ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【のっぺ】家で作る精進料理 夏の食べものです いいえ冬です ???

< 何言ってんですか 冠婚葬祭 行事料理 オールシーズンの煮込みです >

コロナ禍のリモート生活が続いて、生活環境を思い切って変えましたっていう知人がいます。
そんなに近しくはないんですが、たまに一緒に呑んでいた呑み仲間。


京橋にある会社に通っていたんですが、リモート生活になって1年。
オフィスには月に1回か2回、顔を出せばイイヨっていうことになっていたんだそうです。


世田谷区に、奥さんと娘さんの3人暮らしだったそうですが、「家賃、高いから」っていうのが一番の理由で、本人と奥さんの実家は新潟県で、新潟県の方が「家賃、安いからねえ」っていうことでした。


そりゃそうでしょうね。とは思いますが、会社、どうすんの?


と聞きますと、月に1回か2回だったら新幹線通勤しても、家賃と合わせて考えると新潟で暮らす方が安く済むってことに気付いた、ってことでした。
なあるほどです。


住環境がどういうものなのか詳しくは知りませんが、高級住宅街もある世田谷区です。高そうです。
奥さんも別の会社で働いていたんですが、仕事先を新潟で探すんだそうです。


それにね、新潟の方が何かと物価も安いし、そもそも食べものが旨いよ、ってことでした。
ますます、なあるほどねえ、です。

 


コロナ禍で東京離れが進んでいるって話は聞いていましたが、身の回りの知り合いでは初めてのケース。


金銭的な比較なんかより、旨いものを食べられるって、かなり好さげ!


子供の頃から食べて育ってきた旨いものって、懐かしさっていうか、安心感っていうのがあるでしょうし、ホントの意味でのソウルフードって元気の基でしょうからね。


東京暮らしで夫婦ともに気が付いてしまった新潟県の食べものの旨さ。
新潟県って日本酒、魚介類だけじゃなくって、いろいろユニークなソウルフードがあるんですよね。


「【イタリアン新潟】 出会いは 「くつろぎの里 庄や」 どういう結びつき?」の記事でも触れましたが、調理のアイディアとネーミングのセンスが、奇抜です。


イタリアン新潟って、〆っていうよりはアテって感じですしね。
旨いですよ。


で、その知人は新潟に帰ったらまず食べたい料理があって、自分で作るのが楽しみだっていうんですね。


あれ? 料理とかするんだっけ?
いや、料理ってほどの手間はかからないんだけどね。


ふううん。
「のっぺ」だよ。
はあ? 知らんです。


さすが新潟、イタリアン新潟以外にもまだまだあるんですねえ、って思って調べてみたら、新たに工夫した料理ってわけじゃなくって、かなり昔からある一品みたいです。


知ってました? のっぺ。


なんか、あんまり旨そうな音の響きじゃない気もします。
っていうか、食べものの名前なん? って気もします。


でも、農林水産省の「うちの郷土料理」にも載ってますね。

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提供:農林水産省

「のっぺ」は冬に食べる、新潟の代表的な家庭料理なんだそうですが、日本全国にある食べものでもあるみたいです。


新潟から広まったってことなんでしょうかね。


で、材料はって言いますと、
干し貝柱と干しシイタケを水でもどして、もどした水をダシに使うそうです。


たけのこ、里芋、ニンジン、コンニャク、かまぼこ、を適当な大きさに切って、鍋で煮る。
それだけみたいです。


野菜が柔らかくなったら、しょう油、みりん、酒、塩で味を調えて出来上がり。


家によって、サケの切り身だったり、ぎんなんだったり、とり肉をプラスアルファするのがが家庭の味ってことみたいです。


ん~。特に新潟感、ないっすねえ。
新潟発祥っていうか、どこの地域にでもありそうな感じです。


要は根菜煮。ですよね。

 


でもやっぱり新潟のソウルフードですからね、コダワリの特徴があるんです。


「のっぺ汁」とは違いまっせ!
なんじゃそりゃ。。。


のっぺは汁ものじゃなくって煮物だってことが特徴らしいです。


新潟では伝統的に正月料理だっていう「のっぺ」なんですが、お祭り、法事、婚礼だとか冠婚葬祭にも食べられるそうで、ってことは、特に季節料理じゃないってことですよね。


まあね、今は季節に関係なく売られていますからね、たけのこ、里芋、ニンジン、コンニャク、かまぼこね。


祝い事の時と仏事の時では、野菜の切り方を、短冊、乱切り、三角切りだとか変えるんだそうですが、そのルールは家庭ごと。
ん~、家庭料理の面目躍如ってところでしょうか。


