< なんとなく地球にやさしいことをしているような気にさせられている のかも >
でもねえ、消費者判断で「うそエコ」に気付くっていうのは、かなり難しいことだと思いますし、うまくカモフラージュされた商品を買わないようにするっていっても、その代替品って、どれ? っていうことになっちゃって、じゃあ、ま、いっか、ってことで日々が過ぎていっているのが世の中です、って感じもします。
うそ宣伝、うそ情報が多いですよって言って啓発している記事の側にも、もう一工夫欲しい気がします。
批判記事だけからでは、一人ひとりが、どう取り組むべきなのかについての方向性すら理解できませんよ。
ところで、SDGs、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献する活動として「カーボンオフセット」っていうのがあります。
けっこう聞く言葉だと思います。「カーボンオフセット」
人間の生活活動で排出される二酸化炭素、温室効果ガス。
それらを吸収して酸素を吐き出してくれる植物、樹々を植林することで、埋め合わせをしますっていう活動ですね。
いろんな企業が、ウチは植林活動に資金提供していますってアピールしていますね。
トレードオフ活動です。でも、お金出しているだけ。
実際にどれほどの樹々が地球上に増えて、どういう効果をあげているのかっていう詳細を示している企業っていうのを知りません。
ちっとも具体を担保していません。
地球上の樹々に関して聞こえてくるニュースは、山火事によって失われる森林面積の広大さの方がインパクトありますね。山火事、多いです。
「カーボンオフセット」によって植樹されている樹々とはなんなのか、どこでどのように行われている活動なのか。資金提供している企業も、ただお金を出しているだけで、具体的な活動に関して詳細な情報をもっていないのかもしれません。
出したお金が植樹作業に行きつく前に、どんな団体がたずさわっているのか、不正はないのか。どこまで把握しているんでしょう。
お金を出しているっていうだけで「エコな会社です」って言えるのか、怪しいぞっていう問題はたしかにありそうです。
例えば「パーム油」の問題。
「パーム油」を大量に生産するために、パームツリー、アブラヤシ農園の面積が急激に拡大していて、自然の森林を破壊してしまっているニュースは多く報道されています。
森林破壊ですね。
そうして製造されている「パーム油」は何に使われているのかっていいますと、我々が普段買っている多くの品物に使われているんだそうです。
ポテトチップス、洗剤、シャンプー。その他モロモロ。
え!? 成分表見ても「パーム油」なんて書いてないから、自分が買っている品物は大丈夫、使っていません。
ってことにはどうやらなっていないみたいなんです。
成分表には「植物油」「マーガリン」「植物油脂」「界面活性剤」「グリセリン」「ショートニング」だとかって表記されているんだそうです。
なるほど、ほとんどの商品に使われている「パーム油」ってことになりそうです。
1つの企業だけに「グリーンウォッシュ」の疑いがあるんじゃなくって、資本主義社会の企業全体が森林破壊に手を貸していて、少しぐらいの植樹活動に対する資金提供では追い付かないレベルなのかもしれませんよ。
でも、こうした実態が明らかになったからといって、自分たちの消費生活の中から「パーム油」を排除するなんて出来そうにないですよね。
「マーガリン」「ショートニング」っていう成分表記がただちに「うそエコ」「グリーンウォッシュ」になるっていうことじゃないでしょうけれども、この辺りの表記ルールって、SDGsを実現するためにも改めるべきなんじゃないでしょうかね。
何か新しいアイディアが必要なタイミング。
個々人の購買活動にゆだねるしかないとしても「パーム油」のこうした事実を知っちゃうと、なんで「パーム油」が「植物油脂」「界面活性剤」っていう表記に化けているのかっていう疑問も出てきます。
例えば菓子パンの成分表記に「マーガリン」っていうのがあったとして、その菓子パンの製造メーカーが材料として仕入れる段階で、すでに「パーム油」は「マーガリン」になっています、っていうのが現実だとすると、その「マーガリン」を製造しているメーカーが材料を買う段階では「パーム油」は表記してあるんでしょうかね。
何階層もある製造工程の材料由来成分を全部表記していたら、成分表記だらけで何の商品なのか見えなくなっちゃいそうですから、成分そのものの表記とは別の指標を作って、あらゆる商品にそのエコレベルが添付表記されるような活動が期待されるところです。
ガンバレ、専門家!
