< そなんですか? セミにもそういう地域特性ってあるんですか? >
普段からよく通る道は片側1車線のバス通りで、以前は夏になるとセミの声がジャワジャワいっていて、まさに蝉しぐれの連日でしたよ。
セミのメスって、こんな鳴かれ方をしていてもちゃんと同属のオスの声を聴き分けられるのかな、とか、大きなお世話な心配をしていたものでしたが、数年前から、ピタッとセミの声が消えてしまいました。
なんだか不気味です。
まったく鳴かないってわけじゃないんですけど、蝉しぐれなんていうような、それこそ降ってくるようなセミの声の大合唱はなくなって、あ、鳴いてるね、アブラゼミ? とかいうとっても寂しい風物詩になってしまいました。
そういえばミンミンゼミって前みたいに鳴いてないね、なんていう声もよく聞きます。
バス通りのセミが居なくなったのは、メスがオスの声を聴き分けられなかったのが続いて、子孫を残せなくなったからじゃなくって、たぶんおそらく、工事のせいなんですね。
数年前に、バス通りの両側、街路樹の一斉手入れっていうのがありました。
街路樹はサクラとイチョウが交互に植えられていたんですが、どうもサクラの根が歩道の煉瓦を押し上げて来て、表面がうねうねしてしまっていたんで、それを是正するためだったと思うんですね。
自治体の情報をマメにチェックしていないんで確かなことは分からないんですけど、そんなところで、サクラの樹の植え替えなのか、根の切除手術みたいなことだったのか、歩道ごと掘り返して2キロメートルぐらいの両側を半年以上かけて工事していました。
終わったら歩道は平らになって、まあ、これはこれで人間にとっては歩きやすくて良かったのかなって思いますし、サクラの樹もちゃんとあります。
直径30センチメートルほどなんですけど、サクラ樹は残っています。
若樹に植え替えたって感じはあまりしませんが、元々詳細に観察してはいませんでしたので、よく分からないっていうのがホントのところですね。
で、工事が終わって翌年の夏。
あれ? 今年の夏はセミ、鳴かないね、ってなったんでありました。
こっちで1匹、あっちで1匹って感じで鳴いているのは、どこか他所の通りの街路樹とか、神社の林から飛んできた個体なんじゃないのかって思えますね。
そのバス通りの街路樹の下に居たはずの、言ってみれば地元のセミたちは根こそぎにされちゃったのかもしれません。
まあね、工事する側は掘り返すにあたって、セミのことなんて調査しないでしょうしね。
もう5年か6年経ちます。
地元のセミは、年々、だんだん増えてきているような気もしますが蝉しぐれっていうには程遠いっていう現状。
セミもコロナ禍でおとなしくしているの?
ってこともないんでしょうけれど、2022年の夏は、どこでも、なかなかセミが鳴かないよって声がいっぱい出ていましたね。
なんででしょ。
セミ、種族全体として調子悪い?
専門家の声を探してみますと、どうやら2022年の春先は例年に比べて寒かったんで、セミにとっての「有効積算温度」っていうのが決定的に足りていない。6月末から7月にかけての猛暑があってもセミにとって地上に出てくるまでには積算ポイントが貯まっていなかった、ってことみたいです。
セミって毎年小学生たちの「昆虫採集」のターゲットになってますよね。
自分たちもやりましたけど、日本のセミって何種類ぐらいいるんでしょう。
ミンミンゼミ、アブラゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、クマゼミっていうのは知っていますね。
知らないセミも含めて10種類ぐらいはいるんでしょうか、って思ってちょっと調べて見ましたら、ざっと30種類以上いるみたいです。
意外にたくさんの種類がいますね。
環境省の生物多様性センター「緑の国勢調査」に「セミのぬけがら調査」っていうのがあって、ここにも31種類があげられています。
生物多様性センターさん、なかなか意義のある活動の公表、ありがとうございます。
感謝です、とは思うんですけど、ホームページがとっても見難いです。
生物多様性っていいながら、全体像がつかみにくいですし、だから? って感じになってしまいます。貴重なデータばっかりなんですから、情報の「見える化」に気を遣っていただきたいところです。
全国から寄せられたぬけがらから分かる、日本にいるセミの種類は、少なくとも31種類。
「ニイニイゼミ」
「ヤエヤマニイニイ」
「ミヤコニイニイ」
「イシガキニイニイ」
「クロイワニイニイ」
ニイニイゼミの仲間が5種類ですね。沖縄方面に多い感じ。
「コエゾゼミ」
「エゾゼミ」
「ヤクシマエゾゼミ」
「アカエゾゼミ」
「キュウシュウエゾゼミ」
エゾゼミの仲間が5種類。エゾゼミのエゾって蝦夷ってことじゃないんでしょうね。九州蝦夷って名前は不思議な印象です。
北海道と九州の両方にいるんでしょうか。
なんで蝦夷っていう名称を残しているんでしょうか。
