ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【晩酌】日本の酒呑みのシアワセの在りどころ

< 最近はあんまり聞かなくなった感じもする「晩酌」って言葉ですけど >

昭和と共に過去のものになってしまったような感のある「晩酌」ですが、そういう話になると、いや、今はほら「宅呑み」って言ってさ、コロナ禍になってから、むしろ増えてんじゃないの、っていう向きもありますね。


でもね、なんか違いますよね。晩酌と宅呑み。


勝手な思い込みっていうレベルの話ではあるんですが、昭和の晩酌って、今から考えてみますと日本全体が右肩上がりで、一般家庭のあり方ってうのもずいぶん違っていたように思えてきます。


社会構成自体、全然違っていたかもしれません。
それは世の中っていいますか、時代の趨勢なんでしょうからイイもワルイもないんですけど、居酒屋文化っていうのが無かった時代の酒との付き合い方、それが晩酌だったっていうことが言えるのかもですね。


外で酒を呑むっていうのは特別なことだったし、酒を伴わない普通の食事にしても外食することが特別なことだったんじゃないでしょうかね。

 


そもそも昭和の中頃、ジャパン・アズ・ナンバーワンまでの時期っていうのは、核家族っていわれる生活形態になっていたとは思うんですが、世帯の稼ぎ手はおとーさん1人、っていうのが多かったわけですよね。
夫婦と子供2人っていう4人家族が多かった時代。


この後すぐに共働きっていう言葉が喧伝されるようになってきて、あっという間に世帯の稼ぎ手が夫婦2人になって、子供も1人っていうのが増えてきたっていう流れがあるみたいなんですね。


ああ、そういえばそうかも、って思うんですが、なんかこれって生活が豊かになったっていうのとは違うんじゃないかって感じちゃいますね。
飽食の時代、なんてね、言われてました。


おとーさんもおかーさんも、そんでもって子供も、みーんな忙しくなっちゃった。
それが現代日本社会なのかもしれません。


女性の労働がどうのっていうことじゃなくってですね、誰でも生きたいように生きればイイんですけど、生きたいように、なに? って感じになってしまっているのかもですよねえ。
なんかを見失っているのかもですよねえ。


晩酌が一般家庭の「普通」って言えるようなことだった時代って、働き手だったおとーさんの帰宅時間って、ほぼ定時、けっこう早い時間帯に晩酌が始まっていたのかもしれないです。
ほぼ定時に酒呑みが帰って来るってことはですね、晩酌の準備ってのもやり易いわけですよね。


食卓に家族全員が揃って、夕食。その席でおとーさんが夕食のおかずをアテにして一杯やる、っていうパターン。
夕食のおかずとは別に酒のアテを用意するおかーさんは、もちろん酒呑み。
子供の夕食の世話をしながら、おとーさんと一緒に、晩酌しますよー、っていうパターン。
いーふーふっ。


ビールは缶ビールなんて浸透していなくって、どこの家でもビンビール。大ビン。キリンラガーが定番でしたね。
酒屋さんからもらった専用のタンブラーにトトトトって注いで、吞むのは1人だとしてもカンパーイ!
で、ちっちゃな子供にビールの泡だけ呑ませて、苦~ってしかめっつらさせて、わっはっは。
子供にはダメですよ。そうか、そうだな、わっはっは。


日本が、その未来を信じて明るかった時代のように思えます。みんな、さもしくなかった。


晩酌はビール派よりも日本酒派の方が多かったかもしれません。
ヤカンでお燗したり、中には専用のチロリを用意したりなんかして凝った人もいたでしょうね。
おとーさんの帰ってくる時間を見計らってお燗したりなんかします。


ま、こんなことを言いますと、男は外で仕事、女は家で家事なんていうのは、今の時代に全く合っていないしナンセンスだってことになるんでしょうね。
別にその時代に戻った方が、とかそんなことは全然思っていませんよ。
そういう時代があった気がしますねえ、っていう晩酌に対するノスタルジーです。


社会情勢とか、女性の社会参画がどうとか、全然そういんじゃなくって、単純に晩酌が普通だった昭和の時代の方がヘーワな感じで良かったんじゃないだろうかって思うわけです。


この時代の晩酌にアテとして出されていたものって、今みたいにコンビニやスーパーから買ってきた乾きモノっていうのは無かったでしょうね。
たいていは夕飯のおかずをメインとして、なにか晩酌用にもう一品、ぐらいな感じ。
ちょっとしたもの、っていうのに惹かれますねえ。


家の台所に元気な湯気がワイワイ上がっていて、適度な湿気で酒のグラスが手に吸い付きます。
ちょっとしたものって、スローフードってやつだったんじゃないでしょうか。


食べるおとーさん、笑顔。作ったおかーさんも、笑顔。ってやつだった時代。


でもね、稼がなければならない金銭的な理由からなのか、現代生活の必然ってやつなのか、家族が揃っての晩ごはん、晩酌っていうのが、やがて消えてしまいますね。


おとーさんたちの帰りが遅くなって、おかーさんも働きに出るようになって、子供も塾通いっていうのが当たり前になって、大家族から核家族になっていた昭和後期からの日本は、晩酌の場を失って個人の時代に入っていった感じなんでしょうかね。

