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【欲望の心理学】より良く生きるためっていうんじゃなくって 儲けるため?

< 「アフィリエイト心理学」っていうのもあったりして そういう世の中なんですねえ >

なるほどねえ、とは思うんですが「心理学」ってネットの上ではビジネスツール的なポジションを占めているように感じられますねえ。


いつごろからの傾向なのか、あるいはネットが浸透するころにはすでにそういうものだったのか、分かりませんが、つい最近、気が付いてみると、ネットページの入り口に「心理テスト」みたいなのがあって、「あなたが今ほしいものは、これ!」式の流れになっているのって意外に多いんですよね。
心理テストから、いきなり商品販売になっちゃう。


そういうページって流行りって言いますか、商売として実績が上がっているから数が多くあって、続いているっていうことなんだろうなあって思うと小さくない違和感が湧いてきますね。
なんでインターネットに自分の欲しいもの、限定されなアカンねん!


人間の欲望、欲求っていうのを丁寧に解説しているページがあるかと思えば、それをマーケティングに結びつけるためのウェブライティングについての方法論、なんてのもありますね。
心理学を利用した効率的なアフィリエイトページの書き方、ってことでしょうね。

 

 

 


アナログ文化の代表みたいな感じもする「心理学」が、ネット社会の中で、特に強く購買意欲と結び付けられて取り扱われているっていう現実に触れますと、ふむ、そですか、って、なんだか気が抜けてしまう感覚になってしまうのが本当のところです。


ベースになっている心理学には主に2つあって、それぞれ批判する声はあるもののしっかりした理論であると思います。

心理学そのものに責任があるわけじゃないですけどね。


1つはアメリカの心理学者「ヘンリー・マレー(1893~1988)」が世界で初めて人間の欲求をリスト化した「マレーの欲求リスト」って言われているものですね。
1938年に発表されたものですが、今でも心理テストを作ったりする際に、アレンジしながら利用されているそうです。


ヘンリー・マレーっていう人は第2次世界大戦中は、アメリカの戦略情報局の中佐で、戦後「ヒトラーの人格分析の研究プロジェクト」に参加しています。このプロジェクトの成果の1つが「犯罪者プロファイリング」で、今でもFBIのみならず、映画、ドラマの下敷きとして利用されていますよね。


ウェブ上で盛んに利用されている心理学のもう1つは、こちらもまたアメリカの心理学者「アブラハム・ハロルド・マズロー(1908~1970)」が提唱した「マズローの欲求のピラミッド」です。
これは「マズローの欲求5段階説」とも呼ばれています。


マズローっていう人は、人間の自己実現を研究する人間性心理学の生みの親として後代に大きな影響を与え続けている人なんですね。


「マレーの欲求リスト」は少しづつ変わりながら、現代人の性格判断だとかに利用されて来ているんですが、現段階では「11種類の生理的欲求」と「28種類の社会的欲求」っていう39がリストアップされています。


「生理的欲求」は「臓器発生的欲求」って表現されることもあって、人間が生きて行くうえで肉体が本能的に求める欲求のことだって言えそうです。


「11種類の生理的欲求 4つの欠乏解消欲求」
酸素を求める「吸気欲求」
水を求める「飲水欲求」
食べものを求める「食物欲求」
身体的な感覚を楽しみたい「感性欲求」


続いて「11種類の生理的欲求 4つの排泄欲求」
性的快楽を得たい「性的欲求」
赤ん坊におっぱいをあげたい「授乳欲求」
息を吐きたい「呼気欲求」
生理的排泄をしたい「排尿排便欲求」


そして「11種類の生理的欲求 3つの障害回避欲求」
毒性の刺激を回避したい「毒性回避欲求」
体温を適正に維持したい「暑熱、寒冷回避欲求」
キズ、病気を避けたい「障害回避欲求」


この11個が生理的欲求としてリストアップされています。

 

 

 


次に、少し長くなりますが「28種類の社会的欲求」です。これは「心理的欲求」とも呼ばれているものです。


「28種類の社会的欲求 7つの支配欲求」
他人をコントロールしたい「支配欲求」
優秀な人に仕えたい「服従欲求」
他人に感情移入したい「同化欲求」
他人から独立したい「自律欲求」
ユニークでいたい「対立欲求」
他人にいじわるしたい「攻撃欲求」
痛みを楽しみたい「屈従欲求」


