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【ドライブスルーの進化】というトレンドを考える リアル店舗の反撃開始なのか?

<ネット販売の限界が露呈されたのか コロナ禍に限定される動向なのか>

コロナ禍によって外食産業が大きなダメージを受けているというニュースが連日報道されています。


特に大型店はかなり深刻な状態に陥っているようですね。既に閉店してしまった店舗も少なくありません。


自粛協力金の金額設定があまりにも大ざっぱで、何の足しにもならないから自粛せず、普通に営業を続けるっていう店舗もあります。


従業員、アルバイトの給与どころか、家賃にさえ足りないという実情らしいですね。


ところが一方で、個人経営の小店舗ではコロナ太り、という現象もみられるようです。

 


政府の緊急対策を批判するのは簡単。
実際に何をどう対策すればイイのかは難しいと言いながら、なんだか“無能”という言葉が頭に浮かんできてしまいます。
結局、動くな、と言っているだけ。


大型飲食店が成り立っていかない状況になれば、その店舗に食材を卸していた業者、生産者も商売あがったりになります。


1年以上も続いている自粛生活です。なんとか工夫して、生活する算段をつけないといけない。深刻ですよ。


そんな中、2020年末ごろから勢いの良さを見せているのが“ドライブスルー”

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マクドナルドや牛丼店などの前からやってる外食産業ばかりではなく、特に注目を集めているのが、商店街まるごとの“ドライブスルー”だったり、ロードサイド店舗を利用した生産者集団の“ドライブスルー”です。


ホントに新鮮な野菜、肉、魚。


単品売りではなく、段ボール箱に詰め込んだセット売り、パック売りが多いようですが、なかなかに盛況。


高級店舗に卸せなくなった高級食材が安く提供されていたり、近所のスーパーではお目にかかれない希少な食材が扱われていたりと、人気があるのも納得できます。


1930年代にアメリカで始まったというドライブスルーですが、日本でもすっかりお馴染の購買形態ですよね。


歴史的に振り返ってみます。


誰でも知っているマクドナルドがドライブスルーを導入したのは1977年だそうですが、それより1年前の1976年に【イタリアン新潟】の回で登場してもらった長岡市の“フレンド”さんが始めています。
【イタリアン新潟】やっぱり凄いですね。


ところがもっと早く、1965年にドライブスルーを始めたのが東京都中央区の“山本海苔店”だそうですから驚きです。海苔です。


みんなが知っているということではなかったでしょうけれど、案外昔から日本にもあったんですね。


今回のドライブスルー・ブームにも、違和感ない感じですよね。


でも、これ、アフターコロナでも続くんでしょうか。


産業構造自体がコロナ前に戻ることはなく、様々な部分で変容するだろうと言われていますよね。
インターネットの普及でネット販売が生活の中に浸透してきてから、けっこう時間が経っています。コロナのずっと前ですもんね。


産業として成立しているのは事実ですが、トラブルが多いことも知られています。


中身スカスカのお節料理のネット販売がニュースになったことは記憶に新しいです。
晴れ着のネット予約もトラブルになりましたね。


コロナ禍の今、食材をネットで買うのは、人との接触を減らすという意味で理にかなった購買形態です。


でも、ここにこそ、“人と触れ合わずに買う”というところに問題が潜んでいるわけですね。


問題は食料品の場合に顕著です。


届いた食料品が画面で見たものと全然違う、という話はよく聞きます。
さらにひどいケースでは、傷みがひどかったり、とても口に入れられるレベルではなかったりということもあるそうです。


もちろん、こうしたケースはレアであって欲しいことですが、頻繁にニュースになっているのが現状。

 


