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【バカに付けるクスリ】とある国で大昔 大流行りしたんであります という一席

< 文字落語 ネコにはネコの歴史がありまして ま そこそこ貴重なお話です >

毎度まいどのバカバカしい噺に、今回もまたお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げておきますが、


つい先日ですね、2021年7月。新宿駅東口広場に「巨大三毛ネコ」が登場致しましてですね、話題なんですよ。

すっかり元気のなくなりましたコロナ禍の不夜城に、まあ、なんとか明るさをもたらしてくれることを期待したいと、こう思っているところなんでありますが、早速ですね、話を聞いてまいりました。


ミッケはですね、あ、はい、巨大三毛ネコの名前ですが「ミッケ」っていうんですがね、ずっと出ずっぱりじゃないんですよ、新宿東口のビルの上にはね。
奥に引っ込みましてね、休憩時間に話を聞いてきましたですよ。歴史学者のミッケなんでありますね。


で、聞いてまいりました内容をここで一席、噺をしようって魂胆でございます。
よろしくお付き合いください。

 


ミッケもですね、やたらに大きいってだけで、あとは普通のイエネコなんだそうですね。


イエネコっていうのはですね、ちと長くなりますが、よろしいですか、いきますよ、


動物界、脊索動物門、脊索動物亜門、哺乳類、食肉目、ネコ亜目、ネコ科、ネコ属、ネコ亜族、ヨーロッパヤマネコ種、イエネコ、


ってんですね。


ヨーロッパヤマネコっていうのは、イエネコの原種とされているのがヨーロッパヤマネコの「リビアヤマネコ」だっていうのが定説になっているからなんですね。


ま、人類がどういう分類をしていようがなんだろうが、ミッケは何も気にしていないと思いますがね。
ミッケは歴史学者なんだそうでして、現世人類に対して「それなりに」サービスはするけれども、果たして自分たちイエネコのように、概ね平穏といえるような種として継続していけるのかってことを心配しているんだそうでありますよ。


人類はバカから脱却できるのか、ってことです。


ミッケが心配しているのはですね、このところの人類は、特に日本の場合ですが、やたらにバカが多くなっているようだけれども、クスリがいつまで経っても開発されないので心配なんだということなんです。


コロナワクチンばかりじゃなくてですね、「バカに付けるクスリ」これが全然出てこない。開発中ってことも聞かない。大丈夫か、って話ですね。


大昔のネコの国でも同じような状況が続いたことがあったそうなんですね。
ネコは大昔に、とっくの昔にバカから抜け出した。
人類がまだ二足歩行する前。


たくさんのネコの国があったんだそうです。大きい国小さい国。


最初はね、どの国でも、リーダーとなったネコたちは、とても賢くって信頼のできる優秀なネコたちだったんだそうです。
まあね、優秀だからこそリーダーになるわけなんですが、どの国も安定した時代が長く続きますと、それがどうも怪しくなってきた。
リーダーが優秀だとは思えないってのが続いちゃう。


中学2年生から成長していないようなことばっかり言ってる、国のトップ。


こいつ、もしかすると、ホンモノのアンポンタンなんじゃないかってネコがリーダーになっちゃう。


ネコの国は合議制で成り立っていましたんで、トンチンカンなことばっかりやっていますと、クレームがついてリーダーの交代ってことになります。
ところが交代してもチェンジしても、新しいリーダーもやっぱりアンポンタン。


オスネコがリーダーになっても、メスネコがトップになっても、ネコの国はアンポンタンから抜け出せない。

 


こりゃいったいどうしたわけだ? っていう一般ネコたちの疑問に敢然と答えてくれたのが、一匹のジャーナリストネコ。銀色のメスネコだったそうです。


その答えというのが、リーダーばかりでなく、リーダー候補たち。つまりネコの議員たちや役人たちが、ことごとくアンポンタン世代になってしまっている、という衝撃的なものでした。


一流大学を優秀な成績で卒業していても、アンポンタン。テストの答案にマルをもらえる能力は有っても、世情を理解する能力や、物事の筋道を考える力が無い。


み~んなバカばっかり。


いくらか問題解決能力のありそうなネコも居たんですが、そもそもの問題認識能力が欠如している。
自分のすべきことを理解していない。世の中の、何が解結すべき問題なのか、判っていない。


さらにいえば、自分が責任をとろうとする意識が無い。ただ言うだけ。言いっぱなし。


こりゃダメだ。ネコの世界も終わりだと、百鬼夜行前夜のような時代が続いて、数世代を経たときに、突然変異のように現れたのが、ミスタートカゲとあだ名されるクロネコの生物学博士。


トカゲはネコ属の好物ですが、ミスターと称されるほどのハンティングの巧さと探求知識で人気があって、言わば野に在りながら、ミスタートカゲをリーダーにっていう待望論もあるような、100年に一匹とされるヒーロー。


ミスタートカゲは発見したんであります。開発したんであります。


トカゲは皆さんご存じ、捕まえようと上から押さえつけますと、尻尾を切り離して逃げていきます。


ネコ属としましては、その尻尾の方が旨いんだそうで、むしろ頭の方を逃がしてやって、また生えてくる尻尾を確保する方がスタンダードな狩りの方法だったんだそうです。
食糧の確保のようなことなんでしょうね。生活の知恵。


