカにもあるっていうのは、え? って思っちゃいますよね。
アメリカは宗教意識の強い国っていうイメージがあります。


アメリ東海岸、宇宙産業の重要都市ヒューストンの西。北東側にオースティン、南西側にサン・アントニオを臨む「ジェイコブス・ウェル」っていうのがそれです。


ま、アメリカの地理なんて全然実感できませんけれど、広大なテキサス丘陵地帯「テキサス・ヒル・カントリー」を流れるサイプレス川の川底にある水中洞窟だそうです。


川の流れの中に洞窟があって、そこから水が湧いているっていうのが「ヤコブの泉」「ヤコブの井戸」


湧水の地上への出口が川だってことですよね。
なかなか趣がありそうです。


イスラエルの「ヤコブの井戸」とはどういう関連があるんでしょうか。


ゴールドラッシュ前の1839年にイギリスからテキサス州へと移住してきて不動産業を始めたっていうのが、「ヤコブ・デ・コルドバ(1808〜1868)」


このヤコブさんがテキサス州で書いた本に、この川の中の自噴泉のことが書かれているそうです。


「井戸は完全に丸く、あたかも熟練した芸術家が固い岩から切り出したかのようで、水はとても澄んでおり、針のような小さなものを落としても肉眼で見える」


アメリカ全体で移住開拓が盛んだった頃ですからね、不動産業者のヤコブさんとしてはテキサス州を宣伝する意味もあった書きっぷりなのかもしれません。


ヤコブさんが宣伝した自噴泉なんで「ヤコブの泉」「ヤコブの井戸」っていう名前として定着したんでしょうね。
イスラエルとの関連はなさそうです。


サイプレス川の中に泉が湧いているのは事実なんだけれども、そこに宗教的な意味合いのある名前を付けるのはいかがなものか、っていう声もあるみたいなんですが、パワースポットって言いますか、神秘的な場所であることは間違いないですよね。


少なくとも数千年前からそういう状態で、サイプレス川の流れ中に水を吐き出していただろうっていう調査結果が出ているみたいですしね。


テキサス州は、元々、ネイティブアメリカンコマンチ族の本拠地です。

 

 

コマンチ族がその場所をなんて呼んでいたのかは伝わっていないみたいですけど、当然、知っていたでしょうし、なにがしかの神聖な場所として祀っていたかもしれないですよね。


イスラエルの「ヤコブの井戸」は枯れない井戸っていう意味でも知られているそうなんですけど、アメリカのコマンチの泉もずっと数千年前から地下水を吐き出し続けているようですから、決してオフザケでそう呼んでいるっていうふうに捉えなくたってイイんじゃないでしょうか。


でも「ヤコブの泉」は周囲の開発によって、試練があるみたいではあるんですよね。


自噴の勢いが弱まっている。


かつてはサイプレス川の流れに力強い盛り上がりを見せていた「ヤコブの泉」だったんですが、今はわずかに波紋が確認できるレベル。
2000年と2008年には湧水が確認できなくなったことがあったそうです。


で、これ以上自噴の環境が悪くなることがないように、地元の自治体が周りの土地を買い取ったそうです。


観光地として人気爆発ってわけじゃないみたいですけど、守っていきましょうってことですね。

 

 

 


サイプレス川の川底に直径約4メートルの穴が口を開けている「ヤコブの泉」
穴から垂直に10メートルほど潜っていくと横に洞窟が伸びているんだそうです。


主な洞窟は2本。1300メートルの長さのものと、300メートルのもの。


主要な洞窟それぞれに、いくつもの分岐点があって、細い通路が伸びていて、水中迷宮の様相を呈しているっていう「ヤコブの泉」
以前は特に潜水の規制なんか設けていなくって、知られているだけでも1964年から1984年の間に、男性8人、女性1人が「ヤコブの泉」で死亡しているんだそうです。


今現在はライセンスを持ったプロのダイバーだけに水中迷宮の探検が許されているみたいです。


ダイビングをする人にとっては魅力的なんでしょうけど、プロじゃないと洞窟の先には進めないわけですね。


垂直に潜っていく10メートルに関してもプロに限定されているのかどうか分かりませんが、明るさのある穴の底には警告の看板が立っているそうです。


「死なないための警告です。これ以上奥に行ってはいけません」


「インストラクターを含む300人のダイバーが、この先の水中洞窟で死んでいます」


「この洞窟には、あなたが命をかけるようなものはありません。この看板より先に行ってはいけません」


かなり真剣にコワイ「ヤコブの泉」なんですねえ。


すんでのところで救出されたダイバーの証言。


「冷たい水の中で、カカトをつかんで引っ張られるような感覚があって、危なかったんだ」


この証言がホントなのかどうか、ちょっと考えちゃいますけど、この「カカトをつかむ」っていうのが、実はそもそもの「ヤコブの」っていう名前の由来だっていう説もあるんだそうです。


ちょっとね、宗教文献に詳しい人じゃないとわけが分からないと思うんですけど、ヤコブって言う名前は、ヘブライ語で「カカトをつかむ者」「人を出し抜く者」っていう意味があるんだそうですね。


旧約聖書の創世記に、ヤコブは生まれるときに、双子の兄エサウのカカトをつかんで引っ張り、兄を出し抜いて最初に生まれ出て、長子の祝福を得たっていう記述があるそうです。


それで、ダイバーがカカトをつかまれたから、ここは「ヤコブの泉」
どうなんでしょうね。

 

 

 


しかしまあ、地球っていろいろ不可思議な穴があるもんですねえ。
トップクラスとは言えないけれども、夏には人の集まる観光地だそうです。


コマンチ文化財とかもありそうです。「テキサス・ヒル・カントリー」知らんけど。