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【お屠蘇】日本古来の儀式の主役 霊験あらたかな「酒」という存在

< 年に一回だけ使う道具で今も残っているのはひな人形だけ? >

お正月に働いている人だって、ずっと居るんですよね。
電車やバスだとかの交通インフラ会社に勤めている人たち。コンビニ、ファストフードだとか年中無休の営業形態で働く人たち。
警察、消防の人たちにも正月休みはないですね。


尤も、全員がってことじゃなくって、メンバーのローテーションの中で営業を維持しているんでしょうから、お正月気分に浸れることもあるんでしょうね。
っていうか、何の関連も持っていませんが、そうであって欲しいなあって気もします。
休みの日っていうんじゃなくって、日本のお正月っていう空気感を静かに過ごすって、大事だって思います。


まあね、年若い頃は、お正月とか、なんの特別なことがあるのか、他の朔日と一緒だろなんて反発したい天邪鬼的な気分になるっていうことも、有りがちではありますね。
でも、大多数の日本人はお正月休み。年末辺りから3が日ぐらいまで休みになります。

 


日付によって決まっている儀式っていくつかありますけど、お正月が一番いろいろと準備に追われますよね。


何をするでもないけど、おせちは食べましょうとか、お正月だからね、ちょっとイイ清酒を用意しましょうとか、年末から準備をします。
買い出しっていうのも年末恒例。
売る方も勝負をかけての大サービス、年末商戦とか、令和の時代になっても変わりませんね。


東京、上野アメ横の年末は生鮮食品の安売りで思い通りには歩けないような賑わいになって、それがまたウリになってさらに人を呼ぶっていうような風物詩だったんですが、コロナ禍で様相が一変したって言ってましたねえ。
2022年の年末には、またあの賑わいを取り戻して欲しいところです。


ま、アメ横に買い出しに行きませんけどね、個人的には。でもほら、風物詩ですから。


今は、おせちっていっても、自分で作るっていうのは少数派みたいですね。
デパートに予約して配達してもらうスタイル。里帰りする人なんかは配送先を実家にしたりとかね、やってますよ。
コンビニ、スーパーでも売ってますしね。


中華おせち、イタリアンおせちだとか、日本の伝統的食材はどっかへ行っちゃって、足の長いオツマミ、みたいな捉え方になっているような気もしますが、まあ、なんせ旨けりゃイイってもんなのかもです。
無国籍おせち、なんてのもありますからね、保存食っていう感覚すらなくなっているのかもしれません。


ま、そういうのにこだわらなくたってイイのかもですけど、おせちって本来は節の変わり目に家族の健康と一家の繁栄を祝うっていう意味があったんですよね。


金運に恵まれますように、っていう「きんとん」


子孫繁栄を願う「かずのこ」


黒く日焼けするほどマメに働けますように、っていう「黒豆」


巻物の知識が増えますように、っていう「伊達巻」


赤は魔除け、白は清浄を表す、っていう「紅白かまぼこ」


とかね、無理矢理感もありますけど、謂れはあるんでした。
この他に鯛とか海老とか、なます、田作り、エトセトラ。
数種類作るだけでも数日かかりますよね。大変な正月準備です。


で、昔は、っていっても西日本、関西での習慣らしいんですけど「お屠蘇」っていうのがありますね。
今でもやっている人、伝統を守っている家もあるんだろうと思いますけどね。関東、東日本でもです。


お屠蘇っていう名前は誰でも知っているでしょうね。
でも、東日本では本式っていうか、ちゃんとしたお屠蘇って、どゆの? って感じなんですよね。


お正月には子供にも一口だけっていって、お酒を呑ませるような習慣の家もあったりします。
「お神酒だから」
っていう理由で、誰も特に目くじらを立てるようなこともないです。だいたいね。
どうでした? お正月、こんなんやってませんでした?


