< アルツハイマー型認知症と症状は同じなんだそうですけど 回復できるところが大きな違い >
病院にはですね「もの忘れ外来」っていうのがあるんだそうでございますよ。
知ってました?
まあ、病院とかそんな行きませんし、大きな病院っていえば眼科に通っていた時期がありますけど、自分の行くべきところに迷わずにたどり着くのが精一杯でしたからね。他にどんな外来があるのかなんて病院の中を観察している余裕はなかったですからね、「もの忘れ外来」っていう存在に出くわした経験はありませんです。
やっぱりみんなね、最近、もの忘れがひどくなってきた、って心配になっちゃうこと、あるわけですね。
その不安を受け止める、相談窓口が「もの忘れ外来」ってことなんでしょねえ。
それは、今のもの忘れ症状の向こうにあるんじゃないかっていう「認知症」が怖いんですよね。
認知症っていうのにはいくつか種類っていいますかパターンがあるらしいんですけど、ごく一般的に認知症って言われているのが「アルツハイマー型認知症」ですね。
アルツハイマー型認知症の原因は、年齢を重ねるにしたがって、アミロイドβっていうタンパク質が脳内に溜まってしまって、正常な脳細胞がダメージを受けるからっていうことなんだそうで、老齢になってくると不安も大きくなっちゃいます。
もの忘れ外来を受診する人も70代以上の人がほとんど。
ところが2010年ごろから、30代から50代の働き盛りの人たちの受診割合が急激に高まっているんだそうです。
「人や物の名前が出てこない」「日常作業でのうっかりミスが増えた」
っていう症状がひどくなって、仕事にも支障をきたし始めた。
そうなってきて自分から病院を探して受診するってことみたいなんですけど、MRI検査をしても異常が見つからない。つまり脳内のアミロイドβがもの忘れの原因じゃないってことですね。アルツハイマー型じゃない。
じゃあ、もの忘れの症状が出ているのは何でなのか。
「認知機能テスト」っていうので調べていくと、脳機能が低下しているっていうことが分かるんだそうです。
ええ~!? 脳機能低下!? なんでやねん!?
むっちゃコワイですよね。タンパク質のせいとかじゃなくって、脳の機能が低下している方がヤバイ感じです。
なんで中年の人の脳機能が低下しちゃうのか。原因不明。
で、いろいろ調べた結果、今現在で言われている原因が「スマホ依存症」ってやつなんですね。
四六時中スマホを手放さない。ほぼ無意識にスマホを触っている。
まあね、たしかに。ずっとスマホを持っている人っていますね。無意識にってことだとするとけっこう重症なのかもですよ。
呑み屋さんのカウンターで、ずっとスマホをいじっている人っていうのもいます。それで息抜きできるのかなあ、とか余計なお世話の心配をしちゃいます。もっとボーッとして酒と向き合った方が旨く呑めるでしょうにって。
ずっとスマホをいじっているっていうのは、やっぱし、あんまりイイことじゃないってことですね。
スマホ依存症の症状として、着信音やバイブ音の「空耳」が聞こえるっていうこともあるみたいです。
慌ててスマホを確認する。うんにゃ、あんたのスマホ、鳴ってませんよ。なにをそんなに焦っておられるんですか。
いつでもスマホと繋がっていたいっていう欲求が脳内に出来上がっちゃっているんでしょうかね。
「空耳」っていう待ち状態の強迫観念とは違いますけれど、積極的スマホ依存っていうのか、よく有りがちって感じるのは、なんでもすぐにスマホで検索っていうパターンですね。
お店の情報だとか、その場で初めて聞いた言葉だとか。なんでもスマホ頼りになっている人、少なくないですもんね。突然音声入力とかされるとビックリしますよ。
「かめはめ波を研究している人は誰?」
お、おまあ、ナニモンやねん!?