 


社会の景気が良くなっていくと、おとーさんたちは、仕事の終わりの時間がどんどん遅くなっていきます。
もっともっと、になってしまうんですね。会社が。
そうなると、家に帰って家族そろって晩ごはん、晩酌なんて出来ませんね。


どうせ今から帰っても、おかーさんも食事を終えて子供を寝かしつけている時間だし、1人でポツンと吞むのもなんだな、ってことで、家の外に、街なかに晩酌の場を求めるようになります。


日本の景気が良くなり始めたころの街にたくさんあったのは「小料理屋」だったかもしれません。


いや、元からありましたよ。小料理屋だって居酒屋だってね。
戦後の闇市の流れをそのままに残しているような営業形態の店がありました。今でもありますからね。


でも、初期の頃の小料理屋のカウンターに並べられていたのは、たいてい大皿の煮物。
和食のスローフードでしたね。


刺身なんていう高価なものが、比較的誰でも食べられるようになってきて、揚げ物を中心とした洋食っぽい食べものが当たり前になってきて、何でも出しまっせっていう形式の居酒屋が世の中に爆発的に浸透しました。
アイスクリーム、なんてメニューが出てきます。なんやねんッ!


個人のお店じゃなくってチェーン店になっていきましたね。
既にバブルの頃には晩酌っていう言葉も死語扱いになっていたかもですね。


それがコロナ禍になって、強制的に外での酒が規制されちゃうと、家で吞むしかなくなります。


テレワークの活用とかをうまくやって、豊富になったおうち時間をうまく、夫婦の晩酌に持っていっているってケースもあるようですけれど、どうなんでしょ、少数派でしょうかね。


家で吞まなければいけないシチュエーションが強制的にやって来た時、我々は昭和の時代の晩酌には戻れなかった。
そりゃそうでしょ。戻る必要もないでしょ。
そですよねえ。言ってもしょうがないでしょねえ。

f:id:wakuwaku_nikopaku:20220416081308j:plain


ふむ、別に戻りたいってわけじゃないんですけどね。っていうか、戻るったってその頃の晩酌の世界を知っているわけでもないですしね。


ただあれです。ニューノーマルってやつになるのかもですが、都市部の店舗情勢はかなり変化していますからね。
規制が無くなって、また都市部に人が集中するようになるのかどうかも分かりませんが、オフィス街に張り付くように存在していた飲食店街の変化を感じるのはこれからなんだと思います。


息抜き、心の休まる場としての晩酌を失ってしまったように思える日本社会にだって、酒呑みたちのオアシスは確かに有ったはずなんですけど、新しく登場してくるだろうサービス業の形態の中にもちゃんと存在してくれるんでしょうか。


晩酌が遠くなってしまってから、ウイスキーブームがあって、焼酎ブームがあって、ワインブームがあって、日本酒ブームがあって、ハイボールが人気になって、次はレモンサワーらしいよっていう酒の世界の流れがあったように思うんですが、レモンサワーは居酒屋っていうより缶にもっていかれた感じですもんね。


ま、そういう流れって酒呑みたちが率先して望んできたわけじゃなくって、メーカーが作って来たブームって感じですからね、また新しく作ってくれるブームに乗っていけばイイじゃん! とは思いますけど、もうちょっとね、酒呑みたちが自主的にコントロールできる部分が見えてくるとイイのになあって思います。


ポリフェノールだとかプリン体だとか、そういう話じゃなくって、かつてのおとーさんたち、おかーさんたちが浸っていたであろう晩酌の落ち着きってもんを、様式は違っているにしても、具現化してくれるような、ホントの酒場、みたいなものの登場を期待したいです。


メーカーのお勧めも悪くはないでしょうけれど。男も女もさ、自分の判断で選ぶ酒とアテ、そして店。ってこと。


1日当たりの摂取アルコールは20グラムまでにしましょう。とかさ、うっせえわ!


ってこういう酒呑みオヤヂに晩酌の落ち着きは望むべくもない、ってことなんでしょうかねえ。むむむのむ。

 


白居易センセはこう歌っています。


朝睡足始起
朝はねむり足りて起きはじめ


夜酌酔即休
晩酌して酔ったらごろりとする


人心不過適
人の気持ちは自由であってこそ


適外復何求
自由のほかに求めるものなんて


まあね、これは独りで暮らしていればこその到達点、なのかもですけどね。ふっと力を抜いて自由な気持ちになれる時間。居酒屋カウンターでの「晩酌」???


ちょっとしたもの。令和の今は、どんなんでしょ。