内食が圧倒的に増えた家庭は多いことでしょう。独り暮らしの食卓も急激に内食が増えていますけれど、ネットで食材を買うことに逡巡をおぼえてしまう。


そこで急激に需要を増やしたのがウーバーイーツ、出前館の宅配サービスでした。


未だに人気ですが、ひと頃の勢いは失われつつあるようです。
理由はコストとマンネリにありそうですね。


結局、自宅での食事は作り立てがイチバンっていう思いが大勢を占め始めているようです。


“キッチングッズ”も急激に売れ出しているようですし、レシピ本も人気みたいですね。


さてそうなると、カロリーに気を使ったり、おいしい食材を使おうという気持ちになってくるのは理の当然。
で、“ちゃんとした”ものを買おう、ということになりますね。


ちゃんとしたものを買おうとすれば、ちゃんとした人から、ちゃんとしたものを自分の目でも見て、買いたい。自分で食べるんですから。家族に食べさせるんですから。


となれば、対面販売で買うのがベストです。


なるべく人と接しないことが良いとされるコロナ禍の生活の中で、対面販売で食材を買う。
小さくないジレンマです。


で、食材を提供する側も、これまでの納入先が大幅に仕入れ制限をしている影響で商売が成り立たない。買ってもらえない。


でも、いい食材だから無駄にしたくない。ぜひ食べて欲しい。売りたい。


ので、工夫したのが生産者側のドライブスルーってことになりそうです。


やってみたら結構人が集まった。


我々買う側からすれば、元々外食店舗に収めていた“ちゃんとした”食材であるという安心感と、短い会話ながら、生産者が食材の説明もしてくれるし、新鮮でリーズナブル。

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それよりなにより、車に運んでくれて、
「ありがとうございました」
運転席からのマスク越しではありますが、
「どうもアリガト」
とお互いに挨拶ができます。


なんでもないようなことが、落ち着くのかもしれませんよね。


この方が普通なんですから。忘れかけてるかもしれないけれど。


いろんな場所でやっていますよ。進化したドライブスルー。


ネットで探してみれば近くのドライブスルーが見つかると思います。イベント的にやっていますね。


人と接しないネット販売や宅配弁当ではなく、リアル店舗の逆襲につながるトレンドなのかもしれません。


ただ、今のままの形のドライブスルーがアフターコロナでも生き残るかどうかは、ちと疑問に感じます。


現段階のドライブスルーは、なるべく人との接触を減らすためのルールがあります。
多くあるのが、前もって購入品を決めておくということ。


個々の食材を選べることは選べるんですが、受け取る段階ではだいたい決まっていなければならない感じ。


そして一定量以上を買う必要があること。


ネットで予約するケースや、実際の場所でチラシの中から選ぶケースも多いみたいです。


最大の問題はそこではなく、ドライブスルーであるからこそ「車」で行かなければならないということです。


売り場は広くないとドライブスルーを実現できませんから、どうしても郊外型。ロードサイド型になります。車が必要です。


ちょっと自転車で、というのはキビシイ。


そしてここに日本の乗用車保有率は、都市圏ほど低いという事実があります。


東京は日本の中で一番低いんですね。47位です。大阪、神奈川、京都、兵庫と続きます。
大都市ほど少ないわけです。車を持っていない。


JR以外にも私鉄、地下鉄が整備されていますし、そもそも様々な種類のサービス店舗が近所にある、というのが大都市です。
車のニーズが低いんです。渋滞はウンザリですし。


遠出をするときはレンタカーというサービスを利用すればイイですからね。自家用車は保有しない。
もちろんレンタカーでドライブスルーというテはありますけれどね。これはコストが、ね。

 


アフターコロナの外食業界がどのように再編されていくのかさっぱり見えてきていません。


ですが当然、業界全体として市場の取り戻しを図るでしょうから、食材の提供者たちも売り先を確保できる流れになります。


でも、今流行り始めたドライブスルーという形態が、生産者と消費者を直接つなぐ、という方向性を伸ばしていく可能性もあります。


そうなれば、ドライブスルーも今の形態から変わっていって継続するかもしれません。
あるいはドライブスルーという形態ではなく、新たな売買形式が生まれるかもしれません。


今の段階でハッキリ言えることは、進化系のドライブスルーが将来の食生活を変えていくトリガーになっているということです。


食についての情報は確実に変化しています。


ワタシ食べる人、ではあっても、情報取得を怠ってはいけませんですね。


身体に旨いものを賢く摂っていきたいものです。