<言ってみれば生産者の賄いから生まれた? みそピーの旨さ>
店固有のマカナイから生まれたヒット商品っていくつかありますよね。
有名なところでは、天むすだとか、つけ麺だとか。今ではごく当たり前の人気メニュー。
で、今回はピーナッツ味噌の話なんですが、その前に。
いつものことではありますが、呑み屋さんのカウンターでのことです。
アラフォーと思しき妙齢の女性二人組。
時々顔を見る程度の呑み仲間。仕事はテレワークなんてあり得ないジャンルらしく、
「自粛じしゅくって言われてる中、電車、全然空いてないんだよね」
と、ご立腹らしいご様子。
「しかもですねえ、クシャミするときわざわざマスク外してするオヤヂがいるんですよ。どう思います?」
ん? 質問されてる?
隣りに座ったよしみってことでしょね。
まあね、知った顔ではありますよね。お互いに。
で、ああ、そりゃ迷惑ですね、と、へーぼんな返しをしようかと思う間もなく、もう一人が、
「自分のマスク濡れるのがイヤなんだと思うんだけど、ホントあったまくるよね、そういうの」
ですよねえ。
すごすご……。黙ったままグラスを傾けます。
「あのね、女子としては、そんなんでイライラしちゃって顔しかめるでしょ。シワができちゃうでしょ。エステ代だしてよって感じなんですけどオ」
「そうそう、まったくあったまくる」
そうですよねえ、あったまきますよねえ。
マスクしているだけでもお肌の手入れ、大変らしいですねえ。
で、お通しに出されていた柿ピーの小鉢を差し出しました。
「ピーナッツって、アンチエイジング効果があるらしいよ」
「ええっ、ウッソー。ホントですかア」
「でも、にきびの基っても言うよねえ」
「それにさア……」
お二人はいつものごとく、生ビールから焼酎お湯割りにすすんでいて、テンション少しばかり高くなってきてました。
それにさア、という続きは、
「ピーナッツと言えばスヌーピーだよね」
という、なんといいますか、酔っ払いの連想ゲームのようなお話なのでありました。
確かにね。スヌーピーが登場しているアメリカ漫画のタイトルはピーナッツであります。間違いないです。
で、スヌーピーの話を一頻り聞かされまして、
「知らないんですかア」
を何回かやられまして、また突然、
「みそピーって知ってます?」
みそピー、……。ピーナッツ味噌のこと?
お一人がどうやら千葉県出身の方のようなのでした。
しかも、おばあさんの家が落花生農家。いろいろ詳しい方なのでありました。
「あのね、落花生はね。ちゃんと聞いてますかア」
はい~、という流れで聞かせていただいたのが、みそピー、ピーナッツ味噌は、もともとおばあさん家の賄いだったという、ほほうな話だったのでありました。
生産農家が、落花生を農協へ納めるときに、どうしても規格外となって出せないものがある。自主規制なんだそうです。
それがもったいないので、自分たちで食べる工夫をして出来たのがピーナッツ味噌。
周りの農家でも流行っていたらしいです。
「千葉県以外のみそピーはダメよ。おいしくないもん」
いやいや、そんなこともないでしょうけれどねえ。そういえば最近食べてないです。見かけてもナイ。わりに好きな味でした。
甘辛じょっぱい味噌にピーナッツのカリッとした食感。お通しで出してくれた店もありましたねえ。
あれは自家製だったんでしょうか。
難しくはなさそうな料理ですが、素材がイノチってことですかね。
自分で作ったことはありませんが、味噌に酒、みりん、砂糖を入れて混ぜておいて、炒めたピーナッツを入れてクニクニと混ぜ合わせれば出来上がり、な感じでしょうか。
粘り気というか照りを出すのに、はちみつも入れた方がいいのかもです。そんな気がします。
酒のアテとしてはピーナッツチョコよりピーナッツ味噌の方が好みですね。
でもねえ、落花生農家の孫娘なのに知らないの? ピーナッツって身体にイイことづくめなんですよオ。
ニキビの基になるっていうのは、明らかに食べ過ぎちゃう結果なんじゃないでしょか。
そんなにバクバク食べなければヘーキだと思いますよオ。
いえいえ、言葉には出しておりませんです。はい。
黒糖焼酎をやっていたんですが、口の中が、昔懐かし、味噌ピーの味になってしまった夜でした。
<ピーナッツ味噌の身体に旨い満足度>
で、ピーナッツ味噌、というかピーナッツそのものの身体にイイ、ンまい話です。
ピーナッツに多く含まれるα-トコフェロールというビタミンは抗酸化作用、レスベラトロールというポリフェノールは老化を遅らせる働きがあるんだそうで、アンチエイジングにバッチリ。
まだまだあるんです。
ピーナッツに豊富に含まれている不溶性食物繊維は便秘に効果あり。
低GI食品なので血糖値の上昇が緩やかで太りにくくなって、ビタミンEとマグネシウムで血行良くなって、オレイン酸やリノレン酸が悪玉コレステロールを減らしてくれる。
つまり、ダイエット効果あり。
レシチンとレスベラトロールの働きで認知症予防も期待できちゃうんだそうです。
<ピーナッツ味噌の心に旨い満足度>
ピーナッツとニキビの相関関係は今の段階では明らかではないそうです。
はい。これはちゃんとした研究結果。
でもあれです、カロリーは確かに高い食品ですので、大量に食べると、良くないんでしょうね。
あれは吹き出物なのか、大人ニキビなのか。
でも、そんなに一気に食べないですよね。いっぱい食べたりしなければ大丈夫。
どんな食べものでも同じですよね。
身体にイイことがいっぱいのピーナッツですから、マイナスを考えずに食べることが心にンまいコツ、でしょかねえ。
<ピーナッツ味噌の酒のアテ満足度>
これ、合いますよ。どの酒にでも合います。
柿ピーよりバタピーより、ピーナッツ味噌。
さらにですね、ピーナッツに含まれるビタミンB3のナイアシンというのが肝臓の働きを助ける役割をしてくれて、二日酔いの防止にもなるんですねえ。
イイっすよ、ピーナッツ味噌。
<ピーナッツ味噌の酒の〆満足度>
ま、白ごはんのお供としても、アリですけどね。はい。
でもあれです。朝が、朝飯がイイですかねえ。
<みそピー ハニーピー とかありますが>
みなさんも一度は食べたことがあると思いますが、ピーナッツ味噌。
ごはんのおかず、おやつ、酒のアテ、どれがベストでしょうか。
あるいは、それ以外のお勧めとか、あったら、ぜひ教えてくださ~い。メーカーもいろいろあったりしますもんね。