2020年代になって、なんでもかんでも値上がり続きです。
便乗値上げだとかにも目を光らせないといけなくって、消費者庁も食品Gメンたちも大変でしょうけれど、ホンキで変えなくちゃいけないタイミングなんだとすれば、これまでとは違った取り組みが必要ですよね。
考えろ、専門家!
「パーム油」の問題については、菓子パンを製造しているメーカーに、アブラヤシ農園を拡大して森林破壊に加担している意識はないのかもしれませんが、意図的に「地球にやさしい」ってうたっていながら、具体的に地球のどの辺にどう「やさしい」のか分かりませんっていう商品もいっぱいあるのが現実です。
「うそエコ」「グリーンウォッシュ」ってやつですね。
そうした事実に気付いていないメーカーっていうのも多いのかもしれませんけどね。
最近では「SDGsウォッシュ」とでも言うべき表記も目立っているように感じます。
国や自治体、消費者機関がなにかしら規範を設けて、企業、消費者双方に働きかけるべきなのかもしれません。
なんかね、そういう世界潮流にすっかり乗り遅れているような、バブル崩壊以降の日本かもしれませんよ。
思考停止で、事実を知らな過ぎ。旗振り役もいませんね。
愚直って言えるほどの真面目さを持った国民性なんですから、SDGsのオピニオンリーダー的な役割を果たすぐらいの意気込みって、ん~。人権意識とかも含めて、レベル、ひっく~って言われちゃってますからねえ。
日本のエライ人たち、困ったもんです。
アメリカの第三者安全科学機関が「グリーンウォッシュの七つの罪」っていうのを公表しています。
罪その1「トレードオフ隠蔽」
環境全般に対して配慮が行き届いていないことを自覚していながら、都合の悪いところは隠して、さも環境に配慮しているかのように見せかける、ってことでしょうね。
これ、日本の会社も含めてグローバル企業がやってそうな罪でしょうねえ。
個人こじんで気を付けないといけないところなんでしょうけど、調べるの、けっこうシンドイかもです。
罪その2「証拠がないこと」
その製品が製造工程も通して、何がどう環境にやさしいのか、根拠が証明されていない、ってこと。
ほとんどそんなのばっかり、って気もしちゃいますけどねえ。エビデンス、ないです。
罪その3「あいまいさ」
環境に対するやさしさを説明するにあたって、どうとでもとれるような、あいまいな表現をする。
うん。何を言っているのか、何を言いたいのか。まるで日本の政治家の言葉のような説明ってありますよね。
怪しいです。
罪その4「誤ったラベル表示」
しっかりした第三者機関から、環境に対する考え方を評価されているかのような商品説明、企業説明をする。
かなり意図的な「うそエコ」「グリーンウォッシュ」ですよね。イカンですよお。
罪その5「不適切さ」
うそ、だとか、誤ったことじゃないにしても、それ、なんなん? っていうような消費者にとってわけの分からないことを言ったり書いたりする。
これ、日本で意外に多いです。カタカナ英語の羅列。アに言ってんだ、こんにゃろっていうやつね。
言ったり書いたりしている人、あんた、自分で分かってんの? って思っちゃいます。
笑わしてくれるような表現もありますからね。ばあ~かっていうレベルの。
罪その6「どんぐりの背比べ」
同じジャンルの他の商品と比べて、マシな部分だけを強調して宣伝広告する。
日本では、あんまり見ないタイプですかね。
罪その7「うそ」
これはあれですかね、キリスト教で言われている「7つの罪」っていうのに数合わせのために言っているんでしょうかね。
これまでの6つの罪、全部が、言ってみれば虚偽で「うそ」って言えそうですもんね。
でもまあ、こうして啓発していくことって大事だと思いますよ。特に日本人にとってはですね。
「エコ」「サステイナブル」「エシカル」「オーガニック」って書いてある商品を、疑いもせずに、地球にやさしい、環境にやさしい、身体にやさしいって思って手を伸ばしている人って、たくさんいるでしょねえ。
だってほら、なんとなくイイコトしている気持ちになれますもんね。
みんな、イイコトしたいんですよ、日本人だって。
でも企業側には、カッコイイ服を着るような感覚で、エコをファッションにしちゃっているようなトコもあるわけでしてね。
説明を受けていませんでした。想定外でした。そんなイイわけばっかし。
日本の第三者機関、もう少しディテールに重点を置いて、みんなに分かりやすく、具体行動をご教示いただきたいところでございます。
よろしくどうぞ。