ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【ひょうちゃん】対【ランチャーム】の戦いは連綿と続いていたのです

< いいや 別に争ってへんよ ごはんはニコニコ食べるもんやで >

もしかすると「ご馳走」っていう言葉は死語になりつつあるのかもしれない令和の日本ですが、口には出さないまでも「わああ、ご馳走だあ」って最近思ったのって、いつでしたか。


何もかもが便利になり過ぎているからなのか、食に感動することって少なくなっちゃってますよねえ。
自分で作っている人は、また違った感覚があるでしょうか。


インスタ映え、とかね、盛り上がっている向きもありますけれども、あれって、「キレイ」とかいう方向にいっちゃってて、「旨そう」っていう期待感だとか、「これこれ、これですよ」っていうような絶対安心感みたいな心の動きとはベツモノ、みたいに思えます。
味はもちろん、香りだとか、温度感みたいなものも写真じゃ伝わりにくいですもんね。「キレイ」にこだわり過ぎちゃうのも、しゃあないです。

 

 

 


その昔、酔っ払いお父さんは、帰りに寿司折りをぶら下げて千鳥足、っていうふうに描かれていたものでした。
加藤茶がハゲヅラ姿でウイ~ってやっていたのを思い出す方も少なくないと思います。


寿司折り自体が、もはや昭和の遺物みたいになっちゃってますからね、なにそれ? っていう人もまた多いであろう令和日本です。


加藤茶が扮している昭和の酔っ払いは、どこかのバーとかスナックで吞んで、遅くなっちゃったねえ、っていうんで家族へのお土産として寿司折りをぶら下げているわけなんですが、あれって、どこで調達したんでしょう。
コンビニだとか、テイクアウトの寿司屋さんとか、全然ない頃の昭和の夜です。


まあ、その頃の事情なんて知らないですけれど、たぶんおそらく、あの寿司折りは呑み屋さんが用意して持たせてくれたんでしょうね。お持たせ
そうでもしないと、酔っ払いの加藤茶は寿司折りなんてぶら下げて帰ってこれませんですよ。


店で酔っ払いが一丁上がり、って状態になる前に、その店の近くの寿司屋さんに作ってもらうんじゃないかって思います。
遅くまで引き止める格好になってしまって、おうちの皆さんに、とくに奥さんにね、免罪符として持たしてくれたんじゃないでしょうか。
寿司折りが免罪符になり得た時代。いい時代、ってことなのかもです。


ま、酔っ払いの支払い料金の中に含まれる範囲のものですしね、寿司折りって言ったって、ほとんど巻きものです。
かっぱ巻き、かんぴょう巻がメイン。
握りも4貫ぐらいね、入っていたかもです。


加藤茶が途中で転んだりしなければ、紙の箱にちゃんと詰められた状態で家族のもとに届けられます。
ガリも入っているんです。しっかりバランで区切られていますよ。


バランって知ってます? あの緑色のギザギザのヤツです。


ペランぺランした緑色のプラスティックシートですけど、もともとはハランっていうすずらんの仲間の葉っぱらしいですね。
ハランの葉っぱには殺菌効果があるんだそうですけど、緑色のプラスティックシートには、たぶん、ないでしょうね、殺菌効果はね。
色移り、臭い移りを防ぐ効果はありそうです。完全じゃないにしてもね。


食材の管理がキチンとしているんだから、今は葉っぱの殺菌効果とか要らんねん。
ってことではあるんでしょうけれど、ま、見た目的には緑を入れておいた方がイイかな、ってことで習慣として生き残っている文化なんでしょうね。知らんけど。

 

 

 


加藤茶の寿司折りを開けて、オコチャマたちが「わああ、ご馳走だ」って思うのはですね、このバランっていう食べられない、意味の分からない、プラスティックシートも見た目的には一役買っているんですけど、そうじゃない、ご馳走を感じさせてくれる主役が居るんですよね。寿司折りの中には。


透明のプラスティックで出来た、サカナ型をしたしょう油入れです。赤いくちばしが蓋になっていましたです。


お、居たいた、って思います。


実は、赤いくちばしのプラスティックのサカナを発見して盛り上がるのは、列車旅行なんかの時に、停車時間のうちに窓からやりとりして買い求める弁当、駅弁の方だったりします。
酔っ払い加藤茶って、そんなにお目にかかれません。


今のプラスティック容器の弁当じゃなくって、折詰容器に入った、その土地の名物弁当。
間違いなくご馳走でした。


ちゃんとウロコも付いている赤いくちばしのプラスティックのサカナがそれを証明しています。


単に「しょう油入れ」なんて呼び方をしていましたが、使い終わった後、丁寧に洗って、オモチャの仲間入りしていて、たいていどこの家にもいくつかありましたよ。
集めている、なんてヤツもいました。
サカナですからね、お風呂にいれて遊ぶ、なんてこともやっておりました。


あれ、なんていう名前か知ってます?


