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【サロンパス】のサリチル酸メチルって自然界に存在するものらしいって話

<水目 梓 水目桜  夜糞峰榛 サロンパスの木 全然知らなかった植物たちの名前と生態>

日本だけなのかもしれませんが、ホントにいろいろ、バランスの悪い世の中が続いてしまっていますね。
全員が全員、オトナの対応で過ごしてはいますけれど、どうしようもなく疲れます。肩が凝ります。


どこか不自然に、身体に力が入ってしまっているのか、突然ふくらはぎがツリそうになったりしています。


ドラッグストアに行きますと、肩こり筋肉痛の薬がたくさんいろいろ並べられていて迷いますが、コスパ的にもそうですし、長年のお付き合いで安心っていうこともあってですね、手に取るのは決まって「サロンパス


第3類医薬品「有効成分が浸透し効く」ってことですので、80枚入りの箱を買って来まして、寝るときに足裏に貼ったりなんかして、一応スースー眠っておりますです。


サロンパスを足裏のですね、つま先の方だったり、土踏まずの辺りだったり、縦にしてみたり横に貼ったり。


粘着力はしっかりあって朝まで剥がれることはないんですが、剥がすときに痛くもないという優れものです。
前はすぐにくるくると丸まって剥がれちゃったり、しっかりくっ付いているかと思えば剥がすときにめっちゃ痛かったりという歴史もありましたです。サロンパスには長い歴史があります。

 


久光製薬」ですね。


ちょっと調べてみてビックリしました。「フェイタス」とか「アレグラ」「ブテナロック」なんかも久光製薬でした。へええ、です。フェイタスなんてサロンパスの競合商品かと思っていたら、久光製薬


「フェルナビク」っていう成分が新しいんでしょうかね。サロンパスの方は、もうすっかりお馴染み耳馴染みの「サリチル酸メチル」ですけれどね。って、なんかサロンパスの成分も変わっているのかも、と思って見てみますと、変化なし、ずっと昔からの「サリチル酸メチル」でした。よしよし。


って、成分のこととか全然知りませんが、なんとなく安心してしまうのでありました。

 

聞いたことがあるだけの理由なんですけれどね。長く続いている薬って、成分がどうのってことじゃなくって、もう、使う側が効く気でいますからね、効きますよ。たぶん。


久光製薬の創業って、なんと1847年、弘化4年なんだそうです。でもって、これも驚いたことだったんですが、久光製薬って九州佐賀県鳥栖が本社だったんですね。全く知りませんでした。今は東京本社ってのもありますけれどね。鳥栖本社は健在みたいです。


弘化4年。日本の夜明け、佐賀鍋島藩の活躍が目立ち始めた頃ですね。


帝国主義の西欧列強が日本にどんどんやってきていて、海防という概念が急激に進展すると同時に、日本の近代化が求められる内憂外患、あちこちアンビバレントな時代。そんな中、鍋島藩は日本の産業革命を果敢に実行したことで知られています。


弘化、嘉永安政と国内ばかりでなく対外政策的にもぐるぐる変化せざるを得なかった日本の中で、鍋島藩主、「肥前の妖怪」とさえ言われた鍋島直正は、精錬方という研究機関を創設して鉄鋼、蒸気機関、電信というジャンルで科学技術を自分のものにするばかりでなく、独自に大砲を作るための反射炉を設営したり、天然痘撲滅のためにオランダとの交易を深めたり、まあ、八面六臂の活躍が知られています。なんせ妖怪です。


ちなみに幕末の三妖怪は「土佐藩山内容堂」酔って候の主人公です。「旗本の鳥居耀蔵」そして「肥前の妖怪 鍋島直正」の三人。三人とも頭の切れる政治家と言えそうです。でも妖怪。でも政治家ってこうあってしかるべき。政治家は妖怪であるべき、とは言いませんが。はい。


日本という独立したままの国として明治維新を成し遂げられたのは、佐賀鍋島藩の西洋兵器が大きな存在感を示していたからなのかもしれませんからね。外国に対してね。したたかです。


そんな鍋島藩のおひざ元で、久光製薬が誕生していたってことなんですね。


光仁平という創業者が1847年、弘化4年に「小松屋」として始めて、明治4年1871年には久光与市という二代目が「久光常英堂」と改称。明治36年1903年には三代目中冨三郎が「久光兄弟合名会社」という会社名にして、昭和9年、1934年に「サロンパス」の発売です。


ひょえ~です。サロンパスってもう85年も前ですよ。太平洋戦争を超えて続いている逸品。

 


