< 疫病退散のためのお祭りが 疫病によって満足にやれなくなって はや4年目の夏ですよ >
2023年5月5日。WHO(世界保健機関)事務局長が、緊急事態の終了を宣言しましたね。
「大きな希望を持って、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する国際的な公衆衛生上の緊急事態の終了を宣言する」
もちろん、完全にコロナウイルスが消え去ったわけじゃないですし、ワクチン、治療薬とか、対処法が確立できたっていうわけでもないんで、インフルエンザと同じような人類に対する脅威が1つ増えましたって段階なんでしょうけどね。
緊急事態が解除された時点で、世界のコロナの死者数は690万人を超えています。
とんでもない数です。その脅威が消え去ったわけじゃないってことは、しっかり受け止めておく必要があるでしょうね。
あんまり「大きな」希望を持つっていうのは、難しそうです。
これまでのインフルエンザと同等に正しく恐れることにしましょう、ってことでしょう。
コロナウイルスに対して人類は、なにか結論めいた対策を持ち得たかっていうと、まだなにも把握出来ていない状態でしょうからねえ。
思い起こせば、WHOが新型コロナウイルスパンデミック、緊急事態宣言を発したのは、2020年1月30日。
まるまる3年と3ヵ月。地球はコロナパンデミック禍につつまれてしまって、いろいろなイベントが制限を受けました。
三密ってありましたよねえ。
こういうところでも日本人の真面目さは顕著に表れていましたよね。
国の指導っていうんじゃなくって、各自治体ごと、市ごと町ごとのイベント、土地のお祭りは自発的に中止されていて、ひっそりとした3年余りだったですよね。
どうでした?
世界各国でも似たり寄ったりだったんでしょうけれども、世界的な緊急事態宣言が解除された2023年、どうにか、おっかなびっくりの部分もありながら、以前のような、日本のお祭りが帰って来る予感がします。
日本のお祭りってうのもやっぱり、神様と結びついて発生したんだそうですね。
まあ、たしかに昔から続いているお祭りは、神社が主催しているのがほとんです。
古代の日本は「祭政一致」っていう社会で、神にお伺いを立てるのが政治。ってことで、日本語の「政」は「まつりごと」って読みますもんね。
卑弥呼の、巫女的な働きっていうのは政そのものってことでしょねえ。
お社を建てて祀っている神様が、荒ぶる神になって、人民の生活に不自由が起きないように、和らいでもらおうって、お供物をささげて、御神輿を担いで町の様子を見てもらう。神和ぎ(かんなぎ)の行事が、今のお祭りにつながっているらしいんですよね。
神社、お寺でもそうでしょうけど、お祭りの縁日。
あれは、そこで祀っている神様の誕生日だとか、何か縁起につながる日にする行事だから「縁日」っていうんだそうですよ。
縁日。出店が出て、賑やか。
人混みの中をそぞろ歩いて、色とりどりのおもちゃ、食べものに囲まれて楽しむハレの日。
そこに誰が祀られていて、縁日の当日が旧暦の日なのか新暦なのかとか、気にしていないのがほとんどじゃないでしょうか。
でもまあ、21世紀の今は、桜祭りだとか、カレー祭りだとか、ワイワイとお祭りすること自体が目的になっているものも多いです。
それでイイんじゃないでしょうかね。
縁起、由来だとかも大事ですけど、今、ここに生きている我々の生活、今を豊かに楽しむことの方が大事です。
日本のお祭りに、またコロナ前のような賑わい、エネルギーが戻って欲しいですね。
日本には各地に、その土地ごとのお祭りが、たくさんあります。
2022年に阪急交通社が行ったアンケート調査「日本のお祭り知名度」っていうのがあります。
もちろん旅行会社の調査ですから、対象となったお祭りは、ツアー実績のある土地のお祭りで、みんな大きなお祭りばっかりです。
こういうのを見ると、ああ、日本ってホントにたくさんのお祭りがあるんだなあって実感します。
