< バーチャル世界がリアルワールドを凌駕するって どゆこと? >
バーチャルとリアルの中間みたいな微妙なことをやっている個人といいますか、会社がアメリカにありますね。
アメリカ、ネバダ州サクラメントにある「ルナエンパシー社」
大阪には「株式会社ルナエンバシージャパン」があります。
月の土地の権利を販売しているっていう、リアルに存在している会社なんですよ。
合法的な会社みたいですけどね。
っていうか規制する法律がどこにもない、っていうのが現状みたいなんですけどね。
クリスマスプレゼントだとか、バレンタインの贈り物として購入している人も実在しているらしいんです。
月の土地だけじゃなくって、火星、金星、木星の惑星の土地の権利も発売しています。
月の土地は1エーカー30ドルぐらいだそうです。
東京ドームの広さが11.5エーカーっていいますから、東京ドーム1個分の月の土地が300ドルちょっと、3万5千円ぐらいで買えるわけです。
火星や金星、木星の惑星も同じ価格。
ユニークといいますか、うまいことやったって言うべきなのかもですが、物理的実際的に手に入るのはルナエンパシー社の発行した「権利書」ぐらいなものなわけです。
シャレっていいますか、ほぼバーチャルなんじゃないでしょうか。
「宇宙ナウ」っとか発信した人もいましたけれど、「購入」した月の土地に家を建てて住む、とかいうことを考えている人なんていないでしょうから、リアルとは言い難い感じですよね。
ルナエンパシー社は1980年の設立らしいですが、2021年、コロナパンデミックの最中にネットの中で盛んに取り上げられるようになった言葉に「メタバース」というのがあります。
月や火星とは関係ないですけど、メタバースはハッキリとバーチャルですね。
ざっくり言ってしまえば「3D仮想空間」で提供されるサービスのことだと言えそうです。
メタバースっていう言葉、概念自体は21世紀に入ってすぐぐらいから知られていましたけれど、2021年10月に、Facebookが社名を「Meta」に変更したことで一気にメタバースに注目が集まったのかもしれません。
ザッカーバーグさんは「仮想空間の構築に注力し、数年内にSNSの企業からメタバースの企業へ変わる」って言ってますからね、他のデジタル会社もどしどし参入しているみたいです。
ヘッドセットを装着してバーチャル世界に入り込んで、自分のアバターを通してバーチャル世界の住人に成りきるっていう「VR(仮想現実)」のタイプと、リアルワールドとデジタルデータを融合させるっていう「AR(拡張現実)」のタイプがしのぎを削っているのが現状ですね。
VRタイプのメタバースを進めているのがMetaで、ARタイプのメタバースを進めているのがGoogleからスピンアウトしたNianticっていう会社です。
2022年の初頭時点では、会議体やコンサートだとか、言ってみればこれまでにも実現されていたインターネットコミュニケーションの進化系っていうような、メタバースとしては実験的なレベルしか実現できていませんが、多くの企業が本格参入しているようですし、これからハードウェアとしての通信容量拡張だとか、専用通信プロトコルの整備だとかも進められるでしょうから、インターネット利用のスタンダードになる可能性もあるんだろうと思います。
ブロックチェーンを利用した売買や、NFTのプラットフォームとして期待されていることは間違いないみたいです。
それが世の中の流れなんですよって言われてしまえば、まあ、そういうもんですかっていうしかないんですけど、なんだってバーチャル世界に入っていこうとするんでしょう。
今、現実に存在している自分自身、あるいはその現実の自分自身が参加している社会環境から逃れたいっていう欲求があるからなんでしょうか。
もう一つの人生を生きられる空間としてメタバースを期待しているんでしょうか。
現実逃避?
アバターっていうもう1人の自分。
横を向いてごらんなさい。そこには誰かのアバターがいて、まるでリアルワールドのようにコミュニケーションできるんですよ。ZOOMとは全然違うんです。
って、なんなん?
それってアバターにとってのリアルなんであって、実際の自分じゃないんでしょ。
そんなこと言ってると時代に取り残されますよ。
そなのかもですねえ。
でも、それならそれでイイような気もするんですよね。
メタバースの世界観に入り込まなくたって、別に困らないんじゃないでしょうかね。
「あつまれ どうぶつの森」だとか、そういうバーチャル世界への埋没はゲームとしての楽しみ方の進化なんだろうなあって思うんですが、会議中に横を向いたら隣りのアバターが見えますよっていうのは、全く意味が分かりません。
だから? って思っちゃうんですよね。
自分の部屋にいながらリアルなコミュニケーションが可能なんですよ、っていうのはどんな利点があるんでしょう。
分かりません。
いや、それはまだ発展途中のサービスですから、そういう段階のうちにメタバースに慣れておいて、これからのインターネットサービスを堪能できるスキルを磨いておきましょう。
ってことなんでしょうかね。
どうもね、否定的にしかとらえきれていません。
盛んに宣伝している企業もありますけれど、なんだかデジタル錬金術師に思えてしまいます。
GAFAの「F」が「M」になってGAMAってなったはずなんですけど、いまだにGAFAって言うのが普通みたいですし、Microsoftを加えてGAFAMっても言いますよね。
それも現実的にはGAMAMになっているはずなんですけどね。
名前のことは語呂がイイとかワルイとか、そんな程度の問題なのかもしれないですが、インターネットサービスはその5社が牛耳っていくっていうのが、しばらくは続くでしょうから、メタバースは明らかに商売なんでしょうね。
錬金術を感じ取って参入してくる会社や個人がいるのも当然なんだと思いますけれど、中には、アに言ってんだ! っていうような、明らかな門外漢もいますよ。
お金の匂いに引き寄せられてメタバースっていう言葉を利用しているだけ。
まあね、新しい概念が出てくると、そういう人や会社が一定数出て来ちゃうって仕方のないことなんでしょうけど、利用する側にいる我々としても、あるレベルの情報は掴んでおかないといけないことなんでしょうね。
これから登場してくるだろうメタバースのサービスは、コミュニケーションに重点が置かれることが想像されます。
これまでのSNSより、接触感にリアリティが増すんだとすれば、今でも言われている「エコーチェンバー現象 」「フィルターバブル」っていう現象がより重篤になっちゃうかもです。
新しいサービスが出てきたからといって、自分も参加しなきゃっていうような強迫観念みたいなものが日本人は強い傾向にあるみたいですからね。
なにも無理矢理他人とコミュニケーションしなければいけないこともないんだと思うんですよね。
アナログのままでいるのは難しくなってくる世の中なんだと思いますけど、メタバースが進化したからといってバーチャルコミュニケーションをしなければいけないってこともないと思います。
なんとなれば、他人とのコミュニケーションなんて最低限でイイのかもしれませんよ。
もっと孤独であることの自由を楽しみましょう。
他人に合わせて、他人の人生を生きるんじゃなくって、自分で判断して、ちゃんと自分を保つ方がストレス軽減になるんじゃないかって思いますね。特に日本人はね。
ちゃんと自分があって、他人とのコミュニケーションはそれからです。そこからです。
メタバースの実際については2022年3月の時点で確定したものは無いように思います。
営為開発中って段階なんじゃないでしょうか。
あせって怪しげなサービスに参加しちゃわないようにしませう! まだ先ですよ。もうちょと先。たぶんね。