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【北九州学術研究都市】日本再浮上のキーを握っているかもしれない構想

< 中村哲医師 没後3年にして思うこと >

雪が10センチも積もれば、そりゃもう大騒ぎ! ってことになってしまう東京。


そのインフラの脆弱性がずっと言われ続けているんですが、たまにしか積もらない雪のために、何か具体的な対策にお金をかけるっていう選択肢はなくって、いろいろ交通インフラだとか都市機能がストップしたり、スッテンコロリンで救急搬送される人がたくさん出たとしても、みなさん気を付けてね! ってだけです。
これはまあ、そんなにブーブー言う人も居ないんだと思います。


都市計画って、東京の場合、今さら抜本的なんてレベルは期待できませんね。コンクリートの街。都市機能を維持したままザックリ街を変身させるっていうのが、強権的手法でも執らない限り無理でしょうからね。

 


2010年代に入ってからずっと、渋谷の大規模再開発が続いています。
駅も含めてホントに渋谷の表情が変わってきていますよね。


ITを中心に、渋谷ってもともと谷、バレーですからね、「ビットバレー」っていうことで、日本のシリコンバレーとして街の特徴を出していこうっていう計画みたいですよね。


2012年に「渋谷ヒカリエ」2017年「渋谷キャスト」2018年「渋谷ブリッジ」「渋谷ストリーム」が開業しています。


これから「渋谷ソラスタ」「渋谷フクラス」「渋谷スクランブルスクエア」その他が続々と開業していくんだそうです。


地下街もかなり変わっているんで、工事中なこともあって迷いますよ。


ただですね、メタレベルで眺めてみれば、渋谷の表情は変るかもしれませんけれど、参入してくるらしい企業は、すでに実績を上げている大企業に限られてしまうっていう、入居の予算的条件もあって、沈み続けている日本産業の新たなチカラが渋谷から出てくるのかどうかは、期待が薄くならざるを得ませんね。


東京都心部は、世界的企業が集まっているっていう事実があるがために、むしろ日本産業のパワーを集約する効率を求められない感じですもんね。
人口の集中はまだまだ解消されていませんけれど、狭いエリアですからね。難しいでしょねえ。


ってことはかなり前から指摘されていて、一応ね、国も対策、みたいなことはやっているんですよね。


地方都市に文化の拠点を分散させようっていう考えですね。


以前は「文教都市」ってことで、学び主体で、自然環境を整えて住みやすい街っていうことを都市計画の中心にしていたみたいで、「学術都市」「学園都市」「学都」っていう街づくりが進められていたイメージがあります。


東京の一極集中を緩和させる目的もあって、地方の様々な場所で街づくりが行われましたけれど、どうなんでしょう。目的を達成出来たのかなあって思える街は「筑波学園都市」ぐらいしか思い浮かびませんね。


もちろん、何をもって成功、失敗とするのかは判断の分かれるところではあるんでしょうけれどね。


21世紀がせまってきたころになると「産官学」っていうのがもてはやされるようになってきました。
地方創生は「学」だけじゃなくって、そこに産業が根付かないと発展性、定着性が見込めないってことで、企業を街づくりに巻き込む考え方が主流になってきた感じですよね。

 


北九州学術研究都市」っていう名前を知ったのは、ほんのつい最近のことなんですが、その産官学の街作りなんでしょうね。
そんなに名前の知られた「都市」じゃないと思いますけれど、2021年で20周年だそうです。


公益財団法人北九州産業学術推進機構のホームページによりますと、最初の計画は1988年、昭和63年の「北九州市ルネッサンス構想」

 

福岡県第2の都市、北九州市は、1963年、昭和38年に、小倉市門司市戸畑市八幡市若松市の5市が合併して出来た市で、石炭産業で栄えていた頃の繁栄を取り戻そうっていうのが「ルネッサンス」なんだろうと思われますね。


5市の合併にあたっては、市の名前を住民公募して「西京市」が一番多かったそうなんですが、天子様がここにおられた歴史はない、っていう異論が出て、公募第2位の「北九州市」になったんだそうです。