第9位までの順位を紹介しています。なんで9つのお祭りっていう結果になったのかは分かりませんけど、知名度っていう着眼点は、さすがに旅行社ってことなんでしょうね。
聞いたことがあれば、ツアー内容にも興味を示してくれるでしょうから。
第1位の「青森県ねぶた祭り」は調査に応えた人の8割以上が知っていた、お祭りの名前。
20代以上の男女500名あまりが対象ってことですから、そんなに多くない数ですね。
みんなが知っているってことにはならないのかもですけど、ちょっと意外な感じもする、青森県を代表するお祭り。
アンケートの選択肢にはおそらく「青森ねぶた祭り」しかなかったんじゃないかって思いますけど、実はこのねぶた祭りっていうのには、ちょっと、反発って言いますか、ひとことあるっていう知人がいるんであります。
「ぶ」と「ぷ」がある。
彼女が言うには、Bの「ねぶた」っていうのは青森市で、弘前ではPの「ねぷた」と言うんだそうです。
単に呼びかたの違いなのかっていうと、そうでもないらしくって、ねぶたは人型のものが多く、ねぷたは扇型が多い。
それしかないってことじゃなくって、どっちにもどっちもがある。数の多いものの特徴が違う。
へええ、そなんですか。
ねぶたの掛け声は「らっせらあ」
はい、聞いたことあります。
ねぷたの掛け声は「やあやどお」
それは聞いたことないです。
「なんだとお!」って怒られます。
「ねぶた」と「ねぷた」
ひっくるめて一緒にされることに、小さくない違和感があるんだそうですよ。
そりゃそでしょねえ。お祭りは観光のためじゃなくって地元の人たちのお祭りなんですからねえ。
もしかすると、各地の有名なお祭りにも、地元ならではの違いっていうのがあるのかもしれませんよね。
知名度第2位は、「徳島県阿波おどり」
これまた有名ですもんね。
かなり前から東京、高円寺でもやってますよ。
阿波おどり、全国制覇!? 目指してる?
第7位「秋田県竿燈まつり」
東北三大祭りって言われているお祭りが3つともランクインしていますね。
東北方面へのツアーを推しているのかもしれません。でもまあ、有名ですもんね。どのお祭りも聞いたことあります。
このお祭りはホント独特なイメージですよねえ。不思議な魅力です。って行ったことないですけど。
っていうかですね、人気過ぎて、宿とか取れないって聞きますよ。
地元としても人気があるのはいいんだけど、痛しかゆし、ってところなんでしょうかね。
第9位が「岐阜県高山祭り」
お、個人的にですが、この高山祭りだけ知りませんでした。
「日本三大美祭り」の1つなんだそうです。
へええ、「日本三大美祭り」っていうの自体を知りませんです。
京都の祇園祭り、埼玉の秩父夜祭り、そして岐阜の高山祭りが、日本三大「美」祭りだそうです。
祇園祭りって、美祭りっていうカテゴリーにもはいっているんですねえ。
日本に限らずなんでしょうけれど、三大〇〇ってなんにでもあるんでしょねえ。
ところで日本三大祭りっていうのは、実際には4つあるですよ。
「京都の祇園祭り」
「大阪の天神祭り」
「東京の神田祭り」
「東京の山王祭り」
の4つが、日本の三大祭りです。ってなんで4つあんねん!? 三大って言ってんのに。
ってことになるんですがですね、神田祭りと山王祭りっていうのは江戸時代からの「天下祭り」
江戸城の敷地の中に入っていって、将軍にも山車を見てもらうような「天下祭り」の2つなんです。
同時にこの2つの祭りが押し寄せてくると、ほとんど江戸じゅうがパニック。
明治になってからは奇数の年には神田祭り、偶数の年には山王祭りが、本祭をするっていう仕来たりになったってことで、日本の三大祭りは4つあるんですね。
でもですね、庶民感覚で言いますと、江戸、東京を代表するお祭りって言ったら、浅草神社の「三社祭り」なんじゃないかって気がします。
みんな「さんじゃ」って呼んで盛り上がりますよ。
またね、コロナ前の賑やかさ、力強さを、まずは地元のお祭りから、取り戻したいと願う、きょうこのごろでございます。
どですか? 地元のお祭り、復活するですよね?