< 漠然視聴者を振り向かせる いないいないばあっていうアイディアは? >
いないいない~、って言ったまま、ばあ、がなくって、そのまま消えていってしまう可能性があるんじゃなかろうかって思ったりするんですね。テレビ。
私自身は、もう20年以上テレビを持っていない生活を続けています。
つまらないから、っていうのがテレビを持たなくなった理由。
でも、外食する時、町中華なんかではテレビを設置している店がけっこう多いですね。ですので、テレビ放送から離れた生活っていうのとは違うような気がしています。
義務付けられたかのように、テレビを設置している店って多いです。
ワールドカップだとか、大きなスポーツイベントがある時は、大型テレビを設置している町中華にけっこう多くの人が集まっていたりしますよね。スポーツバーじゃなくってスポーツ町中華。
そういう時は、みんな一心に見ています。
「筋書きのないドラマ」って表現されることもあるのがスポーツです。
店に入ったらテレビでたまたまワールドカップ、っていう人もいるのかもしれませんが、私の場合、狙って行っています。
いわゆるゴールデンタイムに試合が行われるときなんかは、町中華の混む時間帯と重なりますから、早めに行って、テレビを見るのにイイ席を確保して、アルコールをちびちびやりながら試合開始を待ったりしています。
他の人も、まあ似たり寄ったりですね。
テレビを持っていない人も居ますし、あるんだけれど家のテレビはちっちゃいから大きな画面で見たいからねえって人も居ます。
ま、そういうイベントの無い日にも行くわけです。町中華ね。
で、顔馴染の人とテレビの話になることもあって、ほぼ全員が言うのは「テレビは最近ツマランねえ」ってことです。
何処のチャンネルでも同じようなことばっかりやってるよねえ。
なんかさあ、どこの局でも自画自賛するのがウザイのよねえ、ドラマとかねえ。
っていう声が多いです。
これねえ、いつか来た道って感じがするんですよ。私がテレビを持っていた頃ですから、ずいぶん前になりますけれどね。
その時には番組制作側が「テレビ 面白いですか?」っていうようなことを言い始めて、テレビの在り方自体を考えようっていう動きを示していました。
で、その新しいテレビの在り方っていうのが、どうやらバラエティだったのかもしれません。
ニュース番組も「ニュースバラエティ」が主流になってますもんね。
それまで主流だった昼の時間帯のワイドショーがニュースバラエティに変わりました。
ま、こういうのはイイもワルイもなくって、そういう流れが日本のメディアだっていうことでしょうね。
テレビ局ごとの個性って、まるでないです。
「テレビ 面白いですか?」っていう自主改革めいた動きが出たのは、なんといっても「視聴率の低下」が原因なんでしょうけれども、視聴率ってバラエティ化によって上がったんでしょうかね。
発表された「テレビの総世帯視聴率」っていうのを確認してみますと、ずっと下がり続けています。
テレビはゲーム専用だとかいった使用環境の変化もありますし、なんといってもネットの利用時間が爆増していて、テレビの利用、イコール、番組視聴になっていないこともあるでしょう。
でもまあ、やっぱりコンテンツが「面白くない」っていうのが視聴率低迷の最大原因なんでしょうね。
それを明確に強く感じたのは、やっぱり「テレビの総世帯視聴率」のデータです。
「テレビの総世帯視聴率」は「ゴールデンタイム」と「全日」のデータが半期ごとに公表されているんですが、両方ともほぼ同じようなジグザグを繰り返しながら、ずっと下がり続けています。
そして、注目すべき点だと思うのはですね「2020年度上期」です。
コロナ禍で生活変容が始まった時期です。
「ゴールデンタイム」の視聴率も「全日」の視聴率も、1990年代後半のピーク値には及ばないものの、10年以上も時代を遡るほどの高い数値を記録しています。
日本中で巣ごもり生活を強いられた格好になった人の数は相当なものだったはずですが、外出するのも憚られる巣ごもりの中で、テレビを見て過ごす時間が急増するっていうのは、すごく分かりやすい結果だと思います。
いきなり跳ね上がっています。視聴率スパイク。
ですが「2020年度下期」には、グ~ンと下がって、2019年度下期の数値と並んでいます。
年々下がり続けていた2019年度の視聴率と同等に、たった一期で下がってしまったっていうことになりますね。
要は「テレビでも見ようか」っていう人が多かった巣ごもり生活の事実があって、それで「やっぱり、テレビ面白くないな」っていう判断があったっていうことじゃないでしょうかね。
テレビって、ホント面白くないんですよね。
NHK以外のテレビ局は、テレビコマーシャルを流して、宣伝効果を期待しているスポンサーによって成り立っているわけです。物品売り上げだったり企業イメージだったり。
どこに分岐点を設定するかは、各スポンサーによって違うんでしょうけれど、ネットの方が宣伝効果アリ、っていう判断が出始めているっていう話も聞きます。
テレビコンテンツ制作側も、もちろん考えてはいるんでしょうけれど、コマーシャル費用と売り上げの対費用効果分岐点は、そんなに遠くないところまで来ているのかもしれませんよ。
いないいないばあ、っていうのは、赤ちゃんに対して両手で顔を隠して、いないいないっていう状態にして、パッと両手を開けて、ばあ~、ってやりますよね。
自我が出てき始めた赤ちゃんが、一旦視界から消えた人間の顔が、また現れることで、喜びを感じるとされていて、赤ちゃんの笑顔をみようと、大人たちはいないいないばあするんですね。
世界中でやってるみたいですけど、英語圏では「ピーカブー」
でも、ちょっとだけ、いないいないばあとはやり方が違うらしいです。
両手で顔を隠すまでは同じですが、両手を開くと同時に、ばあって声を出しながら顔を見せるんじゃなくって、両手で顔を隠した状態のまま、ピーカブーって言い終わってから、おもむろに顔を見せる。
さあこれから顔を出しますよっていう合図がピーカブーなんですね。両手の内側で、おどけた顔を用意するんでしょうね。
ま、どちらも赤ちゃんは、えへへって喜んでくれそうです。
いないいないばあ期を過ぎた赤ちゃんが夢中になって、ホントに真剣にテレビ画面に見入っている光景もよく見ますが、今のテレビが視聴率の低いコンテンツしか提供できていないとして、赤ちゃんが見入ってくれるような番組って放送しているんでしょうか。
スポンサーにとって、赤ちゃんや、ちっちゃい子供は直接の購買者にはなりませんが、そういう視聴者を惹きつけるコンテンツを作る工夫が求められているのかもって思いますね。
売上の効率コーリツばっかり言ってる方法が、もう限界なんだと思います。
テレビの視聴率低迷は日本特有の事象じゃなくって、世界的にみられる傾向らしいですが、ネットで見られるコンテンツに、面白さで負けているとしたら、それはそれで、もう一度「テレビ 面白いですか?」を自主的に考えてみるタイミングのようにも感じられます。
購買層の限定だとかにこだわり過ぎているんじゃないでしょうかね。制作側が。
視聴率が下がり続けている中では、どうしても守りの態勢になりがちですけれど、成長戦略ってものを企業マインドの中に持たないとダメでしょ。
つまらなくなるばっかり。
テレビコンテンツ制作にあたっての代理店の在り方にも根本的な工夫が必要かもですよ。
何を代理でやっているのか、どれほど専門的なのか。
ネットって、そういうしがらみを軽々と乗り越えていってしまうメディアですからね。
基本的な考え方を変えないと、いないいない、っていって視聴者から一旦顔を隠したまではイイとして、ばあ~が無くなっちゃいますよ。ばあ~、が。