赤いくちばしのサカナしょう油入れ、とかじゃなくってですね「ランチャーム」っていう正式名称があるんでした。


今はね、愛想のないフィルムタイプがほとんどで、ご馳走感がちっともありませんけれど、今でも活躍しているみたいですよ「ランチャーム」

 

何語? ってことなんですけど、作っている大阪の「旭創業」っていう会社の造語。

「ランチ」を「チャーミング」にするっていうのがネーミングの由来。

 

おおおっ、イイじゃないですか「ランチャーム」やっぱりご馳走の証拠だったんですねえ。
このところ出会えていないのが残念です。


あの赤いくちばしのサカナは、鯛なんだそうです。鯛の他にも「ランチャーム ソースブタ」「ランチャーム 金のひょうたん」っていうお仲間もいるみたいですねえ。


なんかね、作るのにコスト的にも手間的にも合理的じゃないんだろう「ランチャーム」なんですけど、その辺にこそ日本のモノづくりの特徴があって、ギスギスしていない豊かな暮らしがあるような気がしますけどね。


だって、しょう油入れが、ウロコの付いたサカナで、赤いくちばしをしているんですよ。
それだけでなんだかニコニコ食べられそうじゃないですか。
ムスッと黙って食べるより、笑顔でご馳走に向き合えれば、明るい社会! ってな感じになりませんかね。


寿司折り、駅弁の「ランチャーム」から少し年代を経て出会ったのが崎陽軒シウマイ弁当です。


ひょうたん型の磁器製のしょう油入れが付いています。


ランチャーム」にも「金のひょうたん」っていうのがありましたけれど、崎陽軒のは「ひょうちゃん」っていう名前が付いているんですね。

 

白い磁器に48種類の表情が描かれた「ひょうちゃん」がデビューしたのは1955年。


ランチャーム」のデビューは1957年だそうですけど、これは大阪に移転して本格的に作り始めた年。
出来上がっていたのはほぼ同じころだったのかもですね。


ランチャーム」の旭創業が広島から大阪へ移ったのは、自信の商品「ランチャーム」を認知してもらうんだったら「東京なんかより、新しもの好きの大阪」がイイんじゃないかっていう社長令嬢の一言があったから、ってことなんですけど、へええ、大阪の人ってそういうイメージですかあ、って思いますね。
でも、大当たりだったんですから、そういう風習っていうか、気質みたいなものがあるんでしょうね。


ランチャーム」は東京近辺で見かけることは無くなっていますけど、大阪方面では、今でも弁当をご馳走にするべく活躍しているんでしょうかね。
関西方面の方、どですか?


で「ひょうちゃん」なんですが、1988年、崎陽軒創業80周年で2代目が登場しています。


2代目の「ひょうちゃん」は80種類の絵柄。80周年だから、でしょうね。


1996年からは蓋がコルクからゴムになっています。コルクだったっていうのは、けっこう驚きです。


そして2003年、「ひょうちゃん」3代目登場。
初代の「ひょうちゃん」の絵柄が復活して48種類の絵柄。

 

 

 


2008年には崎陽軒100周年を記念して7種類の「記念ひょうちゃん」っていうのもあったんだそうです。
そっかあ、最近シウマイ弁当、いってませんねえ。記念ひょうちゃん、知りません。


横浜駅の工事って終わったの? っていつの話しとんねん! ですね。


ご馳走ね、いろいろ出歩かないと出会えないもんでもないはずなんですけどねえ。
ランチャーム」探しの旅とか、よさげですけどねえ。


材質的には「ひょうちゃん」がエコですけど、「ランチャーム」は指で挟んでチュッ、って出せるのがイイんですよね。


ま、そのうち、エコ素材でチュッの出来る「ランチャーム」が出てくるかもです。


旭創業さん、期待いたしますです。