ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【ボンタンアメのお酒】なんか いろいろ魅力的な「かごんま」で味わいたいです

< かごんまは、わっぜおもしろかっど なんだそうでございましてね 芋焼酎の里ですしね >

焼酎バーのカウンター族。
呑み仲間っていうのもそこそこ出来ておりますが、ヤカちゃんとは3年ぐらいのお知り合いです。


コロナ禍になって、鹿児島県から東京のオフィスへ転勤になったそうです。


「日本のコロナって言ったら東京だったでしょ。東京にしか感染者がいないようなイメージだったときに、東京へ行けって言うんですからね。もう、死刑宣告みたいに思いましたよ」


会社からは医療用のマスクを支給されたそうです。


「そんなんで納得出来るわけないでしょ。東京なんて」


なるほど、ずっと東京で暮らしていると、そういう感覚って分かりませんけれど、実際そうなんでしょうね。


コロナ感染者が100人超えた! って言って大騒ぎしていたパンデミック宣言下の初期。
東京、神奈川、千葉、埼玉。この1都3県が際立ってコロナ感染者を多く出していましたもんね。


そんなコロナウイルスがうようよしているようなイメージのエリアに、鹿児島県の清涼な空気で生まれ育ってきた、本人曰く、純真無垢な独身の乙女を送り込もうっていう会社は、いったい何を考えているのか。


実際、ヤカちゃんのお父さんは会社に怒鳴り込んだそうです。


お父さんの気持ち、分かりますねえ。
みんなリアルに身の危険を感じていましたからね。愛娘をどうしてくれるんだ、って気持ち、当然でしょうね。


東京転勤は前々から決まっていたんだそうですけどね。


今じゃなくたってイイだろ! こらあ! って感じでしょうね。

 

 

 


ヤカって、かなり珍しいお名前だと思うんですけど、サヤカだとかヤスカだとかいうのを、あだ名的にヤカって言っているのか、ホントにヤカっていうのか分かりませんですが、自分からヤカって名乗ってますからね、店の中では誰からもヤカちゃんって呼ばれてますです。
その店でしかお会いしません。


30代前半ってところでしょうか。目の大きなチャキチャキ系、ミリキ的な女性です。
楚々とした見た目からは想像できないぐらいの、大酒呑み。
オットコマエ~! な呑みっぷりです。


鹿児島の実家の近所にはいくつも酒蔵があって、町じゅうみんな、大酒呑み、なんだって言ってますねえ。


焼酎バーであれ、居酒屋であれ、呑み屋さんのヒーロー、ヒロインは大酒呑みですからね、ヤカちゃんはすぐにその店のヒロインになりました。


今は東京生活も悪くない、って言っておられますよ。イかったイかった。


けっこう鹿児島の実家と往復していて、東京に戻ってくる時にはかならず芋焼酎のお土産を持って来てくれるんですよね。


県外へ出すほど量を造っていない酒蔵っていうのはけっこうあるらしくって、そこに、地元の人間しか知らない、これぞ芋っていう銘柄がある。
そういうアリガタイ銘柄を4合瓶で持って来てくれるんです。


そこに居合わせたお客さんは、ゴチになれるんですねえ。芋焼酎を吞める人はね。


今まで10数回のお土産焼酎をいただきましたです。聞いたことのない銘柄ばっかりでした。


で、今回も鹿児島から戻ったばかりのヤカちゃんと遭遇。


「ぱうすさん、ナイスですよ。ベストタイミング」


カウンターでヤカちゃんがニコニコしてますね。隣りに席を占めます。


ボンタンアメって知ってますか?」
そりゃ、知ってますですよ。好物です。


「あんまり売ってないですよね。セブンで探すんですけど、全然売ってないじゃない」
ローソンで見ますよ。いつもあるってわけじゃないところが、またイイんでないでしょうか。


ボンタンアメって鹿児島名物なんですよ。鹿児島県人は見かけたら必ず買っちゃうんですよねえ」
あれ? ボンタンって鹿児島? あ、そっか、あれは愛媛県ポンジュース。ボンタンじゃない。


「まあねえ、同じ柑橘系ですけど、ボンタンアメはお菓子じゃないですか。鹿児島キャラメルですよ」
お、なるほど。鹿児島キャラメル。ナイスなネーミングでしょねえ。


で、ボンタンアメがどうかしましたか?


「かごんま名物、ボンタンアメのお酒っていうのがあるんですよ」

 

へええ、ボンタンアメの。なんて名前?


「だから、ボンタンアメのお酒」
あらま、まんまの名前なんですねえ。甘いの?


「リキュールですね。でもスッキリしてておいしいんです」


と、マスターが、


「今、冷やしてるとこ」


ん~。興味はありますけどねえ、甘いのは、どうも。


「バニラアイスにドバッてかけてね、酒前の〆アイスです」


はあ? 知らんですよ。〆アイス? アイスにボンタンかけちゃうの? しかも呑む前の〆?


ここ、バニラアイスとかあったっけ?


「ありますよ。うちは女性客多いんで、常備してるんですよ」


〆でアイスとかいっちゃう酒呑みって、いるの?