そういう行動になるのも常にスマホを手に持っているからなのかもしれないですよね。
こうして「スマホ依存症」になっちゃうと、自分が意識している以上に情報が入って来るんで、それで脳が疲れちゃう。
かめはめ波を研究している人の名前がストレートに出てこなくたって、なんだかわけの分からない情報はたくさん出てきますからね。そういう情報も脳は受け止めているわけです。
スマホ認知症の脳機能低下っていうのは、つまり脳疲労ってことなんだそうです。疲れちゃってる。
とにかくどんな情報でも簡単に大量に脳の中に入って来て、整理も何も出来ていないのに、そこへさらに新しい情報が入って来る。こうなると、脳の中がゴミ屋敷状態。
「人や物の名前が出てこない」「日常作業でのうっかりミスが増えた」っていう状態になっちゃうってことです。
いや、もちろんありますよね。脳が疲れていなくたって、あります。
ほら、あれでしょ、あの人、ああ、名前出てこない! なんてことはしょっちゅうやってますし、誰でも経験していると思うんですけど、自分から病院へ行くっていうのは、また違うレベルなんでしょうね。
働き盛りのスマホ認知症で目立つのが「今まで出来ていたことが出来なくなる」っていうことだそうです。
あれ? どうしちゃったんだろう自分。
っていう感覚に陥っちゃうのは、けっこうな恐怖感でしょうね。能力ダウンの自覚症状って、かなり怖いでしょ。
スマホでユーチューブだとかを見ていて、気がついたらすごく長い時間が経っちゃってる。っていうようなことを経験している人も少なくないのかもしれないんですが、そうやってスマホに自分の時間を盗まれちゃっていることが頻繁な人は、すっかりスマホ依存症になっているって考えていいんでしょうね。
そんな状態ですと、ずっとブルーライトを浴び続けているわけで、脳が休めなくなっちゃうんだそうで、悪循環なんですね。脳が休んだり、情報を整理したりする時間が全くなくなる。
ブルーライトの目や脳への悪影響っていうのはかなり前から言われていて、ブルーライトカットのメガネっていうのもありますよね。でも最近あんまり聞かなくなったブルーライトカットメガネ。眼精疲労の症状を普通のレンズと比較してとくに変化がないっていう研究結果が発表されたりして、効果がハッキリしないっていうのが現状みたいです。
不安の原因は脳疲労ってことになるわけですけれど、アルツハイマー型認知症と違って、スマホ認知症は脳を休ませてあげれば治るんだそうです。
良かったですよねえ。回復できるんだそうです。(って、誰に言うとんねん)
入院、あるいは通院治療っていう方法もあるそうですけど、そこまでオオゴトにならないうちに、脳を休ませる方法ってうのは、ボーッとする時間を作ることだそうですよ。
短い時間でもイイそうで、とにかく脳を休ませる。ボーッとする。私は得意です、ボーッとするの。
それと、当たり前ながらスマホ、パソコンに触らない時間を長くするっていう「デジタルデトックス」っていう方法が効果的。
ま、スマホ認知症は年齢に関係なく、っていいますか、むしろ30代ぐらいの若い世代に急増しているらしいですからね。これからの日本を背負って立つ人たちが治るっていうにしても、認知症状態になっちゃうっていうのは由々しきことです。
自分で意識して「デジタルデトックス」に取り組んで欲しいと思います。
中年時期、壮年時期にスマホ認知症になっちゃうと、年齢がいってからアルツハイマー型認知症になる可能性が高くなっちゃうっていう説もありますよ。
居酒屋さんのカウンターで、
「ほら、あそこでしょ。あの橋、なんて言ったっけ。あの橋へ行く道なんだけどさ」
「そうそう、それなんだよ。あの橋の直前にあるんだよ」
「橋? ああ、あそこね、片側2車線の」
ってね、こんなことを言ってる3人のオヤジは、3人とも同じ橋の絵が頭の中に浮かんではいるんです。しっかりハッキリその橋の映像が頭の中に浮かんでいます。
でも、その名前が出てこない。
で、橋の名前を思い出そうとして、しばらくその橋の周りの店やら、建物やらの話をするんですが、店の名前も建物の名前も、
「ほら、喫茶店があるよね、左側に」
「左じゃないよ、右側でしょ。茶色いビルの2階」
「そこじゃなくてさ、そこにもあるけど、喫茶店ね、なんて言ったっけ、あの喫茶店」
ってなことに話が流れていってですね、
「何の話だっけ? 最初、何の話してたっけ?」
っていうことで、橋の名前とか、そもそもその橋が何の説明のために必要だったのかも、さっぱり、あさっての方にいってしまいますので、しばらく沈黙して、また別の、全然関係のない話に移っていきます。
3人ともスマホ依存症じゃないです。
話がワケワカラン状態になっちゃうのは酔っぱらっているせいでもなくって、たぶん3人ともアタマがパーだからだと思います。
そして3人とも、それぞれに自分が一番マトモ、って思いながらグラスを口に運んで、夜は更けていくのあります。
ね。こういう時間をつくれば、脳疲労、軽くなりますよ。
下手な考え休むに似たり、っていう積極的にボーッとする方法です。
スマホ認知症を心配し過ぎて、スマホで検索し始めますと、はい、悪化しちゃいますよ。
ボーッとするか、無駄な話をするのがクスリです。知らんけど。
みなさま、こまめにボーッとして、ご健康に~!