ちなみに毎年5月18日は「サロンパスの日」なんだそうです。これもまた知りませんでした。サロンパスの周りって知らないことばっかり。


5「ゴ ⇒ コ ⇒ コリ ⇒ 凝り」
18「イチハチ ⇒ イチヤツ ⇒ イヤツ ⇒ 癒す」


で、凝りを癒す。なので5月18日はサロンパスの日、ってわけでございますです。たぶんです。


サロンパスの開発秘話、みたいなのは不明ですが、あの独特のスース―する匂い。サリチル酸メチルの匂いなんですが、普通には「サロンパスの匂い」って言ってますよね。
サロンパスってある意味、商品名っていうより一般名詞です。


あの匂いは他の何物でもなく、しっかりと「サロンパスの匂い」です。病院で処方される湿布とは全然ベツモノ。


もちろん成分調整とかは日進月歩で変化してきているんでしょうけれど、なんかね、ずっと変わらない昭和の匂いの1つです。


満員電車の中で、時々漂って来ます。ああ、誰かサロンパス貼って耐えているんだなあ、と思います。微香、とかいっても分かっちゃいますよね。特に好きな匂いというものではありませんが、嫌でもないです。誰がどこに貼っているサロンパスなのかは分かりませんが、がんばれ日本人、って気になったりします。

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サリチル酸メチルの効果はもちろんですが、効かないわけがないというプラシーボ的な思い込み効果もあるのかもしれません。それほど身近なサロンパスだと思います。


で、そのサリチル酸メチルなんですが、なんだってその化学成分の名前が耳に残っているのか、今となってはキッカケみたいなものは分かりません。でも、かなり子供の頃から覚えていたような気がします。


サリチル酸メチル。


なんだか名前だけのイメージだと、「危険物」みたいな感じもしますけれど、なんとこれ、自然界に存在する成分みたいなんです。


ミズメ、水目桜と呼ばれるカバノキ科の落葉高木。この木の枝を折ったりするとサリチル酸メチルの匂いがするんだそうです。サロンパスの樹ってことですね。


で、このミズメ、別名アズサとも言うそうで、これが梓弓の梓です。


サリチル酸メチルの匂いからヨグソミネバリ、夜糞峰榛という有り難くない別名もあるそうですが、漢字やその発音から、樹木のイメージも、あのサロンパスのスース―した匂いも感じられませんね。夜糞って、なんなん! 香料にも使われているんですよ。サリチル酸メチルって。


香水の匂い成分の中には必ず「フン」の匂いを混ぜているっていう、あれと同じようなことなんでしょうか。


しかしまあ、自然天然の樹木の中にサロンパスと同じサリチル酸メチルがあるってことは、驚きです。っていうか、樹のほうが先なんですけれどね、もちろん。


梓弓(あずさゆみ)っていうのは、正倉院にも残っているという古代の神事に使われていた弓。
源氏物語の中で、物の怪に憑かれた葵の上を加持祈祷をするときの、部屋の四隅でその弦の音を響かせて悪霊払いするっていうアレです。


梓弓。梓の樹、そのサリチル酸メチルを昔の人も当然知っていて、魔除けの力を託していた匂いだったのかもしれませんね。


その頃にはサリチル酸メチルなんていう名前があるはずもなく、なんて呼んでいたんでしょう。まさか、それが「夜糞」? んなこたあ、ないでしょうね。ミネバリっていうのも全然分かりません。


でも、梓、水目の葉っぱを湿布薬として使っていたっていう話は聞いたことがあります。葉っぱにもあるんでしょうかね。サリチル酸メチル。つまり民間療法として大昔からあった「サロンパス」ってことなのかもしれません。

 


ミズメ、アズサは建材としても優秀な木なんだそうで、建材業界で呼ばれている名前が「水目桜」
重い材質で、丈夫なうえに狂いも少ないので、家具に向いているんだそうです。木目がキレイなこともあって人気らしいんですが、家具職人さんたちの記事をいろいろ探ってみても、赤っぽい色合いや、丈夫さにたいする言及は有っても、匂いに対するものは皆無でした。


サロンパスのタンス。聞いたことないですよねえ。


もしかすると水目桜のサリチル酸メチルって、樹の幹、ではなくって、枝とか葉っぱの方にあるんでしょうか。


それとも、建材として乾燥させている間にサリチル酸メチルがとんでしまうってことなんでしょうか。たしかに、揮発性ではありますもんね。


ま、普段、目にするテーブルやらなんやらはプリント合板ばっかりですから、水目桜だろうが、梓だろうが、どんなものなのか鑑賞する機会もないっちゃないんですけれどね。


あれですかね、近寄って匂いを嗅いでみると、微かにでも感じるんですかね。サロンパスの匂い。


今夜もまた自然由来のサリチル酸メチル、サロンパスのお世話になって眠ろうと思います。スコッチとね。