知らんことばっかりです。
「クマゼミ」
「ヤエヤマクマゼミ」
クマゼミの仲間は2種類みたいですね。
「アブラゼミ」
「リュウキュウアブラゼミ」
アブラゼミの仲間も2種類。沖縄方面にはいろんな種類のセミの仲間が集まっているのかもです。
「ハルゼミ」
「エゾハルゼミ」
「ヒメハルゼミ」
「イワサキヒメハルゼミ」
ハルゼミの仲間が4種類。ハルゼミ、聞いたことないです。
「 ヒグラシ」
「タイワンヒグラシ」
なんでタイワン? って感じですけどヒグラシの仲間が2種類。
「ツクツクボウシ」
「クロイワツクツク」
ツクツクボウシの仲間が2種類。
「チッチゼミ」
「エゾチッチゼミ」
チッチゼミの仲間が2種類。チッチゼミねえ。知らんですねえ。
「ミンミンゼミ」
「オオシマゼミ」
「イワサキゼミ」
「イワサキクサゼミ」
「オガサワラゼミ」
「ツマグロゼミ」
「クロイワゼミ」
名前からでは仲間の存在が確認できない種類が7つ。合計31種類が確認できているみたいですね。
全然聞いたことのないセミがたくさんいます。
ま、名前と姿の一致しているセミっていうのが、そもそもいないっていいますか、鳴いているのを見つけて、あれは? って聞かれてもピタッと言い当てられる自信ないですね。
ウェザーニュースの「あなたの街で一番聞こえるセミの声は?」によりますと、
ミンミンゼミ優勢のエリアは、宮城県、群馬県、千葉県、東京都、神奈川県。
アブラゼミ優勢エリアは、山形県、新潟県、茨城県、富山県、福井県、鳥取県、島根県。
日本海側に多いみたいですね、アブラゼミ。
クマゼミ優勢エリアは、大阪府、兵庫県、岡山県、香川県、愛媛県、福岡県、長崎県、熊本県。
その他の府県では混在していて、どのセミが目立って多いってことはないってことみたいですね。
ミンミンゼミって東日本で、クマゼミが西日本って感じなんですね。
で、大阪のセミが東京のセミよりウッサイ! っていうのは、ミンミンゼミよりクマゼミの方がヤカマシイってことになるんでしょうね。
調べてみますと、ミンミンゼミとアブラゼミの鳴き声は70デシベルから80デシベル。
クマゼミは80デシベルから90デシベル。
我々の日常生活で普通に話す声が60デシベルぐらいだそうです。
地下鉄の車内で80デシベルだそうで、この辺りからは騒音ですよね。
そうすると、張り切って鳴く東京のミンミンゼミは80デシベルってことで、騒音まき散らし野郎ってことになりますけど、大阪のクマゼミはおとなしめに鳴いても騒音レベルってことで、90デシベルっていうのは防犯ブザーレベルらしいですから、もう危険を感じる鳴き声ってことなんですね。
クマゼミの鳴き声はシャーシャーって感じで、騒音になり難いんじゃないかって気もしますけど、シャーシャーが90デシベルですからね、クマゼミの蝉しぐれは岩に沁み込まないかもしれませんよ。知らんけど。
ま、山形はセミの混在地域みたいですし、日本海側はアブラゼミエリアみたいですからね、クマゼミはそんなに多くないのかもですけど。
ミンミンゼミは体長6センチメートルほど。アブラゼミの体調はひと回り小さくて、5センチメートルから6センチメートルほど。クマゼミは日本の中で一番大きいセミで、体長は6センチメートルから7センチメートルほど。
ミンミンゼミはミンミン鳴くからミンミンゼミなんでしょうけど、アブラとクマって?
クマゼミは黒くて大きいんでクマ、なんだそうです。
アブラゼミはジリジリジリって鳴くんで、油が鉄板の上で跳ねているようだからアブラ、ってことだそうです。
夕方、日が暮れかける時間帯になると、カナカナカナって鳴く、ヒグラシ。
カナカナって呼ぶこともありますよね。
夏の夕暮れ、少し寂しさを演出してくれて、涼しさを届けてくれるセミです。
夏の日を暮れさせてくれるから、ヒグラシ。その日暮らしのヒグラシじゃないそうです。
セミは樹木の皮を切り裂いて、その中にタマゴを産みます。
そして産み付けられたタマゴは一年、その中で成長します。けっこう長い期間タマゴのままなんですね。
一年後の夏に幼虫になって、その樹を這い降りて土の中に潜っていきます。
土の中で樹の根から栄養分を摂りながら、成長するわけですが、充分な栄養を一気にとることは出来ないので、5年から6年かけて成長して、夏のある日、土から出て来てさなぎになって、羽化、成虫になって飛び回って、ミンミン、シャーシャー、ジリジリ鳴くわけですね。
バス通りの蝉しぐれが消えてから6年経ちますからね、そろそろまた、蝉しぐれが戻ってくる頃なのかもしれません。来年ぐらいからなんでしょうかねえ。
コロナには早く消え去って欲しいですけど、セミさんたちには、また戻ってきて欲しいですねえ。
とくにミンミンゼミ。どしたの?
セミに種類ごとの地域分布があるっていうことを初めて知りましたが、ミンミンゼミさん、あんたがた、東京で元気ないんじゃないの? 頑張ってちょ!