< 塩の入っていない料理なんて ナイでしょ って思うんですけど コワいです >
炎天下にさらされる季節よりも、ジットリ暑い梅雨の季節の方が熱中症の危険が高いんで、こまめな水分補給が大事ですよ、とかね、よく聞くようになりました。
水分補給にビール、なんていうのはもってのほかで、単純に水やお茶っていうより、さらにはスポーツドリンクよりも「経口補水液」がベストですよ、なんていうことも常識的になってきましたよね。
いろんなのが出ています。「オーエスワン」っていうのが人気なんでしょうか。よく見ます。ゼリーもありますよね。
「スムーズイオン経口補水液」「アクアサポートゼリー経口補水液」「ダブルエイド経口補水パウダー」だとか、ホントにたくさんあります。
テニス、ジョギング。暑い時期でも意識高くスポーツに汗を流している人たちは、すでに飲んでいるでしょうし、お気に入りの経口補水液っていうのを決めているかもしれません。
いやあ、経口補水液って身体にはイイのかもしれないけど、おいしくないからねえ、スポーツドリンクでイイっす。っていう人も実は少なくない感じですかね。
なに言ってんの。スポーツドリンクなんて甘すぎちゃって、汗を流したあとには向かないでしょ、っていう意見も、そりゃまあ、あるでしょねえ。
経口補水液、の方が旨いよ。っていう人だっていますからね。
ただですね、ケチを付けようっていうんじゃないんですけど、経口補水液の塩分、糖分のバランス、ナトリウム濃度って、身体的にホンキで旨いって感じるとすれば、それはけっこう脱水状態になっているってことなんだそうですよ。
逆から考えてみますと、経口補水液っておいしくないよねっていっている人は、それほど水分、塩分を必要としていない身体の状態ってことなわけです。
でもまあ、どういう運動をしているのか、それとどういう体質なのかによって違うんでしょうけれども、他人の意見やコマーシャルに惑わされることなく、自分の身体的に旨いって思えるもので水分、塩分を補給するのがイイってことですかね。
運動なんてしなくたって、じっとしていても汗が止まらない日もあります。
汗と一緒に塩分、ミネラルも流れていってしまうんで、補給しないといけませんよ、っていうのが一般常識。
スポーツドリンクと経口補水液の差はナトリウムの濃度だそうで、経口補水液の方が数倍高いみたいです。
でもですね、気になる研究結果がありましてですね、循環器内科の世界では「現代人は塩中毒」っていわれているんですよね。
塩を摂り過ぎているっていうことです。
そかなあ、って思いますけど、日本人との差として引き合いに出されるのがアフリカのマサイ族です。
マサイ族の主食はミルク。牛やヤギのミルクなんだそうです。
たまあに肉を焼いて食べることもあるみたいですが、朝にミルクを飲んで、夕方にもミルクっていうのが常食らしいんですね。だいたい1日に2リットル。それだけ。
それだけであの強靭な身体を維持している。槍を持ったままジャーンプ!
人間は塩を摂らないと生命を保てないっていわれているんですけど、ミルクだけのマサイ族。
じゃあ、塩なんて摂取しなくたってイイんじゃないの? って話が出てくるんですが、いろいろ研究が進んで、マサイ族も塩を摂取しているってことが分かったみたいです。
どうやって塩を摂取しているのかっていうと、飲んでいるミルクの提供者。牛とヤギが舐めている土に塩が含まれている。そういえば日本の牛舎にも必ず塩の塊りが置いてありますもんね。
牛もヤギも塩がないと生きていけないんです。
で、その牛とヤギのミルクの中にはしっかり塩が入っているってことになるわけです。
でもですね、いくら1日に2リットルのミルクを飲んでいるっていっても、少ないでしょ、塩。
そなんです。めっちゃ少ないんです。
マサイ族が一日にミルクから摂取している塩は2グラムぐらいだそうです。一日で2グラムです。
日本人が摂取している塩は、1日に、成人男性で10グラム、成人女性で8グラムってされているんですけどね、これって推奨値なんです。この数値で抑えましょうっていうことです。
実際にはどれぐらい摂取しているんでしょうね。
ラーメン1杯のスープに含まれている塩は、だいたい5グラムだそうです。
いや、でも、ラーメンのスープを飲み干すってことはしないから、大丈夫でしょ、って考えがちですけど、一緒に餃子なんかを食べるとしてタレにしょう油、使いますよね。
そもそもラーメンの麺、シナチク、チャーシューにも塩って入ってますよね。
たぶんおそらく普通にラーメンを食べれば5グラムは超えているでしょうし、餃子を一緒に食べていれば、その1食だけで10グラムオーバーしている可能性が高いです。
まあね、これまでの歴史的な食習慣ってこともあるんでしょうけれど、1日10グラムっていう日本の推奨値に対して、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が推奨している1日当たりの塩分摂取量は5グラムだそうです。
ええーっ! 世界レベルで考えたらラーメン餃子1食でアウト! でっす。倍ぐらいいっちゃう。
個人的には外食中心ですので、毎食アウトなんじゃないかって思いますね。
一日に、いったいどれぐらいの塩分を摂っているのかって、意識してます?