で、関東では、って一般的になんていうことは言えませんけれど、「お神酒」「お屠蘇」ってなんかね区別が無かったような記憶です。


大昔は大家族で暮らしていたわけですから、その家だけでの常識みたいなのって、正月行事に限らずけっこうあったのかもしれませんよ。


ぜんぜん違うものらしいですね「お神酒」と「お屠蘇」


神社にお参りしてお祓いをしてもらったり、竣工式、地鎮祭、棟上げ式、開通式だとか、宮司さんに祓い清めてもらったりするときに出されて呑むお酒が「お神酒」
「お屠蘇」は正月の祝い事に呑むお酒、ってことだそうです。


ひょっとすると、関西の人たちなんかは、んなの当たり前じゃ! って思っているかもなんですけど、関西特有のお正月儀式、みたいですよ。ホントに。


どこまで正式にやるのかは分かりませんが、お屠蘇は「屠蘇器(とそき)」っていう酒器揃えで呑むものなんだそうです。

 

一般的には赤い漆器が多いそうなんですが、まず「お盆」があります。屠蘇器を乗せるお盆ですね。
盃を乗せる「盃台」で、肝心の盃が大中小の3つ。この3つの盃を重ねて盃台に乗せるわけですね。
お屠蘇自体を入れて盃に注ぐための「お銚子」
ヤカン型のもお銚子って言うみたいですね。
そういうセットです。


ま、ピンキリなんだろうとは思いますけど、なんかね、儀式っぽい道具揃えです。
形式が高級っぽい感じです。


にしても、お正月、元旦の食べものを口にする前にしか使わない道具なのに、維持管理するのって大変でしょうね。
旧家なんかだと、お雛さまの隣りぐらいに仕舞ってあるんですかね、屠蘇器。

 


お屠蘇を呑むっていうのは、中国の唐の時代から始まった風習らしくって、日本には平安時代に伝わって来たみたいです。


最初は宮中行事だったそうですから、やがて庶民に広まったとしても関西が中心になったっていう歴史なのかもしれませんね。


実際のお屠蘇には触れたことがありませんので、どういうものなのかちんぷんかんぷんです。
神事の際に普通の清酒を「お神酒」って呼ぶように、器は専用のものを使うとしても、普通の、あるいはお正月用ってことでちょっと高級な清酒を「お屠蘇」って呼んでいるんでしょうか。


ん~、面倒だからってそうしている人もいるかもですけど、「屠蘇散」っていう漢方薬があって、それを清酒、そして味を調えるためなのか、お酒の得意じゃない人でも呑めるようになのか、ミリンに一晩漬けこんでおくのが、正式なお屠蘇なんだそうです。


屠蘇散、知らんなあ、なんですけど、この漢方薬が地方によっていろいろなんだそうです。
いろいろなんですけど、要は健康を促すもの。
桂心、防風、菝葜、大黄、烏頭、赤小豆、山椒、細辛、防風、肉桂、乾姜、ビャクジュツ、桔梗だとか、なんだかいっぱい使うみたいです。


そんなん揃えんのしんどそう、ですよね。
って思ったら、今はティーバッグになっているんだそうです、屠蘇散。ああら、そですか。


で、そのティーバッグを清酒、ミリンの中に漬けておく。
おせちを作りながらお屠蘇も作る、ってことなんでしょうね、お屠蘇の習慣を守っている家ではね。


お屠蘇っていう名前が、中国からそのまま伝わって来たのか分かりませんが、「邪気を屠る(ほうる)」屠殺の屠に、「魂を蘇らせる」の蘇っていう言葉なんですね。
お屠蘇、オトソって気軽に呼んでいましたけれど、なかなか怖さの感じられる名前なんでした。


三段重ねの盃。まずは家長が一番の年少者に向けて小の盃にお屠蘇を注ぐ。
3回に分けて呑む。
で、中の盃、大の盃。呑み終えたら、次の年少者へ。


「一人これ飲めば一家苦しみなく、一家これ飲めば一里病なし」


って言うんだそうですが、だったら、家の中の酒呑みが1人呑めば良さそうなもんですけど、まあね、目出度いお正月の、朝一番の儀式なわけです。みんなで呑むんでしょうね。
「家内安全」「厄除開運」「商売繁盛」「無病息災」でございますよ。

 


でもねえ、どうなんでしょ。令和の今でもやってるんですかね、正式なお屠蘇。


あれか、屠蘇散ティーバッグがあるってことは、簡易的になっているとしても、やっているんでしょうねえ。
関西の方々、どですか?


アメ横では売ってないと思うんですよね、屠蘇散。聞いたことなかったですよ。


普通の酒呑めばイイんじゃないのって思う関東人であります。
「家内安全」「商売繁盛」!