「やあだもう。ぱうすさんがやらないだけで、けっこうみんなやってますよ」
ふううん。そですか。


「マスター、もう、冷えたでしょ。ぱうすさんが泡盛いく前にいっちゃいましょう」


「そうだねえ、そんじゃあぱうすさんもひと口だけ、アイス、いってみてください」


で、コジャレたガラス容器に業務用バニラアイスが半円形に盛られて出てきました。


で、冷蔵庫からは、そのボンタンアメのお酒。

 

 

んひょ~! ボンタンアメ、そのまんまのフォルムじゃないですか。


で、ヤカちゃんがトポトポッてアイスの上に注ぎ入れて、バニラアイスのボンタンアメのお酒添え、完成。


ん~。ティースプーンの先っぽに、ちょっとだけ掬って味見。
ふむ。当たり前に甘いですけど、イヤな甘さじゃないです。


で、バニラアイスと一緒に。
おおお、なるほどないただき方ですね、こりゃ、いけます。


バニラアイスの甘さがボンタンアメの風味をまとって、どういうんでしょうか「高級駄菓子」みたいなイイ感じ。


ふむ。旨いです。


でもさあ、吞む前にコレいく人、いないっしょ。


「まあね、〆でいくのが普通ですけど、ぱうすさん、呑んだら食べないでしょ、こういうの」

ん~、かもですけど、来るのが分かってたわけでもないでしょ。


「なに言ってんですか。分かってましたよ。だから用意して待ってたんですから」
ずず~ん。。。恐れ入りました。

 

 

 


「ところで、ぱうすさんってウイスキーとかも呑むんですか?」
はい、別の店ではウイスキーっていうかバーボンなんですけど「オールドクロウ」っていうのをやってますよ。


「鹿児島のウイスキーって、呑んだことあります?」
ここで?


「いや、うちはウイスキー置いてないから」


ってか、そもそも鹿児島のウイスキーっていうのが、分かりません。聞いたことないですよ。


「このボンタンアメのお酒を造っている蔵元ね、本坊酒造っていうんですけど、鹿児島市なんですね」
ヤカちゃんって鹿児島市


「あたしは、このボンタンアメの産地、阿久根市っていうとこです。よかとこよお」
阿久根市、知ってまっせ。大石酒造。


「え? なんでね?」
鶴見っていう芋焼酎。好きですよ。濁りのバージョンと莫祢氏っていうのも。


「ここって鶴見置いてましたっけ?」


「時々あるよ。莫祢氏っていうのはね、ぱうすさんから名前は聞いてるけど、うちの酒屋さん扱ってないんだよね。オレも呑んでみたいんだけどねえ」


ま、あんまり置いてる呑み屋さん、ないかもです。


「へええ、東京にも莫祢氏を知ってる酒呑みがいるんですねえ。大石酒造をこれからもよろしくお願いします」
え? なに? ヤカちゃん、大石酒造の人?


「わりと近くですけどね。そういんじゃなくって、地元の酒を喜んでくれる人が東京にもいるっていうことが、なんとなく嬉しいじゃないですか」
はあ、そういうもんですかねえ。


「なんか話がズレちゃいましたけど、ボンタンアメのお酒の本坊酒造ね、ウイスキーも造ってるんです」
甘いヤツ?


「違いますって。本格派のウイスキー
鹿児島のウイスキーねえ、知らんですよ。聞いたこともないです。


マルスウイスキー信州、っていうのがあるんですよ。けっこうおいしいですよ」
ん? それ、呑んだことありますよ。でも、お言葉ですが、信州って長野県でしょ。


「蒸留所がね、長野県にあるみたいなんですけど。蔵元としては、かごんまのウイスキーなんです」
へええ。


「マッサンって、ドラマやってたじゃないですか」


「ぱうすさん、テレビ見ないよ。持ってないよ」


「あ、そっか」


でもまあ、知ってますよ。サントリー鳥井信治郎社長の話を読んだことがあります。その中に出てくるニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝って人でしょ。


「そうそう、そのマッサンの先輩で、岩井喜一郎っていう人がね、かごんまでウイスキー造って、蒸留所を探して長野県にたどり着いて、造ってるのがマルスなんですよ」


岩井喜一郎っていう人、きいたことないですねえ。
マッサンの先輩ってことなんだし、やっぱりジャパニーズウイスキーの先駆者なんだったら、もっと知られていても良さそうなもんですけどねえ。


しかしヤカちゃん、いろいろ詳しいですねえ。


「もちろんですよ。勝手に1人で、かごんま親善大使なんですから。で、どうでした? おいしかったでしょ?」
ん~、可もなく不可もなく、な感じでした。


「なにそれ、むかつく~。でもね、マルスウイスキーって信州だけじゃなくっていろいろあるんですよ」
そですか。最初に呑んだマルスウイスキーが信州って名前だったんで、長野県のウイスキーだと思ってましたけどね。鹿児島県の蔵元だったんですねえ。


こんどまた、心して味わってみたいと思います。


しかしあれですね。芋焼酎には合う地元の水だけと、ウイスキーには向いてないっていう判断で蒸留所を探して歩いたんだとすると、その本坊酒造、なかなか真剣ですね。


「当たり前ですよ。かごんまの人たちは、みんな真剣なんですから。かごんまの酒が一番なんですよ!」
はい! 承知いたしました!

 

 

 


いつもより2杯多く、黒糖焼酎をいただきまして、〆のバニラアイスクリームのボンタンアメのお酒添えは、テーネーにお断り申し上げさせていただきまして、帰ってまいりました。


ボンタンアメのお酒。チューハイとかサワーとかが好きな人には、かなりお薦めだと思いますですよ。


ボンタンアメ。いろいろ考える人がいるって、イイことでしょねえ。


かごんま焼酎ツアー。単独でも、実行してみたいと思いますです。

 

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