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【日本三大まんじゅう】って いっぱいあるまんじゅうの中から誰が決めたん?

< まんじゅうって なんか安心して食べられる気がします どのまんじゅうでも >

あのですね、まんじゅうって、ホントたくさんの種類、いろいろありますけど、どれでも「和菓子」っていう意識で見ていないですねえ。


和菓子だって別に威張っているわけじゃないですけど、もっと、なんていうか、まんじゅうって言ったら庶民的。安さも魅力の一つ。
手づかみで、わしわし食べる「おやつ」「お菓子」っていうか、やっぱり、まんじゅうはまんじゅうでしょうか。


今はね、世の中セチガラクなっちゃって、シャレもユーモアも縮こまってますからね、まんじゅうコワイ~って言っても誰も大量にまんじゅうくれたりしませんよね。


考えてみればまんじゅうも高級品になって来ているのかもですねえ。
温泉まんじゅうとか、安いお土産の定番でしたよ。


温泉に限らず観光地って、どこでも必ず「名物」のまんじゅうがありますよね。
まんじゅうを名物としていない温泉なんてないんじゃないでしょうか。日本ではね。


皮は茶色か白。餡はこしあんもあり粒あんもあり。大きさ形はいろいろですけど、どこの温泉まんじゅうも似たり寄ったりで、名前が違うだけなんじゃないの? とか思っていたんですけど、「日本三大まんじゅう」っていうのがあるんでした。


「日本三大」っていうのは、何についてもありますけどねえ。
「日本三大まんじゅう」です。

 

 

 


そもそもまんじゅうっていうのは、中国のマントーから来ているらしいんですよね。


中国のマントーは三国時代諸葛孔明が大河の反乱を鎮めるための生贄の代わりとして作ったのがその発祥だっていう、まあ、伝説ですね、そういう説があります。


マントーは、小麦粉を酵母で発酵させて、蒸してつくる蒸しパンで、中に何も入っていないか、挽肉だとかが入っているものが中国のスタンダード。
日本のまんじゅうとは違って、食事ですね。主食にしている地域もあるそうです。


肉まん、あんまんが近いものなんでしょうけど、例えば横浜中華街の肉まんって、コンビニで買う肉まんの数倍大きいですよね。やっぱり、お菓子とかおやつっていうんじゃなくって、元は食事なんだろうなあって思います。
そりゃそうですよね、食べものって、そもそもは全部食事です。


お菓子とかスイーツとか、現代ならではの贅沢な嗜好品なんて昔は無かったんでしょうね。


中に何も入っていないマントーっていうのも、まあ、悪くないような気もします、食べたことないですけど。


諸葛孔明は2世紀ごろの人ですから、その後中国でマントーは独自に発展を遂げてきたんだと思いますが、日本との接点はずっと記録にないみたいです。
マントーは日本に入って来ていない。


ずっと時代は進んで日本の鎌倉時代、現在の千葉県に「龍山徳見(りゅうさんとくけん)(1284~1358)」っていう臨済宗のお坊さんが出てきます。


龍山徳見は鎌倉で修行して、中国に渡ります。
仏教の修行として中国に渡るってうのは、遣唐使、遣隋使っていうのがあったわけですから、当時にしてもそんなに珍しいことじゃないんでしょうけれど、龍山徳見が海を渡ったのは1305年。
中国は宋から元の時代になっていて、元は1274年文永の役、1281年弘安の役の2度の日本戦に失敗してからそんなに時間の経っていない時期です。


修行にかける思いの強さなんでしょうけど、21歳で元に渡って日本人に対する厳しい目の中で臨済禅の寺の住持を務め上げて、1349年、66歳の時に帰国します。


龍山徳見が帰国するに際して、数人の中国人が付き従って日本にやって来たんだそうです。
長く居たっていうこともあるでしょうけれど、慕われていたってことでしょうね。


日本に付き従ってきた中国人たちのうちの1人、林浄因(りんじょういん)っていう人が、そのまま日本に残って帰化します。


この林浄因が奈良に住んで、肉食の禁じられている僧侶たちのために、餡を中に入れたまんじゅうを作り出して、「奈良まんじゅう」って呼ばれて親しまれたっていう歴史なんだそうです、


これが日本のまんじゅうの元祖だそうです。「奈良まんじゅう」


こしあんを白い皮で包んだものだったろうっていうことです。
林浄因はマントーの作り方を知っていたってことなんでしょうね。

 

 

 


奈良まんじゅうが初めて作られたのが1349年だそうですから、林浄因が日本に来てすぐ作ったってことになっているんですね。
でもこれ、なんかスッと入って来ませんよ。


日本唯一のまんじゅう神社「林神社(りんじんじゃ)」は林浄因を祀っているんですが、延喜式内社である漢國神社(かんごうじんじゃ)の境内にあります。
ここは近鉄奈良駅のすぐ近くにあるんですね。


奈良まんじゅう屋が営業していたのはこの近くだろうって思われるんですが、日本に帰ってきた龍山徳見は、当時の室町幕府、実質的な最高指導者だって言われている足利直義、尊氏の弟に招かれて、京都東山区建仁寺の住持を務めているんですよね。
その後、右京区天竜寺、左京区南禅寺に務めて、帰国後9年の1358年に亡くなっている人なんです。