日本人のほとんどの人が毎日10グラム以上は摂取している気がしますよ。「現代人は塩中毒」っていうのも頷けちゃう感じです。
塩を摂り過ぎると血液の中に塩分が増えます。
そうなるとナトリウムが血管を傷つけることを防ぐために、身体は血管の中に水分を多く摂りこんで血液の量を増やします。
なので塩辛いものを食べると、水が飲みたくなるんですね。
流量が増えた血液は血管を圧迫しますので「高血圧」になる。
それでも塩を余分に摂り続けていれば、血管が傷付いて「動脈硬化」になったり「脳卒中」になったりする可能性が高まるってことなわけなんです。
ふううん、ヤバイじゃん。とか思っていたらですね、ますます悪い方向の研究結果に出くわしてしまいました。
ずっと塩を余分に摂り過ぎていて、それを急に止めると、脳内に塩を欲しがるタンパク質が現れるんだそうです。
っていうことはですね、塩分摂り過ぎだよねえってことで控えるようにしたとしても、ある種の「禁断症状」と戦わないといけないってことなんですね。
ん~。これは、なかなか深刻でコントロールが難しそうなことですね。
過剰に神経質になって塩分を摂らないようにすると、禁断症状との戦いになる前に、塩分を排出しやすい身体になってしまって、血液の中のイオン濃度が低くなって昏睡状態に陥りやすいんだそうです。
なんだか調べれば調べるほど難しいことばっかりが増えていくような。
「適度に」っていうのが、なんとも難しい塩分です。
最後にコワ~イ話を。
致死量の話です。
食塩の主成分、塩化ナトリウム。
体重1キログラムあたり、3グラムから3.5グラム。
ってことはですね、体重70キログラムの人が210グラムから245グラムの接種でアウトだってことです。
一般的な家に置いてある食卓塩が100グラム入りです。
200グラムを超える量って、普通に考えれば一回で摂る量じゃないですけど、塩の取り過ぎで赤ちゃんの死亡事故も起きているっていう事実はあります。
体重が10キログラムに満たない赤ちゃんであれば、小さじ一杯5グラムは完全に致死量になりますよ。
ちっちゃい子どもには気を付けあげてくださいね。
続いて砂糖。
体重1キログラムあたり、15グラムから36グラム。
純粋に砂糖だけを摂取するってことは、まずないとは思いますけど、砂糖の過剰摂取でも人は死んじゃうんですね。
酒のエタノール。
体重1キログラムあたり、5グラムから14グラム。
まあね、これは急性あるオール中毒で実際に亡くなっているニュースが時々報道されますもんね。
コワイことです。
サプリメントなんかでも人気のビタミンC。
体重1キログラムあたり、12グラム。
ええー!? ビタミンCでも死んじゃうの? でも、そうらしいです。
最後に、水。
体重1キログラムあたり、86グラムから360グラム。
そです、水でも摂り過ぎは、死、です。実例もあるんだそうです。
何事も適度がよろしいようで。ま、それが難しいことではあるんですけどね。
だって、塩が旨さのベースなんだもんねえ。