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一気に大都市となった北九州市は、政令指定都市移行25周年をむかえて「国際テクノロジー都市」を目標として都市再生計画を進めたっていうことなんですね。


北九州市ルネッサンス構想」は、当初、2006年、平成18年をゴールに定めていたらしいんですが、1991年、平成3年に「福岡県 九州北部学術研究都市ゾーン整備基本計画」を発表した時とまさにタイミングを同じくして、日本経済はバブル崩壊してしまいます。


その後は、なんだかなあで失われた20年。2008年、平成20年にはリーマンショックもあって、失われた30年ともいわれている日本社会です。


北九州市ルネッサンス構想」も順風満帆とは進んでいなかったようなんですね。
第三セクター、商業施設だとかが相次いで経営破綻しているみたいです。


ただ、大学の国際交流は進んできていて、国内大学ばかりでなく台湾、中国、イタリア、イギリスのデジタル部門が続々と研究所を開設していて「カーエレクトロニクス」研究が進められているらしいですね。


アジアの中核的学術拠点を目指しているっていう現状らしいんですが、カーエレクトロニクスで行くんだったら、特にアジアにこだわらなくたってイイんじゃないでしょうか。っていうより、完全にグルーバルな視点こそが求められるように思いますけどね。


なんかね、個人的な思い入れなんですけど、何の縁も所縁もない土地なんですけど、「北九州学術研究都市」には、しっかりした実績を示して欲しいなあって思うんですね。


福岡県福岡市中央区にある「ペシャワール会


この非政府組織は、パキスタンアフガニスタンで医療活動をしていた、博多出身の中村哲医師を支援する目的で組織されたんですよね。


中村哲医師は2019年にアフガニスタンで銃撃され、亡くなりました。


北九州市ルネッサンス構想」が出される4年前の1984年からパキスタンペシャワールに赴任してハンセン病治療にあたっていた中村哲医師。


パキスタン政府からの理不尽な圧力によって活動拠点をアフガニスタンに移して治療活動を続けるうちに、病気をなくすためにはキレイな水が必要、食糧問題にも好い影響があるってことで、重機の操作を覚えて、自分で灌漑工事をしている映像を見た記憶のある人も少なくないんじゃないでしょうか。


ずば抜けたエネルギーと、強靭な意志だなあって思っていた人でした。
福岡県人の意地だなあって感じていました。


1952年から1953年にかけて発表された「花と龍」っていう小説があります。

 

著者の火野葦平は本名を玉井勝則といって、「北九州学術研究都市」エリアの若松生まれの人です。


小説は父親である石炭仲仕玉井組の親方、玉井金太郎と、母親のマンの半生を描いたものですが、その清濁併せ呑む生き方は、なんとも日本人的な清々しさが感じられます。
何本もの映画になっていますし、歌もありますよね。


やりぬく意志の強さっていうDNAみたいなものを感じないではいられません。
小説の中では、玉井金太郎よりもむしろ、マンの豪傑ぶりが際立ちます。
まあ、小説ですからね、すべてが事実ってわけでもないんでしょう。


火野葦平の妹、秀子が中村哲医師の母親なんです。


意地と反骨。そうしたDNAをどうしても感じてしまいます。


もう石炭産業が復活することはないでしょうけれど、「北九州学術研究都市」から電気自動車そのものじゃないにしても、大向こうをうならせてくれるようなドデカイことをやってのけるような気持ちってもんが、若松、北九州の人間にありそうな気がしています。勝手ながらね。

 


着実に、大袈裟じゃなく、でも有用なソフトウェア周りの製品が「北九州学術研究都市」から発表されたりなんかすると、中村哲医師もにっこりしてくれるんじゃないでしょうか。


ニュースタンダードって、まだ何も始まっていませんし、出来上がってもいませんからね。
電気自動車、カーエレクトロニクス。成果を期待します。


ま、今現在の「北九州学術研究都市」の住人が玉井家のDNAとは何の関係もない人たちであるってことではるんでしょうけれどもね。


このままじゃいかんですよ、日本は。。。