「28種類の社会的欲求 5つの物質欲求」
財産、宝物を手に入れたい「獲得欲求」
モノを収集して保存したい「保存欲求」
モノを整理整頓したい「秩序欲求」
財産、宝物を手放したくない「保持欲求」
モノを組み立てたい「構成欲求」


「28種類の社会的欲求 4つの向上心欲求」
他人よりも優れていたい「優越欲求」
困難を乗り越えたい「達成欲求」
他人に認められたい「承認欲求」
他人の注意を引きたい「顕示欲求」


「28種類の社会的欲求 4つの保身欲求」
批判されたくない「不可侵欲求」
恥ずかしい思いをしたくない「屈辱回避欲求」
自分を正当化したい「防衛欲求」
失敗をリベンジしたい「中和欲求」


「28種類の社会的欲求 4つの愛情欲求」
他人と仲良くなりたい「親和欲求」
他人を無視したい「排除欲求」
困っている人を助けたい「擁護欲求」
他人から愛されたい「救護欲求」


「28種類の社会的欲求 2つの情報欲求」
好奇心を満足させたい「認知欲求」
他人を教育したい「証明欲求」


「28種類の社会的欲求 禁止関連欲求」
処罰を避けたい「非難回避欲求」


「28種類の社会的欲求 遊戯関連欲求」
気晴らしをしたい「遊戯欲求」


以上の39個ですね。


心理学を専攻した人にとってはミミタコなリストなのかもしれません。
生理的欲求には見られなかった、ベクトル的に正反対の欲求が社会的欲求には多く見られます。


人の快、不快が決して一様なものではないことを踏まえて、どうやって「購買」に結びつけるか。
この辺の事情はAI、ニセAIの得意ジャンルになっていきそうですね。


売らんかなとする側が、こうした学術的なアプローチをしてマーケットを開拓してくるんであれば、単純消費者側としては「AIガード」みたいなものの開発を進めてくれる人はいないもんなんだろうかって思っちゃいますね。
「これがお勧めですよ」に対して、アタマごなしに「うっせえわ!」っていう機能。


もう1つの「マズローの欲求のピラミッド」を、衣食足りて礼節を知る式で見てみますと、5層に分けられるピラミッドの最下層は「生理的欲求 」です。


この「生理的欲求」が満たされると次の段階として4層目は「安全の欲求」
そして次の段階として「所属と愛の欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」へと高みに昇っていく考え方ですね。


そしてマズローは、ピラミッドの頂点を越えたところに「自己超越」っていう段階を想定しているんですね。
ニーチェの「超人」っていうのと同じような概念なのかもですね。

 

 

自己超越っていうレベルに達している人は人口の2%ほどいるって、マズローは言っていたそうですけど、ナニを根拠にそんなことを言い出したんでしょうか。2%って。


まあね、マズローの法則は自己実現の理論ですからね、欲望の解明とはまた違った解釈が必要なんだろうとは思います。

 

 

 


マレーのリストうちの「28種類の社会的欲求 4つの向上心欲求」他人に認められたい「承認欲求」
この単語、「承認欲求」マレーの時代と今のネット社会とでは意味がかなり違って来ているのかもしれませんよね。


昔は承認欲求といえば、認めてもらうために人知れず努力した結果として承認されるっていう図式だったと思われますが、いま、例えばネット上の「いいね」が簡易的承認欲求だとか表現されることもあります。


承認欲求っていう単語は同じですけど、昔は個人のレベル向上が伴っていたものが、今は小さな快楽要素になっている感じもしますもんね。


そのことが悪いわけはないんですけど、目的が快楽にあるっていういうふうにならないように、マーケティングのロジックに根本的な修正が必要なんじゃないかって感じちゃいます。


こうした世界は、明日にはまったく違ったシチュエーションになっていることも、充分にあり得ることですからね、日本のデジタル庁、今、なにしてんのかなあ。


全ての省庁を向こうに回して、丁々発止、スピード感を持っていろいろ進んでいかないと、ますます世界に置いて行かれちゃいますよ。
マイナンバーが~、とかいつまでやってんですか。


誰か図抜けた日本人、いないんでしょうかねえ。