そんな中、ミスタートカゲが発見したのは、誰も気付くはずのないことでした。


トカゲを上から押さえつけるのはネコにとって簡単なことです。パッと押さえると、トカゲは尻尾を切って逃げて行く。肉球の下でまだ動いている尻尾こそが旨いので、それを満足していただく。


逃げて行ったトカゲの頭は、すぐに新しい尻尾を生やすので、それをまた押さえつけていただく。
それが通常のことだったわけですが、ミスタートカゲは探求したんだそうです。


トカゲの頭より、尻尾の方が圧倒的に旨いのは何故か。


そこでミスタートカゲは切り離された尻尾を食べずに観察したそうです。


すると、なんと、驚いたことに、尻尾からも頭が、つまりトカゲが再生されたのでした。

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つまり、尻尾を切って逃げて、身二つになったトカゲは、最終的にはなんと2匹のトカゲに分裂するということを発見したのです。


さらにミスタートカゲは研究を進めました。


研究室に頭トカゲと尻尾トカゲを育成して、独自の研究を進化させた結果、トカゲの本質が尻尾トカゲに在ることに気が付いたのです。
頭の方じゃなくって、尻尾こそトカゲなんだってこと。


尻尾トカゲが相変わらず周囲にアンテナを張り続けるのに対して、頭トカゲは、ぼ~んやりしているということに気が付いたのです。
つまり旨い食べものを確保するためのネコ属の狩猟方法が、トカゲ世界のアンポンタンを作り出してしまっていたというわけです。


頭トカゲはぼ~んやりしていますので、ネコ属としても押さえつけやすい。そうなると、ネコ属の狩猟本能も退化してしまう可能性がある。
アンポンタンの連鎖。


で、頭トカゲをどんどん研究していきますと、なああんも考えていないことを確認しました。
頭トカゲは自分が何者なのか、どうして今、ここに存在しているのか、全く気にしていなかったのです。


ミスタートカゲの天才は、この現象をどう解釈するかなのでした。


なああんも考えていない頭トカゲは、世代を重ねて究極のアンポンタンになっていたんですね。
これは自分たちネコ属に決定的な何かをもたらしてくれるに違いない。


辿り着いた結論は、頭トカゲを日干しにして、粉末にして、クリームに混ぜて塗りたくると、その成分があまりにアンポンタン過ぎるので、ネコ属の脳が活性化する、というものでした。
アンポンタンによってアンポンタンを制する。


これは、もしかすると、っというんで、発売してみると、ネコの国は大騒ぎ。


自分で自分がアンポンタンだと思っているネコは、まあ、落ち着いたもんでしたが、たいていのネコは自分だけはアンポンタンじゃない。自分以外の相手がいかにアンポンタンであるかに苛立っています。


どこそこのあいつはアンポンタン。エラそうにしているあいつ、実はパッパラパー。


頭トカゲクリームをだれかれ構わず塗りたくる。彼は頭イカレテルぞ。彼女は最初からのーてんぱー。
とにかく隣人に塗りたくる。アンポンタンテロです。リーダたちもテロに見舞われました。


頭トカゲクリーム禁止令が出されましたが、アンダーグランドからいくらでも出回ります。


顔だ身体だ、尻尾であっても、とにかくクリームを塗られないネコは居ない。
どの国のネコも、み~んなクリームだらけ。


すると、たちまち変化が現れました。

 


ハッと、突然、自分自身に気が付く。
自分はなんでそんなことにこだわっているのか。なんでくだらないことを押し通そうとしているのか。
ちゃんと考え直すべきではないのか。他人を尊重して、自分の頭でちゃんと考えて。。。


結果、ネコ属はアンポンタンから脱却できたんだそうでありますよ。


世代を経る必要はあったものの、ネコ属は全体として徐々にアンポンタン時代を克服していきます。


徐々に変化していく過程でミスタートカゲはとっくに亡くなっていましたが、ネコ属は自分たちの社会システムを変化させました。
そうなんです、ネコ属からアンポンタンが居なくなった結果、別にリーダーとか居なくたってイイんじゃないの? 気が付いた。


リーダー不要、ということになって、現在に至るということなんですね。


ネコッてほら、自由だって言いますよね。ネコ属は、イエネコはアンポンタンから脱して自由になったってことなんです。
確かにその通りですよね。ネコたちのあの自由さ、個性の揺るぎなさって、トカゲのおかげだったんです。頭トカゲです。クリームです。


ネコ属はグループだとか国だとか、そういう概念をすっかり拒否したんですね。


それでオッケーなわけです。我々人類はどうですか? どうなっていくんでしょうか。


アンポンタンな環境の中でオリンピックが近づいてきている今現在、日本のエライ人たちも色々様々悩んでおられると思うんですが、必要なのは頭トカゲのクリームです。


とにかく何かに幸せを求めたいわけです。


最後に言っておきますけどね、為政者の方々。あなた方はね、説得力を持たないといけないんですよ。


ネコはオリンピックに意義を感じていないでしょうけれどね。人類として、開催意義を実感したいところではあります。
利益感覚に支配されてしまっては、いけません。

 

ミッケは新宿のビルの上から、冷静に人類を眺めておりますよ。


おあとがよろしいようで。