のっぺのルールはお母ちゃんが決めるのよッ! です。正しいです。


新潟県では学校給食のメニューにも出てくるそうですし、当然のごとく居酒屋メニューにもあるんだそうです。
新潟行って、酒のアテにイタリアン新潟とのっぺ。いってみたいですねえ。


「のっぺ」っていう不思議な名前は、「とろみ」ってことらしいです。


とろみがあるねえ、って言うのを新潟弁で「ぬっぺいねえ」って言うそうで、それで「ぬっぺい」
ぬっぺいから「のっぺ」
その「とろみ」は、すべて里芋のとろみなんだそうです。


ええ~! 里芋ってたしかにとろみありますけど、野菜全体にとろみが回るようなもんでしたっけ?
普通に煮込んだら出てくるもんなんでしょうか、とろみ。分かりません。


これはぜひ新潟行って食べてみないといけませんね。


で、さらに調べていってみますと、新潟県以外で「のっぺ」がよく食べられる地域って言うのが「奈良県」「島根県」「熊本県」そして「京都府


新潟県以外は西日本、九州。


ってことは東北、北海道にはのっぺって無いんでしょうかね。


山形県名物「いも煮」っていうのがありますよね。あれも里芋です。
いも煮って何回もたべてますけど「とろみ」そんなに強くないですよ。


まあ、いも煮は汁ですからね、とろみが汁の中に拡散しちゃってるってことなんでしょうか。


あれ? もしかして新潟で言う「のっぺ汁」とは違いまっせ! の「のっぺ汁」って「いも煮」のこと?
委細不明。


奈良県」では冬、12月の春日大社若宮「おん祭」の時にのっぺを食べる。だそうです。


島根県」「熊本県」では、おそらくオールシーズンで、特にイベントに結びついた情報は見つかりませんでしたけれど、この辺りが、発祥としてどこそこの土地だっていう食べものじゃなくって、いろんな土地で同時発生的に作られて食べられてきた「のっぺ」なのかもしれません。


でもあれですね、「のっぺ」って名前は共通しているみたいですから、根菜煮を作って食べている風習がどこにでもあったとして、これ、なんていう料理なの? っていう話になったとき、新潟では「のっぺ」っていうらしいよ、とか、それぐらいの知名度、伝承性はあったのかもです。

 


で、「京都」はと言いますと、伝統的にお盆の食べものなんだそうです。


もちろん今では、どこの土地でもオールシーズンの「のっぺ」なんでしょうけれどね。


でも、伝統的にっていう意味では、正月料理だという新潟県。そして冬の祭りの時の食べものだという奈良県。ってことを考えますと「のっぺ」は冬の食べものですね。
とろみの付いた根菜の煮物。身体が温まりそうですよね。ぬくぬくの温根菜です。


でも京都ではお盆です。夏です。京都の夏は「蒸しますなあ~」って言うのに、ぬくぬく「のっぺ」
ほええ~! です。


暑い時期に熱い食べものって、ま、そりゃ、イイですけどね。汗だらだら流しながら熱いのを食べるって、やらないことでもないです。


で、京都の「のっぺ」なんですが、なんと煮物のあんかけらしいです。


熱いにもほどがあるぞオって感じの夏の食べもの。
恐るべし京都人。


京都の「のっぺ」はダシが昆布。さすがです。日本を代表する昆布ダシ。
根菜以外にも、とり肉、油揚げ、キノコなんかをふんだんにいれて煮込んで、葛であんかけ。
味付けはしょう油ベースで、おろししょうがでいただく。


暑い熱いお盆のおばんざい。


んでもって、京都には「のっぺうどん」っていうのがあって、うどんに「湯葉」「シイタケ」「お麩」「かまぼこ」が乗って、さらにそこにあんかけだそうです。


京都ってあんかけ文化? でしたっけ?


日本にはまだまだ知らない食べものがたくさんあります。


各地の「のっぺ」京都の「のっぺうどん」そのうちに、そのうちに~。コロナ明けたらね~。


政府の宣言解除とコロナ明けって、イコールじゃないところがムッツカシイですよねえ。

 

「のっぺ」「のっぺ汁」「いも煮」「けんちん汁」「豚汁」イコールじゃありませんよねえ。

 

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