僧侶じゃないとか、当時の身分的な理由があったにせよ、中国、元から付き従って来た龍山徳見の居る京都から近鉄奈良駅の辺りまでは遠すぎるように思えます。


全くの素人考えですけど、日本最初のまんじゅうを発明した林浄因は、龍山徳見が健在のうちは一緒に京都で暮らしていて、龍山徳見が亡くなった後、奈良に居を移して、そこでまんじゅうを作り始めたんじゃないでしょうかね。


だとすると、日本初の奈良まんじゅうが出来たのは1358年以降ってことになります。


ま、いつが発祥だったのかっていうことは、たいして重要なことでもないんですけどね。


その後奈良まんじゅうは子孫が受け継いで奈良林家、京都林家として繁盛したらしいです。


またまた時代は進んで1467年になります。
応仁の乱の年ですね。戦乱を避けて京都林家は愛知県新城市に移ります。


当時の村の名前、塩瀬村にちなんで姓を塩瀬にしてまんじゅう屋を営んでいて、乱が治まってから京都に戻ってまんじゅう屋を続けたそうなんですが、店の名前は塩瀬、そして奈良まんじゅうの名前は「志ほせ饅頭」になって、相変わらず武将たちからの愛顧を受けて、かねてから贔屓の徳川家康が江戸へ移ると、塩瀬も江戸へ店を出します。


まんじゅうの元祖としてずっと愛され続けて、明治時代からは宮内庁御用達。
今現在は東京都中央区に本店を構えてデパートなんかに出店しています。


これが日本三大まんじゅうの第一「志ほせ饅頭」なんですね。


江戸時代の参勤交代で「志ほせ饅頭」は日本全国に広まって、特に大名たちに支持されていたそうなんですが、その中でも岡山藩の大手門の前に店を構えていた1837年創業の「伊部屋(いんべや)」が独自に作り上げたのが「大手まんぢゅう」


1852年、奥州街道郡山宿の「薄皮茶屋」が作り出したのが茶色い皮の「薄皮饅頭」


この「志ほせ饅頭」「大手まんぢゅう」「薄皮饅頭」が、日本三大まんじゅうなんでありますよ。


他にもたくさんの名物まんじゅうもありそうですけれど、なんでこの、地域的にも離れたところにある店のまんじゅうが日本三大にまとめられたのかはナゾですね。


土地が離れているとはいえ、職人的な繋がりがあったものなのか、そういう繋がりはなにもなくって、ただ評判の高いベストスリーなのか。


ま、そんなことは分からなくたって、味に変わりはないんですけれどね。


日本三大まんじゅうの中で「大手まんぢゅう」っていうのは食べたことないです。


ちょびっと黒糖の香りのする「薄皮饅頭」がイっすねえ。旨いです。
こしあんつぶあんの2種類があるんですよねえ。名前の通りホントに皮が薄くって、旨いアンコを食べるために、直接あんこに触らずに口に運べるように包んであるその薄皮がまた旨いっていう、なんともサイコーのお茶請けです。

 

 

 


と、ここで「ちょっと待ったあ~」って、いきなり声を上げるのが福岡の「いきなりまんじゅう」


なんすか、いきなり。
だって、いきなりまんじゅうだから。


なあるほどねえ、って、知らんがな、って思っていると、


福岡の「いきなりまんじゅう」は、熊本の「いきなり団子」のマネッコなんですよお、という声も。


いいえ「いきなりまんじゅう」と「いきなり団子」は全然違います。


さつまいもの輪切りと餡を皮で包んであるのは同じなんですが、さつまいもに餡をちょくせつ乗せている「いきなり団子」


さつまいもと餡を皮生地でセパレートしてあるのが「いきなりまんじゅう」


っていう違いがあるみたいです。


たしかに「志ほせ饅頭」バリエーションとは違う系統のまんじゅう、団子みたいですよね。
これは両方とも食べたことないですねえ。


農林水産省 うちの郷土料理「いきなり団子 熊本県」によりますと、「いきなり」っていうのは、熊本弁で「簡単、手早く、すぐに」とかいう意味だそうで、時間をかけずにすぐに出来るんで、急な来客にもすぐに出せる便利さからの名前なんですね。

 

でもですね、さつまいもの輪切りに餡を乗せるようになったのは、昭和の終わりごろかららしいですよ。


「いきなりまんじゅう」と「いきなり団子」の違いに興味を持つ人は多くないって思うんですけど、そっかあ、さつまいもの食べ方って、そゆのもあるんですねえ、ってところに感心します。


別に論争にはなっていないんでしょうけれど、福岡と熊本、仲良く旨く、いきましょねえ。
違いって各家庭によって出てくる違いレベルなんだろうと思いますからね。


でも機会があれば、食べ比べてみたいです。興味はとってもありますです。


もひとつ「いきなり」があれば、「日本三大いきなり」になるんですけどねえ。


まんじゅうと、団子と、あとなんだろ?

 

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